岡山県真庭市 清水寺〜大野呂山〜塩滝 キク&蛇紋礫岩いっぱい
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- GPS
- 04:55
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 599m
- 下り
- 598m
コースタイム
- 山行
- 4:31
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 4:54
歩行距離12km、歩行時間4時間30分、歩行数17,700歩
天候 | 曇り一時霧雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
バスを利用する場合は、JR落合駅より別所ルートで「清水寺」バス停下車後、すぐ近くです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
清水寺(せいすいじ)<写真01〜08>から大野呂山(おおのろやま)<写真23>までは傾斜の緩やかなアスファルト道なので安全・安心です。 大野呂山頂上<写真23>から576mピーク峰<写真24>経由で本宮集落に下る標高400mまでは山道でヤブコギコースとなります。地形図やコンパス、GPSなど現在地確認ができるツールが必携となります。特に、576mピーク峰<写真24>から、その北東標高470m付近(GPSログが大きなダマになった付近)まではルートファインディングが必要で、我々は30分程かかりました。 本宮集落から清水寺(せいすいじ)<写真01〜08>までは、塩滝公園内<写真27〜47>以外はアスファルト道です。塩滝公園内<写真27〜47>の礫岩コースや塩滝コースは遊歩道が整備されており、道標もついているので、運動靴でも十分歩けます。ただし、傾斜が急な所は滑りやすいため、濡れているときの下りは要注意です。 |
その他周辺情報 | 北房IC近くに「コスモスの里特産品ふれあいセンター」があります。地元産の生鮮野菜を中心に、加工品や山野草、季節の野菜等を安く販売しています。センターの裏にはコスモス広場があり、約100万本のコスモスがちょうど見頃を迎えているそうです。さらに、コスモス街道といわれる備中川沿いにもたくさんのコスモスが咲いています。10月いっぱいまで楽しめるでしょう。 全国的に有名な醍醐桜がすぐ北(歩いて行ける距離)にあります。桜の開花時期に来ると、自動車大渋滞コースとなりますので、桜見以外の目的で来る場合は、タイミングを考えた方がよさそうです。 |
写真
当初は大野呂牧場辺りで駐車場を探しましたが、なかったので、牧場から北東に進み清水寺(せいすいじ)の駐車場を探しました。境内付近に砂利を敷いたスペースがありましたが、少しスルーした所に停めました。
清水寺は真言宗の古刹で奈良時代の天平8年(736年)、越後の僧侶智泰澄により開基されたと伝えられています。山門には室町時代初期の作と推定され、岡山県の重要文化財に指定されている金剛力士像が安置されています。
山門の向かって右には高さ198cmの木造金剛力士像の阿形(あぎょう)像、左には199.3cmの咮形(うんぎょう)像が安置されていました。写真は吽形像の足です。ガラスがはめられた格子窓なので全体像が見えませんでした。
花は淡い青みがかった色で、葉は触ると少し毛でザラついていました。<写真05>とは雰囲気が違うような気もします。キクの仲間は見分けるのが難しいです。たくさん咲いていたので、動画も撮りました。
大野呂牧場周辺に突然現れて、我々を大野呂山方面に先導してくれました。飼い主が「ジロー」と呼ぶのが聞こえましたので、我々もジローと呼ぶことにしました。<写真16>の場所で行方不明となりました。先に大野呂牧場に帰ったのでしょう。
北東方面展望
大野呂山の尾根は全体的に緩やかで、時折、展望が効く場所があります。ジロー<写真13>の鳴き声らしき甲高い声が聞こえましたが、すぐに静かになりました。ここから動画も撮りました。
三角点標<写真20>のすぐ西側から少しヤブコギしながら進むと、コンクリートの蓋で覆われていた三角点がありました。この蓋を開けることができず、三角点をコンクリートの隙間から覗きました。
大野呂山の頂上はなぜかフェンスに囲まれたコンクリートの台のようになっていました。扉は閉まらなくなっていたので、中に入ってみました。もしかしたら、昔ここに鉄塔があったのかもしれません。自動車でこの近くまで来ることができます。このすぐ北側から西方面へ向かうことにしました。木々の間は少し広く、下草もまばらで短く、思ったよりも歩きやすかったです。地形図にある北から延びている実線の道に入りたかったのですが、ヤブがきつくなり崖になっていたので、ひとまず、地形図上の576m峰<写真24>を目指しました。
木々の間には細道が続いているようでした。緩やかな尾根を進み、着いたら、ピークもヤブでした(*_*;道はなさそうでしたが、とりあえず北に下ります。西側にフェンスがありましたが、すぐになくなりました。
傘の直径は7cm程で軸にも突起がたくさんありました。ここから木の細枝をかき分け、途中から崩れやすい斜面の植林帯を東に下りました。北に向けて雑木林をスライド、再び植林帯を下り北にスライド、最後は杉の木につかまりながら下り、標高470m辺りで急に砂利道に出ました。シダが茂り石が転がる沢沿いでは、ちょろちょろ流れる水に注意しながら何度か倒木をまたぎ、10分程で広く歩きやすい砂利道に変わるとほっとしました。
プレートが取れていたのですが、おそらく、この岩が山上岩だと思われます。岩の奥まったところに、やはり石仏が設置されていました。東に細道が延びていましたが、下っていきそうだったので引き返しました。もしかしたら、この道の先にくぐり岩があったのかもしれません。
山上岩?<写真40>の西隣の岩で、ここで遊歩道は行き止まりのようです。写真では伝わりにくいですが、一つ一つが大きな蛇紋岩層です。特にこのエリアに集中します。ここから全体を動画に撮りました。
山上岩?<写真40>から少し戻った所です。なかなか大きな礫岩だったので、最初はこれがそうかと思いましたが、プレートがありませんでした。これだけ、蛇紋岩が特定エリアに集中するのは、西日本ではここだけではないでしょうか?動画にも撮りました。
塩滝公園の駐車場の端のほうです。完全な草地でした。ヤマラッキョウの和名は食用のラッキョウに似ていることに由来しています。地下には球根があり、地際から数枚の細い葉を出し、夏の終わりから秋にかけて花茎を出して紫色の花を咲かせます。周辺に群生していました。
草が茂り気味の遊歩道を歩き、赤い橋の上に出たところです。塩滝は幅3m、落差43mの滝です。動画も撮りました。ここを北端として、流紋岩層である屏風岩が南へ300m連なっています。見事な礫岩の壁ですが、残念ながら、ほんの一部しか見えません。石段を下りて地形図の実線の道に入ってみましたが、草が茂り気味だったので引き返しました。アスファルト道を清水寺に向かって歩きます。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
ファスナー付クリアーファイル
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
〜ジロー物語〜
大野呂牧場を通過していると、突然、牧場の犬に吠えられました。警戒吠えと思いきや我々に近づいてきて、様子を伺っているようでした。見るとビーグル犬の雄でした。我々が大野呂山に向かうと、その犬は「俺についてこい!」と言わんばかりに、我々を誘導するのでした<写真13>。すると、その犬が戻ってこないことを心配した飼い主が大声で「ジロー」と叫ぶ声が聞こえました。彼の名はジローだということが判明しました。
ジローは飼い主の呼びかけに応じることなく、どんどん我々を先導します。そのうちにジローの姿は見えなくなりました。やがて、展望が効くススキが原のような場所<写真16>に到着しました。我々がそこで展望に興じていると、突然、この原っぱの奥の方でニワトリのような甲高い声で鳴く声がしました。ジローのようですが、姿が見当たりません。「ここ掘れワンワン」だったのか、秘密の場所を我々に教えようとしていたのかは、定かではありませんが、結局、ジローが再び我々の目の前に現れることはありませんでした。もし、大野呂山を再訪する機会があれば、ジローの真意を確かめるべく、ジロー物語2をレポートしたいと思います。
〜新生代の地殻変動の証、蛇紋岩層〜
大野呂山の北東、旭川源流の関川に面した斜面にはたくさんの礫(れき)岩である蛇紋岩(じゃもんがん)が見られます。今から約3億年前の古生代に活発な火山活動によって生成され、黄緑色や暗緑色に見えます。表面にぬるぬるした光沢があり、蛇の肌に似ているので、この名がついたようです。この辺りでは、今からおよそ一千数百万年前の新生代新第三紀に浸食された蛇紋岩が丸い礫となり堆積し、これらの礫が石灰分でセメント作用を生じ、堆積岩となり、礫岩層を形成しました。
この礫岩層は塩滝<写真47>周辺一帯に連なり、北海道の天塩北見地方と共に我が国有数の蛇紋岩地帯となっており、岡山県指定天然記念物になっています。特に塩滝を北端とする屏風岩は長さ300m高さ30mにもおよぶ巨大な礫岩層を形成しています。その一部は動画や<写真35>以降でも紹介しているように、間近で観察することができます。
今回の山行は大野呂山頂上<写真23>で引き返すか、ヤブコギを承知で進むか迷いました。結果として大野呂山北西稜線を強硬突破することで、この礫岩層にたどり着くことができました。もちろん、大野呂高原塩滝公園までは自動車でアプローチができるので、この礫岩層が集中するエリアだけを楽しむことは可能ですが、苦労した分、感動も大きく、満ち足りた気分で山行を終えられました。これもジローが我々と一緒に大野呂牧場まで帰ろうとしなかったおかげ?
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