シャモニー・モンブラン(2)モンブラン・ド・タキュール(4248m)登頂
- GPS
- 05:10
- 距離
- 7.0km
- 登り
- 834m
- 下り
- 834m
コースタイム
天候 | 曇り、ときどき霧 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的に、アイゼン、ピッケル、ザイルが必要な雪のコース。 ミディからメールドグラスまで細い雪稜を下るので、転落に注意。 メールドグラスおよび、タキュールへ登る急斜面は、それほどクレバスは見えなかったが、 アンザイレンしてトレースをたどる。 |
写真
感想
モンブランツアーの、第2日目。
今日は、モンブランの予行演習として、いよいよ本格的な雪山をガイドともに行く。
6:00シャモニー(ホテル)発
・まだ薄暗い中、出発。低い雲が垂れ込めていて、こんな天気で高山を登れるのか?、
と思うが、ガイドのチリーは"Not so good, not so bad"というので、
まあ行けるのだろう。
街中から、はるか2500m以上うえにある、ミディ駅の明かりが明るい星のように
見えるが、なんだかびっくりするぐらい上にあるなぁ
6:15:40 シャモニー、ロープウエー駅
・まずはここで、ハーネスを着用。6:30ころようやく空が明るくなってきた。
ロープウエー内は、いかにもクライマーといった感じの人たちばかり。
自分もその中に交じっていることに、少し戸惑いを感じる。
7:10-20 エギーユ・デ・ミディ駅(標高=約3800m)
30分で一気に2800mも登ってきた。
・駅のなかから、氷河にでるトンネル状のところがあり、そこでアイゼンを着用し、ハーネスにザイルを着ける。
なんだかゾクゾクする感じ。いよいよ氷河の山に向かうのか。
今回は、ガイドのチリー、若いY氏、および自分の3人でパーティを組む。
・トンネルの出口より登山開始だが、いきなり、細くて急な雪稜を下る。
両側とも切り立っており、トレースに従い慎重に下る。
7:30 プラトー状のところ(標高=3650m)
・少しなだらかなところに降り立って、ほっとした。立ち休みで小休止。
よく見ると、前後には登山者がぞろぞろと歩いている。
8:05-10 ミディコル(標高=3520m)
・メール・ド・グラス上の最低点に降り立った。また小休止。
・ここからタキュールにむかって急な登りが始まった。
結構な急斜面を、トレースに従い、ジグザグに登ってゆく。
トレースはやけにはっきりしており、周辺も霧で視界があまりないので、
高度感は感じない。
Y氏と「なんだか涸沢から北穂に登る感じだね」と話しつつ登る。
・途中、また少し休んで、さらに登る。
今日は登山者が多く、トレース上は行列になっているが、ガイドのチリーが
前を進む登山者の群れをどんどん追い抜いてゆくので、結構息が上がってキツイ。
結局10パーティほど追い抜いた感じ。
9:30 稜線
・ようやく稜線上の部分に出たが、思ったほどの風は吹いていない。
ここからは登りは緩やかになるが、息は結構苦しい。
・山頂の手前、急に眼前に岩場が現れた。30〜40度くらいの傾斜の
岩と雪がミックスした斜面。
アイゼンを花崗岩にキリキリと軋ませて、思い足を持ち上げ、乗り越えた。
同じツアーグループのS夫妻のパーティは、はや山頂から戻る途中で、
ここですれ違い、声をかけてもらった。調子がよさそう。
10:10-20 モンブラン・ド・タキュール(Mont Blanc du Tacul)山頂
・標高=4248m、気温=+10℃)
ようやく山頂につけた。狭くて岩がゴロゴロした山頂。
霧に覆われて展望はなく、人だけがやけに多く、思ったほどの感動はない。
お茶を飲み、数枚写真を撮っただけで、早々に下山する。
・下りは、ガイドのチリーの指示に従い、先頭を行く。
雪を蹴散らせながら、滑り落ちるようなスピードでガンガンと下る。
11:10 ミディコル
・この付近より少し視界が開けてきた。ミディ山頂や、遠くグランジョラスも
少し見える。
脇には、無名の岩峰がそそり立っている。
・ここからはミディ駅まで標高差300mの登り返しが始まるが、急に疲れがでて、
足は石でもくっついているかのように重くなり、
心臓も狂ったようにドキドキと動悸を打ち、苦しくなってきた。
登りに自分としてはハイペースだったせいもあり、空気が薄い影響が
ここで一気に出てきた感じ。
なかなか休みなく登る力がなく"Please go slowly"とか弱音を吐きながら登る。
・最後の、ミディ駅までの急な雪稜は特にきつかった。
ガイドにほとんど引きずられるような感じで登る。
これまで、ここまで苦しい登りは初めてといっていいくらいだった。
(途中で心臓が止まってしまうのではないかと思うくらいだった)
13:30-50 エギーユ・デ・ミディ駅
・ようやく、とうちゃーく! 雪面に倒れこんで休む。
帰りはかなりペースが落ちたが、結局、ツアーメンバー5パーティに
別れて登った内、第二番目で到着だった。
・ロープウエーでの下り、吐き気がして気分が悪かったが、下るにつれて
空気が濃くなってきて、だんだんと気分は回復。
13:20 シャモニー 着
・山上であんなに苦しかったのがウソのように、急に元気が回復した。
高度の影響がこんなにあるとは、という感じ。
駅前の店でジュースを飲み、ガイドにもビールをおごり、乾杯(Sonte!)
・今回はモンブランの前哨戦 兼 高度順化が目的だったが、
思ったより4000m越えが苦しく、本番には少し不安を覚える内容だった。
ホテルに帰って遅い昼食をとり、あとはベッドで疲れた体を休めた。
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