【白光作戦】日光湯元〜前白根山〜奥白根山〜五色山〜日光湯元【甲35.2】
- GPS
- 07:36
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,550m
- 下り
- 1,534m
コースタイム
- 山行
- 6:14
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 7:35
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
前白根山経由往路:前白根山付近を除き、かなり激しい急登。 国境平〜日光湯元間:笹の藪と急坂。笹薮で道が隠れ、そこに大きな段差があったりする。高さ1m以上の段差もざら。 |
その他周辺情報 | 日光湯元で日帰り入浴できる。 |
写真
感想
通勤の際、東武鉄道直通の電車に乗るのだが、車内の動画広告でずっと気になっているものがあった。東武鉄道「ニッコウ鉄タビ」夏編CMだ。「ここはカナダ・・・ではありません。」というナレーションから始まって、外国人女性が山頂の岩場で「ニッコウメッサイイトコネェーィ!」と感嘆するものだ。
それを何回も見せられていると、やはり奥白根山に行きたくなってくる。というわけで、今年最初(で最後?)の日光は奥白根山に決定。ちょうど、2500m超級の山にも行きたかったし。
【山行可否】
万太郎山から下りながら、日曜に予定通り日光白根山を歩くのか考える。20km近く歩いておいて言うのもなんだが、直前に再発した出来物が歩くと擦れて悪化することは目に見えている。ここは草津辺りで熱い温泉にでも浸かって湯治でもしようか。と考えた場面もあったが、最後の最後まで日光白根という選択肢は持っておきたい。人生においては常に選択肢を持っていたいものだ。一つしか、これしか道が無いと思ってしまっては、すぐに行き詰る。また、選択肢があるか否かは幸福感や満足感にも影響するだろう。
とりあえず、下山後の温泉は日が暮れる前に三国峠を越えて猿ヶ京温泉とし、さらには、日光湯元まで行ってみて当日の状況を見て出処進退を判断することとした。と言いつつも、コンビニで翌日の食料を買い込んだりして、日光白根山を歩くための準備も疎かにはしない。
金精峠を越えて21時過ぎには湯元に着き、早速就寝。途中の道路で温度計が3〜5℃を表示していたが、標高が1500m近くある奥日光はかなり冷え込む。寝袋の上に毛布を掛けてもなお寒かった。
【光り輝く白根の奥山へ】
寒さで3時前に目が覚め、暫くゴロゴロしてから山行準備に取り掛かる。出来物が腫れてはいたが、山行を阻害する要因は他に無かった。当初、群馬県側のロープウェイ駅まで足を伸ばす予定だったのを奥白根山から引き返すことにして体への負担を抑えつつ、あまり速く歩けないことを見越して、予定より早い5時前に駐車場を出発する。日の出1時間前の谷間は真っ暗だが、道の白い砂利が仄かに進むべき道を示してくれる。それと寒さもあって、久方ぶりの未明山行ではあったが、あまり恐怖感はない。鹿と思われる動物の悲鳴のような鳴き声も普段では恐ろしく感じるところだが、足元に集中して歩いていると、あまり気になることも無かった。
暫く歩くと灯りが見えてきた。全く動かないので変な所に常備灯があるなと思っていたら、山行者が休んでいるのだった。もう少し明るくなってから入山しようと言うことなのだろうか、確かに、それ以降、外山尾根に上っていく道は、急登なうえに土砂が流出しやすいらしく、大きな段差が相次ぐ。可能であれば日の出までに尾根に登ろうと思ったりもしたのだが、あまりの急坂に早々に諦める。
尾根に登ってしまえば前白根山まで穏やかな山行になる。そして、前白根の辺りまで来れば、日光男体山から女峰山、正面には奥白根を一望でき、以降、広々とした青空の下、快適な山行を楽しむこととなる。
一度、避難小屋まで下った後、岩の山頂を目指して最後の一登り。ここに来てようやく対向者が現れる。結局、山頂部まで他に登る人は見受けられず、ロープウェイもあって日光湯元よりも楽と思われる群馬側から登る人が多いことが偲ばれた。
日光白根山の山頂部は、いくつかの岩の突起の他に、お鉢のように若干窪んだ所があったりと結構広々としている。そこで、CMに出ていた岩の上に座ってみたり、お鉢の周りをぐるりと巡ってみたりとしていたら、あっという間に数十分が経過していた。
【彩色の沼を巡って下山へ】
山頂部からは五色沼、弥陀ヶ池、県境付近の大きな菅沼を見ることができる。沼と池の違いはよく分からないが、沼は池と湖の中間らしい。その語幹の悪さから、埼玉県にさいたま市ができた時は「見沼区なんか嫌だ」という声もあったらしいが、五色沼や菅沼を見てもそんなことが言えたら大したものだ。
空の青と沼の青を見ながら下山に移るが、この弥陀ヶ池までの下りが今山行の最要注意地点。まず、道を間違えた。すぐに何かがおかしいと気づいて戻り、後をついて来た人に「間違えました。すみません。」と誤って正規ルート復帰。その後、ガレガレの斜面を何度も滑りそうになりながら下る。上ってくる人も結構いたので、道を譲ろうとして端に寄ったら足元の石が崩れてもんどりうった。こんな派手に転倒したのは久し振りだ。早く譲ろうと思って気が焦ったのかもしれない。こういう時こそ落ち着きが肝心だ。
そういう失敗はあったものの幸い衣服に汚れは無く弥陀ヶ池に降りる。そこで気を引き締めなおして五色沼から五色山、国境平を経て下山に移る。
この五色山から国境平の間に笹が煩い箇所があり、日光湯元側からの登山者が少ないことと相まって、これはもしやという不安が頭を持ち上げつつあったが、それは国境平から先、下山に移って現実のものとなった。新・分県登山ガイド8『栃木県の山』では、「ササ深い緩斜面を下っていく」とサラッと一行で済まされてしまっているが、この笹の藪漕ぎを下りでやるのは結構大変だ。かつて歩いた焼石岳の笹薮に比べたらまだマシな方だが、まず足元が見えづらい。そして、その隠れた足元に地面がない、つまり大きな段差があったりするのだ。とても緩斜面だから大丈夫とは言えない。地面があると思っていた所に地面が無かったらどうなるか。少なくとも道の部分に関しては「大きな段差が連続する」と銘じておくべし。さっさと笹薮を抜けたいという思いはありつつも、焦らずに慎重に足元を確かめながら下る。笹薮を抜けても大きな段差の道は暫く続き、平地まで下りてホッと一息つくのはもう少し後のことになる。こういう道はあまり下りたくないが、かといって外山尾根の方も土砂が流れて大きな段差になっており、どっちもどっち。湯元側からの登山者が少ない理由の一つだろう。しかし、それは静かな山行を落ち着いて楽しめるということでもある。緊張感を持って山を歩くということを大事にしている人には適したルートと言えるかも知れない。
【総括】
下山してみると、街は路肩駐車も出るほどの混雑ぶり。湯元で入浴していこうと考えていたが、これはさっさと帰った方が良さそうだと早々に日光を去る。奥日光へ来る車線は大渋滞で車が全く動かず、日光から出る車線も二荒山神社中宮祠、華厳ノ滝、いろは坂あたりでちょっとした渋滞が発生していたので、その判断で正解だったようだ。しかし、奥日光まで来て入湯しないというのは勿体無かった。予算に余裕ができたらまた宿をとるなどして余裕を持った周遊をしてみたいものである。
〜おしまい〜
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