白峰三山(北岳/間ノ岳/農鳥岳):10時間55分のトレイルラン
- GPS
- 10:56
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 2,836m
- 下り
- 3,500m
コースタイム
- 山行
- 9:24
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 10:55
天候 | 曇り時々はれ、のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大樺沢は残雪多めでした。踏み跡をたどればアイゼンなしでも通行可ですが、基本上り前提が望ましいです。全体的に気温が低く季節はずれの高山植物が多数目に付きました。大門沢では1箇所木橋が朽ち果ててましたが通行上問題はありません。 気温が低め(20度以下)だったため、1.0Lハイドレーションを使い切らず。 【備考】 ・奈良田⇒広河原 乗り合いバス(山梨交通):¥1,030 ・北岳山荘コカコーラ(350ml):¥500 ・奈良田の湯:¥550/大人(19:00まで) |
写真
感想
4年ぶりの日本の山。当初、白峰三山を実行する計画は一切ありませんでした。たまたまpatagonianさんと話をしていたところ意気投合し前夜に山行が決定したのが全ての始まりでした。もし、前夜にpatagonianさんが鳳凰三山の山行の話を切り出さなかったらこの山行は決して実現しなかったですね(笑)。
午前4時52号線沿いのセブンで待ち合わせし、そこからpatagonianさんのクルマに乗り込みます。朝5時前には奈良田の無料駐車場に到着し準備開始。まだ夏休みは先なのに思った以上にクルマが停まっているなというのが印象でした。5時半の広河原行の乗り合いバスは3台出発となりいづれも満車。空に雲が多かったので、本日一杯天気が持ってくれることを祈ります。広河原に6時15分頃到着してみると広河原インフォメーションセンターには物凄い人だかり。昔もよく目にした光景とは言え改めて南アルプス北部の人気の高さに驚かされました。
さて、現在メキシコに住んでいてロードの大会や年に数回のトレラン大会に参加してきましたが、正直なところかつて庭同然だったこの白峰三山をたやすく抜けられるか非常に不安でした。たしかに、メキシコの高所(1,800m)で生活はしているものの、これだけの上りの山に日々挑戦し続けている訳でもなくまた体力的に5-6時間を越える山行は完全にノータッチだったからです。
行動開始してみると、心肺への負担こそ全く問題ありませんでしたが、長く続く大樺沢の上りでは普段と違った筋肉をつかっているのが感じ取れます。また、雪渓の大樺沢の高度感にはしばしば圧倒されました。
行動開始から3時間20分程度、無茶しない程度のペースで北岳山頂に到着。patagonianさんは北岳のこの短時間の上りに高度順応がいて来ないのか最初軽い高山病気味のようでした。日ごろの疲れも溜まっているのかもしれません。山頂は平穏でまだ日差しもありましたが、大樺沢側はガスに包まれていて下部まで見下ろすことはできませんでした。
小休憩して次の北岳山荘を目指します。今回は大樺沢の残雪もさることながら、全体的に気温が低めで北岳山頂直下のお花畑には高山植物が咲き乱れてました。幸運にもキタダケソウにもお目にかかることができました。
北岳山頂からはひたすら下りで、気持ち良く走しらせてもらうこと約20分、北岳山荘に到着。patagonianさんの調子は良くなってきてますが、無理せずゆっくり休みを取りコーラで乾杯!北岳山荘では同じようにトレランで白峰三山を大門沢から逆走している元気は年配者とも会話したりpatagonianさんにとってもだいぶ気晴らしになったような感じでした。
先を進んでいくうちにいろいろ思いをはせます。4年前ほぼ毎週のように単独でこの周辺ルートをスピード勝負で抜けてましたが。今では4年前の時間の「刻み」が結構ズレていたりスピード感も変ってしまったような気がします。時に「良くやっていたなぁ〜」なんて正直他人事の様に懐かしく思いました。今回はpatagonianさんとの山行であることで、山を楽しむだけでなくそれ以上に過去の山行を一緒に振り返ったり、最近のヤマレコの動向や共通の山仲間について情報交換したりする場の為の山行という位置付けでもある訳ですが、patagonianさんから道中いろいろなエピソードを聞いているうちに、自分自身の山に対する姿勢だけでなく山仲間の活動も4年前とはだいぶ変っていることを思い知らされます。正直、日本の速攻登山のスタイルは以前にも増して激しさを増して、レベルもどんどんあがっていると感じさせられましたね。
北岳山荘を抜けて、中白根山を抜けると尾根のトラバースと緩い上り返しが続きます。これまで、稜線の東面だけに限られていたガスもやがれ山頂を覆うようになり、間ノ岳山頂に到着する頃には、ガスが山頂を包み込んでました。
間ノ岳山頂では、別の速攻登山グループに遭遇。話を聞いていると面白いものでUTMFに毎年参加しているツワモノでした。そのAさんは、毎年参加資格を得るために100位以内をキープしているということで、patagonianさんの話に輪を掛けるように日本の山岳事情も年々レベルアップしているのだなぁとつくづく思い知らされました(Aさん:8月でのスペインでのトレイルレースガンバです!)。
間ノ岳出発、正午。思ったよりゆったりペースで進んできましたが、ここから農鳥小屋まで一気に下ります。間ノ岳からの下りの展望も久しぶりなせいか、超巨大でその大パノラマ展望に大満足でした。ただ、一方で空模様もこれまで以上に悪化しているようにそれだけが少し気になります。
農鳥小屋では10分も休まず先を急ぐことにします。ここからは西農鳥岳への上り返しさへ抜ければあとは単調なトラバースと少しばかりのアップダウンでその先の農鳥岳に到着です。農鳥岳の山頂を極めれば、あとは大門沢下降点からその先の大門沢も含めひたすら下るばかりです。
ところが、ここで準備の甘さからちょっとしたトラブルに見舞われます。ちょうど西農鳥岳山頂に到着した頃でしょうか?それまでガスに包まれていた横殴りの小雨が瞬時にして大粒の雨に様変わりします。patagonianさんはゴアテックスのレインウェアを持参してましたが、ainuはウィンドブレーカーのみで突発的な降雨で体中水浸しになります。風も若干吹いていたせいか一気に体温を奪われました。幸いにしてこの雨はほんの15-20分もせず止んでくれましたが、その後も大門沢下降点を下るまでとても寒い思いをしました。
最後のピーク、農鳥岳到着13:54。山頂は無人でしたが、なぜかサルの親子がこちらをチラチラ様子見ながら出迎えてくれました。まだ先程の雨の余韻なのか風も残っており、長居は無用との事で先を急ぎます。それから大門沢を1時間20分かけて大門沢小屋、更に大門沢小屋から1時間掛けて林道沿いの登山道入り口までえ下ります。大門沢小屋からは一時的に雨が強くなったものの、気温はだいぶ上昇し樹林帯の傘にも助けられ、八丁坂のシングルトラックはあっという間に終わってしまいました。最後は、登山道入口から駐車場までの3km(下り)を二人で話をしながらビクトリーラン。
久しぶりの10時間を越える山ランを追え二人ともまったりとした体全体に満ち渡る疲労感に酔いしれながら「奈良田の湯」で互いの労をねぎらいあいました。
Patagonianさん、北岳山頂から大門沢シングルトラックの快走までの復活お見事でした!
※ちょっと淡白なレコになってしまいましたが、日本の山仲間のレベルアップの話を聞いているうちに、自分自身もメキシコでの環境をもっと生かして、これまでとは違った自分なりの山行のカタチというものが描けないか、そんな風にinspireさせてくれました、たくさん刺激をもらいました。
おまけ(探してみてください):https://vimeo.com/195395318
家に帰って来たらヤマレコが完成されていました。感動です!
ainuさんとの1番の思い出は、穂高
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-136126.html
このときも、前日の朝に計画が決まったとレコに書かれています。
今回のプランも穂高の再現、前日に決まりました。このざっくり感が最高なんです。
次回は先になりそうですが、また一緒に走れるようにトレーニングに励みたいと
思います。レコアップありがとうございました。
ainuさん、お久しぶり。patagonianさん、こんにちは。
ainuさん、やっぱり速いですね。流石です
ところでainuさんの感想を読んで少し複雑な気持ちになりました。
先週の”【週刊ヤマレコ】みんなで作る山の記録集”のアクセスランキング1位の記事を、遅まきながら昨日読んだからです。以下がそれです。。。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1193926.html
ここで書かれていることは、ainuさんの感想の、”日本の速攻登山のスタイルは以前にも増して激しさを増して、レベルもどんどんあがっている”、事のマイナス面だと思います。個人でやっている分には影響は少ないでしょうが、レベルアップに寄与しているトレラン大会には問題が多いという事ですね。メキシコのルートはトレイルの道幅が広いので大丈夫そうですが
Futaroさん、こんにちは。お元気でしたか?昨日はkaikaireiさんと会って丹沢24/48の話で盛り上がりましたよ。
昨日とおとといで情報交換していて驚いたのは、これまでロングをやる山ヤの多くが走り始めたことです。初めに誰かが20kmのロングをはじめるとその情報からそのルートが「いける!」という話になり、そこから更に5km先、10km先に挑戦する山ヤが増える、気がつくと最初は20kmで精一杯と思われたルートが30kmにもなったり40kmにも延びている。そんな風に感じました。
同じ山仲間でも、4年経ってみると自分以上のロングに挑戦したりしている事にも驚かされて「レベルがどんどん上がっている」と書きました。
確かにこれは非常に微妙な話でもあって、それによる自然への影響が甚大ですね。
一方、別の意味で気になった話もあります。日本ではいくつかのメジャーなトレラン大会ではストックに限らずイヤホンの使用すら禁止されているケースもあるようです。つまり、日本のトレラン事情は自然や周辺選手への配慮からかなり特殊なルールも設定されているようです。メキシコは国土が広く自然条件も日本と異なるからなのか、ストック使用禁止といった大会はあまり聞きませんね。イヤホンを禁止するとおなるとほとんどのメキシコ人は理解できないかもしれません。
日本とメキシコのトレラン事情に対し、どちらが良いどちらが悪いと簡単に結論付けることはできませんが、日本の場合一部の大会がブランド化しており異常な過熱ぶりから信じられないくらいの参加者が集中したりしますね。また、それだけの参加者を受け入れてしまう大会もあり、結果として登山道で5分から10分の大渋滞が起きるケースもあるようですね。これで本当にトレイルランと呼べるのかと思うこともありますが、これが日本の現実ですよね。
日本の場合、降水量や地質条件といった自然条件がメキシコよりデリケートで、国土も圧倒的に狭いことから管理が増してシビアな気がします。
更に日本のトレイルランナーの多くは大会に参加する事を前提にしているような気がします。
自然保護に対する意識というのは、もちろん国民性の違いというのもあるのかもしれませんけれど。
ainuさんが書いている様な意味でレベルアップしている分にはそんなに問題ないと思います。youtaroさんなんかとも、昔は20キロでロングと言われていたけど、最近はヤマレコの影響か日帰りで30キロを越えないとロングと思えなくなったと話しています。個人としてならすれ違いもそんなに難しくないですから。昔から登山者が走る事は有りましたが特に問題は聞きませんでした。
問題は大会に登山道を使う場合ですね。だいたいの日本の登山道はそんなに広くないので、そこを100名やそれ以上の人が走ったら、追い抜きや他の登山者とのすれ違いで、登山道から外れる人がでるのは火を見るよりも明らかです。それが登山道近辺の植生の破壊につながるのでしょう。トレラン大会のコースを登山道から外す様にし、林道をメインにすれば問題は無いと思うのですが。。。それで荒廃してきた林道がまた整備されれば、登山者も喜ぶでしょうし、熊やイノシシが里に出てくる問題も多少は緩和される気がします。
トレイルランナーの多くは、大会に出場する事をモチベーションにしてレベルアップしている気がするので、大会自体が増える事はプラス面があると思います。ようはそのコースの取り方ですね。ところでイヤホンの禁止って初耳です。理由は危険だから?狭い所を大勢が走っている場合、目だけでは無く後ろから追い越しをかけてくるランナーの音も重要で、イヤホンをしているとそれに気づかないで前方の障害物を避けて急に右や左に寄って、後ろのランナーと衝突してしまう恐れが有るとか、そういう事故が過去に有ったとか。。。
ainuさん、patagonianさん、昨日はご一緒させていただき有難うございました!
違った環境での登山・トレラン。 patagonianさんのトレラン黎明期のお話など本当に刺激的で勉強になりました。
さて、Futaroさんがリンクしている方の記事ですが、完全にトレランに関して悪意を持っている方ですね。
この方の偏見に異議がありコメントした事も有りました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-961028.html
今回の記録を拝見して「まだ同じ事やっているんだ。改善したいのならトレラン人口の少ないヤマレコで言わずに、主催者やランネットで言いたい事を言えばよいのに...」と思いました。
何が悪くて、何が正解かなんて誰が決めるのでしょうか?
僕もFutaroさんも道無き場所を歩きます。 そして時にはルート外の岩も登ります。
これも人によっては悪と感じるでしょう。 何でもケチを付ければ偏った正論は作れるものです。
レースに関しては難しい問題があるとは思いますが、アンチが多いのは閉鎖的な日本人の気質なのかなぁ〜。なんて思います。
僕個人としては何分も待つ渋滞は勘弁!と思いますが、別に大した環境破壊がある訳でも無いので今まで通りで良いのではないか?と思っています。
kaikaireiさん、こんばんは。
昨日はありがとうございました。昨日の話に戻ってしまいますが、日本ってオモテナシの発想だとかきめ細やかで素晴らしい気遣いがある一方で、その分むずかしい事もたくさんありますよね。やっぱり、私にとって時に「日本人は世界で一番うるさいお客さん」だなと思うこともあります(笑)。
有志のお手伝いで発生したトラブルのお話がありましたが、メキシコでは「そんな事もあるさ」で済まされちゃうこともあって、場合によってはお金を払ってレストランで食べてもお腹を壊すこともあります。日本の感覚からすると笑うに笑えない話かもしれませんが、もしかしたら彼らは何でも責任の所在をはっきりさせる行為が解決の手がかりにならないことをきちんとわかっているのかもしれませんね。
ちなみにメキシコの牛乳は基本は低温殺菌されてません。以前、コップに注いで出しっぱなしの牛乳を飲んでランニングで出かけましたが、近くの畑で泥沼のキジ打ち合戦になってしまったことがあります。ご注意を!
ainu
ainuさん、patagonianさん、お疲れ様でした。
夏といえど、高所での雨は勘弁ですね
いや〜久しぶりにainuさんがホームとしていた山のレコを読みましたね〜
今回の山行実現は、patagonianさんの協力・大!!でしたね。
この夏、もう一度このエリアに行けたら、今度は周回したいと感じさせられたレコデした。
キタダケソウの写真、ご馳走様です!!
yamayoさん、こんばんは。
キタダケソウ、ハクサンイチゲと間違っていないことを祈ります!
また車中で話ができるのを楽しみにしてます。思い出と共にメキシコに戻ります。
ainu
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