【蓮華岳ほか(長野・2799m)】北アルプス/扇沢〜蓮華岳〜船窪小屋〜七倉ダム(チャリンコ&バス 第2弾)
- GPS
- 55:30
- 距離
- 31.1km
- 登り
- 2,078m
- 下り
- 2,784m
コースタイム
(自転車)七倉ダム4:05→4:45信濃大町駅
(徒歩)扇沢6:15→大沢小屋6:50→8:50針ノ木峠・小屋9:00→9:50蓮華岳10:00→11:00北葛乗越11:05→北葛岳12:00→七倉岳13:20→13:30船窪小屋
【10/9】
船窪小屋7:50→9:55登山口→10:00七倉ダム駐車場
天候 | 両日ともドの付くピーカンでした。でも、寒かった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
自転車
JR信濃大町駅…JR大糸線。首都圏からのアクセスは良好で、特急「あずさ」が乗り入れているほか、登山シーズンには首都圏から夜行列車も運行されているようです。東は結構ガンバッテますが、西は…。扇沢を結ぶ路線バスが運行されています。なお、駐輪場は無料、駐車場は30分間無料、1時間50〜100円。コインロッカーは駅の中にある、5:00〜22:30で1日1回300円。24:00を過ぎると2日カウントとなり、600円になる。 扇沢…立山黒部アルペンルートの玄関口。信濃大町駅、長野駅を結ぶ路線バスがある。 七倉ダム駐車場〜JR信濃大町駅…距離約18km。七倉ダムから大町ダムを過ぎた辺りで右折して、大町ダム直下の九折のカーブを下る道が昼間でも車の通りが少なく、最短距離。大町ダム付近の登り返し以外はほぼくだり一辺倒、自転車を選ばずに行ける道です。ただし、逆は悲惨。 ※アルペンルートも路線バスも切符を購入する人の列が長いのが目に付きました。信濃大町の路線バスも含めて、近くの主な旅行会社で購入することができるので、予め購入しておくと、当日列を並んだり、きっぷ売り場へダッシュということが、なくなるかもしれません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
扇沢〜針ノ木峠(蓮華谷)…登山口に登山指導所あり。10/4にこの地域を震源とする地震により、数ヶ所崩落している箇所あり。当日は朝の冷え込みにより、沢が凍りついている箇所があった。渡渉箇所でも、濡れている岩はすべて凍結していた。なお、登山指導所では、黒部峡谷で起きた地震が原因とみられる落石死亡事故が発生したことから、注意喚起がありました。 針ノ木峠〜船窪小屋…夏と変わらず。雪は若干あったものの新雪であったため、足元が極端に悪いということはありませんでした。 船窪小屋〜七倉ダム…傾斜が急で、時折ハシゴや木の根っこの段差がありますが、整備は行き届いており、特に危険な箇所はありませんでした。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
●はじめに
世間は三連休、金曜日は用事があったのでお休みを頂いたものの、月曜日はもともと出勤日の、ちょっと変則的な三連休。翌週はまた用事があるので山に行けず、標高2,000m以上の山行は事実上今年最後。さて、どこへ行こうかと思ったとき、夏に行って以来毎日のようにホームページをチェックしている船窪小屋のことが浮かんだ。
「そうだ、船窪小屋へ行こう!」
金曜日の用事は午前中で終わるので、昼過ぎから行動できる。日曜日は次の日が控えているので、早めに下山したいので、下りるコースは七倉ダムというの必然的に決まった。
「ではどこから登ろうか?」
七倉のピストンも考えたがそれではあまりにも物足りない。なんせ、天気は連日晴れの予報。では扇沢からと思ったが、どうする交通費。高速代・ガソリン代は仕方がないにしても、タクシー代は何とかしたい。レンタカー借りるのは論外、レンタルスクーターは、取り扱いが松本市の郊外にしかなく、そのショップまでタクシーになってしまい、これでは本末転倒。レンタサイクルもない。あっても、営業期間が…。
「じゃあ、白山で使った。ママチャリ&バスで行こう」
てことにした。確か、夏来た時に信濃大町駅前に大きな駐輪場があったことを思い出して決めた。
七倉ダムまでチャリンコを積んで行き、ダムから信濃大町駅を積んでおいたチャリで下りる、帰りは七倉ダムへ下山して、駅でチャリ回収という算段だ。
チャリンコを使ってタクシー代を解消する知恵ってことで、かってのアニメの「じゃりんこチエ」から名前をいただいて「チャリンコ知恵」方式と勝手に命名(笑)
【10/7】
●京都から信濃大町へ、七倉ダム〜駅を下見
午後、京都を出発し、名神、中央道を経由して、長野道豊科インターで下りて、信濃大町駅までひた走ること6時間弱、夕方に着く。
船窪小屋のおかあさんが書いた本を取り扱っているという塩原書店を探し、デリシアというスーパーのテナントに入っていることを知って、お店を訪ねたが…
「ずいぶん前に、売り切れになりました」とのことでう〜ん残念。
道路の気温表示は15度ほど。持ってきた装備からするとまあまあ行けそうだけど、念のため、近くのイオンに行ってヒートテックのシャツを1枚追加した。これが命綱になるとは思いもよらなかった。
七倉ダムまでの道をクルマで往復して路面の状態を確認、路面は問題ないけど、登り返しが大小1箇所ずつある。これは、ザックは駅にデポだなと判断。大町温泉郷のある定食屋さんで、「鍋焼きうどん定食」を食べて駅へ向かった。
駐輪場は無料で、とてもよく整備されていて、絶えず照明で明るく照らされているし、防犯カメラも設置されている。公衆トイレもある。
多分、駐輪場にザックをデポしても大丈夫だとは思うけど、こんなところまで来て、万が一のことがあったらと思って、信濃大町駅のコインロッカーを利用することとした。駅の開錠時間や料金を聞くと、時間はバスの時間(5:30)は問題ないが、料金は、2日料金(600円)になる。都会と違って滅多なことはないと思うけど。
コインロッカーにザックをデポして、車に乗って、七倉ダムへ向かった。
チャリを駐車したクルマの後ろに停める。10台弱くらいクルマが停まっていたが、どうやらすでに登ったらしい。
登山指導所の明かりと七倉山荘の自販機のボタンランプ以外、何もなく真っ暗。
星がめっちゃキレイです。
早々に寝た。
【10/8】
●寒さで目が覚めた。
12時過ぎに目が覚める。何台も何台もクルマがやってきた。
のもあるけど、起きたのは寒かったから!
とにかく寒い、夕方はある程度暖かかったのに…
もう、いてもたってもいられないくらい寒い。
ヒートテックのTシャツ買っておいてまだマシだった。
というか、そんなものなんの足しにもならないくらい寒い。
よほど、エンジンかけて暖房かけようかとも思ったけど、寝る直前に隣のスペースに別の車が入ってきて仮眠とっているから、エンジンをかけると迷惑かけちゃう。
我慢した…。
小屋で着ようと思っていた、着替えと防寒着の追加、ザックごと駅のコインロッカーにあるけど、もってくれば良かった。
ヒートテック、ガクガク体が震えると、あったかさを感じる。
これがヒートテックなんだな(笑)
でも、足りんわ・・・。
とにかく目をつむって、眠ったのか眠ってないのか分からないうちに、クルマがどんどんやってきて、しまいには、バスまで来た。
セットしておいたケータイのアラームも鳴ったので始動。
ヘッデンを点けて、チャリンコで七倉ダムを出発。
クルマで走ったとおり、大町ダム手前で登り返しがあったけど、ほんのちょっとだけ。あとは、下り坂でペダルを漕ぐのは半分くらいしかない。その半分だってほんの軽くだ。それにしても、寒い。
冷え込んだのか、それとも自分が風邪を引いたのか分からない。
顎をガクガク震わせて、鼻水たらしながら、サドルを跨ぐ事40分、信濃大町駅に着いた。
もう、バスが来てた。
早速乗り込む。あったけー(笑)
にわかに生き返った。
バスは、2台に増車されて、乗り込んだバスは増発便として、本来の出発時刻を待たずに出発してくれた。
扇沢はマイカー駐車場入り口で渋滞、バスは横を通り抜けていった。
着いてから圧巻、きっぷ売り場にはすごい人だかり。
夏下りてきた、登山口は閑散としていた。
登山指導所のテントが張られていて、そこで届出を提出。
登山道の状況を聞いて、いよいよ出発。
●扇沢〜針ノ木峠
針ノ木の山々の上部はうっすら雪化粧している。
どうりで寒かったはずだ。
今日は夏に下りたまったく同じルートを登るので、迷うことなくズンズンと歩いていく。
大沢小屋を過ぎたあたりから、蓮華谷の川沿いに出て、高巻き道になるが、数日前の地震の影響なのか、崩落したり、岩が落下しているところが何箇所もあった。割れた岩の表面からまだ「割れたて」というのが分かり、改めて地震を身近に感じたのでした。
最初の渡渉地点の木橋、水しぶきが凍り付いてツルツルになってました。
その後も、何度か渡渉地点がありましたが、すべてツルツル、ちょっと浅い川底を選んでは足を踏み入れ、渡った方がはるかに安全でした。ただ、針ノ木峠へ向かう蓮華谷へ本格的に登るところから、沢のせせらぎにもなっている登山道が、そのまま凍っており、スケートリンク状の階段になっていたのには往生しました。
ただ、凍ってくれてたおかげで、夏通った時は、崩れてすぐに足を取られていた川岸付近の盛り土でできた道は、凍っていたため歩きやすかったのは、ずいぶん助かりました。
針ノ木峠の小屋が見え始めて、九折の坂に入るところは、新雪になっていましたが、凍っているわけではなかったので、サクサク音を立てながら、順調に登ることができました。
針ノ木峠、ドピーカンです!
アイススケートの階段の恐怖は吹き飛んでしまい、しばし、景色に見とれてました。
●針ノ木峠〜船窪小屋
続く、蓮華岳への登りも最高の景色でした。夏は、厚い雲に遮られていたため見えず、ガイドブックなどでは景色について賞賛されていたのは十分に納得できるものでした。
蓮華岳からの景色も申し分ありませんでした。
頂上で小休憩、ストックをザックにしまいこんで、いよいよ「蓮華の大下り」です。
この辺りから、ちょっとずつ足が重たく感じてきました。
新雪で凍っていないと言っても、多少でも悪くなっている足元も手伝って、船窪小屋まで試練の始まりです。
夏に通ったと言っても、その時もけっこうしんどくて、無心で歩いたので、あんまり覚えていません。
「えっ、こんなところもあったっけ?」の連続でした。
「蓮華の大下り」は名前がついている割りには、しんどいながらも、下りることはできました。
最後、ちょちょっと鎖があるだけで、ただただ長い下りって感じです。
北葛乗越からが、名もなき(多分、ついているんでしょうが、知識不足)登りと下りはキツくて、ほとんどペースを上げるどころか、足を動かし続けるのがやっとと言った状態です。
北葛岳からの下りきったところから、七倉岳への登りが何度も何度もピークについてはまた登りといった感じで、とても長く感じました。
夏の時は、下りだったのもありますが、出だしでまだ体力も気力も十分だったので、そんなに気に留めていませんでしたが。
うん、ラストでこれは強烈です。
それでも、七倉岳頂上に着くと、一気に吹き飛びました。
他の登山客の方もいて、「船窪小屋まであと少し」という言葉と、槍ヶ岳から剱岳まで、はたまた登ってきた針ノ木峠を見渡して、あと少しの船窪小屋までは、あの鐘の音を少しでも早く聴きたくて、駆け足になってました。
カ〜ン!
わ〜い、船窪小屋だー。
10月からお手伝いに来たという、みかりんさん(もりりんさん、どっちかな)がお出迎えです。
あったかいお出迎えのお茶がうまいっ。
ときさんは、夕食の準備で大忙し、小屋締めまであと数日を控えて、小屋関係の人(あとできいたら皆さんボランティアだと言う)たちもいっぱいいました。
小屋の前のテーブルは賑やかで、宿帳を書いている最中もカ〜ン、カ〜ンと鐘の音が鳴り響いたのでした。
●船窪小屋にて
宿帳を書いて、3時間近く、例によって、テーブルの前で他の登山客の人たちと盛り上がってました。
あんまり酒は飲めないので、最初はコーヒー、次はオレンジジュースでしたが、他の方たちは、ビールに、持ってきたワインやら発泡酒やらで楽しんでました。
40人近く、定員ギリギリといった感じの賑わいだそうで、結構テレビ番組で小屋のことを知って来たという人もいました。
同じテーブルにいた人の中には、すっかり出来上がってしまい、部屋に荷物をしまってもないのに、足元フラフラという人もいたり(笑)
そうそう、嬉しい事が。
なんと、ときさん、自分のことを覚えてくれてたみたいです!
ますますファンになりそうです。
夕食は、大人数でお客さんで2回、小屋関係の人たちで1回の3回に分けてありました。
小屋閉め前にもかかわらず、豪華で美味しい料理でした。
夏とほとんどメニューは一緒でしたが、山の上はすっかり秋も終わりで近くで採れる葉物もないというのに、それを感じさせてくれないものばかりでした。
デザートはクロマメのゼリーでした。
全員の食事も終わるころには、日もとっぷりを暮れて夜、満点の星空です。
さて、ふっちーこと、道しるべの会の会長である淵上さんの司会で、お茶会。
ほんのり甘いネパールティーが振舞われました。
最初にお客さんの自己紹介から始まって、次は小屋関係のスタッフの方の紹介。
キレイで気立てのよいときさん。
今年7月から小屋番として船窪小屋に来る前は、登山歴なし。
あと2日で小屋締めということもあって、自己紹介の途中でしんみりして涙ぐんで言葉が出なくなった。
で、ふっちーさんが補足してときさんのエピソードを聞いてスゴイと思いました。
その後、小屋の手伝いをしている人のアコーディオンの演奏に、みんなで静かに聞き入ってました。
ああ、来てよかった。
ホカホカの布団で眠りに着きました。
【10/9】
●ご来光を見ようと七倉岳へ
前の日、車の中で凍えていただけあって、グッスリ眠ることができました。
4時過ぎ、周りがガサガサと出発の準備で慌しくなりました。
烏帽子方面や針ノ木方面に行く人たちが早出するためのようです。
空は満点の星空。
大町市街の先の空は、赤く照らされてます。
よし、ご来光を見に行こう。
今朝も寒いので、着るもの全部着こみました。
朝食は、七倉へ下りるだけなので、第二陣。
日の出の時刻と重なりそうなので、もりりんさんに聞いたら、食事は帰ってきてからでも良いですよってことにしてもらった。
雲ひとつない空。
寒空の中にポッと浮かぶ太陽は何とも言えず暖かさを感じる。
バックの不動岳、船窪岳の山々は、朝日に照らされて赤く写る、とにかくキレイ。
余韻に浸る間もなく、空腹を感じる。
さ、ご飯、ご飯(笑)
朝ごはんもうまーでした。
今日は下るだけなので、8時くらいまでのんびりして、出発する人を見送りました。
カーン、カーン。
と、鐘が鳴り響きます。
山のおかあさんが、声をかけてくれました。
途中、残っている人たちにモーニングコーヒーを振舞ってくれました。
小屋閉めと近いからかも知れませんが、なんともありがたい一杯でした。
コーヒーを飲んでしばらくして、下山しました。
カーンと言う鐘の音と共に、「行ってらっしゃーい」の声が。
「また、来よう」と思って小屋を後にしました。
●七倉尾根
小屋を出て、2時間くらいで降りることができました。
途中途中で、小屋でご一緒した人に行き会ってはおしゃべりしながらでしたが。
もともと、飲み物は、下山時に飲む分だけにしたし、荷物が軽かったので。
それよりも、急な傾斜の連続なんですが、道自体すごく整備されていて歩きやすい道なのには驚きました。
もちろん、船窪小屋の人たちの手によるものですが。
改めて、小さな山小屋で、これほどの大きな人のつながりがある、船窪小屋のスゴさを感じました。
下山すると、昨日小屋の前の宴会でご一緒した人がタクシー待ち。
信濃大町駅まで、チャリンコ回収ついでに乗せてってあげました。
今日も雲ひとつない空、駐車場はほぼ満車。
小屋の予約も多いと聞いていたので納得です。
帰りは、立ち寄り温泉で汗を流して、再び長野・中央・名神を使って京都へ。
豊科インターまでの道がものすごい渋滞でした。
連休の中日ということもあって、名神は渋滞はほぼありませんでした。
来年もまた、船窪小屋へ行こうと思います。
今度はどのルートを通って来ようかな。
「チャリンコ知恵」は一応成功ということで、間違っても登りでは使いませんが、他の山域でも試してみたいですね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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shirayamaさん こんばんは
ちゃっかり船窪小屋ですか、いいですね
ときさん覚えててくれたって?そりゃうらやましいよ〜
どんなピークハントよりうれしいんじゃないですか
チャリンコ知恵いいっすね、自分も今度まねしてみようかな。船窪小屋行きたいんだけど交通手段でいつも悩むんですよね、といっても39キロ歩くんだから七倉から扇沢くらいなら歩けってこと?(笑)
この夏のリベンジ果たせましたね
ところで実は今日(10日)またまた日帰りやっちゃいました、私もリベンジで蓮華岳
そのうちレコアップするので見てください
sakura0725さん こんばんは
よく分かってらっしゃる
ときさんに覚えてもらってたのが、何よりも嬉しいです
お手伝いに来ていた人たちも素敵な人たちばかりで、ますます船窪ファンになっちゃいそうです
えっ、蓮華岳
連日山登りやないですかー。
多分、sakura0725さんなら、船窪小屋は楽勝かと思われますwww
レコ楽しみにしてます
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