【板取】楢木〜滝波山 南尾根を歩く
- GPS
- 09:40
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,124m
- 下り
- 1,126m
コースタイム
天候 | 晴れ 霞強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
滝波山へ直接向かう場合、ここから雪の林道をかなり歩く(ずっと登り)必要があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道のある山ではありません。出かけられる際は自己責任でお願いします。 地形図では崖になっている取付きにはしっかりした梯子があり大いに助かりました。この日はほぼ全行程スノーシューで歩ける雪の量でした。楢木頂上直下は、南向きのうえに大岩の痩せ尾根のため雪が緩んでいたり消えていたりで、踏み抜き・巻きなどでかなり難儀しました。それ以外はたっぷりな雪と安定したセッピで快適に歩けました。下山の林道歩きはスノーシューでも沈みまくり苦行の1時間半でした。 |
その他周辺情報 | 板取川温泉バーデェハウス http://www.itadori-kankou.jp/modules/sightseeing/index.php?content_id=8 |
写真
感想
滝波山へは4年前に、南東尾根から登り南尾根途中から降りての周回で訪れています。そのとき、南尾根をもっとずっと歩いてみたいと思ったこと、一昨年の秋に登った楢木がよかったことから、それをつないで歩いてみることにしました。ヤマレコにも無雪期にヤブで歩かれているレコが2つほど見つかりますが、軟弱な私は当然残雪期しか考えておりませんでした^^;
【駐車地〜・877m】
前に楢木に登った時は南尾根末端からでしたが、よかったのは・877あたりのブナ林から先だったので、そこを起点とした滝波山南尾根の縦走としました。・877への最短ルートとなるのは北東からの尾根ですが、その末端は崖記号となっており、取付点探しが最初の課題でした。そのあたりに車を置いて取付き点を探ろうと林道を歩くと、なんと階段といっていいレベルのしっかりした鉄梯子がつけられているではありませんか。これ幸いにそれを登ると目印多数。おそらく山仕事のためのものでしょうが、思いがけずスムーズな取付きとなりました。
そこから植林の急登となりますが、朝の冷え込みで薄い雪がカチコチに凍って滑る滑る^^; キックステップでは体力を消耗するのでここだけはとりあえずアイゼンをつけていくことにします。しばらく登ると左手が落葉広葉樹の自然林となり、雪の量も増え沈み込むようになります。ここでスノーシューにチェンジして以降、全行程それを外すことはありませんでした。
やがて右手からの植林が優勢となりつまらない尾根の登りとなりましたが、南尾根に乗るまでのアプローチと割り切って黙々と登ります。そして・877に到着すると記憶通りのブナ林が広がり、一気に明るい自然林の尾根になりました。雪もそこそこ締まっており、スノーシューで歩くには最高のコンディションです。
【・877m〜楢木】
ここからは気持ちいい自然林の残雪の尾根歩きの始まりです。ブナまじりの冬枯れの明るい雑木林を楽しみながら進みます。ヤブは全て雪の下、こんなに尾根幅があったんだなと感心しながら進んでいくと右手から植林が登ってきて、尾根も痩せて来ました。気温が高いせいか早くも雪が緩みだし、スノーシューでも時々踏み抜くようになりました。
でもすぐに植林は姿を消し、尾根幅も再び広がると雪もまた締まってきました。右手前方に目指す滝波山への尾根が見通せ、相当な距離があることを思い知ります。その行く手には楢木のシルエットが立ちふさがります。
楢木が近づくと尾根芯は大岩の痩せ尾根となり、日当たりがいいのと合わせ雪がかなり緩んでいたり消えていたり。岩場だけに踏み抜きには必要以上に気を使い、かなり切れた斜面を巻いたりで予想外に時間を消耗してしまいます。
その難所を越え、ブナ林のドームに上がればそこが楢木頂上でした。三角点は雪の中、標柱だけが頭を出しています。
【楢木〜下山尾根分岐】
楢木まで3時間近くかかってしまい、時間的な余裕がありません。先を急ぎましょう。楢木から北側もやはり岩ゴロゴロとなっており、雪が薄く踏み抜きますが斜度がないので危険は感じません。が、この岩ゴロゴロは楢木の前後だけだったようで、これ以降は雪タップリの快適な尾根になりました。
特にこのあと、・1171mから・1222mの間はまさに楽園のような素晴らしい道のりでした。ブナを主体とした自然林が、緩くて広々とした雪尾根に延々と展開します。その山肌の伐採地が拡大し続けている滝波山南尾根の稜線にはこんな平和なパラダイスが人知れず存在しているのです。このままずっと残されていきますようにと願うばかりです。
・1222mから緩く下るとセッピが一段と大きくなり、尾根の風景が凄みを帯びてきます。セッピは安定しており、素晴らしい稜線歩きを楽しみながら下山予定の尾根との分岐にやってきました。その尾根は今歩いている南尾根のセッピのかなり下に見えます。ここからはとても降りられないという感じ。4年前と同じく、北からトラバースしながら乗っかることになりそうです。
【下山尾根分岐〜滝波山〜休憩地】
ここから滝波山まではまだかなり遠いですが、タイムリミットを12時半と決めて先を急ぎます。下山尾根分岐から少し登ったピークと・1288mとの鞍部には大きなセッピが発達しています。セッピ歩きというよりは雪壁のトラバースのような感じです。傾斜が緩いセッピの端よりを大胆にスノーシューのトレースを刻んで進みます。
それを過ぎると再び広い穏やかな尾根になりました。雪のドームをアップダウンしながら行くと、大展望が得られそうな雪原にでましたが、残念ながら今日はかすみが強く遠望が全く効きません。そして・1386mのすぐ南のコブに上がると、ついに滝波山頂上部が姿を見せました。
続いて・1386mを越え、疲れた足に鞭を打ちラストスパート。タイムリミットが近づく中、滝波山へ続く真っ白なセッピの道を突き進みます。まさにハイライト的なシーンです。トレースは全くなく、少なくとも今日のこちらからの登山者はないようです。そして途中で丸々としたカモシカ君とのにらめっこでほんの少しの足止めがありましたが、どうにかギリギリりで滝波山に到着しました。結構感動。
山頂にもやはりトレースはなく、本日貸切だったということを知りました。ただやはり霞が強く、遠望は得られず。白山などは晴れてはいるんですが、ぼんやりとしか見えず写真には写りませんでした。ちゃんと見えるのは美濃平家やドウの天井、蕪山など付近の山々のみ。
傾斜が強く落着けない山頂でとりあえず証拠写真をと、スマホの機内モードを解除するとラインが着信。写真を送って自慢してやろうとしていた山だよ姉さんから、先手を打たれた九頭竜の山からの自慢ショットでした^^;
それではランチ休憩とするため頂上から下ったブナ林にシートを広げ、スノーシューを外し1時間ほどの大休止としましょう。
【休憩地〜下山尾根分岐〜林道出合〜駐車地】
自分のトレースを追って、登って来た道を下山尾根分岐まで戻ります。そこまではアップダウンありますので結構な大汗。そして予定通りの尾根に向かって気持ちのいいブナ林の緩い斜面をトラバース。尾根に乗って見上げると歩いてきた南尾根はかなり高い。
ここから下山開始となりますが、前回とは雪質が違って急斜面の下りにビビり気味^^; しかも両サイドが伐採地に変わっていて高度感を増しています。時にはスノーシューのエッジを効かせての横歩きも駆使しながら、なんとか下りきって伐採地に降り立ちます。
ここから斜面状の若い植林地を下り林道を目指しますが、見通しが悪くて尾根芯が全くつかめません。急斜面を慎重に先を確認しながら、林道との段差の小さい箇所を探して降りていきます。そして最後は灌木にぶら下がるようにしてズルズルと林道に無事着地。
あとは林道をたどるだけ。なんですが、この林道の雪が下るにつれ腐ってきてスノーシューでもズボズボ沈み、疲れた足に追い打ちをかけます。ショートカットを試みるだけの余力がなく、忠実に林道をたどり除雪終了点を心待ちにして歩き続けますが、一向にそれは現れず。結局、駐車地の200m手前まで、1時間半にも及ぶ林道ラッセルが続いたのでした。そして、ようやく外したスノシューを手にぶら下げて駐車地へと帰還したのでした。
そういえば今シーズン、滝波山のレコが挙がらないなと思っていましたが、このアプローチの長さもその要因の一つかもしれませんね。下りで1時間半ですから、登りとなれば…考えたくないですね〜^^;
3月に入って奥美濃の残雪春山シーズン最盛期、岐阜百山の滝波山ですから人に会う恐れは十分にあると覚悟していましたが、出合ったのはカモシカ君のみ。今日もノートレースの雪山を楽しめて、めでたしめでたし(^^)v
コメント
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来週、滝波に行きます。岐阜山岳会のメンバーとですが、油坂、福井県側から入って、板取に抜ける計画でいます。このレコ、参考になります。ありがとうございます。
ytomeiさん、こんばんは。
なんと油坂から 県境をたどって板取へですか
なんとも壮大な計画ですね。テント泊でしょうか?
思いっきり楽しんできてください。レコ楽しみにしています
返信ありがとうございます。
今のところ、県境を辿って板取に戻る予定としています・・・が本当にいけるのかどうか心配しています。距離もありますし・・・。テン泊ですが、それでも厳しそうな感じです。
本レコ、とても参考になります。下りのルートをどうしようか考えていたのですが、hermit-crabさんのとおり、林道におりて来れればと思っています。
敗退しても登頂できてもヤマレコ上げるようにしますので、またお願いします。
ちなみに実行は今週の金土です。
ytomeiさん、こんばんは。
長い道のりですが、行ってみないとわからないって感じでしょうか。どんな景色が待っているのかという楽しみもありますね。お仲間がおられるので心強いですね。無理なさらず気を付けて楽しんできてください
拍手10個も付いたら上出来な私の拙いレコが、お役に立てたならばうれしいです
九頭竜、滝波トライ、見事敗退しました。
新雪が多くて、ラッセルが多く、アイゼン歩行を想定していた私達の目論見は、初日の11時にくじかれました。
しかし、雪がしまって、アイゼン歩行ができれば、行けると思います。来年再チャレンジします。
お疲れ様でした。そんなにも雪が降ったんですね
私は今日は休日出勤で、真っ白な奥美濃の山々をうらめしく見ながら通勤してましたが、山は大変だったんですね。
来年の宿題ができて楽しみですね。
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