羽後朝日岳(部名垂沢登下降)
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 1,105m
- 下り
- 1,100m
コースタイム
- 山行
- 14:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 14:10
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
主要な滝には固定ロープ在り 沢源頭から藪化した薄い踏みあと在り ルートは手入力です |
写真
装備
個人装備 |
ロープ 7mm×10m1本 5m 1本 どちらも使用せず スリング等も未使用
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感想
山岳雑誌やテレビ番組などで知ったと思うのだが、その記憶は定かではない。その面白い名前に惹かれたのだ。山の名前ではない。登路の一つである部名垂沢である、山の名前は羽後朝日岳という。全く知識のない状況では何と読むのかさえあやふやだ。“へなたれさわ”と読むが、きっと厳しいルートなので“へたり込んでしまう”ような沢なのであろうか。それがまた興味をそそるのだ。
海の日を山の日と読み替えて出発することに。行き帰りだけで2日間を要する。まったく遠いのだ。それが今になってしまった大きな要因だ。初日は、登山口で車中泊だから、急ぐ旅ではない。道の駅で休み休み進み、角館で武家屋敷を見学し登山口へ。林道に入ると車の通りはもちろん人の気配もない。いやはや遠くへ来てしまったものだと実感する。
朝4時出発。林道を少し戻って沢側へ進み入渓する。ゴーロ状の沢中を進む。直ぐに砂防ダムになる。右手の袖部を越えて進むと赤いテープが下がっており踏み跡があり、それを辿る。これは以前の林道の跡にできたものであろう。右手から沢が入りこむが、まっすぐ左手へ進む。ゴーロの河原は歩きづらいが、水際を歩けば少しは楽だ。徐々に流れは急になり、滝が出てくるが、ロープが下がっていて、それを利用して越える。一か所ロープが高いところにあり、手が届かず使えなかったので、水流の右手を草の根株を掴んで登ると比較的楽に登れた。
これで核心部は越えたかと思ったら、それからも滝というか、急な流れというか、気の抜けない遡行は続いた。沢中にはジリジリと陽が射し込み、ピッチは上がらない。休みながらもようやく水涸れ、沢源頭まで進む。コバイケイソウが一輪咲いていてホッと一息つく。右手にトラバース気味に進むと、ようやく稜線の一角となる。二ノ沢畚の櫛ノ背型の山容が存在感を示す。踏み跡も定かでないような藪道を進むとようやく山頂方面の風景が広がった。
青々とした山肌。その山肌を黄色いニッコウキスゲが埋めている。山頂右手に目を回せば、鳥海山。その間の山々は真昼山地の和賀岳や秋田駒ヶ岳が見えているはずだが、特定はなかなか簡単には出来なかった。初めての山で言い当てるのは簡単なものではない。まあ、いいではないか。山々の名前を言い当てるよりも、登ったという事に意義があるのだ。
山頂まで踏み跡をたどるが、踏み跡が定かではないのだ、だいたい踏み跡といっても道型が見えないのだ。何度、草を踏みつけてしまったことか。山頂近くなると、ニッコウキスゲに混じって、ハクサンイチゲ、ウスユキソウ、ハクサンチドリ等々が妍を競う。吹き付ける風がほてった体に心地よい。ずいぶん前から温めていた構想が実現して大満足であった。久々に会心の山行である。否、まだ山行は終わっていないのだ。腹ごしらえ後、山頂を後にする。
下りは、登路を忠実に戻り、何事もなく18時過ぎ登山口に戻る。いつまでも心に残るであろう山行である。
コメント
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どこまで行かれたのかなと思っていました。
沢といい花といいまさに夏山ですね。
「へなたれさわ」面白い名前です(*'▽')
今日は新潟方面たいへん荒れた空模様のようですね。
梅雨明けまでもう一息、お気を付けください。
hobbitさん おはようございます。
部名垂沢って、ちょっと読めませんよね。それで頭に残っていたんですね。ず〜っと思っていたことが実現できて大満足です。
羽後朝日岳は、マイナー12名山の一つなんですが、それが決められた前から意識してましたので、苦節20年ってとこですかね。
それが出だしからトラブル続出。ツェルト忘れてUターン。1時間のロス(-_-;) 現地近くなって懐中電灯忘れに気付きましたが、日の長い時期で助かりました。林道奥でバッテリー上がりのためJAFのお世話に。走り出したら尖った砂利を踏んだらしく、プシューっと音がしてタイヤバースト(-_-;) おまけにボルトのネジ山がつぶれて取り外し困難に。JAFの方が一緒だったので助かりました。反省しきりです。
大変な山行となりましたが、居合わせた人々におすがりして、助けていただいて、何とか切り抜けることができました。人と人との連帯を強く感じた山行となりました。一生忘れられない山行です。
暑い季節、沢登りは気持ちいいでしょうね。
でも、写真に出てくる滝をいくつも登るのなんて、とてもとてもできそうになく、凄いなあと拝見しました。
長い沢を登り、沢源頭に到達したところに咲くコバイケイソウ。
山頂碑の代わりのようで、お疲れさまと言っているようです。
そして、山一杯に広がるニッコウキスゲは、ご褒美のようです。
心に残る山行、読ませて頂いたこちらもそんな気分です。
運転含め、お疲れ様でした。 (#^.^#)
沢源頭のコバイケイソウ一輪。ちょっと盛りは過ぎたようでしたが、あともうちょっとだなと励まされ、癒されました。時間的にも何とかなるか、と目安がつきましたので。
日がじりじりと肌を刺し、稜線を吹き抜ける風が何よりのごちそうでした。草原のお花畑は踏み跡も定かでなく、足を踏み入れるのがはばかられるような気分でした。確かに14時間の行動でしたが、いま思い出すと、あっという間の出来事だったような気がします。
稜線に出て、ニッコーキスゲの連なりを目にした時の驚きは一生忘れないと思います。いい山行でした。手前味噌ですみません。ではまた。
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