仙丈ヶ岳 (北沢峠-小仙丈ヶ岳-仙丈ヶ岳-馬の背-丹渓新道-歌宿)
- GPS
- 05:30
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,165m
- 下り
- 1,502m
コースタイム
天候 | 快晴 森林限界より上は微風・弱風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北沢峠-小仙丈ヶ岳-仙丈ヶ岳: 登山者大変多い。北沢峠付近は雪や氷はないが、2200メートルを超えると登山道上にも見え始め、2300メートルを過ぎから山頂まで雪が途切れることはなかった。六合目直下付近は登山者による圧雪と日照による溶解・凍結により一部氷っぽくなっていた。今日の所はアイゼンがなくても通過できたが、今後の状況次第ではピッケルと共に必須になるかも。六合目から山頂まではサラサラの雪で氷なし。 仙丈ヶ岳-馬の背-丹渓新道-歌宿: この日は登山者の姿は全く見掛けず貸し切りだった。仙丈ヶ岳山頂より仙丈小屋まではトレースがあったが、以降丹渓新道に入り雪が消えるまでトレースは全くなかった。北沢峠からのルートと同様、2200メートル付近で登山道上の雪は消える。氷はなかったので歩き易かった。 |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
伊那側からのバス運行が終わる前に仙丈ヶ岳を訪問した。
前日の恵那山山行を終えて伊那方面に移動しがてら南アルプス方向を見ると、峰が白くなっているのがよく分かった。まずい、アイゼン持ってきていない。過去11月初旬にお隣の甲斐駒ヶ岳は二回登ったが、その時は雪や氷は全くなくて、風が冷たいことを除けばほぼ夏山の装備で往復できたのだった。300キロ運転して自宅まで帰ることも考えたが、好天予報を逃すのも惜しく、なんとかなるだろうと楽天的に考えて実行することにした。当日、平日なので始バスは8時過ぎとかなり遅い時刻。だが飛び石連休で好天予報も出ているためか、バスは二便出ていた。バスは定刻より少し早く北沢峠に到着、トイレに寄った後に行動開始。北沢峠にはさすがに雪や氷はなかったが、歩き始めてしばらくすると雪がちらほら見られるようになる。案外早くから雪かもしれないと思い不安になる。気温は低く、歩き始めて20分ほどしても手の先がかじかむほど。温度計がないので不明だが、氷点下は間違いないだろう。標高が2200メートルを超えると雪の上を歩くことが多くなり、2300メートルを超えると雪が完全に繋がってしまった。アイゼン無しでどこまで行けるか?という状態になってきた。藪沢との分岐で小休止。下山の登山者はチェーンスパイクや軽アイゼンを使っている。何もなしで降りてくる人もいる。雰囲気としてはどうしてもアイゼンが必要ではなさそうだった。六合目で森林から抜け出し大パノラマが広がるが、その手前は圧雪と氷に近い雪の斜面で、スリップするし登りづらかった。先が思いやられたが、結局後にも先にも氷に近い雪はこの斜面にしかなかった。思うに多くの登山者により雪が踏み固まって氷になったのだろう。小仙丈ヶ岳付近では甲斐駒ヶ岳、鋸岳、そして日本の標高1-2-3が見える。空気は冷たく気温は低いものの、快晴で風も強くはないので景色にみとれ、写真を撮りながら先に進む。カールにも雪が積もっており、この時期に白くなったカールを見られるとは思わなかった。縦走や日帰りで何度も訪問している仙丈ヶ岳だが、雪を纏った姿を見るのは初めてだった。北沢峠を出てから2.5時間かからずに3000メートルを超える山頂に到着。思った以上に積雪があり、滑り易いなかを登った割には到着が早かった。あまり広くはない山頂には既に多くの登山者がいて、ゆっくり休むスペースもないほどだった。山頂まできてこの後の行程を考える。ここまで良いペースだったし、雪の状態も多いが悪くないので他のルートも同様だろうと想像し、北沢峠のピストンではなく、馬の背経由の丹渓新道を利用することに。山頂滞在もそこそこに下りに取り掛かる。仙丈ヶ岳山頂までは雪はあってもラッセルは皆無だったが、ここから先はトレースも薄く、あまり歩いた人がいないようだった。一部くるぶし程度のラッセルをしつつカールの底の方へ向けて下る。仙丈小屋は既に今シーズンの営業を終えていて、冬期避難小屋になっていた。中をのぞくときれいなので機会があれば泊まってみたいがチャンスはあるだろうか。ここから先、丹渓新道方向はトレースが全くない。仙丈ヶ岳の初冠雪以降はこのルートを歩いた人がいないということだろう。少し緊張するが、ルート的に難しそうなところはないし、時間的にも余裕があるので更に進むことに。しばらくは馬の背の名が示すとおり緩やかな登山道が続き、振り返れば仙丈ヶ岳が見える。馬の背ヒュッテ手前で丹渓新道に本格的に入る。ここからは自分にとって未踏の区間。雪は相変わらずあるが、誰も歩いていないので固まっておらずサラサラ。そして振り返れば相変わらず仙丈ヶ岳が見えるが、北沢峠からのルートから見るそれとは大分雰囲気が違って見えて新鮮に感じる。今まで自分が見てきた仙丈ヶ岳は、本来の仙丈ヶ岳の一部に過ぎないと実感した。いずれにしても格好の良い山である。所々崩壊地が口を開けていて、少し緊張しつつ通過する。馬の背の登山道もそろそろ終わりで樹林帯に入っていく。氷が出てきたら嫌だなと思いつつ進むが、硬い雪はあっても氷はなく、心配は杞憂だった。雪面に関しては、登山者が多く皆で踏み固めている北沢峠からのルートのほうがむしろ危険な箇所が多いと感じたくらいだった。樹林帯に入ってしまうと展望はほぼなく、葉の散った広葉樹の間から甲斐駒ヶ岳と鋸岳が少し見える程度。夏ならほぼ何も見えないだろう。丹渓新道の整備状況は大変に良く、ルートは明瞭だしあちこちに赤テープが貼ってあって迷うようなところもない。北沢峠からのルートに比べ距離が長く標高差が大きいことを除けば、大変に良いルートだと思った。雪が消えると落ち葉が厚く堆積したトレイルを歩く。落ち葉ラッセル状態で、雪に続いてこちらも膝痛持ちには大変有り難い。14時前頃に急な階段を降りて丹渓新道の入口に到着。ここからは鋸岳が大きく見える。バスは自由乗降らしいからここで座って下山のバスを待っても良かったが、歌宿までは歩くことに。バス停には当然誰もおらず、温度計があったので見てみると氷点下1℃とあった。歩いてきたので寒さは感じなかったが、到着後クールダウンしているとしんしんと寒さを感じるように。バス停には待合所があり中で座って待っていられるが、火の気がなくバス停一帯が山陰で大変寒い。バスの予定時刻よりかなり早く下山してしまったのでここで2時間弱待つことになった。体を冷やさない為にも先に進むこともできたが、重登山靴でアスファルト道路を長距離歩くと足へのダメージもあるので寒さを我慢することに。15時過ぎに時刻表にないバスが降りてきたので慌てて乗車。極寒の待合所で2時間待ちという修行から逃れられた。丹渓新道は実に良いルートだったが、歌宿のバス停が寒すぎて、次回寒い時期に来るなら防寒着必須と思った。
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