(春山会山行)西穂高岳 三島労山
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- GPS
- 08:18
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 574m
- 下り
- 905m
コースタイム
[4/30]3:30起床-5:45出発-5:51西穂丸山-6:30西穂独標-7:28ピラミッドピーク-8:40西穂高岳-10:50西穂山荘11:50-12:56西穂高口駅
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
4/29〜30に会山行の春山合宿で西穂高岳に登ってきました。
29日朝、三島駅で会長と待ち合わせ。そこは日帰り山行にいく他のメンバーも集まる場所。Tさんが出発前の写真
を撮ってくれました。
みんなと別れ私の忘れ物のザイルを取った後、私と会長は一路新穂高ロープウェイへ向かいます。渋滞もなくスム
ーズに進み予定通り新穂高ロープウェイ駅へ到着。
駅そばの駐車場は有料のため、30分の無料時間を使い荷物を降ろして車はちょっと下の無料駐車場へおいておきま
した。
そして一般観光客の中ではひときわ目立つ大荷物をしょってロープウェイに乗り込み西穂高駅へ上がります。
ロープウェイの乗り換えの時のザックのしょい直しが面倒です。
西穂高駅から到着するととりあえずトイレへ。しばらくしてもなかなか出ないので諦めました。山に来るとお通じ
が悪くなります。
西穂山荘までは1時間ちょっとの道のりと聞いていたので楽勝楽勝と気楽に考えていましたが、雪がガッツり残っ
ている上に何回ものアップダウンの急登ありで非常に歩きごたえのある道でした。
私が先行して歩きましたがしばらくすると息が上がってきたため、後ろから会長が「その荷物を担いではペースが
早過ぎるね」とアドバイスをいただき、ゆっくり歩くようにします。
しばらくすると息切れもなくなりスムーズに歩けるようになりました。
荷物とペースの配分は経験をつんで自分にあったものを体に覚え込ませないとだめですね。いつもオーバーペース
で歩いてしまいます。
西穂山荘に到着するとテン場の手続きをします。
我々がついたときには既にテントは10張りほど設置済み。雪が多いので恐らく夏よりも張れるテントの数は多いの
ではないでしょうか。
30張りほどと地図には載っていましたがもっと張れるように見えました。
手続きが終わったらテント設営。地ならしをして、本体をたててフライをかけて完成。風が時たま強く吹き、あお
られながらの設営です。
飛ばされないように、スコップで深い穴をあけて竹ペグを奥まで差し込んで上から雪をかぶせます。この時に深く
掘りすぎたので後で後悔することになります。
無事テントも貼り終え荷物を中に入れたら水作り用の雪を取りに行きます。
水作り用の雪は氷になっているものを使うと効率がいいというのはわかるのですが、問題は場所。どのような場所
から採ったらいいかはいまいちわかりません。
木のすぐ下だと枝とかが落ちてくるので汚れが多いとか聞いたりもするので、できるだけ荒らされていなさそうな
ひらけたところに行きます。
雪は少し掘ると締まった雪が出てきてなかなかいい感じのものが採れました。
水作りを終えると晩ご飯作り。
今回私が食事係。これまで一人の時にはいろいろ作ってきましたが、人に食べてもらうのは初めてなので奇をてら
わずに普通のものを作ることにしました。
考えたメニューは以下のとおり。
初日夜:シチューとパン
2日目朝:雑炊
2日目夜:パスタとスープとパン
3日目朝:カレーうどん
シチュー用の野菜はパックのものを湯煎で煮こんで持って行きます。
雑炊の具はラーメンの具を使って、うどんは生麺を持って行って茹で時間とガスの節約をします。夏だと不可能で
すが。
で、実際のシチューの味はどうかというと、じゃがいもや人参がちょっと固かったのが残念。
家で練習した時も固かったのでその時よりも湯煎の時間を長くしたのですがそれでも固かったですねぇ。もっと長
くしないとダメでした。
食べれられない程ではなかったのでまぁいいかなと。会長も食べてくれましたしよかったです。
夕食を済ませたのが4時過ぎで、晩酌のビールを山荘で調達し、暗くなってからビールを飲みましょうと言ってか
ら、外を散歩したり、いろんな話をしたり。夕暮れ時の山の景色はとても綺麗でしたね。
夜になりビールを開けたら急に眠気が襲ってきたのでシュラフに入って爆睡。
会長のものの3倍はあろうかという厳冬期用シュラフ(それしか持っていない)で気持よく寝かせていただきました
。ちなみに会長は寒くて寝れなかったそうです(^^;。
二日目は、午後から風が強く天気も崩れそうだという天気予報もあり、早出をすることに決めましたので3:30起床
。
持ち帰ることができないカレーうどんを作ってお腹に入れ、お茶を沸かしてテルモスへ。
帰ってきたらすぐに撤収できるようにザックはパッキングしておいて出発です。
5:30に出発予定でしたが、私の準備が遅れて5:45に登頂を開始しました。
初めての西穂高岳への挑戦。季節は春にもかかわらず風は強く小雪が舞い、冬山と変わらない天候になっていまし
た。
強風に混じって時折飛んで来る雪の飛沫は、顔に当たると風上に顔を向けることができないほど痛く、危険地帯を
通過中は立ち止まらないといけないほど。ロープは常に風に煽られ弧を描いて北側に流れていきます。
前夜に降ったと思われる雪は岩にうっすらと降り積もり、誤ってアイゼンを履いた足をおいてしまうとトラクショ
ンが効かずに滑り落ちて大変危険な状態。
独標のあたりまではそんなに危険なところはなく他の登山者もいらっしゃいますが、独標を過ぎてからは急傾斜の
岩場や雪壁、細い稜線などが続きます。
危険箇所では会長にロープで確保してもらい、足元をしっかり確認しながら置き場を探しつつ岩場を通過しました。
場所によっては雪庇が大きく張り出し誤って乗ってしまい崩れた日には何百メートルも滑落してしまうだろうとこ
ろもありました。ボーダーの習性か思わず覗き込みたくなりましたが、間違っても覗き込んではいけません。ぐっ
とこらえて前に進みます。
先行しているグループも一組しかいないようで、その方々が先行してトレースを点けてくれたのは非常に助かり
ます。(その方々のヤマレコはこちら http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-107773.html)
ピッケルとアイゼンで雪壁を登り、ピッケルを支えにトラバースをし、岩の隙間にピッケルを挿し込んでクライミ
ングすることを繰り返し、8:40に西穂高岳に登頂。
初めての雪山に無事登ることができました。二人で喜びを分かち合います。
山頂で少しの休憩を取り写真を撮影。ものすごく寒くゆっくりできるような感じではありません。
休憩を終え今度は下山をしなければいけません。これまで冬山の下山というといつも足元にはボードがありました
がこの日は違います。登ってきたのと同じ危険なルートを降らなければなりません。
下山を開始してすぐ、岩場を越えるところで岩を掴んで体を支えようとしたところ、その岩が浮石で動きました。
まだ体重をかけていなかったので少し動いただけで済みましたが、タイミングが悪かったら、足を載せていたらと
考えるとゾッとしました。
その後の岩場でも、雪がのった岩に足を置いてしまいアイゼンが効かずに滑りました。こちらは体重をかけていた
ので完全に滑り落ちたのですが、すぐ下に雪があったのとまだ腕が残っていたので捕まることができ事無きを得ま
した。もし掴んでいたのが浮石だったら、などと思うとキリがありませんが、そういう事を予測しながら行動して
いかないといつか死んでしまうのだろうなと思います。
独標を過ぎると急に人が増えだします。独標までの人とその先に行く人の違いがはっきりとわかります。我々が行
っていたところはやはり特別な場所なんだなぁと実感しました。
10:30には無事テン場に到着。往復5時間もかかりませんでしたが、時間では計りきれない充実感でした。時間も思ったより
早かったので、下山することにして早速準備にとりかかります。荷物を整理してテントをたたもうとしますが、設営の時に
竹ペグを深く埋めすぎたのと、昨晩の冷え込みで雪が固くしまって掘り出すのに一苦労。なにごとも加減が大事。
せっかく西穂山荘にきたので、ネットで評判の西穂山荘のラーメンを食べました。なかなか美味しかったです。山
の中でこれだけの味をだせるのはなかなかないのではないでしょうか。
ラーメンをかき込んで腹ごしらえをしたら、山荘からロープウェイ駅へ1時間ちょっとを歩きます。荷物を背負っ
ている上にアイゼンを履いて雪道を降るのは膝に来ます。靴紐の締めが甘かったので、右小指に靴ずれもできてき
ました。もう下山なので焦ることはないと自分に言い聞かせ、登ってくる方々と挨拶をかわしながら、時には道を
譲ってもらいながらゆっくり下っていきます。会長の姿はすぐに見えなくなりました。そんなに変わらない荷物を
背負っているのにさすがです。自分はまだまだ体重十分体力不足。
無事ロープウェイ駅へ到着したところで雨が降り出し雷鳴が轟きだしました。ロープウェイを一本降りたら本降りに。
もう少し遅れていたら雨の中の雪道で雷を気にしながら下山することになるところで、降られずに下まで降りられた
のは運が良かったと思います。
無料の駐車場に車をおいたので、一番下のロープウェイ新穂高駅からは駐車場まで少し歩きます。靴ずれが少し
出来ていた小指も、平地ならどうってことありません。雨具をはおり落石防止のトンネルを足早に駆け抜け駐車場へ到着。
一路三島に戻りました。
今回の良かった点は、早め早めの行動がいい方向に動いたということ。天気予報を調べて早出を決め、撤収も早く
できるように出る前に準備をするなどがいい方向に進みました。
反省は荷物が多すぎました。使わないもの多数。本気で荷物を減らそうと思えば減らせるにもかかわらず快適装備
も持ってきてしまいます。荷物が多いからパッキングも遅くなります。心配性なのでいろいろ持って行ってしまい
ますが、経験で取捨選択ができるようにしていきたいと思います。
後から追記。
下山途中口がうまく動かなくなり、何かしゃべろうとしても口どもるようになっていたのだが、軽度の低体温症だったのではないかと思うようになった。ヤマケイの記事を読んでいると軽度の低体温症の場合、判断力の若干の低下とうまくしゃべれなくなるというように書かれていたが、気温が低かったこと、風が強かったこと、冷たいハイドレーションの水を飲んでいたことなどが考えられる。テルモスのお湯を飲んだのは飲んだのだが足りていたか?行動食も食べていたが足りていたか?などを考え直さないといけないと思った。
コンテで、我々の後すぐに登って来たかたたちですね。すれ違いざま、その会長が、まるっきり冬山じゃねいかとの言葉が印象的でした。
まさにその通り、ハイキング気分できた私もこんな危険な登山になるとは夢にも思っていませんでした。
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