2年越しの宿題 ゼロ富士
- GPS
- 45:15
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,179m
- 下り
- 3,093m
天候 | 山上は両日とも雲海を見下ろしながらの好天。 気温は夜中も10℃あたりまでしか下がらず、過ごしやすい。 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
(バス停から約1.5km戻った高鉢駐車場がスタート地点。 高鉢駐車場は2か所あるので、その2つ目。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
村山道に入り、富士宮口六合目まではほぼ直登になるのででっこうきつく感じる。 山頂のお鉢巡りコースは残雪があるので剣ヶ峰から時計回り方向が通行止め。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
|
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感想
でっかい富士山を歩いて、その大きさに自分の限界を感じながらも喜びたいと、3度計画しているゼロ富士。
4度目の今回、何度も心が折れそうになりながらも無事山頂を踏んで下山できたこと、ほっとしている。
実際には今回もスタート後の2時間で一度続行不可になり、翌朝仕切り直した経緯があった。
前回撤退した地点までバスで行けることを知り、100%ではないけれどこの計画を続行できると思い直しての朝の移動。
富士宮口五合目行きのバスに乗るときの葛藤もありながら、自分を納得させてスタートした。
高鉢駐車場が2か所存在することを知らずに村山道へのトラバース道を見つけられず、出だしで時間を取られてしまったが、そこから先はしっかりした道が伸びて道標も完備されていた。
不安だった天気の具合も上々で、少なくとも今日は大丈夫。
標高が上がれば気温も下がるだろうと楽観できた。
村山道に入ると斜面はまだ緩やかだが山頂方向にほぼまっすぐの直登ルートになる。
今までこの道で人に出会うことがなかったので、いきなりの人の声に驚いたが、見ると数十人の団体ハイカーが休憩中のシーン。
地元の歩こう会のような団体の皆さんとのことで、道を空けてもらって先に進んだ。
このままなら体力にも余裕を持ちながら、6合目の宿に早く着くことができそうだと皮算用をしながら歩いていてふと気が付くと首にかけていたタオルがない。
枝に引っかけてでも落ちてしまったようだと判断して、すぐに見つけるつもりで来た道を引き返した。 さっき抜いた団体さんとすれ違いながら聞いてみても誰も知らないとのこと。
ゴミを残してしまった後悔を感じながらしばらく登り返しているうちに、ストックを握っていないことに気付いた。
ボーっとしている自分に喝を入れながらもう一度下って行った。
ストックを持っていた記憶のあるところまで下り、歩いた通りに登り返すがやはり見つからない。
ストックはまだ十分使えるので誰かが拾えばいいだろうが、タオルはそのままゴミになる可能性が高そうだろうと後悔の念が大きい。
いつものことと言えばその通りだが、余計な行動や時間、イライラをプラスして消費カロリーは跳ね上がった。
想い足を引きずりながら六合目の今日の宿、雲海荘へたどり着いた。
ここからは富士宮ルートと合流するので登山者の数も多くなるが、小屋の中も外もなんとなくあわただしい。
受付をしながら今日が山開きの日だと初めて聞いて驚いた。
そういえば、テレビのカメラを持った人や、出演するリピーターらしい人、
「ミス○○」のご一行が4日かけて、村山道から山頂まで登るイベントで到着したりとなんとも賑やかな景色。
登山者を連れたガイドさんたちが次々小屋を除いては、「今年もよろしくね!」なんて新年(?)の挨拶をして行く。
この山にとっては年中行事なんだろうが、今日ならではの賑やかさに全身目と耳になって季節感を味わっていた。
ニュースでは目にしていた外国人登山者の多さが、全く誇張ではないことも知った。
聞こえてくる会話など、少なくとも半分以上が外国語。
アジア系が一番多いが、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語などなど、オリンピック会場か万博会場かと思ってしまう。
ご来光の時間は渋滞するだろうと、遅いスタートを予定していたが、天気もよさそうなので早く出ることにした。
渋滞するから早めに、と教えてもらって、12時前には宿を出る。
前半に出会ったのは2組だけ。
日本人の若いカップルはヘッデンなし、登山靴もなしで月明かりの登山道を登っていた。
たぶんすぐに引き返しただろうが・・・
その後の白人女性の2人連れ、こちらもヘッデンなし。
一旦先行したが、大丈夫かと声をかけると「I‘m OK!」と明るく返され拍子抜け。
どうも感覚の違いはあるようで…
日本人が心配性なのか?
外国人の登山マナー云々と言われるが、知らない土地では地元の人たちの真似をしながら感覚やマナーを体で覚えた経験は自分にもある。
日本人の登山者たちで真似してもらえるようないい習慣を根付かせていければ、これからもっとたくさんの人たちと一緒に山を楽しめると思う。
(小屋の前で夜中なのに大声で談笑するグループには見かねて声をかけてしまった。 アジア系の言葉はどうも響いてしまう…)
8合目を過ぎるといっぺんに人が増え、話に聞いていた渋滞に巻き込まれてしまった。
ただ前日の足の疲れが残った身には、ここで待っているふりをしながらペースを落としてコンディションを回復できるのがありがたかった。
山頂奥宮からようやく剣ヶ峰へ。
東の空は見る間に明るくなり、ご来光カウントダウン状態。
乳酸の溜まった足で人込みに埋もれるより、途中の岩にでも腰を下ろしてのんびりするかと足を止める。
でももう少し上から、といくらか移動してまた止まる…
そんなことそうぃているうちに上に着いてしまい、その時に誰かが叫んだ「ご来光〜!」 の叫び。
一瞬あたりのざわめきが静まり、人々の意識が同じ方向を向くのを感じる。
(シャッター音はなり続けているが)
この季節、梅雨前線がすぐ近所にあるのにこの朝の太陽、山からの大きなプレゼントだった。
宿で受け取ってきた弁当を食べ、ゆっくり下山にかかる。
当初の計画では朝のスタートを4時にしていたのでこれまた余裕のある今日の行動。
お鉢巡りを半周(雪のため一部通行止め)して、吉田口の下山道を下る。
道幅の広いジグザグ道を半分走って下りていく。
溶岩の砂利の地面にかかとから足を下ろして、滑らせながら膝を曲げたまま体重を移動させる。
雪の伊吹山で何度も遊んだ経験が大いに生きて、吊かけていた足も膝も何のストレスもなく走っていける。
抜いて行く下山者に石が当たらないよう足の踏み場所には注意しながらいい気分で下り、1時間少々で6合目に到着。
ここに富士山の保全協力活動の窓口を見つけ。支払いを済ませた。
気分的にはこれで下山を済ませたような錯覚があったが、まだ標高2300mあたり…
実はここからが本番だった。
下っても下ってもなかなか下がらない標高なのに、日差しや気温、湿気は遠慮なしに増してくる!
それでも途中で出合った同行者と馬返しにたどり着き、ボランティアの方々から冷たいお茶をいただいてなんとか気力回復。
この旅を完結させようとラストスパートにかかる。
地形図の端から端まで伸びるようなまっすぐの道。
自衛隊の演習場に隣接する道には自販機ひとつない。
1時間歩いても景色の変わらない苦行のようなアスファルト道。
あとどれだけ…と地形図を片手に進んだ実感を無理やり持ちながらゴールを目指した。
最後の予定変更はゴール地点。
富士山駅の予定を、河口湖IC近くの日帰り温泉「ふじやま温泉」に!
ちょっとズルをした今回の山旅、最後のゴールテープは好きなところに張ってよしと…
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