中の湯から紅葉の御嶽へ:平穏に戻るその日を待ちわびて

- GPS
- 29:48
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 1,495m
- 下り
- 1,495m
コースタイム
- 山行
- 5:53
- 休憩
- 2:56
- 合計
- 8:49
- 山行
- 4:01
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 5:54
| 天候 | 10/8 晴れ 【気温】中の湯バス停:8℃ 摩利支天山:14℃ 五の池小屋:15℃ 10/9 晴れ 【気温】五の池小屋:3℃ 継子岳:5℃ 女人堂:15℃ 中の湯バス停:16℃ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
御岳ロープウェーイ分岐は中の湯方面へ直進→後は御岳ロープウェーイ 又は中の湯の案内に従う→(紛らわしい場合は中の湯方面を目指す)→ 大型バスの駐車場を見送ると登山口となる中の湯バス停駐車場に。 トイレ、登山届ポスト完備。整備されたスペースに約100台駐車可。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
6時の段階で、すでに駐車空スペースは残り5〜6台の状況でした。 五の池小屋は定員いっぱいの100名ほどの宿泊者数だったようです。 2手道の急な木道も険しい谷間も整備されて、心配なく歩けました。 |
写真
感想
2012年の秋に初めての黒沢道・横手道で目にした紅葉が忘れられず、
紅葉期にもう一度歩きたいと思っていたが、悲しい出来事が
起きて以来計画を保留していた。
今年の8月に、噴火警戒レベルも1に引き下げられた。
安全が確保できていないとして、山頂部の立ち入り規制は継続の
ままだが、二ノ池周辺も、整備が終了した横手道も歩行が可能になり、
これで山頂を眺めながら殆どのコースを歩けるまで復旧した。
事故から3年が経過して平穏を取り戻した御嶽はどんな表情で、
どんな紅葉を見せてくるのだろう。
昨年は摩利支天山から眺める事しかできなかった賽の河原から二ノ池、
そして剣ヶ峰。今年は剣ヶ峰直下まで入ることができるのだ。
どんな景色を見せてくれるのか、楽しみなような怖いような複雑な
心境だ。
谷水が得られる行場小屋を過ぎ、木組の階段が岩混じりの道に変わると
標高も2000mを越え、周りの木々も色づき始める。
ナナカマドの赤や、ダケカンバの黄が青空に映えて美しい紅葉を
楽しみながら女人堂に出ると、いよいよ俗界を離れ神域に入る。
朱を散らしたような御嶽を正面に仰ぐ場所には献花台が設けられ
まだ平穏に戻り切っていない事を実感する。頭を垂れ黙祷・・・。
北側には乗鞍を中心に連なる北アルプス、振り返る東側には甲斐駒や
木曽駒が聳える南・中央アルプスと素晴らしい展望が広がり、
そして谷間を埋めるような紅葉。皮肉なことに、あの日も同じような
素晴らしい登山日和だった。
溶岩混じりの尾根を上がり、累々と重なる岩を踏んで石室山荘を
目指すと岩の間に残った火山灰が目立ち始めた。
そして覚明堂に出ると当時の被害を物語る形跡があちこちに残っていた。二ノ池分岐では立ち入り禁止の看板、ロープなどで封鎖された
登山道の先に剣ヶ峰が捉えられる。多くの人が恐怖に追われて
この道を駆け下ったであろうと思うと、やりきれない気持ちだ。
聞けば山頂から一ノ池外輪の尾根にはまだ1m程の火山灰が
残ったままだと言う。
さらに登山道に残った火山灰を踏んで二ノ池に出ると唖然とする
景色が広がっていた。エメラルドのような水を湛えていた池は
70%ほどが火山灰で埋め尽くされ、白く濁った小さな惨めな池に
変わっていた。紅葉したクロマメノキが広がっていた窪みは
白濁した新しい池、二・五池ができ、美しい当時の姿とは
似ても似つかぬ殺伐とした景色だ。
それでも池の畔では二ノ池小屋の再建工事が進められている。
小屋が再建され、営業を始めてもあのきれいな池に戻る事は
あるのだろうか。
本当の平穏を取り戻すのはその時だろうと考えると、涙が出そうだ。
しかし小高い丘を越えて賽の河原へ向かうと、そんな感傷が嘘みたいに
のんびりとした平和な景色が広がっていた。
この先は、再びこうして御嶽を歩ける幸せに感謝して、
北御嶽の景色と横手道の紅葉も含めて、この二日間を思い切り
楽しむことにしよう。
コメント
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おはようございます。
onetotaniさんにとって、感慨深い御嶽も毎年季節は繰り返し巡っていきます。
あれから御嶽に登られ、いろいろと思うことがあったと思います。
それでも季節は巡り、素晴らしい紅葉に出会えました
まさに錦秋の御嶽、圧巻です。
青空の太陽に、紅葉も一段と輝いています。
五の池小屋に泊って、御嶽の良さを二日間で十分堪能でき良かったです
五の池小屋は素敵な山小屋ですね。いいな〜
お疲れさまでした。
そういえば、9日にsireotokoさんも同じルートを日帰りしていたようですが、帰りにお会いになりましたか?
totokさん 今晩は。
予定を一日遅らせて大正解でした。日の出、日の入り、クリアーな展望と
まったく贅沢な二日間でした。
覚明堂から二ノ池辺りは依然として当時の傷跡が残り、
複雑な思いに駆られましたが、今もこうして山を歩ける幸せを改めて
噛みしめながら、目いっぱい秋の御嶽を楽しんできました。
sireotokoさんのお顔を存じ上げないので、お逢いしていたかも
しれませんが、同じコースを下ったソロの登山者は見かけませんでした。
二の池は、昨年登ったときに、僕もあまりの変わり方に
驚きました。さらに火山灰が流
れ込んでるようで
ますます寂しくなります。
とても美しい紅葉、サンセット、パノラマ展望など
御嶽山の美しさは変わらないですが
火山としての畏怖は、忘れてはいけないですね。
他の大量遭難事故、八甲田山とか、木曽駒のような
事例と違い、登山者自身では、防ぎようがなかった
大災害、忘れてはいけないですが
観光資源としての御嶽山の復活も
待ち遠しく思いますね。
PS、日程が、日帰りになってます。
komakiさん 今晩は。
噴火警戒レベルが1に下がり、更に紅葉の季節に合わせるかのように
横手道も通行可能になり、少しは賑わいを取り戻したように感じました。
今回は慰霊の目的以外に、山頂周辺の様子をこの目で見たかった事、
幻の大滝を眺める事、そして横手道の紅葉を楽しむ事が目的でした。
幸い素晴らしい天気に恵まれ、全てが達成できました。
山が一番カラフルになる季節、きっと多くの人が以前のように
御嶽に登られると思います。美しい思い出だけを胸に下山できる、
そんな御嶽が永遠に続くようにと願ってやみません。
追伸:指摘されるまで気がつきませんでした。
こんばんは onetotani様
sireotokoと言います。始めまして。同じ日に同じ御嶽に見えていたのですね。時間からして三ノ池の鳥居のところで一人休憩してしていらした方でしょうか?
sireotokoさん 今晩は。 コメントありがとうございます。
高速で周回されましたね。
全く同コースで、しかも見所もしっかり抑えて。
通過時間を拝見すると、三ノ池でゆっくりしている時に、すれ違って
先行されていますね。道理でお逢いできなかった訳ですね。
紅葉期は黒沢道〜横手道の周回が外せませんね。
初めて歩いた時にすっかり魅せられ、リピーターになりました。
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