涸沢=穂高岳山荘=奧穂高岳
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan.png)
![](https://yamareco.info/include/imgresize.php?maxsize=90&crop=1&fname=%2Fuploads%2Fyp56b3c5d4358e51a.jpg)
- GPS
- 08:34
- 距離
- 4.6km
- 登り
- 898m
- 下り
- 860m
コースタイム
天候 | 曇朝のうち晴、頂上付近霜 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス | 前日車とシャトルバスで上高地入、横尾経由で涸沢まで歩行 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ザイテングラート取付までは危険な場所はなし。ただトラバース道も結構タフ。 ザイテングラートは1カ所ハシゴがあったり、岩を掴む部分があるが、総じて難易度は高くない。ただ、思ったより長く続くのが辛い。後狭い上に通行量が多く、行き違いや追い抜きが頻繁に発生するため、ストレスを感じたり、時間がかかりやすい。 またどこでもそうだが、落石をして加害者にならないように。上で休憩している高校生に石を落とされ、ムッとする場面があった。 涸沢と穂高岳山荘との標高差は654m。 奧穂高岳へは、最初穂高岳山荘から岩壁が見え、ハシゴや岩を掴む場面があって、凄くしんどいんだと思ってしまうだろうが、そこを登ってしまえば、あとはトラバース気味の緩やかな登りで楽。涸沢側に2カ所ほど落ち込んでいる所があり、西風(上りの場合右側から)の場合、そこに滑落しないように気をつければ何でもない。 頂上では穂高神社の祠と円形の展望案内板が待っている。 帰りのパノラマコースを分け、涸沢小屋に下る道は、ナナカマドの紅葉が待っていた。 写真や動画、関連情報は http://kamigata.net/photo/20111002/ |
写真
感想
翌朝ご来光を見ようと何とか5時半に起きる。
でも、表銀座の方には雲がかかっていて見れなかった。
それでも、そこから漏れた光で、穂高の尾根がより光っていた。
テント場で宿泊していた人と合流して出発。
まずはパノラマコースで岩渓を横切り、昨日泊まったヒュッテを振り返る。
結構急な上りになって、涸沢小屋からの道といつの間にか合流。
岩渓に作られた上り気味のトラバースになる。ここも意外と急。
ザイテングラートが前方に見え、少しずつ近づく。
一度ザイテングラートの崖の切れた所を通り、すぐに折返しザイテンの岩尾根に取り付く。
ザイテン自体は、滑落しやすい場所がいくつかあったり、一箇所だけ3点ポジションで支えながら、カニ歩きで移動しなければならないロープ場があったものの、それほどきつい登りではない。
ただし、登山者が非常に多く、すれ違いや追い抜き、追い抜かされが度々あったので、その度に横に避ける必要があり、道も狭いので、かなり気を遣った。
天気は涸沢を出る時は快晴だったのに、ザイテンの中盤に差し掛かる頃には一面曇り空。
気温はそれほど低く感じなかったが、雪が降ってきそうな気象状況だった。
涸沢を振り返る。
中盤を過ぎると、右側に穂高岳山荘の近くに立っている櫓を確認できるが、大峰の前鬼から太古の辻に登る時に最後見える大日岳同様、近くに辿りつけるように見えて、なかなか辿りつけない。
やがて両側が緩やかになり、ホッと一息すると勾配も緩めになり、穂高岳山荘が見えてきた。少し霧がかった状態。
涸沢からの高度差674m。
さて、山荘の中で一息つき、これからどうするか。
同行者さんから、「奥穂に登りますよ」と声をかけられた。
心のなかで「待ってました!」。ここまで来たら、残り標高200m弱、穂高岳の中心的山頂にたどり着いてみたい。
奥穂の方向を見ると、岸壁に鉄ハシゴ。ネットもあった。
登り始めるのを待つかのように、西風が一気に強くなってきた。
最初小屋で待つと言った一人を除く、皆10人で登り始めたが、鉄ハシゴの手前まで来た時、小屋の人が出てきて、「止めといたほうがいい!」。
その声にほとんどが降りてしまい、同行者2人と私の3人だけが残り、鉄梯子を上がり始めた。
この道も一つカニ歩きがある以外は、足場もきっちり確保された岩の登りで、しかも登り切ると、稜線沿いのトラバース気味の緩い登り。
本当に辛いのは最初だけ。
稜線に出たこともあり、西風はよりきつく、霧で視界は少し悪い。東側に落ち込む崖に滑落しないように、その部分だけは気をつけながら、歩いていった。
途中ケルンがあり、霜が付いていた。
稜線沿いの道が少し長く感じた頃、神社の祠と、円形の山案内板がある山頂にたどり着いた。
標高3190m。奥穂高岳の頂上!
同行者に撮影していただき、頂上の祠に建つ。
ここも霜だらけ。
吊屋根は真っ白で見える。ジャンダルムへ続く尾根はうっすらと見えた。
帰路、一箇所だけ右に曲がる標識を見落として、道を見失いかけたが、すぐに戻って元の道を下る。
残りの2人からは遅れ始める。
疲れが出たと感じ、時々立ち止まって水を飲もうとすると、ハイドレーションのチューブの水が凍っていた。
寒さはあったはずだが、スポーツ店で買ったフリースと、ユニクロの新製品、ウルトラライトベスト、セミロングのジャケットは結構良く、上に雨具を羽織った状態で寒さを感じることがなかった。
岩壁の下に小屋の赤い屋根が見えた時には、残りの2人はすでに小屋に到着していた。
自分は自分のペースで慎重に鉄梯子を下り、岩の切れ目に足をかけ、ゆっくり下る。
小屋へと降り切った。
小屋の中に入ると、思わずへたり込んだ。
残りの人たちは涸沢岳へ行くというが、自分にはそんな余裕はなかった。
待ってる間、お湯を入れてから12時間たったコールマンの魔法瓶の湯を飲んでみる。
まだほのかに温かい。
これなら、カップヌードルが作れると容器に湯を入れる。
食べてみたら、暖かくおいしい。
魔法瓶を持って行けと毎週のように口々に言ってた同僚に感謝。
1時間ほどで一行が涸沢岳から戻ってきたので、下山開始。
下る途中常念岳が見えた。
うっすらと雪がかかっている。
下りのザイテンでは途中から大幅に遅れた。
多分奥穂に登った時の疲れが今出たのだろう。
最後の方で、ザイテンを下りきった他の人達の姿が見えた。
それからは、トラバース気味の下り。登り同様に長く感じた。
パノラマコースからの分岐点を過ぎ、行きと違って涸沢小屋へ直接下る道に入り込む。
足元がちょうど半端な石でふらついた足元には非常に滑りやすい。
両側に植物が生えていて、まるでジャングルみたい。
ナナカマドはすっかり紅葉していて、赤い色が綺麗だった。
ようやく涸沢小屋に到着。
私は涸沢ヒュッテとの比較のため、この日はここに予約しておいた。
他の人達はこの日もテント泊。
ヒュッテに比べると、敷地も通路も食堂も狭い。
鶏肉の夕食は良かったけどね。
あと比較的年齢層が高かったように見えた。
この日は残念ながら2人で1布団。布団の幅も狭く、詰め込み部屋に見えてしまう。
また夕食中、酒盛りをしていた集団に絡まられたりして、あまりいい印象ではなかった。
この小屋には、「山と渓谷」や「PEAKS」、「岳人」などの山雑誌や、山関係の本、過去の日記が置いてあった。
昭和49年の日記を読んだら、生活感あふれた足が地についた表現や、自作の歌を書いてたり、表現が豊か。
「岳」でもあったが、山に日常の生活にないものを求める気持ちは今よりもっと強かったんだな、と実感。
もっと読んでいたかったが、消灯時間になり就寝。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する