北アルプス唐松岳テント泊山行
- GPS
- 19:21
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,580m
- 下り
- 1,553m
コースタイム
八方尾根入り口P 13:45 → 14:20 八方池山荘 14:38 → 15:04 八方山ケルン 15:10 → 第2ケルン 15:21 →
八方ケルン(開成ケルン)15:28 → 15:38 第3ケルン 15:50 → 扇の雪渓 16:58
翌日 5月22日(日)
扇の雪渓 05:30 → 08:15 八方池山荘 08:30 → 09:10 ゴンドラリフト八方駅 09:40
登り(八方池山荘〜扇の雪渓)2時間20分、休息時間含む
下り(扇の雪渓〜八方池山荘)2時間45分、休息時間含む
天候 | 初日 5月21日(土) 晴れ 翌日 5月22日(日) 曇り→雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
5月22日 ゴンドラリフト八方駅09:40 → ゆーぷる木崎湖 10:00〜12:00 → 新宿駅西口18:38 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ゴンドラリフト「八方駅」→ 八方池山荘リフト降り場 ゴンドラリフト、アルペンリフト、グラートクワッドリフトを乗り継ぎ約30分。 往復料金3,400.- ・八方池山荘 標高1,850m → 第3ケルン(八方池)標高2,080m 八方山ケルン脇のトイレ前より第2ケルン迄の雪原を除き、雪は既になく夏道となる。 特に問題になる箇所はないが、蛇紋岩が多く、雨が降っていなくともよく滑るので注意が必要。 ・第3ケルン(八方池)標高2,080m → 扇の雪渓 標高2,300m 八方尾根に出る箇所から先は一部の稜線を除き雪道となる。 扇の雪渓手前でトラバースがあるも滑落する迄の危険は感じられなかった。 ・扇の雪渓 → 第3ケルン(八方池) 視界不良時の下山では、高度計で2,200mまで下りたら八方池方面へ40°の方向を意識しないと下樺尾根を下ってしまうので要注意。 過去に何度も道迷いで下樺尾根に下りて遭難する事例が報告されている。 ・第3ケルン(八方池)→ 八方池山荘 八方池はまだ雪の下。 八方ケルンより第2ケルンに向かうには60°、 トイレのある建物を冬道で目指す場合は74°へコースを取る。 ここでは、逗子開成高校山岳部の生徒5名、引率の教師1名が吹雪による視界不良の中でこの僅かな距離を戻る事が出来ず、 北側のガラガラ沢に迷い込み全員遭難死する痛ましい事故が1980年12月末に起こっている。 八方ケルンはこの遭難事故後に建立されたものである。 下樺尾根にしてもこの八方ケルンから下にしても、普段は全く問題がない場所だが、 一度天気が崩れて視界がなくなると慎重な対応が必要になる典型的な場所である。 ちなみに、逗子開成高校の生徒達が地形図とコンパスを所持していれば避けられたかもしれない事故である。 |
写真
感想
今回の山行は某山岳連盟主催の6ヶ月間に亘る雪山教室実技講習最終回のテント山行であった。
バスを降りた駐車場にて、主催者側が用意した共同装備(テント、テントマット、大型コッフェル、五徳、ザイル等)を各班毎に受取り出発。
今回は受講生24名をA班〜F班の計6班に分けて天幕泊を行う。
講師陣7名は別途2張の天幕を設営し、合計8張の天幕村となり賑わった。
初日の白馬村の気温は摂氏29度の猛暑となり、雪山教室の実技講習と云うより夏山教室の感が漂うほどの陽気だった。
受講生達は大汗をかきながら、フル装備の重いザックを幕営地まで担ぎ上げ、
中には半袖のTシャツ一枚で行動する受講生もいた程の暑さでした。
新宿を朝7時に出発したが、途中の高速道路上ではところどころ渋滞があり、
予想より遅れての行動開始となった為、
幕営場所である扇の雪渓に着いたのは午後5時目前であった。
各班毎にテントを設営し、まずは雪から水を作る。
我が班では水を7L作ってから夕食作りに取り掛かり、具沢山のポトフ、アルファ米とレトルトのカレーで腹を満たし、
別途イチゴゼリー、アメリカンチェリーのデザートまでついた。
夕方より傘マークがついた天気予報ではあったが、夜中に風が強くなりテントがバタつく以外に問題は起きず、雨も降らず、
翌朝午前3時前に起床し、玉子カニ雑炊とミニトマトの朝食を摂り、5時出発の山頂アタックへ備えていたところ、
他班のテント内で沸かした湯がひっくり返り、受講生1名が足に火傷を負うトラブルが発生。
講師陣が打合わせの結果、火傷は病院にて出来る限り早く治療を要すると判断から、
全員登頂を取止め、テントを撤収し、5時30分に下山する予期せぬ事態となった。
講師数名と負傷者の装備を他の講習生達が分担して担ぎ、
雪渓のトラバースでは受講生のスコップ隊7-8名が前に出てステップを切り、その後他の受講生達がツボ足でトレースを付け、
最後に負傷者を背負った講師陣が通過し易くする為の措置を取った。
負傷した受講生は登山靴は履けないのでゾウ足の重ね履きをし、もう片方の足には登山靴・アイゼンを装着し、
途中一部は講師に背負われて、それ以外の場所はゆっくりと自力で歩き、
時間はかかったが救助を要請するには至らず雨が降り始めた中、無事に下山出来た。
負傷した受講生が病院にて治療を受けている間、他の受講生達は時間が空いたので、ゆーぷる木崎湖にて入浴、
雨で冷えた身体を温めてサッパリし、治療から戻った受講生と合流しバスで帰途につく。
天幕泊の際には火傷、火事、酸欠事故にはくれぐれも注意するように今までの講習中に口を酸っぱくして指示されていたが、
最後にこのようなトラブルが起きてしまった事は誠に残念な事だ。
思わぬ顛末となり唐松岳登頂、及び、読図・コンパス使用法の講習はお預けとなってしまったが、
単なる登頂以上に重要な事を学んだ今回の実技講習となった。
単独行や少人数のパーティーでは怪我の状況により自分達だけでは対処出来ず、救助を要請する結果となる場合もあるが、
今回は講師陣はじめ全員の協力の下で大事無く下山出来た事は不幸中の幸いであった。
6ヶ月間に亘る実技講習は終ったが、教わった事を教訓に今後の自分の雪山山行に役立てる事が出来ればと切に思う次第。
こんばんは noborundaさん
6ヶ月間の雪山教室実技講習、お疲れ様でした。
最後は予期せぬことが起こってしまい、想定外の結末となってしまったようですね。
でも、一人をサポートするのにこれだけの力が必要であることが、伝わってきました。
軽はずみな行動で、迷惑をかける事態は、絶対にできないと再認識した次第です。
特に、一人で登ることの多い私には・・・。
しかしながら、80リットルのザックとは大きいですね。
私には、もう20kgの荷物も大変です。
とても山行どころではないですね。
noborundaさんは、タフですね。
驚きました!!!
URU-12さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
雪山教室に通う迄は本当に単独行ばかりでしたが、
規定の実技講習以外にも受講生同士で個人的に何度か山行を重ねました。
男でも女でも気の合った者同士の山は結構楽しいと分かりました。
実は昨夜、雪山教室の終了式がありました。
主任講師より、たかが6ヶ月の講習で山を分かったつもりになるな、
ここにいる受講生達は今ようやく登山口にたどり着いたばかり、
常日頃から、これからだと云う謙虚な気持ちで居て欲しいと云う、
「送る言葉」をいただきました。
自分なりに今後も精進して行きたいと思います。
また、これからはテント泊の山行もレパートリーに加えていこうと思ってます。
受講生の中には、100Lクラスの大型ザックを持ち込んでいる人達も何名かいました。
さすがに重そうでした!
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