乗鞍 鳥居尾根から たて縞とカチカチ山
- GPS
- 09:51
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 1,584m
- 下り
- 1,577m
コースタイム
- 山行
- 8:43
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 9:51
天候 | 快晴 山頂は風強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
駐車地までの道路に積雪や凍結は無し。 登山ポストは山麓駐車場のリフト用チケット売り場の脇に「昔懐かしいポスト」が黄色く塗られて立ってます。 |
その他周辺情報 | 観光地ゆへ立ち寄り湯や飲食宿泊施設多数 |
写真
感想
乗鞍には夏季冬期合わせて数回訪れて居ますが、鳥居尾根を利用して本峰を目指した事は有りませんでした。
ヤマレコで数人の方のレポートを読ませていただき、この尾根筋のルートが気に成って居ました。ただ初めての尾根ルートを滑走で下りに使うのは勇気が足りませんでしたから、まずは登って見ようと今回行ってきました。
前日の5日は南からの低気圧の影響で、北海道を除き全国的に雨模様。ここ乗鞍でも相当の雨量が有った様でした。
しかし、低気圧から延びる寒冷前線が日本海から太平洋側に抜けた後、雨は後半に雪に変わると言う予報でしたので、雨で締まった雪の上に新雪が乗り雪面のコンディションはそれ程悪くないのでは?と期待して居ました。
早朝に駐車場に到着してみると、昨夜から雪は降って居ない様子。ゲレンデの端の雪を足で踏んでみるとカッチンコチンです。とっても嫌な予感がします。
はかない期待を持ちながらスーパーファット板もシールを貼って積んで来ましたが、出番は無しです。
いつもクライミングシールは自宅で貼ってから、スキー板を車内に載せて出発しますので、駐車地に到着後には一番先にスキ―板を降ろし、ヒーター(暖房)で温まった板とシールを外気温まで冷やし、水の付着を防止します。
歩き始めたものの、スキー板が雪面を叩く音は氷を叩いて居る音そのもの。本当に硬い雪で、雪と言うより氷です。
クライミングシールだけではゲレンデの斜面でさえ滑ってしまって登れません。
ゲレンデの端に寄りクトーを装着する為に右足からスキーを外したところ、脚は膝の深さまで潜ってしまいその状態で固定され、左足はスキーが嵌ったまま動かせません、ピンチです。もがきにもがいてなんとかその状況から脱出。こんな場所だからとの油断が招いたオバカ劇場でした。
鳥居尾根ゲレンデのトップ、リフト降り場の脇からいよいよ鳥居尾根登山道に取り付きました。
一段高く登るとそこには文字通り「鳥居」が立って居ました、昔はさぞや賑わった登山道だったのでしょう。
冷泉小屋を目指して歩みを進めますが、なにげにアップダウンが有って、下りに使うにはテクニックの要求されるように感じました。
今回は時間の関係で下りには利用しませんでしたが、乗鞍エコーラインの除雪が始まる前には一度下りコースでチャレンジしたいと思います。
「ここが冷泉小屋かな〜?」って思ったら全く違う小屋が途中に有るんですね。
エコーラインをショートカットするように登山道は高度を稼いで行き、しばらくすると冷泉小屋がドーンと現れました。
実際の冷泉小屋はとても立派な建物で、営業して居ないのがもったいない様なロケーションでした。
この頃に成ると下界の風景も良く見える様に成り、とくに本日は雲海が広がっているおかげで絶景でしたね。
位ヶ原山荘に立ちより休憩させて頂きましたが、あいにく誰も見えなく不在でした。
屋根板から富士見沢を目指して登高して行きましたが、雪面はカチカチに凍りストックの石突きが刺さらない程。
中途半端に高度を稼いだ挙句に下した判断が「うん!富士見沢の滑走は諦めて、剣ヶ峰のピークを踏もう!」でした。
その為にはすべり台と言われる急斜面の下部を北から南へトラバースしなければ成りません。
スキー板をザックに括りつけ、足には12爪のアイゼンを装着。
滑ったらあそこまでまっしぐらに滑落だ〜とビビリながら、久しぶりにアイゼンワークの練習に成りました。
肩の小屋に着いたのは12時40分頃、これから頂上を目指すと登りで45分下りで30分で、此処へデポジットしたスキー板を回収しに帰るのは2時半前後に成りそうだ。
下山はスキー滑走できるので時間はそんなに掛からないだろう。よし!行こう!
二人三人見えるつぼ足の登山者はすでに位ヶ原のトイレ小屋あたりを下山して居る。ピークを目指すには少しだけ時間が遅かったか?
蚕玉岳と剣ヶ峰のコルまで来ると、北西から吹き付ける風が頬を打ちとても冷たい。ザックからネックウォーマーを取り出し後頭部から両耳、顎を覆うように装着してみるが風が強くて動作がままならない。手先や顔の冷たさに負けてそこそこの装着状態で山頂へ急いだ。
山頂の祠の風裏に逃げ込めば無風の状態で防寒対策をとる事が出来る。
山頂では早々に写真を撮り下山開始。
何度も踏んでいるピークだけど、今日は天気がよくあらためて山登って良かったなって思えた。
剣ヶ峰と蚕玉岳のコルからの沢地形には多少の雪が付いているが、蚕玉岳と朝日岳のコルからの沢には雪が無い、ごつごつした岩がむき出しで滑るとか滑らないとかの以前の問題。
肩の小屋へ戻り再びスキーをザックに括りつけ、滑走が開始できそうな雪の状態の所まで高度を下げた。
肩の小屋付近は今年回りに雪が少なく地盤が露出して居る所が多く、スキーには不適だ。
なんとか滑走できそうな高度2710mでスキーに履き替え滑走を開始したが、氷の上を滑っている様な状態で、おまけに雨に因る縦溝がひどくて、洗濯板の上を渡っている様な状態、とても楽しめる様な物では無かった。
スキーのエッジが効かずに転んでしまったら、氷の斜面が硬くてとても痛かった。
ツアーコースの最後の急斜面上に差し掛かり、位ヶ原山荘の注意喚起の立て看板を見下ろすが、この斜面は溝が少なめでスキーやボードに因る斜面の荒れも少ない。
とは言えカチカチに凍っているのは上部と変わらない。
なんとかスキーを履いて下りたが、横滑りで高度を下げたと言うだけで、滑走とは程遠い。
5番標識まで我慢して滑っては見たが、つぼ足の踏み跡がそのまま硬く凍り、板を取られてしまってとても滑れない・・いえいえこれは私の滑走技術が未熟なだけで有って、上級者なら平気で滑ってしまうのだろう。
と言う訳で、自分に素直に板を脱ぎ、つぼ足でゲレンデ入口まで歩きました。
スキー板ではどうしようも無く硬い雪が、つぼ足だとモナカ状の表面がバリバリ割れて膝まで潜る。
滑走用に防寒した私は汗だくに成りましたよ。
カモシカゲレンデトップからはやっとスキー板を履いて、山麓駐車場までガリガリーって板が音を立てながら下って行きました。
歩くの遅いのは自覚してましたが、今日はスタートから10時間。
よい運動に成りました。
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