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Yamareco

記録ID: 1455493
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

春の北鎌敗退

2018年05月03日(木) ~ 2018年05月06日(日)
 - 拍手
GPS
80:00
距離
40.1km
登り
2,357m
下り
2,347m

コースタイム

1日目
山行
9:20
休憩
1:45
合計
11:05
6:00
55
6:55
7:05
45
7:50
8:05
55
9:00
9:20
45
10:05
10:10
55
11:05
11:30
45
12:15
12:25
35
13:00
13:10
125
15:15
15:25
100
2日目
山行
9:55
休憩
0:20
合計
10:15
6:45
200
10:05
70
11:15
11:25
265
15:50
16:00
30
16:30
30
3日目
山行
4:00
休憩
1:25
合計
5:25
7:25
30
7:55
8:05
50
8:55
9:40
45
10:25
10:40
45
11:25
11:40
60
12:40
上高地バスターミナル
天候 雨→雪→雪・晴れ
過去天気図(気象庁) 2018年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
上高地へさわやか信州号
コース状況/
危険箇所等
横尾まではほぼ雪なし、例年より少なめ。初日の夜に雪が降ったため、2日目から急斜面でアイゼンが利かず難しくなる。2日目の夜も30cm以上の積雪。3日目朝は吹雪ののちようやく晴れ。
その他周辺情報 上高地へ下山したので、小梨平の風呂で汗を流す。
雨の上高地
雨具にザックカバーが活躍
雨具にザックカバーが活躍
槍沢ロッヂでアイゼン装着
槍沢ロッヂでアイゼン装着
大曲あたりから東鎌尾根へ
大曲あたりから東鎌尾根へ
水俣乗越、と勘違いしたコル
水俣乗越、と勘違いしたコル
勘違いしたコルから北鎌沢方面
勘違いしたコルから北鎌沢方面
北鎌沢出合
北鎌沢出合の少し上にテント設営
北鎌沢出合の少し上にテント設営
コルを目指して上るも、雪がなかなか邪魔をする
1
コルを目指して上るも、雪がなかなか邪魔をする
北鎌沢のコル、敗退を決断。
1
北鎌沢のコル、敗退を決断。
戻りの水俣乗越に向けて
戻りの水俣乗越に向けて
本当の水俣乗越 まで来た。雪に苦しめられた。
2
本当の水俣乗越 まで来た。雪に苦しめられた。
振り返って
ババ平まで下りて安心
ババ平まで下りて安心
しかし夜から風雪強くなり翌朝は吹雪の中で撤収
2
しかし夜から風雪強くなり翌朝は吹雪の中で撤収
しばらくすると春の陽気
しばらくすると春の陽気
桜も咲いてました
桜も咲いてました
いつもの上高地
いつもの上高地

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 雨具 ゲイター バラクラバ 着替え 予備靴ひも ザック ザックカバー アイゼン ピッケル 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ナイフ ポール テント テントマット シェラフ ヘルメット

感想

【1日目】
初日の雨は予報通り、その後は回復して晴天が続くと思われたが、全くその通りにはならなかった。上高地から徳澤までは雨の行動、横尾あたりで雨がほとんど止んだ。横尾と一の俣の間にある沢が雨で増水しており、渡してある足場の木が水をかぶってるため足を乗せるのを躊躇うほど。上にも下にも巻けるところがないので、迷ったあげくに気合で木に足をかけて渡った。

槍沢ロッジからアイゼン着用し、水俣乗越分岐より急斜面を登行。かなりしんどい登りだが、あとは天気良くなるだけと言い聞かせてがんばって登った。水俣乗越まで上り詰めて急斜面を下る。結果的に後で気付くが、このコルは水俣乗越ではなかった。

かなりの急斜面、雪面をよく見るも誰も降りた痕跡がない。滑ったらアウトなので後ろ向きに慎重に下った。ようやく斜度が緩んでくると、沢を間違えないように歩を進めた。こちらも増水の影響で渡れるところが見つからない。雪も川岸に多く残っており、今にも崩れそうなところもあるので慎重に渡る場所を探して渡った。アイゼン、ピッケルをしまいストックを出す。

しばらく進み北鎌沢の出合に到着、18時。ここでも北鎌沢のモノ凄い水流に圧倒される。渡れる所がないのかと心配した。夏にテントを張る沢の出合付近を物色したが、水が多くて怖いので、北鎌沢を10メートルほど上ったところにテントを張る。

【2日目】
朝寝坊。うすうす気付いてはいたが夜から雪が降り、20cmほど積もった。北鎌沢のコルまではひたすら雪面登りなので、アイゼンとストックで7時前にスタート。夏と違って右俣の雪面を辿ればよく、クライマーホイホイなどで間違える心配はない。しかし降った雪には苦しめられた。もともとの残雪だけならアイゼンが利いたはずだが、その上に積もった新雪が滑ってアイゼンが利かない。途中でピッケルを出すが十分に利かず怖い。今にも足元が滑りそうなのをヒラメ筋で堪える。10時すぎにやっと北鎌沢のコルへ到着。ここまで登ればあとは休んで夏道のような岩場を想像していたが、正反対の冬山だった。雪も止まない中、この不安定な雪を進んで行かれるか?日程的にはもう2日あるので問題はないが、時間をかけても技術的に抜けられるか?が鍵だ。この先滑落しないまでも、途中で行き詰まったりしたらもう引き返せない。ソロであること、自分の経験・力量・疲労度、好転しない天候などから、ここで引き返すことを決めた。

コルからは、急なところは慎重に、少し安定したところは尻セードにて下ってきた。スピードがつき過ぎて滑落停止姿勢を取ってようやく止まったり、少々怖い思いをした。尻セードを多用したおかげで1時間強で北鎌沢出合まで降りてきた。

ここからまた河原歩き・川越えとなるのでアイゼン・ピッケルをしまう。まだ昼前なので時間は余裕がある、と自分に言い聞かせて慎重に進む。最悪、水俣乗越を越えられなくても雪崩の危険のないところでテント張って、明日越えるのでも大丈夫。河原からルートを間違えないよう注意して水俣乗越を目指す。登り始めは順調だったが、途中から斜面が急になってくると、北鎌沢の登りと同様に滑って怖い登りになった。疲れがたまる中、一歩一歩慎重に進めていき16時前にどうにかコルへたどり着いた。実は登り出す前に木の植生や斜面の様子から、昨日通ったコルとは違うのに気付いていたが、昨日のコルが正しくて今日進むのが間違いコルだとばかり思っていた。たまに間違いコルを越えて北鎌沢へ行く人もいると聞いていたので、こちらでも大丈夫と判断していた。しかし水俣乗越まで来て、ココが正しいコルだ!ということに気付いた。じゃあ昨日通ったコルは何だったんだ?とにかくここが正しい水俣乗越だ、この先も安全に下りよう。ここでも凍った急斜面は後ろ向きに下りて、開けた斜面では尻セード。そして尻セードで進まなくなった緩斜面では、今回試作したシリセーダー1号を投入!するとかなりのスピードで滑る!

あっという間に大曲のルートへと下りてきた。少し歩いて17時頃ババ平。天気も良くなり安心して眠れると思いきや、夜から風が強まり雪も降り出した。

【3日目】
雪は30cm以上積もったようだ。真冬の吹雪きのようななか、テント撤収して下山。しかしほんの10分も歩くと風雪は止んだ。うそのような天候の変化に驚きつつも、例年の黄金週間の日差しと風を楽しみながら歩いた。二の俣でアイゼンを外し、横尾で携帯が入るので帰りのバスを予約変更。うまく空きがあったので5/6平湯発の便をキャンセルして5/5上高地発を予約。上高地に着いて荷物の整理と道具の日干しをし、小梨平の風呂で汗を流す。今回もいろいろあったけど楽しかったな、いっぱい遊ばせてもらったなぁ、と山に感謝して岐路についた。

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