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Yamareco

記録ID: 117942
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無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

蓼科山・双子山・北横岳

2008年10月12日(日) [日帰り]
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GPS
07:15
距離
14.0km
登り
1,677m
下り
990m

コースタイム

蓼科牧場バス停 08:20
七合目登山口  09:05
将軍平     10:10
蓼科山     10:35-10:45
将軍平     11:15
大河原峠    12:05-12:10
双子山     12:25-12:35
双子池     12:55-13:05
亀甲池     13:30-13:40
北横岳     14:40-14:50
七ツ池     15:00-15:05
ロープウェイ山頂駅  15:35
天候 午前中は雲ひとつない快晴。周辺の各山域もほとんどが好天だったようで、絶好の展望条件でした。午後に入って高い雲が出てきたものの、大展望は夕方まで保たれていました。
過去天気図(気象庁) 2008年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
(行き)
茅野駅 06:40-(諏訪バス)-07:58 蓼科牧場バス停
(帰り)
山頂駅 15:40-(ピラタス蓼科ロープウェイ)-15:47 山麓駅 → ピラタスロープウェイバス停 16:52-(諏訪バス)-17:44 茅野駅
コース状況/
危険箇所等
※登山行程が1日に収まっているため、1日行程として登録しましたが、前日に上諏訪へ移動して前泊しているので、行程全体としては1泊2日となっています。

蓼科牧場バス停からの登り口が分かりづらく、しかもスキー場のリフト脇を直登する強引な道でした。
でも七合目の登山口以降は、最後まで良く歩かれた道が続いて、危険個所や迷いやすい箇所などはありません。
ただし、双子池から亀甲池へ向かう道の前半は、苔むした滑りやすい道で少々難儀しましたし、亀甲池から北横岳への400mもの急登では、かなり辛い思いをしています。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。
※GPS導入前なので、ルートは推測です。

感想

蓼科牧場でバスを降りてから、営業時間前のリフトのケーブル沿いに登れば良いと判明するまでに、20分も費やしてしまいました。
「山と高原地図」ではリフトを大きく右にそれた位置から登山道が描かれており、小冊子でも「牧場の中の急坂を登る」と説明されています。
このため、最初は右手に見える牧場に向かったのですが、そこで見たのは「登山者の皆さまへ。牧場内は通り抜けできません」という立て看板。
そこで、牧場の周囲を広範に探ったのですが、何も収穫はなく、仕方なくバス停に戻ったところで、リフト沿いに登り始めている先行者を発見したのでした。

リフト沿いの道は、保守車両の通路になっているのか、キャタピラの跡ばかりが鮮明で、そのためか踏み跡はあまり明瞭に残されていません。恐らくは、歩く人の数自体も少ないのでしょう。
正統な(?)登山道でないことは、かなり傾斜のある斜面を全くの直線で登っていることからも明らかで、すぐにひと汗かかされます。
1本入れるついでに振り返ると、牧場付近や女神湖がきれいに眺められて、さらに登っていくと北アルプスのかなりの部分が眺められるようになりました。

リフトの山頂駅に着くと、その先が御泉水自然園の入口となっています。料金所の建物もまだ無人で、今ならばタダで回れそうでしたが、最初の20分のロスが痛かったので、先を急ぎます。
ようやく登山道らしくなった道で、ササの茂る中を緩やかに登っていくと、やがて大きな駐車場やトイレのある七合目登山口に出ました。
駐車場にはすでに沢山の車があって、大勢の人の姿が。ここまで1人静かに登ってきたのですが、やはりここは日本百名山。メインルートに入れば、かなり賑やかになってしまうのでした。

七合目登山口から、多くの登山者に混ざって登山道を進んでいくと、最初緩やかだった傾斜は、次第に急登へと変わっていきます。
足元も石ゴロで歩きづらくなり、展望もない苦しい登りを小1時間ほど続けて、蓼科山荘が建ち、道が十字路状に交差する将軍平に到着です。

将軍平から蓼科山までは、急斜面を大石の間を縫って登ります。段差の大きな箇所では手の補助も必要でしたし、不規則に折り重なる石には水平な足場などないので、不安定な足元に常に注意が必要です。
幸いにも好天で足元の岩が完全に乾いていて、問題なく登れましたが、濡れていたりすればかなり神経をすり減らしそうでした。
急登であっという間に高度が上がり、やや傾斜が緩んだかなと思ったら、蓼科山頂ヒュッテの屋根が見えてきて、すぐに広い頂上一帯に出ました。

比較的近い側に三角点があって、そこが最高点らしかったので、そこで少し留まっていきます。
西側には展望盤が設置された一角もあったようですが、デコボコに岩塊が敷き詰められた頂上は歩きにいことこの上なく、面倒なので行く気は起こりませんでした。

展望盤などなくても、周囲を取り囲むのは名だたる名山ばかり。どの方角にもほとんど雲のない絶好の好天の中、北アルプスは全域がクリアに顔を出していました。
反時計回りに視点を移していけば、乗鞍、御嶽、中央アルプス、南アルプス、さらに間近の八ヶ岳と、次々に目を楽しませてくれます。
幾重にも折り重なる奥秩父の山並みは、さすがに個々を特定するのは難しいものの、金峰山は五丈岩が目印となって分かりやすかったです。
さらに北東側には、台地状の独特な山容が目を引く荒船山、そして噴煙が上がる浅間山と、その背後には上信越の山々が連なっていました。

この今年1番の展望を心ゆくまで楽しみたいところでしたが、どうも周囲が騒々しくなってきました。
団体さんがやって来て、頂上付近を占拠した上で入れ替わり立ち替わり何枚も写真などを撮り始めたのです。次第に周囲には、いつ頂上が空くのだろうかと苦笑しながら待つ人の姿なども見られるようになってきました。
団体で来るなとは言わないが、大人数で押し掛けるからには、その自覚と他者へのきちんとした気配りをお願いしたいです。統率の取れた団体であれば、周囲に不愉快な思いをさせることもないのでしょうが、たまたま今日居合わせたのが、そういう成熟した団体ではなかったのが残念でした。

蓼科山の三角点を後にして、急斜面の岩場を下って将軍平まで戻ります。
まだ登る人のほうが圧倒的に多い時間帯で、これから登る人が列をなしていて、道を譲るのに一体どれだけ待たされたでしょう。
待っていた時間の長さはともかく、見通しの良い道ですから、一握りの人数が一方的に長く待っている状況を、誰もがずっと下から見続けてきた筈なのに、待たせたのを当然のような顔をする人のなんと多いことか。
ほとんどの人が、「すみません」のひと言もないばかりか、無視するかのように通り過ぎて行くのには、呆れてしまいました。

そこが百名山だからと登りに来るような人の中には、本当の意味で山が好きなわけではない人も多いのではないか、という印象は前から持っていましたが、それを確信した今日の出来事です。
そういう人たちの多く集まる山では、あまり愉快でない思いをさせられることが実に多いので、元々特段の意識をしていなかった百名山は、私にとってさらに色褪せたものになってしまいました。

将軍平を直進して大河原峠へ向かうと、しばらくは穏やかな道が続きました。しかし峠への下りが始まると、石ゴロの歩きにくい道と、ぬかるみが交互に現れるようになって、あまり快適には歩けません。
それを辛抱して下っていき、やがてササの中の道に変わると、その先が大河原峠でした。車道が通じている峠で、蓼科山に最小標高差で登れることや、浅間山が良く眺められるなど景色が良いこともあってか、周囲には多くの車が停められていました。

大河原峠からは、双子山を越えて双子池へ向かいます。双子山は峠からの標高差が140mほどですが、広く開けた頂上からは思っていた以上の展望を楽しめました。
そして双子山から双子池への下りは、足に優しい土の道がほとんどで、結果的に今日の全コースの中で最も歩きやすい区間でした。

双子池ヒュッテの建物が目に入ってくれば、そこはもう2つの池の畔。雌池は後回しにして、雄池の水辺まで出てみます。
静かな湖畔には色づいた木々も見られ、その紅葉が静かな湖面にも映ってとても美しい光景です。いつまでもゆっくりしていたいような場所でした。

双子池から亀甲池へ向かう道は、まず雌池の周りを半周近く歩くことから始まります。そして池を離れると、今度は北八ツらしい、しっとりと苔むした美しい森の中へと入りました。
ただし足元の石や木の根がことごとく苔で滑りやすく、部分的には段差の大きな箇所などもあって、せっかくの美しい風景の中なのですが、非常に歩きにくいのが難点でした。
小さな峠を越えて下りに変わると、同時に森の様子も一変します。苔が少なくなって、森のしっとりした感じは薄まり、登山道も路面が乾いていて歩きやすくなります。
しばらく下って着いた亀甲池は、双子池と比べると小さな池ですが、訪れる人が少なくて、より落ち着いた雰囲気でした。

亀甲池を後にすると、北横岳への急登が始まりました。急なばかりか、苔のある樹林帯の中では石などが滑りやすく、登りはまだしも下りならばかなり神経を使いそうです。
北横岳へは450m近い標高差がありますが、結局最後まで、ジグザグの急登がほとんど緩むことなく続く、なかなか苦しい登りでした。

それでも北横岳の北峰に着くと、もう午後3時近い時間帯にもかかわらず、午前中と変わりないクリアな展望が得られて、苦しさが報われた気分です。
御嶽山が雲に覆われつつあるのを除いて、ほかの各方面では終日好天が続いたようで、北横岳からの眺めも蓼科山に劣らず素晴らしいものでした。
しかし風は冷たくなっていて、特に頂上ではしばしば強風に見舞われます。身体が冷えるのでウインドブレーカーを羽織りましたが、それでもやがて寒くなって、あまり長居はできませんでした。

北横岳は双耳峰で、北峰から南峰へは僅かな距離ですぐに移動できます。南峰は北峰より若干低くなるものの、ほぼ変わらない展望を楽しめました。
南峰には少し立ち寄る程度で下りにかかると、数分で北横岳ヒュッテに出て、その近くから七ツ池への分岐道に寄っていきます。ほんの少しだけ下れば、すぐに池が点在するエリアに出ました。
以前はぐるっと周囲を歩けたようですが、現在は保全のため2つの池の前に出られるのみ。時間が遅いせいか、どちらの池もほかに人は全くおらず、静寂の中にゆったりとした時間が流れていました。

ヒュッテの前まで戻った後は、ゴール地点のロープウェイの駅を目指します。
岩っぽい中の急降下に入ると、その途中には、これから向かう坪庭を見下ろせる箇所がありました。溶岩とハイマツなどの低木が織りなす天然の造形を美しく一望できて、まるで日本庭園のようです。
次第に傾斜が緩んで橋を渡れば、もうそこは坪庭の一角。ほどなく散策路に合流して、最後は一般観光客に混じってロープウェイの駅まで歩きました。

山麓駅まではロープウェイで下り、バスに乗るまで少し時間があったので、駅のレストランに入って遅めの昼食を取っていきます。
外の景色を見ると、紅葉の見頃がちょうどこの山麓駅のあたりに降りてきていて、周囲はすっかり秋色で鮮やかに染まっています。
とりわけ黄葉しているものが多く、赤系の色が主体の紅葉とは違って上品な印象でした。この日、山の中ではあまり見られなかった紅葉を、最後に楽しめて良かったと思います。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2008_10_12/mt2008_10_12.html#20081012

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