甲斐駒ヶ岳 (黒戸尾根往復、七丈小屋テント泊)
- GPS
- 27:13
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 2,702m
- 下り
- 2,707m
コースタイム
- 山行
- 7:32
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 8:49
- 山行
- 2:56
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 3:11
5:37駐車場-9:23五合目-10:13七丈小屋-10:23テント場
<休憩とテント設営>
11:07テント場-12:22甲斐駒ヶ岳山頂-14:17テント場
11月4日(土)
5:22テント場-5:32七丈小屋-6:07五合目-7:34分岐-8:40駐車場
天候 | 11月3日(金):快晴、ほぼ無風 11月4日(土):晴れ、ほぼ無風 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
黒戸尾根利用の甲斐駒ヶ岳は、標高差が大きく距離も長いが、登山道は良く整備されている。2シーズンぶりに利用の今回、倒木のためにまたぐ箇所があったが、特に厳しいところではなかった。七丈小屋の水場はまだ利用可能。積雪は見られなかったが、凍結は日影のところに散見された。この時点ではアイゼンやピッケルは使うところがなく、実際に使っている人は皆無だった。 <七丈小屋のテント場> 小屋からテント場は登り5分、下り3分程度。2箇所に分かれていて、今回は下のテント場を利用した。水場とトイレは小屋を利用。携帯(ドコモ)は問題なく利用できた。テント場に手頃な石がなく、張り綱はペグで固定する必要がある。貸しペグがテント場にあり利用可能。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
黒戸尾根利用の甲斐駒ヶ岳はこれで4回目。過去はいずれも日帰りでうち一度は日向八丁尾根を周回している。今回は以前から一度泊まってみたいと思っていた七丈小屋のテント場1泊の行程で出掛けてきた。
初日、まだ真っ暗の駐車場には5時に到着。上で一泊なのでもっとゆっくりの出発でも問題ないが、日の出と共に歩き始める方針なのでこの時間になった。外は寒いが、歩けば温まると考えシャツだけで行動開始。歩き始めて15分ほどはヘッドライトの世話になる。今回はテント泊装備、しかも11月の2000メートル超で過ごすため、防寒具や冬用シュラフも持ったので、1泊ながらザックは軽くはない。それでもそこそこのペースで先に進む。毎度ここを歩くと、トレランやら普通の登山者に並ぶ間もなく抜かれるのが恒例だが、今年は数が少ない。他の山に出掛けたのだろうか。刃渡りを通過すると最初のハシゴが連続し、ここは荷物が最小限であれば特に何ともなく切り抜けられるが、ザックが大きく重いと案外難儀することがよく分かった。ちょっと足場が厳しかったりすると、背中のザックが邪魔に感じる。この先の七丈小屋手前のハシゴ場も同様な感じで登った。駐車場出発から約4.5時間で七丈小屋に到着、ここで受付、水くみ、トイレを済ませてテント場に向かう。テント場は上下二段に分かれていて、自分は下段に設営した。この時点では誰もまだおらず一番乗り。日当たりが良く、11月の2000メートルを越すテント場とは思えないほど暖かだった。テント設営後、必要最小限の荷物をサブザックに詰めてピークハントに出発。テント場までは重く大きい荷物が背中にあったが、ここからは3キロもないくらいの軽荷、歩きがとても楽。だがペースは、標高が既に相応に上がっているためそれほど良くはならない。テント場までは雪や氷は皆無だったが、その上はいつ降ったものかは不明なれど、氷を時折見るようになる。それでも登山道上にあるわけではないので、通行の支障には全くならなかった。テント場を出て1.25時間で山頂に無事到着。天気快晴。風は黒戸尾根側はそよ風すら吹かないほぼ無風の状態で、休憩時ですらジャケット不要だったが、山頂付近に到着すると、北沢峠側からは冷たい風が吹いていた。が、この感じのほうが11月の3000メートル峰の感覚に近い。山頂付近で休憩するが、ジャケットなどを着て汗が冷えないようにする。登山者は、黒戸尾根利用は相変わらず圧倒的少数派のようで、山頂付近について人の多さに驚いた。比較的広い山頂なので、居場所がない状態にはならなかったが、それでも北沢峠からの数と比較すると、黒戸尾根利用者は5パーセントもいないのではないか。それでも黒戸尾根利用の甲斐駒ヶ岳は、良いルートだと思う。静かだし、歩き甲斐はあるし、途中アスレチックもあるし。何よりバスに時間を縛られないのがよい。今日はこの後テント場まで戻るだけなので、山頂付近で自分としてはとても珍しく30分も休憩をした後に下山開始。摩利支天が近くに見えたので行ってみようと思ったが、歩き始めると中々近付かず戦意喪失。再び蟻地獄のように足場の良くない登山道を上って尾根に達し、黒戸尾根の下りに掛かる。摩利支天はまたの機会に来ようと思う。帰りもこちら側に降りると風が止み、それまで来ていたジャケットはたちまち暑くて不要になる。13時を過ぎ、11月の短い陽は傾き始めるが、それでもザックの大きい人が登って来る。恐らく北沢峠にテントを張るのだろう。七丈小屋よりも400メートルほど低いはずなので、朝晩の冷え込みは多少楽そうだ。ただし連休なのでテントの数は凄そうだが。登りと同じくらいの時間をかけてテント場に到着、再度トイレと水くみで小屋を往復する。テントは自分以外にもう一張り増えていた。出発時、日が注ぐ明るいテント場は、14時を過ぎて既に山影に入り、行動直後は暖かだった体も、徐々に冷えてくるように感じられた。このままでは風をひくのでさっさとテントの中で着替えをし、防寒着を着る。それでもまだ寒い。今回持ってきたマットの断熱がイマイチのようで、地面の冷気が体に伝わっているようだった。次回以降、もっと確実に断熱してくれるものを持参しよう。テントはその後更に4張り増えたものの、キャパシティには達せず、ガラガラの雰囲気だった。11月の2000メートル超のテント場ではこの程度なのかもしれない。起きていると寒いので、夕食後17時過ぎにはシュラフにくるまりウトウトし始める。シュラフは重い思いをして冬用を持ってきたので暖かい。懸念した夜の寒さもそれほどではなく、冬用のシュラフでぬくぬくしながら眠ることができた。
2日目。この日はとにかく下るだけ。4時にスマホのアラームをセットし起床。腕時計の温度計は2℃を示していたが、それほどの寒さは感じない。が、シュラフから抜け出すとやはりそれなり。まず体を温めるために食事し、その後着替えやパッキング、テント撤収を行う。テント場は一晩中全く風がなく、撤収中も静かそのものだった。更に嬉しいことにフライシートもテント本体も、ほとんど結露がなかった。これは有り難い、軽いし帰宅後の乾燥も楽できる。5時22分にテント場を出、すぐ下の小屋でトイレを済ませてから本格的に行動開始。登りでストックを持ったままで苦労したハシゴは、下りではザックにしまったので、安全に降りることができた。黒戸山で登り返すとその後はひたすら下り。今日は日帰りの人もテント泊の人も多く甲斐駒を目指すようだった。標高を下げると落ち葉が厚く堆積した登山道を歩く。膝には良いのだが、下に何があるか分からず、案外ペースは上がらない。しかもまた例によって足裏にマメができてしまい、それが痛い。小屋出発から3時間強で駐車場に到着。まだ9時前なので、これから出掛ける登山者とハイカーが多かった。どちらも甲斐駒ヶ岳ではなく、日向山を目指すようだ。さっさと撤収し、クルマを走らせ午前中には余裕で自宅に到着。早い時間に高速に乗れば渋滞にも巻き込まれずに楽できる。
日帰りの黒戸尾根往復は、修行というかトレーニングのような感覚だったが、1泊すると時間に余裕が生まれることが改めて分かった。また季節を変えて来てみたい。
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