失われた古道探索、金山沢から大ナジカ峠-千頭星山-かいじ国体コース
- GPS
- 09:59
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 2,427m
- 下り
- 2,434m
コースタイム
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 10:00
1番目の越えられない無い2段滝:7時21分着、道を誤り7時28分に越える。7分消費
2番目の越えられない無い2段滝:8時8分着、道を誤り8時35分にやっと越える。27分消費
天候 | 曇り時々晴れ。 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
第六駐車場に入れたかったのですが、5時前で既に満車で第八駐車場に誘導されました。そちらも直ぐに満車になっただろうと思います。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<芦安〜金山沢〜大ナジカ峠> 昔はこのルートに道が有って、青木鉱泉近くの集落と行き来していたそうです。以下の工場長さんのプログの、72年前の地図の項にはまだ載っていました。 http://koujouchou2.naturum.ne.jp/d2012-09-24.html 大ナジカ峠から青木鉱泉側はその地図にも載っていませんが、Evergreeさん達などが既にレコを書いています。 古道の形跡は殆ど無く、たまに有るのも獣道かどうか判別のつかない物でした。よって行程の殆どは沢登りとなります。ロープ等の登攀用具は持って行きませんでしたが、持ってた方が安心です。写真に書きましたが注意点は以下です(下流から順番)。 1. 堰堤や砂防ダムは全て左から越えます。 2. 最初の登れない二段の滝は、右側の支流から流れ込む小滝を登り、左に石垣が見えたらそれを越えます。石垣の反対側は1.5m〜2m位下が本流の河原で、二段の滝の上の滝の落ち口の傍に降りられます。 3. 二番目の登れない滝は少し戻って左から高巻きます。少し登ると右に残置ワイヤーが有るので、右にトラバースして残置ワイヤーで小尾根を登ると、滝の落ち口の上に出ます。ただ下までかなり高度が有って、ロープで懸垂下降しないと降りられません。ロープが無い場合、そのまま小尾根を登ると、右から別の支尾根が合流するので、その尾根を下って左手の谷に下れば本流の河原に降りられます。但しこれらの小尾根はどちらもかなりな急斜面で、慣れない人には難しいレベルです。 4. そのまま沢を詰めると大ナジカ峠から離れるので、途中から右の尾根を登らないといけませんが、登り口に特にマークは有りません。僕は地形図から適当に線を引いてGPSに取り込み、その線の近くで登れそうな所を適当に登りました。 <大ナジカ峠〜千頭星山> 破線の登山道です。所々で踏み跡が薄い所が有るので気を付けて下さい。変だと思ったら引き返して周囲を良く見れば道は有ります。 <千頭星山〜かいじ国体コース〜芦安> クマザサに蔽われてかいじ国体コースの分岐は分かりません。時々赤テープやピンク色のテープが有りますが、クマザサに蔽われて道は分かりません。足元が見えないので駆け下ると、下に落ちている木の枝や石につまずいて怪我をしますから慎重に。 地形図を見ると分かりますが、尾根は複雑で迷い易いです。このルートを初めて歩く場合は、登りで使う事を強くお勧めします。それから熊に出合いました。熊鈴を鳴らしながら歩き、笛も必ず持参して下さい。 <その他注意点> GPSを購入する際に地図も一緒に買いました。今まではどこも1cmが120mの縮尺でちゃんと等高線が表示されたのですが、金山沢とかいじ国体コースの核心部分では表示されませんでした。等高線が表示されたのは1cmが500mの縮尺からで、これだと大雑把過ぎて役に立ちませんでした。道迷いが多かったのはこのせいも有ります。 |
写真
装備
個人装備 |
沢タビ
ヘルメット
沢スパッツ
手袋
チェーンスパイク
ヘッドライト
雨具
GPS
地図
脚プロテクター
トレランシューズ
惣菜パンx4
菓子パンx4
おにぎりx4
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感想
ヤマレコを始めたばかりの8年前頃、大ナジカ峠周辺を集中的に歩いた時期が有りました。大ナジカ峠が大好きなC-chanからコメントを貰い、芦安から大ナジカ峠に登る古道を歩く計画を話していましたが、インターネット検索でも情報が無く、立ち消えてなっていました。それを思い出したのは、qwgさんのかいじ国体コースのレコとEvergreenさん達の大ナジカ峠から青木鉱泉に下ったレコを発見した時でした。
今回はもう一つの昔からの懸案だった、夜叉神峠から両㑨小屋〜廃道の野呂川右㑨沢で間ノ岳〜弘法小屋尾根の周回をやる予定でしたが、8月31日から腰が痛くなり、とても9月3日の0時出発のこのコースは無理と判断し、急きょ9月2日にこちらのルートを歩く事に変更しました。
C-chanにも何年ぶりかで連絡した所、”3年前の情報で、地元の山小屋関係者が、芦安の金山沢から大ナジカ峠へ行こうとしたら、斜面が崩壊しているところがあって通行ができなかった事、千頭星山から芦安へ戻るところも、道がないと思った方がよく、地形も複雑で迷いやすいので、山エキスパートの知り合いでも、そこは下りには使いたくないと言っていること、熊が出やすい地域としても有名。”など貴重な情報を教えてくれました。元の計画では青木鉱泉に下って千頭星山に登り返すので、かいじ国体コースは暗くなる可能性があり、その点もとっても心配してくれました。
このC-chanの心配は全て的中し、金山沢はとっても危険で、国体コースは道が無く迷いまくって熊にも遭遇しました。大ナジカ峠の到着時間が予定より1時間遅れだったので、青木鉱泉に下るのを断念したのが結果的には良かったです。核心部分はやっぱり金山沢でした。全く情報が無かったので、堰堤や滝は全てカット&トライ、間違えれば別のルートを試すのでどうしても時間がかかります。特に登れない二番目の滝の巻は核心でした。登った先がロープで懸垂下降するしか降りられず、ロープを持っていないので引き返し、また違う所を登ったのですが、その登りが大変でした。もし登れたとして、その先が登れなかったら引き返す際に、この登りで苦戦している所を下れるのか、登るのを断念して芦安に引き返すべきではと悩みました。
さんざん悩んだあげく、下が急斜面でも土なので、岩の部分でぶら下がり&滑り降りでも致命的な怪我はしない(自力で芦安に戻れる)と決めました。そう決断したら登れたのは、登った後で引きかえさなければならない可能性に躊躇し、体がビビッていたのでしょう。登ってみるとそこは先ほど別ルートで登って引き返した尾根の少し上で、容易に引き返せる事が分かりホットしました。
その先も大変な登りが有り、そこでの滑り降りは死ぬ可能性大でしたが、確実に下れるレベルだったので迷わずに登りました。登った先で右から別の支尾根が合流しており、そちらに下ると谷へ下れそうな場所があり、何とか無事に降りられました。それが最後の滝で、大ナジカ峠へ登る笹原に辿り着いた時は久しぶりに胸が熱くなりました。後になって思えば、どう巻けば良いかの情報が分かっていれば、そんなに難しくは無い気がします。でも情報なしロープ無しのソロでは、かなり難しくて危険でした。
今回は引き返す事になった場合、最悪でも軽い怪我ですむ(自力で下山可能)と判断したので進みましたが、自力下山が出来なくなる可能性が有れば止めたでしょう。
ロープを持っていないから、登れてもその先で登れなくなった時に引き返せそうに無いなら登ら無いので安全だと思っています。もっとも他の人とここを歩くときはロープは持って行きますけどね。
鳳凰山展望箇所と千頭星山の鞍部辺りに国体コースへの分岐が有るはずですが、クマザサに蔽われてそれらしい踏み跡は有りませんでした。大ナジカ峠に着いたらGPSを1cm、120mに拡大しても等高線が表示されたので、GPS頼りに千頭星山の山頂から直接下る事にしました。ルート図は青木鉱泉に下って、御所山〜千頭星山と登り返すルートで適当に手書きしたもので、ポイント数は208ですからかなりラフです。急斜面では直線でルート図は引いていても、実際の道はジグザグでずれている可能性はかなり有ります。クマザサに蔽われて踏み跡は無いし、暫く下るとGPSがまた1cm、500mで無いと等高線が表示されなくなったので、時々テープや赤ペイントが見つかるとホットしました。ところが足元が見えないので、何度も落ちている木の枝や石につまずいたり、尻餅をついたりしながら下って行くと、急な斜面で左手(東)にピンクテープと赤ペイントが見つかり、そちらに下って行くとどうも変なのです。ジグザグに下るにしては、左手にどんどん下って右への戻りが無いのです。このままだと離れすぎるので、右(西)に進路を変えてGPSのラインに復帰しました。どうやら国体コースとは違うピンクテープや赤ペイントが有るようです。
やっと営林小屋跡に着いてほっとしたのですが、それから先も迷いまくりでした。それでも何とか下って行くと進行方向に熊が出現しました。熊も鈴に驚いたのか右に逃げてくれたのですが、そのまま熊のいた所に下るのはちょっと恐く、僕は左に下りました。それから十分離れた所で右に戻りました。この様なアクシデントで本当の国体コースからかなり外れた所が所々にあるので、僕のGPSログはあてにしない方が良いです。
何とか道路と人家が下に見えた時は本当にホットしました。ただその後でも失敗が。。。今回は忘れ物が多く、出がけに途中でスーパーに寄って食料を買ったら、食料を入れる保冷バックを忘れているのに気づいて家に引き返したり、金山沢で休憩地点にカメラを置き忘れて戻ったりしました。極め付けが金山沢温泉に入った後でペットボトルに水を入れようとして、無い事に気づいて第八駐車場に戻ったら、車を止めていた所に沢山忘れ物が有ったのです。こんなに忘れ物が多いのは初めてでした。。。まあ怪我も無く、無事で帰れたので良かったのですが。。。
コメント
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Futaroさん、こんばんは!!!(≧▽≦)すごすぎて、レベルに見合ったコメントはできないので詳しくは直接お会いした時にじっくり伺いたいと思いますが、少しだけコメントさせてくださいませ〜〜〜❤
いや〜!!スゴイ所行きましたね!!腰が痛いとおっしゃりつつこのハードな山行でセーブしているのですね(笑)相変わらずの超人ぶりです✨もはや、心配する必要はなさそうな気がしますが、腰、大丈夫ですか??(;´∀`)この大ナジカ峠周辺を集中的に歩かれていたとのことですが、ということはこの周辺に魅力を感じてのことですよね!!✨どんなところにハマられたのでしょうか✨
感想を拝見して思わず笑ってしまいました!!全部心配、当たっちゃったんですか(笑)まさか熊までしっかり遭遇とは!!!割とさらりとかかれていることに驚きです(笑)このあたりも詳しく聞かせていただきますからネッ!!!(´艸`*)★
ふふふ、忘れ物が多かったとのこと、ちーすけも先日の金峰山がそうでした(笑)そんな時ってありますよね〜〜〜〜(笑)手強い滝の数々、並大抵の登山道ではもの足りなくなっているであろうFutaroさんにも刺激的な山行だったのではないでしょうか!?✨お疲れさまでした✨
chi-sukeさん、こんばんは。
腰は治りました 鳳凰三山は歩いた事が有ったのですが、大ナジカ峠から千頭星山を登って青木鉱泉に下る周回は初めてで、混雑する時期でも静かな所が好きになりました。カラ松の紅葉も綺麗で秋が似合う感じでした。大ナジカ峠から芦安方面は笹原がずっと続いており、ここを下ったら面白いだろうな〜と思ってネット検索したら、その昔は道が有ったという情報が有り、いつか歩きたいと思ったのです。
熊との遭遇ですが、大雪山からトムラウシに縦走した際にヒグマに出合った事が有り、それに比べると小さかったので、そんなに恐くは無かったです。でも安全を記して熊と反対側に進路変更しましたが
忘れ物、しない事の方が多いのですが。。。しても1回ですね。1つの登山で3回も忘れ物をして引き返したのは初めてです
金山沢かなり手強かったようですね。
一緒に行けなくて良かった。
かいじ国体コースを初見で下山するのは、確かに難しいと思います。登りで使っても思い通りのコースを歩けませんでしたから。
FutaroさんのGPSログをカシミールに落として、私のログと比較してみました。
標高1780mの尾根が広くなったところで南に進路を変えてますね。
あの辺は、笹藪が深くて、足元が見えずらかった記憶がありますが、そのまま東南方面の尾根に下っていくのが国体コースのようです。
私は、あの辺は、国体コースからだいぶ西側の尾根を登っていました。
Futaroさんが1735mのところで、ピンクテープを発見して左(東)へ90度進路を変えたのは、国体コースに復帰する良いタイミングだったと思います。多分東に進んでる途中のどこかで、国体コースの消失したルートと交差してたんだと思います。
※ 金山→金谷 文中5個所くらいありましたよ〜
誤記のご指摘、ありがとうございます。5ヶ所ありましたね、修正しました
国体コース、ピンクテープでも国体コースでは無いのも有ったりするので難しいですね。クマザサに蔽われて踏み跡を探すどころでは無いし。。。さらに熊もいるとなると大変です。下山の途中で暗くなったら焦った気がします。
ところでこれで未踏箇所は、大ナジカ峠〜青木鉱泉〜大棚沢沿いの廃道で南御室小屋になりました。次にここを歩く際は、芦安〜金山沢〜大ナジカ峠〜丸沢沿いに青木鉱泉〜大棚沢沿いで南御室小屋〜夜叉神峠〜芦安の周回ですね。
qwgさんもどうですか、ご一緒に?今回の経験で金山沢の難易度はかなり下がりましたから、時間は稼げると思います。大ナジカ峠〜丸沢沿いに青木鉱泉は、他の人のレコを見ると簡単。時間が読めないのは青木鉱泉〜大棚沢沿いで南御室小屋だけど、南御室小屋に着けば暗くなっても下れるので安全です
でも来年かな〜。日が差した金山沢を歩きたいから、7、8月頃が適期かと。。。
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