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記録ID: 102839
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ハイキング
甲信越

燕岳往復訓練登山

2005年07月17日(日) [日帰り]
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nobou その他7人
GPS
16:00
距離
9.3km
登り
1,388m
下り
1,384m

コースタイム

5:55中房温泉6:30-7:07第1ベンチ-7:33第2ベンチ-7:45(休)8:00-8:20第3ベンチ-8:55富士見ベンチ-9:00(休)9:10-9:35合戦小屋10:20-10:35合戦ノ頭-11:30燕山荘分岐・昼食12:20-13:00燕岳山頂13:10-13:30山荘分岐13:50-14:30合戦小屋15:00-15:15富士見ベンチ-15:35第3ベンチ-15:52第2ベンチ16:00-16:18第1ベンチ16:40-17:00中房温泉
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2005年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
保高駅集合-中房温泉へ移動
コース状況/
危険箇所等
このコースは整備され過ぎていて逆につまらないが、子ども達のトレーニングには都合のいいコースである。

感想

 7月17日
 穂高駅5:00集合。同15発、中房温泉5:55着。駐車場満杯で路上に停める。登山者多数。晴れる予感。
 参加者はRyo,Nozomi,Ikuma,Go,Kina,Yuka,Kinaの母,nobouの計8名。ブログでの呼びかけにYukaが応えてくれて『燕に登る!』と言い出したものだから、昨夜のYukaん家はパニックみたいな騒ぎだったそうな・・・。よかった!

 燕岳は大にぎわい 
 6:30発。第1ベンチまでいきなりの登りはちょっときつい。すぐに暑くなったので立ち止まって着ているものを各自1枚減らすよう指示。子ども達とお母さんに先に行ってもらい、最後尾をゆっくり登る。体調管理不充分のためか、たいした荷物でもないのにペースが上がらず、次々と登ってくる登山者に道を譲る。
 7:00頃,休んでいる低学年2人とお母さんに追いつく。立ち止まって呼吸を整え、後続の登山者に先に行ってもらってすぐに歩き始める。
 7:07,第1ベンチ通過。『え〜っ! 休まないのぉ〜』,『さっきやすんだジャン』,『え〜っ,休むんじゃなかったぁ〜』,『いいよ,休んでも。先に言ってるからネ』と言うことで、低学年の2人(Yuka,Kina)とお母さんが最後尾となる。
 相変わらずペースがあがらないままゆっくり歩いて7:33に第2ベンチ着。ここまで1時間半見ておいたので予定よりは早い。先行した高学年組の3人(Nozomi,Go,Ikuma)が休んでいて『先輩先に行っちゃって追いつけないよ!』とIkuma。相槌を打ってそのまま通過し、7:45,階段上の大きな木の根で休む。追いついてきた3人には『後の3人待って行くから』と先に行かせる。
 15分後,下からにぎやかな声が聞こえて元気いっぱいの2人が上がってくる。しばらくしてやや足取りが重い感じのお母さん。開口一番,『「小学生の団体が登ってきたかと思った」と言われました』と・・。3人にはもう少し休んでもらうことにして8:00に発つ。

 不調
 3日前に裸で扇風機をかけたまま寝込んでしまい、ブルッと来た時にはのどがおかしかった。翌日はなんとなくだるい状態で1日仕事をしたが、昨日になって身体が思うように動かず、喉が痛くて濃い痰が出るようになった。
 腹は一応減るが何を食べても不味く、昨夜は仕方なくお茶をぶっかけて流し込んだ。何よりも気力が奮いたたないのに参る。相方は『気管支炎を起こしている』と言って薬をよこして『肺炎になっちゃうよ』と脅し『燕岳なんてムリムリ・・』等と言う。
 ドタキャンする訳には行かないのでパンを2つ胃袋に収めて早々に寝た。これが効いたのか薬のおかげでか、今朝は気力,体調ともに回復していた。けれどペースが一向に上がらない。
 前週の鍬ノ峰では軽かった足取りが今日はやけに重く、腿のつけ根が痛い。この違いは何なのだろう,と考えると靴の重さらしい。
 以前,富士山から中学生を背負って下りたことがあり、そう言う場合も想定して子ども連れの時には踏ん張りの効く重い靴を履くことにしているから・・? それにしても靴が重いと思ったことはなかったのでやっぱり体力が落ちているのだろう・・。

 合戦小屋へ
 8:20第3ベンチ通過。Nozomi,Ikuma,Goら3人が待っていたので合戦の小屋まで行って待っているように言うと元気よく駆け出す。8:55富士見ベンチを通過して9:00から10分ほど待ったが見えないので合戦で待つことにする。
 9:35合戦小屋着。予定より1時間あまり早い。合戦小屋はすごい人でにぎわっており、その誰もが一切れ800円なりのスイカをほ頬ばっているのに驚く。ナントナント・・・,1玉に換算すると6800円のスイカと言うことになる!
 Ryoはここにもいなくてとっくに行ってしまったらしい。上級生3人を燕山荘まで先に行かせて待つこと40分,女の子達2人は相変わらずにぎやかにしゃべりながら上がって来たと思うとさっそくスイカにかぶりつく。
 後から来たお母さんに2人を任せて10:20発。15分の登りの後,合戦の頭に出るとそこはもうアオモリトドマツの森林を抜けたダケカンバ帯,左手のハイマツ帯にはマイヅルソウやツマトリソウ,アオノツガザクラ,チングルマ,コイワカガミ,右手の谷側にはコバイケイソウ,ナナカマド等の花が見られる。全体に白い花が多い中でコイワカガミの濃いピンクが目立つ。
 合戦の頭からは稜線の道となり、道も緩やかになるが、所々にガレた所があって階段がつけられていたりする。やがて燕山荘の建物が見える辺り、谷側の湿性お花畑にシナノキンバイやミヤマキンポウゲが見られるようになる。

 ストックについて考えてみた
 稜線に出て少し余裕ができると、登山道につけられた無数の穴が気になり始めた。『ストック(正式な呼び名は知らない)』でつけられた穴である。道だけでなく、道の脇の草つきと登山道の間の崩れた砂が柔らかく堆積している部分,そこにも遠慮なくズブズブと突き立てられている。柔らかいだけに穴が深く、中には大きくえぐられている所もある。それは醜く無残な光景である。
 縦走路の脇に登山者が踏み込まないようにロープが張ってあってその外側の少し離れた所にコマクサが咲いているところがあるのだが、そのロープの外側にも延々と穴の列が連なっているのを見ることがある。コマクサの根は砂礫の中を長く伸びているからロープが張ってあるのにこれでは意味があるまいと思うが、それについて注意を喚起するような立て札はなかったように思う。
 あんまりひどいところを足や、時には手でで消しながら歩いたがきりがない。なおしたところでどうせ次のストックでまた穴が開けられるであろうことは分かりきっている。それにストックを使っている人の目の前でやるのも当てつけがましいので程ほどにはしたが、気にし始めると気になって仕方がない。
  以前,急登で重い荷物にあえいでいる時,突然目の前に2本のストックを突き立てられて驚いたことがある。こっちは下しか見えてないからビックリする。あれは恐い。ストックを引き抜くように運ばないで後に跳ね上げる人もいるのでうかつに近寄れない。山であんな先の尖った凶器のような棒を振り回されてはかなわない気がする。
 そうかと思うとダブルストックに全身の体重をかけて急な斜面をすごい勢いで下りてくる人を見た。ナントその後にいつ折れるとも知れない細い2本の木を杖にした子どもが続いて勢いよく下りて来て2度仰天した。本人も危ないがまわりもたまったものではない。
 ストックの先はなぜあんなに尖っているのか,また、なぜあれほど長いのか,さらになぜ2本なのか,不思議でならない。
 一体いつからストックが山の道具になったのだろう・・・。
 20年ほど前に読んだ労山の登山研究シリーズ『山の道具研究』書にはストックは入っていなかったように記憶している。杖をついて山に登ると言う考え方はもともとなかったのではないかと思う。
 ストックを利用することに一律に異を唱えるつもりはない。現に私の友人は腰痛を抱え、時にストックの助けを借りながら登山を続けている。と言っても実際に使うところを見ることはめったにない。彼のストックはやや短めで、本当に必要な時以外はザックに縛りつけ、できるだけ手をフリーにしている。ストックを持っていることで安心を得ているように見受けられる。だから彼にとってストックは必要な道具なのである。
 ストックのおかげで山登りを続けていられるという人は多いと思う。この場合,使う目的と使い方がハッキリしている。
 が、それを認めた上でなおかつストックは必要な道具ではないと言いたい。何のための道具なのか、目的がハッキリしないからである。
 目的がはっきりしない道具は無用の長物(ホンマに長いで!)であるばかりでなく、本来発達させることのできる身体機能を後退させてしまい、登山の意義そのものを失わせてしまいかねないと思う。それだけでなく、前述のように山を荒らし、時には本人だけでなく他者にまで危害を及ぼすことになりかねないと思う。

 11:30燕山荘分岐点着。出発以来初めてRyoの顔を見る。2時間も前に着いていたらしい。すんごい馬力だネ。ほかの3人も30分以上前に着いたそうだ。Goと,Ikumaは今年は殆んど登っていないのでちょっと心配したがどうと言うこともなかった。
 5分遅れで後の3人が到着。これにはちょっとビックリ。お口が元気と言うことはからだも元気いっぱいってことだネ! お母さんをよく引っ張ってきてくれましたッ! と言うことで予定の12時より25分早く全員無事到着。
 食後は荷物をそこにおいて燕岳山頂へ! お母さんは4リットルの水の入ったボトルを担いで行くんだって・・・!! それって何の訓練?

 燕岳・岩峰群
 その特異の岩峰群で知られる燕岳山頂へは1kmほどの道のり。子ども達は岩によじ登ったりケルンを積んだりして大はしゃぎで遅々として進まない。30分かかって頂上へ。自分自身は山頂は初めて。
 よく晴れて360度の大展望がほしいままである。北側,蓮華,爺,鹿島槍,白馬岳方面はガスに覆われている。南西側のガスが晴れて槍ケ岳が全貌を現したが、私の目は一昨年の縦走の跡を辿って北西〜西方向の針の木岳〜不動岳〜烏帽子岳〜野口五郎岳方面に釘づけになる。真砂岳から湯俣荘へ下る道をしっかり確認できて満足。後方に頭を隠した立山,剣岳,五色が原の雪原を確認した。2年後にはこの子達を伴って裏銀座から雲の平に入りたいと思っている。
 写真を撮ったり岩場で遊んだりして13:30山荘前に戻る。ちょっとゆっくりしすぎて予定より20分遅れの13:50下山開始。

 アルプスの灯台
 燕岳側から見る燕山荘は赤い屋根がよく目立ち、稜線上にどっしりと位置して存在感がある。登りの時も合戦の頭から稜線を辿りはしごのあるガレ場を越えると見えてくる燕山荘も頼もしく安心感を与えてくれる。夜はその灯りが安曇野からも見える燕山荘は北アルプスの灯台のような存在だ。
 山小屋の屋根は赤がいい。白馬山荘も以前は赤い屋根で、山頂を背景にして杓子側から見るとカッコよくて素晴らしかったが、2年前,10年ぶりに登った時には屋根の色が変わっていてがっかりしたものだった。山小屋の屋根は赤色が断然いい。

 下山
 合戦の小屋で待つように指示してゆっくり下る。登山者が多くて渋滞気味。まだ登ってくる人もいれば花を楽しみながらのんびり下る人もあり、ガレ場の辺りがすれ違いで混乱している。
 14:30合戦小屋着。来る時食べられなかったのでスイカを2切れ買ったが、RyoとIkumaはいらないと言う。しばらく後ににぎやか組が着く。
 Kinaが突然『ヘッドランプを点けたい!』と頓狂なことを言う。それには訳があった。2年前の縦走の時,大雨で大天井岳まで行くのをやめて燕岳にテントを張ったため翌日が強行軍となり、常念乗越を出たのが15時。あと30分ほどの所で秋の日はとっぷり暮れて漆黒の闇の中,前後2つのヘッドランプと、Kina母さんの携帯電話の灯りで一の沢の下山口に辿りついたと言う苦い経験があり、それ以来『ヘッドランプは絶対に忘れない』と決めてこの日に臨んでいたのだ。だから使ってみたかったんだよネ。
 15:00発。

 歩き方考
 合戦の頭辺りからずっと1人の少年と一緒に下りてきた。彼ははしごを前向きに下りられず、はしごにかかる度に後ろ向きに下りていた。少年がなぜ1人で歩いていたのかは聞かなかったが、私は少年の後ろをついて階段を前向きに降りるようにアドバイスしながら一緒に降りてきた。
 はしごが急でその上ステップが狭すぎるということはあるにしても岩場にかかるはしごではなく、後ろ向きに下りる程のところではない。
 長身で脚がすらりと長い少年である。少年がまっすぐ降りられないのは、恐さよりも脚力がないからではないかと考えた。見ていると階段でなくてもちょっとした段差のある所で必ず脚を横からまわし、足を横向きにおいて降りようとする。つまり支持脚を深く屈げることを常に避けている。
 『それじゃあ いつまでたっても脚力が出来ないよ。少し膝を深く屈げてちょっとだけ頑張ってごらん。すぐにできるようになるから』,『階段でも足を横回ししないでまっすぐ降りてごらん,かかとの部分がステップの後ろにかかっていれば滑らないから大丈夫だから』と励ましながら下ってきた。すぐに少年はその歩きを覚えた。
 
 15:15,富士見ベンチ(標高2200m)通過。同35,第3ベンチ(1820m)通過。少年を置いて先を急いでいると目の前にIkumaがいた。15:52,第2ベンチ着。燕山荘から33.8km,中房温泉まで残り1.7kmの標識。待っていた子ども達を解放すると一目散に降りて行き、Ikumaもそれを追って行く。元気だ。
 16:00発,同18,第1ベンチ。腹が減ったので弁当を食べる。1日でお茶とサイダー2本,合計3リットルを飲みつくす。
 16:40発。17時00下山。疲れを知らない子ども達は降りてからも遊びまっわている。親やおとなの心配はしばしば杞憂に終わるがそれは喜ばしいことだ。これで白馬岳縦走・アルプス冒険学校の参加有資格者となる。
 終り

 附
 優しい花たちにあいに行こう・・・,Yukaへ 2005,7,16
  
 3年前(2002年),君はまだ小学校に入る前で5才。3年生のお兄ちゃんと3才の妹とお母さんの4人で白馬大池まで登ったアルプス初体験!   
 お母さんは妹につきっ切りで大変だったけど、君とお兄ちゃんは元気いっぱい,体のわりには大きな荷物をしょって頑張りました。
 ちょうど雪渓(せっけい)にさしかかった時に雨が降って急に寒くなったり、大きな岩があるところでは歩くのが大変だったけど、君はへっちゃらでどんどん登って行ったよね。
 乗鞍岳(のりくらだけ)を登りきるときれいな池があって、池の向こうに赤い屋根の小屋が見えました。その池をぐるりとめぐる大岩ゴロゴロの道を君とお兄ちゃんはどんどん行って先に小屋に着き、みんなを待ってたっけ・・・。
 大池のテント場の先にあったお花畑,覚えてますか? 花の名前は分からなかったと思うけど、ピンクのハクサンコザクラや少し紫の入ったハクサンフウロ,ハクサンイチゲやチングルマなどの白い花も咲いていました。どの花も背は低いけど力いっぱい咲いて、みんなを迎えてくれました。
 夜は4人で1つのテントに泊まって楽しかったですか。たくさんの星を見ましたか?
 次の日は下りで余裕(よゆう9しゃくしゃくだったよネッ! 
 『蓮華(れんげ)の森の水場』というおいしい水のわくところでは『お父さんへのみやげだ』と言ってペットボトルに水をつめて持って帰ったっけ・・・。
 そして緑の苔(こけ)と芽ばえたばかりの青い草の間を、つめたい雪どけ水が流れる湿原(しつげん)。そこへ行くまでに大人の背たけより高い草をかき分けて歩いたんだっけ・・。
 
 あれから3年たって、君は心もからだもずいぶん成長した。
 本当言うと君はあの時でも山頂まで登ることができたんだよ。だから、いつか,その続きをやってほしいと思ってたんだ。そして今年がそのチャンス!
 お兄ちゃんが白馬岳登頂(とうちょう)をめざすことは知ってると思うけど、君にもじゅうぶんその資格(しかく)があるんだ。だから君にも挑戦して欲しいと思ってます。

 栂池(つがいけ)から天狗山荘(てんぐさんそう)と言うところまで、ふつう2日間で行くところを今回は3日間かけてゆっくり歩きます。
 白馬大池から山頂まで、距離(きょり)も高さもかなりあるけど、全体としてはゆるやかな登りです。そして道がいい。
 登るにしたがって視界(しかい)が開けて見晴らしがよくなり、大池からは見えなかった遠くの山々が見えるようになります。
 槍ケ岳・穂高岳など,北アルプスの全部の山だけでなく、南アルプスや八ヶ岳,遠くは富士山まで見えるし、ふりかえれば日本海だって見える。
 県で言えば長野県だけでなく新潟県や山梨県,岐阜県など、君たちが歌っている『信濃(しなの)の国』の歌のように信州(しんしゅう)を囲んでいる十州(じっしゅう)が見えるんだ。
 そしてお花畑・・・。
 白馬岳はほかのどの山よりも花がおおく、高山植物(こうざんしょくぶつ)の宝庫(ほうこ)といわれているんだ。
 コマクサ,シナノキンバイ,ヨツバシオガマ,イワキキョウ,チシマキキョウ,タテヤマリンドウ,クルマユリ等々,大池で見た花や見られなかった花,優しい花たちにいっぱいあえる!

 君の来るのを待ってるよ!

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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
燕岳(中房温泉から往復)
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5

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