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記録ID: 129957
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無雪期ピークハント/縦走
甲信越

御嶽山

2007年08月11日(土) [日帰り]
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GPS
05:10
距離
10.4km
登り
963m
下り
1,321m

コースタイム

田の原バス停  10:25
九合目     11:35-11:40
御嶽山(剣ヶ峰) 12:35-12:45
二ノ池     13:00
三ノ池     13:35-13:55
八合目     14:45
中の湯バス停  15:35
天候 下界から中腹までは終日良く晴れていて、山頂部も、朝11時頃までは晴れていた様子が下から良く見えていました。ところが昼前には頂上一帯が雲に覆われて、着いた時にはすっかりガスの中。下り始めて山頂部を抜けるまで、状況は変わりませんでした。
過去天気図(気象庁) 2007年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
(行き)
木曽福島駅 09:00-(王滝村営バス)-10:25 田の原バス停
(帰り)
中の湯バス停 16:00-(木曽町生活交通バス)-17:01 木曽福島駅
コース状況/
危険箇所等
※登山行程が1日に収まっているため、1日行程として登録しましたが、前夜に岡谷へ移動して前泊しているので、行程全体としては1泊2日となっています。

●田の原→剣ヶ峰
緩やかな登りで始まって、登るほどに傾斜がきつくなっていきます。頂上直下では急登になって、空気の薄さも加わってか少々苦しい登りとなりました。
ただし歩きにくい箇所はほとんどありません。注意するとすれば、火山性ガスが噴出している八丁ダルミのあたりで、長居しないようにすることくらいでしょうか。

●剣ヶ峰→三ノ池
頂上直下はザレ気味で滑りやすい道を下ります。その後はしばらく問題のない道が続きますが、摩利支天への分岐点から三ノ池へ向かうトラバース気味の道には、岩がちで段差のある所や足元の脆い所などがありました。
大きな危険はありませんでしたが足元には要注意で、ここは手を使いながらの下りとなります。

●三ノ池→八合目
歩く時期による違いが大きいと思いますが、沢筋に雪渓が残っていたこの日は、雪渓前後の取り付き部分が不安定で、ロープを使ってようやく通過できるような箇所もありました。

●八合目→中の湯
問題なく歩ける区間でしたが、木段ばかりが多くて、特に七合目より下では、土の上を歩くことがほとんどない程でした。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。
※GPS導入前なので、ルートは推測です。

感想

今年の夏山シーズン第1弾は御嶽山へ。そう決めた理由は、単に8月いっぱいまでしかバスがまともに走っていないことでした。
ほんの2〜3年前までは通年運行されていて、夜行列車に接続する早朝便を含んで1日5往復していたはずの路線も、今では運行期間が夏期の2ヶ月間だけに縮小された上、本数も1日3便程度に減便されていました(中の湯への路線は秋期にも運行があるものの、田の原への路線は7〜8月だけなのです)。

しかも現在のバスダイヤでは始発が9時なので、歩き始めが10時過ぎなどという遅い時間になってしまいます。下山の最終バスが16時発ですから、日帰りでは6時間を切る行動時間しか確保できません。
御嶽山は頂上のエリアが広いこともあって、本来は1泊してゆっくり回るべき山なのでしょうが、多少の駆け足になるのは覚悟して、敢えて1日で回ることにしました。
また、バスが朝9時発ということであれば、必ずしも前日に木曽福島に着いている必要もなく、また木曽福島には観光客向けのホテルや一般旅館しかなかったので、前日の移動は岡谷までにして、そこでビジネスホテルに宿泊しています。

朝、塩尻から乗った特急列車はガラガラで、木曽福島駅で降りたのはなんと自分1人だけでした。駅前に出てもバス停は無人で、待合室に登山者姿の人が2〜3名見られるのみです。
その後、名古屋方面からの特急が到着する頃になって、ようやく列ができ始めたので、自分もそこに加わります。
でもその列は長く延びることはなく、9時になって同時に発車する田の原行きと中の湯行きに分かれると、どちらも結構席には余裕のある状況でした。

1時間以上バスに揺られて田の原に着くと、そこは標高が2000mを超えているというのに、ほとんど下界と変わらない暑さです。猛暑日が続くこの夏の猛威は、こんな所にまで及んでいました。
陽射しはもちろん下界以上に強烈で、肌の露出部分に日焼け止めを塗りたくってから登り始めました。

登山道は最初、ほとんど勾配がなく、歩いているうちに少しずつ勾配が増してきて、進むにつれて登りがきつくなっていくという、身体を慣らしながら歩くにはちょうど良い具合の道となっていました。
頂上の一帯は最初から良く見えていて、そこを目標にしながら登っていきます。

木段の道がしばらく続いて、「あかっぱげ」という標識の立つ、土がむき出しになった地点を通過すると、その先で森林限界となりました。
以降は陽射しが一層容赦なくなるのですが、朝のうちは見られなかった雲がどんどん発達してきて、やがて上空を覆いはじめ、稜線上もかなりの勢いでガスが上っていきます。
日焼けの心配は小さくなりましたが、一気に展望も失われてしまい、山頂もガスの中に入ったと思われるのが残念です。
もっと早い時間のバスがあれば、まだ天気が良いうちに頂上に着けたのかもしれないので、バスの便数の少なさに泣かされた形です。

道はやがて岩がちとなり、次第に傾斜も増していきます。ガスは濃くなる一方ではなく、時折合間から日が差す瞬間もあって、天気が大きく崩れる気配はなさそうでした。
やがて、薄いガスの先に王滝頂上にある建物が霞んで見えてきます。さらに岩道を登り続けると、山荘と立派な神社が建っている王滝頂上に到着しますが、頂上へはまだ登らなければなりません。

八丁ダルミと呼ばれる平坦なエリアに入ると、左手には勢いよくガスを出している噴気口が見えて、硫化水素の臭気がかなり強く感じられました。
その一帯を過ぎて、火山性の岩塊を縫って行くようになると、急登になる上に空気の薄さもあるのか、ペースが落ちて頂上がなかなか近づきません。
それでもようやく建物のある所にたどり着いて、そこから急な階段を登り詰めた先が、待ちに待った頂上でした。

晴れていれば360度の展望が楽しめるはずなのに、このガスで御嶽山の頂上部すら、ごく近い範囲しか眺められません。
陽射しがなくて弱い風の吹く3000mの頂上は、停滞していると身体が冷えてきます。展望がないばかりか、時間にもさほど余裕はないので、長居をせずに行動再開します。

ザレ気味で滑りやすい道を下って、まずは小さな二ノ池に寄っていきます。登山道と反対側の池畔には雪渓が大きく残って、雪解け水が池に注いでいました。
さらに緩く下ってサイノ河原に出ると、そこは荒涼した中に石積みの塔が多数建っている、やや異様ともいえる光景です。
サイノ河原を横切って少し登り返すと、摩利支天との分岐に出ますが、今回は摩利支天を回っていく時間がはないため、引き続き三ノ池方向を目指します。
摩利支天への分岐から三ノ池へ向かうトラバース気味の道には、岩がちで段差のある所や足元の脆い所などがあって、大きな危険はありませんでしたが足元には要注意でした。

やがて再び分岐点に出ます。指示標は分岐先をそれぞれ「三ノ池」「五ノ池小屋」と示していて、ここで地図も見ずに「三ノ池」方向を選択してしまいます。
当初の計画では、一旦飛騨頂上へ向かってから、三ノ池の周囲を右回りに一周するようにして池へ下ることにしていたのですが、選んだ道はそれとは違うルートでした。
その後は急な岩道をどんどん下っていき、やがて眼下に三ノ池が大きく見えてきて、道は池畔へと一直線に向かっています。
予定外に三ノ池が近づいてきた時点で間違いには気付いたのですが、それはかなり下ってからのこと。急な道を長々と登り返す気にはならず、そのまま三ノ池へ向かうことにしました。

寄る人も少なく、静かに水をたたえた三ノ池では、ガスが池面に立ちこめて幻想的な情景となる瞬間や、一瞬陽が差して水の澄んだ青さが日光に映える瞬間など、さまざまな自然の演出が繰り広げられていました。
ちょうどここで時間に余裕ができていて、そんな様々な表情をじっくりと楽しむことができたので、間違えて近道に入ってしまったことは、むしろラッキーだったのかもしれません。

三ノ池からは、ロープウェイ方向の八合目を目指して、山腹に付けられたトラバース気味の長い道に入ります。「山と高原地図」で「崩壊点注意」との注記が2箇所にある区間です。
最初緩やかに下っているうちは何の問題もありませんでしたが、沢を横切る地点の中には要注意箇所が出てきました。
沢筋に残った雪渓上を横断して通過する箇所では、雪渓両端で登山道に取り付く部分の足場が不安定で、特に雪渓に降りる側には短いロープが下がっていて、それを利用してどうにか安全に通れるという具合でした。

雪渓を過ぎると、通過困難な場所はなくなりますが、その代わり今度はしばらく登り優勢の区間が続くようになります。
緩い登りばかりではあるものの、それが意外なほど長いので、一体いつまで続くのかと少々げっそりさせられます。
それでも、ここまで下りてくるとガスが晴れてきて時折陽が差すようになっていて、登山道上からも山麓の景色が楽しめるようになっていました。
下界は問題なく晴れているようで、眼下に広がる景色の良さに気を紛らわせて進んでいくと、やがて道は下りに変わって、ほどなく頂上からの道と合流する八合目に出ました。

八合目から先は下り一辺倒となって、樹間を縫う木段の道が延々と続きます。
すっかり晴れ間が戻ってきていましたが、正面に見えるはずの中央アルプスは雲の中のようで、さほど見られる景色もないまま、一本調子の坂を下り続けていきます。

七合目山荘のすぐ先でロープウェイ駅への道を左に分けて、六合目への道に入ると、さらに木段の密度が増して、ほとんど木の上ばかりを歩いているような状況となりました。
行き交う人の数は、七合目までと比較してガクンと減ったので、やはりほとんどの人がロープウェイを利用しているようです。
休業中(廃業かも)の小屋を2軒見送り、やや傾斜が緩んできたところで、古くからある旅館「中の湯」の趣のある建物の前に出ると、もうバス停は目と鼻の先でした。

中の湯からのバスは、私のほかに男性をもう1人乗せただけで発車して、その次のロープウェイ駅から乗ってきたのも十数人といったところでした。
この16時発の最終バスは、平日は運行がなく、土日にだけせっかく走ってくれているのに、この乗客数ではちょっともったいない感じです。
もう少し利用者が増えてくれないと、この便の存続も怪しいかもしれないな、などと考えさせられつつ、バスに揺られて木曽福島駅へと向かいました。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2007_07_09/mt2007_07_09.html#20070811

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