富士には絶叫がよく似合ふ 富嶽百景 三ツ峠山
- GPS
- 05:33
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 679m
- 下り
- 677m
コースタイム
- 山行
- 3:41
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 5:31
天候 | 晴れ、曇り、ちょっとだけにわか雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所は特にありません。雪も少し残ってましたがアイゼンが必要なところはありません。むしろドロ田状態のところ多数。 |
その他周辺情報 | 下山後は富士急ハイランドとなりの「ふじやま温泉」、ほうとうは「小作 河口湖店」、寄り道は御坂峠の天下茶屋近くの太宰治富嶽百景文学碑。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
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感想
さて、都心の桜も今週末で最後、これまでチョコチョコと本格始動前の特訓にならない「ひみつ特訓」を続けてましたが、いよいよ始動開始。ってことでホントは先週だったところ、お天気がよろしくなかったので今週に「スライド登板」。
で、なんとまあ、今回、くたびれたいつものオッサン3人に、ほとんど「娘」の「ゆーみん」が初参戦。
いやいや、お父さんよく許してくれましたねえ。登山道ですれ違うみなさん100人に聞いたらほぼ全員「父娘登山いいですね」って答えますよ。
さて、久々に「昨日の続き」と「今日のはじまり」が車内に入り混じった始発電車に乗って、いつもの町田駅前に6時過ぎに集合。今日は「ゆーみん」も乗せて「中央フリーウエイ」で甲斐の国。
前置き長くなりますが、
一宮御坂ICで高速道路を降りると、そこはまさに桃源郷。
麓には 桃や桜や杏さき
むらがる花花に 蝶は舞ひ
億萬萬の蝶は舞ひ
七色の霞たなびく
夢見るわたくしの
富士の祭典・・・
(草野心平 富士山 作品第壱より)
学生時代から慣れ親しんだ合唱曲のそのまんまの光景。
ずっと前から一度見てみたかった景色に今日ここで出会うことができました。
これ、今日の「めずらしいもんその1」
そして「めずらしいもんその2」がたてつづけにやって来ました。
トンネルを抜けて駐車場までの山道で2頭のカモシカを発見。
これも一度お会いしたいと思っていたところ、突然、道端に黒いものがふたつ。
あれ?かもしかしてカモシカか?
クルマの中からで、一瞬の出来事でしたが、しっかり見ました。会えてよかったあ。
これ、今日の「めずらしいもんその2」
今日の「めずらしいもんその3」はあとで。
さてさて、おまたせ、ようやく本編スタート。
西川新倉林道脇の駐車場に到着。
駐車スペースはそこそこありますが、平地?を選ぶのが難しくて、師範代のスーパーカーのマフラーにいっぱい土を詰めてようやく駐車スペースを確保。
帰りはこれが大口径波動砲になって、うしろを走るクルマを蹴散らしてくれることでしょう。
出発準備を終えて9時出発。
このところ不安定な天気も多かったので雪の心配をしていましたが、雪はほとんど消えていて、むしろ少し残ったところが帰りにドロ田になるのが気になるくらいです。駐車場から続く広い道を登っていきますが、タイヤの跡が残っているので、クルマが通ったのがわかります。ふつうのクルマではないでしょうが、クルマが登れるくらいなので、急なところはありません。ずっとこんなカンジの道を登っていきます。
出発から1時間ちょっとで三つ峠山荘下の展望ポイント1に到着しました。
さすが「展望ポイント」です。視界が開けたと思ったら、目の前にどーん。
アタマを雲のうえには出さずに帽子をかぶっていましたが、富士サマとご対面。お天気は、いいにはいいんですが、ちょっと心配なところもあったので、まあ、何はともあれ、お目にかかれて光栄にござります。
ここは3つのピークがあるということで、まず木無山へ。途中展望ポイント2がありますが、そのまま木無山へ行きます。ほんの少しで木無山と書いた標識に到着しましたが、どうも頂上らしくないような場所で、オッサンたちは過去、ニセピークにまんまとだまされたこともあり、モヤモヤを残しながら来た道を戻ります。
さきほどやり過ごした展望ポイント2。
稜線から張り出した岩がつくり出す展望ポイントですが、同時に火曜サスペンス劇場のロケにおあつらえ向きでもあります。
さすが「カニのヨコバイもろ手放し」の荒業使いのナベちゃんには「絶景ポイント」
でも、ほんぢつ初参戦のゆーみんには刺激が強すぎる「絶叫ポイント」
かくいうワタシもどちらかといえば絶叫ポイント。
振りかえるとゆーみん、しゃがみ込んでいます。
槍の穂先同様、どうも落ち着かないので、早めに退散です。
今回の三ツ峠山、太宰治の「富嶽百景」に登場することもあって、事前に予習?もしたりして来ましたが、太宰が来た時には、この「絶叫ポイント」からもガスってて何も見えなかったということで、これはワタシらのほうがラッキーでしたね。
その「風呂屋のペンキ画」のような富士山をのぞむ三つ峠山荘を通って四季楽園へ。そこから2つめのピーク本峰へ向かいますが、階段か土留めかわからなくてちょっと歩きにくい階段を登り、NHKの中継基地のような施設の横を通っていくと、こんどは立派な「三ツ峠」の文字を刻んだ石碑の立つ山頂に到着。あいかわらず雲のぼうしは纏っていますが、どっしりとした富士山をバックにした石碑は本当に絵になります。
雄大な眺めを満喫して、最後に3つ目のピーク、御巣鷹山へ。
途中、少し雪が残った道やドロドロ道もありましたが、10分ちょっとで御巣鷹山に到着・・・してると思いますが、山頂は電波塔みたいな設備が占拠しており、山頂の看板みたいなものを探してフェンスをまわってみましたが、なさそうなので、こんどは師範代が反対側からフェンス沿いに回ってみました。が、やっぱり何もありません。「東電の三角点?」みたいなものはありましたけどね。山頂はどうも東電に占領されているようです。
四季楽園まで戻って小屋の前のベンチで軽くお昼。あとに「ほうとう」もひかえているので、軽めに済ませて、来る途中のサービスエリアでナベちゃんが調達した「信玄餅」をいただきます。お茶も入れて、おいしくいただきました。
さて、ここからはもう下山するだけですが、その前に師範代が「ここまで来たので、岩登りで有名な屏風岩を見に行こう」というので行ってみることにしました。
が、しばらく行って遠くから屏風岩が見えるところまで来たら、ゆーみんは「ワタシはここからにしておきます」・・・・ウン、これが賢明かもしれない。
しばらくナリをひそめている師範代のアブナイ要求が再び目覚めるかも・・・「あー、こんどはザイルとハーネス持ってきてくださいね」・・・と不安?に思いながら屏風岩の下へ。(そういえば、つい最近、ひみつ特訓に行ったあと、しきりに「稚児落とし、稚児落とし」とかナゾの言葉を発してましたが、夏ごろにはこれが「オッサン落とし」になってるかも・・・おお怖わ。)
をを、やってますやってます。そんなに高いところではありませんが、峰フジコみたいなおねえさんが岩に取りついてますよ。いやいや、それでも見上げるとスゴイ断崖絶壁ですよ。下から見てるだけでも絶叫モンです。ここも早々に退散です。
いそいで来た道を登り返すと、ん?ムムッ、ん〜・・・つったー。内股つり込み?柔道のワザみたいですが、例の「階段土留め」を登るのがキツい。なんとか四季楽園までたどり着いて師範代たちを待ちます。ほどなく全員そろって下山開始。
雪はほとんどないものの、少し残っているところや午後になってユルんできたところは泥濘化しています。また、よく見ないとわかりませんが、なんとなく凍っていそうなところもあります。ここでズルッベタッってやってしまうと、これは大変。帰りの師範代のスーパーカーの中で「エアいす」か「ぱんつ一丁」の刑です。罰ゲームはちょっとかんにんなので、みんな慎重になっているのか、妙に静か。無言で歩きます。
四季楽園から1時間もかからずに、そしてオシリもきれいなまま駐車場まで下りてきました。おつかれさまでした。
下山後はちょっと寄り道をして、御坂峠へ。今回のテーマ「富嶽百景」の「富士には月見草がよく似合ふ」の文学碑を訪れます。板壁の趣きのある茶店 天下茶屋の前の階段を少し登ると、正面に富士山、眼下に河口湖大橋をのぞむ場所にありました。予報では午後からお天気がちょっと心配でしたが、結局、一日中、富士サマはおつきあいしてくれました。
さて、文学散歩も済んで、残るはフロ、メシ。フロは「絶叫マシン」てんこもりの富士急ハイランドとなりの「ふじやま温泉」、メシは定番の「ほうとう小作」、今日は河口湖店。はじめてのゆーみんも「熟瓜(かぼちゃ)ほうとう」に二重丸。
店を出ると・・・びっくり。夕空は快晴。アタマから下まで雲ひとつなくなった「むきだしの富士山」。しかも夕陽にそまってほんのり赤みがかっています。もうこうなったら笑うしかありませんね。太宰の文章にもそういうのがあったかもしれませんが、ホントに笑えました。
富士山そのものはめずらしくないですが、これは今日のめずらしいもんその3」に十分値しますね。
「めずらしいもん」を3つも見ることができて、いい山行でした。
あらためておつかれさまでした。
土曜日の早朝6時10分、町田駅に集合したおじさん山岳部3名のテンションは
いつになくハイレベル! かつ 早朝だと言うのにみな饒舌です!!
それもそのはず、親子とも言われそうな若い紅一点ユーミンことKさんが、2017年
シーズンの始動登山に同行する運びとなった為で、実に分かり易い性格のおじさん
達です。
そんな4名を乗せた白いWRXは、富士山の絶景を求めて 春爛漫の甲斐路を一路
三つ峠登山口へと向かっていました。 つい2週間前まで厳冬期の深い雪景色レポ
ートがまるで「遠い過去」のように暖かく、春が一気に進んだ感があります。
そんな私達を出向かえてくれたのは、桃と桜が同時に咲く沿道、天然記念物二ホン
カモシカ、早くも「いい一日」の予感を携え、ほぼ予定時刻どおりに登山口到着と
なりました。
次の期待は山頂からの眺望で、いざ出発!
・裏口登山道は、山道と言うより標高差のある車道をつづら折りを繰り返しながら
高度を上げていきます。 樹林帯に囲まれ稜線到着まで景色はほとんど見る事が
できません。 湿度が高く、地味に汗をかきました。
・山道上の雪は、日陰を除きほとんど溶け、気温の上がる午後は、稲作が出来る!
(ワケない)程の田んぼ状態となり、足がとられないよう注意が必要です。
・木無山〜開運山〜御巣鷹山間は、それぞれ短距離ながら、眺望を楽しみつつ快適
なアップダウン縦走が楽しめます。 御巣鷹山では、山頂の証を求めてぐるりと
周辺を捜しましたが見つからず、中継施設建造物が山頂標識?と言えそうです。
・ロッククライミングで有名な屏風岩は、四季楽園から急坂を10分程表口登山道
方面へ下った場所にあります。 三つ峠山の持つもう1つの側面(荒々しさ)が
感じとれ、ぜひ立ち寄ってみるべきスポットです。
・下山は上記のごとく、どろんこに足を取られないよう注意して下りる必要があり
ます。
三つ峠山、山に「山行行程を楽しむ山」VS「景色を楽しむ山」の2種類があるとした
ら、間違いなく後者「景色を楽しむ山」と言えると思います。 さえぎる物がなく
すっきりと伸びた富士の裾野を三つ峠の各展望スポットから眺める時、「この山に
来てよかった(^^♪」と誰もが感じる事でしょう。
でも富士山がなければ三つ峠山は成り立たない?訳ではなく、岩稜帯を抱えた山の
険しさをやんわりと包みこんだ「大らかさ」が感じられる素晴らしい山です。
太宰治がこの地で、「月見草がよく似合う」と書いたのは、山域(自然)の持つ
厳しさを和らげてくれる対比物として月見草を挙げていたのだ。と私達で話をして
いました。
そんな対比も楽しめる山域でした。 違ったルートで行ってみたいな♫
さて、おじさん達のテンションは、帰京の時まで下がる事はなく、「楽しんでもら
えたかな〜?」「お風呂はちょっと高かったかな〜?」「ほうとうは、、、?」
分かれてからもそんな気持ちが後を引いています。
気持ちを1つにできる事は、登山の大きな美点と改めて感じられた1日でした。
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