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Yamareco

記録ID: 1150103
全員に公開
アルパインクライミング
ヨーロッパ

アイガー ミッテルレギ稜 単独 2016 8月

2016年08月14日(日) ~ 2016年08月15日(月)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
7.8km
登り
1,339m
下り
1,010m

コースタイム

1日目
山行
4:00
休憩
0:00
合計
4:00
12:00
240
アイスメーア
16:00
ミッテルレギヒュッテ
2日目
山行
10:35
休憩
0:10
合計
10:45
5:15
305
ミッテルレギヒュッテ
10:20
10:30
330
アイガー山頂
16:00
ユングフラウヨッホ
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2016年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
ユングフラウヨッホ行きの登山鉄道に乗り、アイスメーア駅で途中下車する。アイスメーア駅では、観光用の窓やトイレのある広いスペースがある。車両毎の独立なので、一番後ろの車両に乗るのが便利。そのスペースの進行方向の柵と鉄の扉を開けると、地下道が現れる。ヘッドランプは予め準備しそこを降りていく。(1回目は灯りがついていたが、2回目は着いていなかった)
コース状況/
危険箇所等
登りは、フリーの箇所は3-4級程度。5級のところには、固定ロープがある。プルージック用のシュリンゲ2本使って登った。私は、固定ロープがある登りの最終盤までアイゼンなしで登った(判断が分かれるところと思う)。ナイフエッジの雪稜は当然多数。下山は懸垂下降4-6回(記憶が不鮮明)。終盤にもクライミングがあり、部分的に被っていた。4級程度だが、疲れてきているので、フリーでもあり、難易度が高く感じた。渾身の力で登った。16時下山。18時過ぎには、雷雨となった。手間取ると悪天候に捕まっていた。ロープワークはよく練習しておいて良かった。
12日にミッテルレギ小屋へアプローチしたが、新雪が多く積もり、パーティが戻ってくる。私も断念。その日は、ユングフラウヨッホヒュッテにとまり、13日にメンヒに登る。メンヒの山頂からは、アイガーがよく見えるが、トレースが全く見えない。そこで、ベースキャンプまで下山。
すこし、悶々として14日朝、起きだしてアイガーを見上げると、アタックしてるヘッドランプが見える。昨日は、アプローチ可能だったのか。。。
 天気予報をチェックし、やはり午後は雷雨予報のようだが、アプローチすることにする。(写真には、小屋の灯りは映っているが、さすがにヘッドランプは映っていない)
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12日にミッテルレギ小屋へアプローチしたが、新雪が多く積もり、パーティが戻ってくる。私も断念。その日は、ユングフラウヨッホヒュッテにとまり、13日にメンヒに登る。メンヒの山頂からは、アイガーがよく見えるが、トレースが全く見えない。そこで、ベースキャンプまで下山。
すこし、悶々として14日朝、起きだしてアイガーを見上げると、アタックしてるヘッドランプが見える。昨日は、アプローチ可能だったのか。。。
 天気予報をチェックし、やはり午後は雷雨予報のようだが、アプローチすることにする。(写真には、小屋の灯りは映っているが、さすがにヘッドランプは映っていない)
ベースキャンプの様子。私のテントから。
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ベースキャンプの様子。私のテントから。
クライミングギア一式。この他には、アイゼン、ピッケル、アイスアクス、ロープ8mm×50m
クライミングギア一式。この他には、アイゼン、ピッケル、アイスアクス、ロープ8mm×50m
アイスメーア駅。2回目。この写真の右奥(進行方向)の扉を開けて、地下道を降りていく。一番後ろの車両の広場からしか降りられない。
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アイスメーア駅。2回目。この写真の右奥(進行方向)の扉を開けて、地下道を降りていく。一番後ろの車両の広場からしか降りられない。
氷河に降りる。
遠くに小屋が見える。
遠くに小屋が見える。
左に岩にとりつく。日本で見た過去の記録よりも雪が多いようだ。12:40
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左に岩にとりつく。日本で見た過去の記録よりも雪が多いようだ。12:40
取りついて、すぐに残置支点がある。
ロープを出した記録があったので、時間もあるし、ロープワークの練習も兼ねて、ロープを出す。
取りついて、すぐに残置支点がある。
ロープを出した記録があったので、時間もあるし、ロープワークの練習も兼ねて、ロープを出す。
ソロクライミング。いろいろな方法があるが、今回は、上まで登って、懸垂で戻る方法を採用。どうせ戻るので、ザックは、下に残す。 3級もなく、出すほどではなかったが、ルートを間違えると、ロープを出していないと降りられなくなるので、ルートを知らない身としては、出さざるを得なかったかもしれない。
 ガイド登山に追い抜かれたが、コンティニュアスで登っていた。
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ソロクライミング。いろいろな方法があるが、今回は、上まで登って、懸垂で戻る方法を採用。どうせ戻るので、ザックは、下に残す。 3級もなく、出すほどではなかったが、ルートを間違えると、ロープを出していないと降りられなくなるので、ルートを知らない身としては、出さざるを得なかったかもしれない。
 ガイド登山に追い抜かれたが、コンティニュアスで登っていた。
小屋が近くに見えてくる。
小屋が近くに見えてくる。
トラバースを繰り返す。どの道が正解かわからない。というよりも、適当なようだ。私は、下に道を取りすぎたようだ。
トラバースを繰り返す。どの道が正解かわからない。というよりも、適当なようだ。私は、下に道を取りすぎたようだ。
小屋が近づく 15:43
小屋が近づく 15:43
アイガーの前衛のグロッサーツルムと左にメンヒ。アイガーは隠れて見えない。
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アイガーの前衛のグロッサーツルムと左にメンヒ。アイガーは隠れて見えない。
小屋は、こんな感じ。有名な絵だが、手前に副館がある。
私は、予約していなかったので、すこし注意されたが、小屋番の女性は、優しくフレンドリーだった。こちらのボロい副館を案内される。
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小屋は、こんな感じ。有名な絵だが、手前に副館がある。
私は、予約していなかったので、すこし注意されたが、小屋番の女性は、優しくフレンドリーだった。こちらのボロい副館を案内される。
中は、こんな2段ベッド。こちらには、私以外は、2人だけで、寝るまで戻ってこなかったかので、好きに装備チェックできて、却ってよかった。
 マッターホルン登った時はガイドがいて、アタックする他の人とも歓談があったが、ソロは胡散臭く思えると見えて、完全にアウェイの雰囲気。フレンドリーな感じは全くない。
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中は、こんな2段ベッド。こちらには、私以外は、2人だけで、寝るまで戻ってこなかったかので、好きに装備チェックできて、却ってよかった。
 マッターホルン登った時はガイドがいて、アタックする他の人とも歓談があったが、ソロは胡散臭く思えると見えて、完全にアウェイの雰囲気。フレンドリーな感じは全くない。
中には、槙有恒さんのレリーフがある。誇らしい。
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中には、槙有恒さんのレリーフがある。誇らしい。
晩御飯はラザニア? ボリュームもあり、美味しかった。
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晩御飯はラザニア? ボリュームもあり、美味しかった。
デザートもつく。
デザートもつく。
夕焼け。20:28
南東の方角。20:43
21:00には寝たと思う。翌朝は、4:00起床、4:30食事、
5:15出発だったと思う。小屋番の女性に、ガイドが先がマナーだろうから、どういう順番で出発したらよいかを聞いておいた。地元ガイド3パーティの後に出発と言われ、その通りにした。後ろには、5-6パーティだったと思う。(最後まで、抜きも抜かれもしなかった。)
南東の方角。20:43
21:00には寝たと思う。翌朝は、4:00起床、4:30食事、
5:15出発だったと思う。小屋番の女性に、ガイドが先がマナーだろうから、どういう順番で出発したらよいかを聞いておいた。地元ガイド3パーティの後に出発と言われ、その通りにした。後ろには、5-6パーティだったと思う。(最後まで、抜きも抜かれもしなかった。)
ヘッドランプでスタートなので、暗いうちは写真がない。
うす暗いうちからクライミングが開始。
ヘッドランプでスタートなので、暗いうちは写真がない。
うす暗いうちからクライミングが開始。
グロッサーツルム
グロッサーツルム
もちろん、落ちれば、おしまいの斜面だが、全体的には、順層で、細かいながらも、ホールドはしっかりしていて、フリクションは効いた。
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もちろん、落ちれば、おしまいの斜面だが、全体的には、順層で、細かいながらも、ホールドはしっかりしていて、フリクションは効いた。
やはり、足で登れないと、あっという間に疲労してしまうので、細かくても、小さい段差を登るようにし、丁寧に登る。
やはり、足で登れないと、あっという間に疲労してしまうので、細かくても、小さい段差を登るようにし、丁寧に登る。
プルージックといっても、固定ロープが太いおかげで、一回回せば十分なフリクションが得られた。
固定ロープの中間支点は、リングが親切にも2つ付いているので、プルージックの掛け替えは容易で助かった。
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プルージックといっても、固定ロープが太いおかげで、一回回せば十分なフリクションが得られた。
固定ロープの中間支点は、リングが親切にも2つ付いているので、プルージックの掛け替えは容易で助かった。
6:33 日の出 振り返って撮影。
6:33 日の出 振り返って撮影。
岩に日が差してくる。
岩に日が差してくる。
プルージックには、ダイニーマは融点が低いので本来不向きだが、ロープが太いので、摩擦することがほとんど考えられないので、時々使用。
プルージックには、ダイニーマは融点が低いので本来不向きだが、ロープが太いので、摩擦することがほとんど考えられないので、時々使用。
クライミング中の写真は、ヘルメットに装着したビデオからのキャプチャです。
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クライミング中の写真は、ヘルメットに装着したビデオからのキャプチャです。
延々といつ終わるとも知れない急な斜度が続く。
延々といつ終わるとも知れない急な斜度が続く。
かなり登ってきた。これが、最後か? 記憶では、あのピークの岩の隙間でアイゼンを装着した。そこしか、腰かける場所はなかった。
かなり登ってきた。これが、最後か? 記憶では、あのピークの岩の隙間でアイゼンを装着した。そこしか、腰かける場所はなかった。
ミックスの登り
右側は北壁上部なんだと思う。
右側は北壁上部なんだと思う。
振り返ったところ。
振り返ったところ。
北壁と麓の町
山頂が見えた!?
山頂が見えた!?
再度振り返り
山頂へ続く最後のナイフリッジ
一歩一歩慎重に進む。トレースがなかったら、もっと時間も疲労もするだろうな。。。
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山頂へ続く最後のナイフリッジ
一歩一歩慎重に進む。トレースがなかったら、もっと時間も疲労もするだろうな。。。
山頂!!!前方左はメンヒ
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山頂!!!前方左はメンヒ
振り返ったトレース。 左が北壁。
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振り返ったトレース。 左が北壁。
ヘルメットカメラの広角だとこんな感じ。周りに山が美しい。
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ヘルメットカメラの広角だとこんな感じ。周りに山が美しい。
ここで、気が付いて、初めてiphoneのGPSを見る。現在地が目標地が一致!!
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ここで、気が付いて、初めてiphoneのGPSを見る。現在地が目標地が一致!!
下山路。正直降りる方が怖い。
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下山路。正直降りる方が怖い。
急な斜面だが、岩がでていて、懸垂地点まで、そんなに苦労せず降りられてホットした。
懸垂は事故率が高いのと、時間がかかるので、集中して、写真もほとんど取らなかった。4-6回だと思うが、うろ覚え。懸垂支点は、丈夫な支点があった。その情報がなく、ここが一番心配だったが、問題なかった。
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急な斜面だが、岩がでていて、懸垂地点まで、そんなに苦労せず降りられてホットした。
懸垂は事故率が高いのと、時間がかかるので、集中して、写真もほとんど取らなかった。4-6回だと思うが、うろ覚え。懸垂支点は、丈夫な支点があった。その情報がなく、ここが一番心配だったが、問題なかった。
懸垂が一通り終わったところで、山頂を見上げる。
懸垂が一通り終わったところで、山頂を見上げる。
これからの下山路。まだまだ、長い。中央の小ピークが事前情報でも侮れない。実際、しょっぱかった。。
これからの下山路。まだまだ、長い。中央の小ピークが事前情報でも侮れない。実際、しょっぱかった。。
小ピークに近づいて、アイガーを振り返る。
小ピークに近づいて、アイガーを振り返る。
ミックスの登り。ピッケルを出したり、引っ込めたり。。。
ミックスの登り。ピッケルを出したり、引っ込めたり。。。
最後の難所? 以外と立っている。
最後の難所? 以外と立っている。
残置が見えるが、使いやすい高さと位置になく、一旦、この壁の基部に降りてから登った。
残置が見えるが、使いやすい高さと位置になく、一旦、この壁の基部に降りてから登った。
意外と高度感があり、終盤にここをフリーで登るのは、怖かった。ロープ出す選択もあったが、もし、ロープを出していたら、上に支点が見あたらなかったので、ハーケンを打つ必要があったかも知れない。ガイドはどうしているんだろう。。
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意外と高度感があり、終盤にここをフリーで登るのは、怖かった。ロープ出す選択もあったが、もし、ロープを出していたら、上に支点が見あたらなかったので、ハーケンを打つ必要があったかも知れない。ガイドはどうしているんだろう。。
その後、ミックスの岩をいくつか、最後まで気を抜かずに超えると、広い雪原にでる。
その後、ミックスの岩をいくつか、最後まで気を抜かずに超えると、広い雪原にでる。
メンヒの東壁。ここは、難易度高そう。。
メンヒの東壁。ここは、難易度高そう。。
危険地帯を脱出。ザックを下し、初めて休憩。14:15
アイガーが随分遠くなった。
危険地帯を脱出。ザックを下し、初めて休憩。14:15
アイガーが随分遠くなった。
そのあと、1時間以上歩き、3日前に泊まったユングフラウヨッホヒュッテの下に着く。そこから、駅まで、小一時間。
そのあと、1時間以上歩き、3日前に泊まったユングフラウヨッホヒュッテの下に着く。そこから、駅まで、小一時間。
麓のクライネシャイデック。案の定、アイガーが雲に包まれてきた。その後、ベースキャンプに戻った19:00過ぎに雷雨になった。
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麓のクライネシャイデック。案の定、アイガーが雲に包まれてきた。その後、ベースキャンプに戻った19:00過ぎに雷雨になった。

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 雨具 ゲイター バラクラバ ザック アイゼン ピッケル 行動食 飲料 コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 日焼け止め ロールペーパー 携帯 時計 サングラス ツェルト ナイフ ロープ ハーネス ヘルメット 確保機 カラビナ スリング アッセンダー アングルハーケン アイスアックス アイスピトン (アイフォンにGPSソフト”SwissMapをインストール 地図もオフライン用に切り取っておいた)
備考 軽量化によるスピード重視で、予備は電池以外持たない。ビバーグや着替えのできる場所は、考えにくく、持って行っても仕方がないから。

感想

アタックの翌日は天気が良かったですが山頂は、前日にうっすらと雪が降ったと思われます。翌々日は雨が降ったので、そこからまた数日はアタックのチャンスがなかったものと思われます。条件が良かった日に登ることができて、崩れる前に下山でき幸運でした。

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