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Yamareco

記録ID: 142035
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無雪期ピークハント/縦走
鳥海山

原生の森に屹立する「加無山」

2011年10月10日(月) [日帰り]
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GPS
06:50
距離
9.1km
登り
941m
下り
945m

コースタイム

・登山口8:43→加無沢出合9:27→挽割11:27→12:12 第2岩峰(GPS高度 932m)(登り 3時間29分)
・下山開始12:30→加無沢出合14:47→15:33 登山口(下り 3時間03分)
天候 くもり
過去天気図(気象庁) 2011年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
(最寄り駅)山形県真室川町・JR奥羽本線「大滝」駅
(ルート)県道35号線・大滝小(廃校)→加無山(かぶやま)林道→登山口
コース状況/
危険箇所等
★★コース内の八敷代川に架かる吊り橋が洪水で流失している。そのため水深30センチ程の徒渉が必要となる。(H23.10.10現在)★★

(1)登山口へは大滝小学校(廃校)横から足沢沿いに加無沢林道(ダート)を約7キロ、20分入る。
(2)登山口には標柱と数台の駐車広場があり、登山ポストはない。
(3)八敷代川の吊り橋流失により、靴を脱いだ徒渉が必要。(飛び石なし)
(4)コース内に標識は全くなし、ただし赤テープは追えます。
(5)踏み跡はしっかりしている。数カ所崩落や滑落し易い露岩部あり。(男加無山山頂部は未確認)
(6)挽割から先は薮化した急登に変わります。
(7)熊鈴必携。
林道入口
県道35号線の大滝小学校(廃校)横に林道入口の案内標識がある。
林道入口
県道35号線の大滝小学校(廃校)横に林道入口の案内標識がある。
概略図
林道入口に建つ周辺の概略図。日本一のクロベ(黒檜)もここから入る。
概略図
林道入口に建つ周辺の概略図。日本一のクロベ(黒檜)もここから入る。
登山口の駐車場
林道の分岐を1カ所左折後、三階滝入口を過ぎて程なく登山口と駐車広場に到着。県道から約7キロ、20分だ。ここは熊の多いコース、1台の先行者の車に少し安心する。
登山口の駐車場
林道の分岐を1カ所左折後、三階滝入口を過ぎて程なく登山口と駐車広場に到着。県道から約7キロ、20分だ。ここは熊の多いコース、1台の先行者の車に少し安心する。
登山口に建つ案内板
男女両加無山を手書きでイラストしただけの案内板。殆ど案内にはなっていないところも面白い。毎年7〜8月にコースの刈り払いには感謝だ。
登山口に建つ案内板
男女両加無山を手書きでイラストしただけの案内板。殆ど案内にはなっていないところも面白い。毎年7〜8月にコースの刈り払いには感謝だ。
橋流失
登山口に入り間もなく八敷代川(はっしきだいがわ、左の川)に注ぐ小川を丸太橋で渡る。しかしその先で八敷代川に架かる吊り橋が洪水で流失し愕然となる。はるばる遠征して諦めきれず、先行者もいるので靴を脱ぎ徒渉を決意。(飛び石なし)
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橋流失
登山口に入り間もなく八敷代川(はっしきだいがわ、左の川)に注ぐ小川を丸太橋で渡る。しかしその先で八敷代川に架かる吊り橋が洪水で流失し愕然となる。はるばる遠征して諦めきれず、先行者もいるので靴を脱ぎ徒渉を決意。(飛び石なし)
徒渉
川に張られたロープを掴みながら、膝下30センチ前後の深さを約20メートル右岸に進む。水温冷たく流れも早いため素足がしびれる。徒渉を終え、ほっと上部の滝を眺める。徒渉は以降3回あるが、いずれも飛び石で渡れる。
徒渉
川に張られたロープを掴みながら、膝下30センチ前後の深さを約20メートル右岸に進む。水温冷たく流れも早いため素足がしびれる。徒渉を終え、ほっと上部の滝を眺める。徒渉は以降3回あるが、いずれも飛び石で渡れる。
広い登山路
徒渉後は右下に渓流を眺めながら気持ちの良い広い登山路を進む。
広い登山路
徒渉後は右下に渓流を眺めながら気持ちの良い広い登山路を進む。
ダイモンジソウ
この日最初の出会いは濡れた岩場に咲くダイモンジソウ。
ダイモンジソウ
この日最初の出会いは濡れた岩場に咲くダイモンジソウ。
スラブ
千畳岩と呼ばれる巨大なスラブ。東偏積雪で林床が剥がされ樹木が付いていない。
スラブ
千畳岩と呼ばれる巨大なスラブ。東偏積雪で林床が剥がされ樹木が付いていない。
絶壁
樹間に初めての絶壁が現れる。女加無山の北壁か。
絶壁
樹間に初めての絶壁が現れる。女加無山の北壁か。
原生の森1
最深部に近づき太い原生林が増え出す。
原生の森1
最深部に近づき太い原生林が増え出す。
原生の森2
大好きな原生の森の道。これに出会うためやって来た。秋田後生掛温泉の登山路にも似て思い出す。
原生の森2
大好きな原生の森の道。これに出会うためやって来た。秋田後生掛温泉の登山路にも似て思い出す。
断崖下
切れ落ちた女加無山の断崖が現れ、壁下の狭い露岩上をトラバースする。
断崖下
切れ落ちた女加無山の断崖が現れ、壁下の狭い露岩上をトラバースする。
胎内くぐり
これが話題のトンネル。幅40センチ程で大人ひとりがようやく通れる。ロープを掴んで後ろ向きに降りる。
胎内くぐり
これが話題のトンネル。幅40センチ程で大人ひとりがようやく通れる。ロープを掴んで後ろ向きに降りる。
トチバニンジン
崖下に特徴的なトチバニンジンの赤い果実。果実は今後さらに黒に変わる。
トチバニンジン
崖下に特徴的なトチバニンジンの赤い果実。果実は今後さらに黒に変わる。
男加無山北壁
胎内くぐりの樹間から男加無山北壁が顔を出す。右端ピークが山頂か?
男加無山北壁
胎内くぐりの樹間から男加無山北壁が顔を出す。右端ピークが山頂か?
挽割(ひきわり)
ここを上がった所が「挽割」と呼ばれる男加無山と女加無山との鞍部。通り風が心地よい。
挽割(ひきわり)
ここを上がった所が「挽割」と呼ばれる男加無山と女加無山との鞍部。通り風が心地よい。
甑岳(こしきだけ)遠望
挽割から北方には県境の名峰甑岳が見える。(左が女甑岳 979m、右が男甑岳 981.4m) 6年前が懐かしい。
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甑岳(こしきだけ)遠望
挽割から北方には県境の名峰甑岳が見える。(左が女甑岳 979m、右が男甑岳 981.4m) 6年前が懐かしい。
マムシグサの実
何処にもある、いやっ、此処にしかない蝮草。山野草1本1本にも其処に生きる固有の顔があるのだ。
マムシグサの実
何処にもある、いやっ、此処にしかない蝮草。山野草1本1本にも其処に生きる固有の顔があるのだ。
笹薮の道
挽割で休憩中に下山の先行者と交叉。ご年輩のご夫妻か、その体力に敬服する。
いよいよ山頂目指して稜線の急登が始まる。間もなく踏み跡が分岐し、事前の情報から左側の笹薮の踏み跡に進む。かなり急だ。
笹薮の道
挽割で休憩中に下山の先行者と交叉。ご年輩のご夫妻か、その体力に敬服する。
いよいよ山頂目指して稜線の急登が始まる。間もなく踏み跡が分岐し、事前の情報から左側の笹薮の踏み跡に進む。かなり急だ。
枯れ木
踏み跡はその後九十九折に変わり、稜線手前でアスナロの枯れ木が現れる。
枯れ木
踏み跡はその後九十九折に変わり、稜線手前でアスナロの枯れ木が現れる。
第1岩峰
笹や灌木を掴んで急登をよじ登り稜線にでると松を抱いた露岩が現れる。東方の女加無山が鋭い。
第1岩峰
笹や灌木を掴んで急登をよじ登り稜線にでると松を抱いた露岩が現れる。東方の女加無山が鋭い。
黄葉
稜線付近は少し紅葉が早い。
黄葉
稜線付近は少し紅葉が早い。
丁岳(ひのとだけ)遠望
さらに高度を上げると、左側西方に重量感ある丁岳が遠望出来た。
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丁岳(ひのとだけ)遠望
さらに高度を上げると、左側西方に重量感ある丁岳が遠望出来た。
第2岩峰
さらに登ると稜線上に再び露岩のピークが現れる。GPS高度932mだが、2.5万図の970mピークか。目前に山頂部が迫るが、ピークから先は深い鞍部があり、時間切れで前進を断念。残り標高差60m強だが、ホテル前泊で入山が遅れたので仕方がない。
第2岩峰
さらに登ると稜線上に再び露岩のピークが現れる。GPS高度932mだが、2.5万図の970mピークか。目前に山頂部が迫るが、ピークから先は深い鞍部があり、時間切れで前進を断念。残り標高差60m強だが、ホテル前泊で入山が遅れたので仕方がない。
女加無山
第2岩峰からの女加無山。逆光で美しい山肌が見えず残念だ。
女加無山
第2岩峰からの女加無山。逆光で美しい山肌が見えず残念だ。
挽割南側
山頂上空に怪しい雲が掛かってきた為、早々に下山開始。挽割に戻り南側を望む。踏み跡が急斜面を一直線に降りている。此処を通る人もいるのだろうか?
挽割南側
山頂上空に怪しい雲が掛かってきた為、早々に下山開始。挽割に戻り南側を望む。踏み跡が急斜面を一直線に降りている。此処を通る人もいるのだろうか?
原生の森3
帰路も楽しい林間漫歩。ブナも実に美しい。
原生の森3
帰路も楽しい林間漫歩。ブナも実に美しい。
クサギ
秋を告げるピンクの実だ。これも直に中の実が濃紺に変わる。
クサギ
秋を告げるピンクの実だ。これも直に中の実が濃紺に変わる。
キノコ
キノコを知らない自分には美しいだけだが、原生の森には美味しそうなキノコが豊富だ。
キノコ
キノコを知らない自分には美しいだけだが、原生の森には美味しそうなキノコが豊富だ。
渓流
無数の渓流も疲れを癒してくれる。イワナも釣れそうだ。
渓流
無数の渓流も疲れを癒してくれる。イワナも釣れそうだ。
無事下山
午後3時33分無事下山、駐車場にはもう誰も居ない。帰着と同時に大粒の通り雨が襲来し間一発セーフ。
深く静かな原生の森に大満足、ここも素晴らしい山だった。
無事下山
午後3時33分無事下山、駐車場にはもう誰も居ない。帰着と同時に大粒の通り雨が襲来し間一発セーフ。
深く静かな原生の森に大満足、ここも素晴らしい山だった。

感想

(1)東北紅葉山旅第2弾は山形県真室川町の「加無山」(かぶやま、997.2m)。鳥海山と栗駒山を繋ぐ丁(ひのと)山系の今なお残る原生の森に屹立する岩峰だ。
(2)ヤマケイ分県ガイドNO4にも掲載されているが、山頂部には踏み跡がないためか入山者は少ない。
(3)山頂部の踏み跡情報少なく、期待と不安を抱いて登ったが、時間切れでピークを踏めなかった。いつぞや再チャレンジだ。
(4)しかし、深い原生林の森、水量豊かな渓流、そして大スラブと岩峰からの絶景等々素晴らしいコースだった。(八敷代川に架かる橋が流失し予想外の脱靴徒渉を強いられた。)
(5)丁山系には標高1000m前後ながら奇岩怪石の名峰多く、豊かな自然が残っているのでじっくり山を楽しむ方にはオススメです。

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