蒜山;中蒜山〜上蒜山縦走
- GPS
- 04:30
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 921m
- 下り
- 874m
コースタイム
- 山行
- 4:31
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:31
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
下山は上蒜山登山口(だんだん村)に |
コース状況/ 危険箇所等 |
上蒜山山頂〜三角点ピークは「熊笹深い」と地図に記されている通りであり、胸までの熊笹の藪を漕ぎ分けていく。踏み跡も不明瞭であり、ルート・ファインディングには慎重を要する。詳しくは感想参照 全般的によく整備された登山道である。しかし降雨後は泥濘がひどく、滑りやすいものと思われる。他のレコ参照 |
写真
感想
奥大山の鏡ヶ成キャンプ場のテントを撤収して蒜山高原の中蒜山登山口に辿り着いたのは既に昼前であった。登山口の駐車場はかなりの車が停まっている。昨夜より奥大山のキャンプ場に義理の姉が合流し、計6人のパーティーとなる。塩釜冷泉の冷たい水を水筒とペットボトルに汲み入れ、登山開始する。
登山道ではガマズミの花が目につく。風に揺らぐ花が一息つくのを待って写真を撮ろうとするが、なかなかシャッターチャンスが難しい。時間をかけているうちに家族達に引き離される。牧場の端を通り過ぎると新緑が眩しい小さな沢となる。次男は宇多田ヒカルの出演する奥大山の天然水のCMのロケ地の沢を歩きたがっていたので、佳かったと思う。
やがて檜林の急登となるが、次男がどんどん先に登るので彼に導かれるように高度をあげていく。五合目には大霊留女貴命(おおひるめのみこと・・・難読)が祀られている日留神社があり、蒜山の山名の由来とのこと。しかし目につくのは小さな石の祠のみ。次男が「古そうなお金・・・」といって手にとっている古銭をみて驚いた。何と寛永通宝!
7合目あたりからは多数のイワカガミの花々が登山道の路傍を彩る。やがて辺りは低木帯となり、背後には蒜山高原と彼方に中国山地を眺める絶景が拡がる。9合目からは下蒜山からの縦走路と合流して、クマザサの草原に覆われた絶景の稜線を歩くことになる。この稜線になるとイワカガミのかわりに道の両側には無数のカタクリの花が満開である。早朝に登ったすぐお隣の奥大山の擬宝珠山とは標高もほとんど変わらないにも関わらず、擬宝珠山ではカタクリが花期が終わりかけだったのに対してこちらは最盛期だ。
蒜山山頂は多くの人で賑わっている。ベンチを頂き、パンにキュウリとローストビーフを挟んでサンドイッチを作り、美味しい早島産のトマトと共に頂く。ここからは既にバテ気味の義理の姉、これ以上もう行きたくないという娘は往路を戻ることにして、家内も同伴。私と長男、次男の男性陣のみが先に進むこととなる。中蒜山の山頂から上蒜山へのコースに入ると途端に人が少なく、静寂に満ちている。丈の低いクマザサが辺り一帯を覆い、その夢幻的な光景と相俟って別世界のようだ。
この日は風もなく穏やかであるが、天候が悪いと風の通り道となるのであろう。この辺り一帯に広がるクマザサは風衝草原のように思われる。鞍部が近づくとクマザサは冬枯れの色から灰緑の夏色に衣替えをしつつある。時折のそよ風がグラデーションのかかったクマザサのパレットに気儘に模様を描いていくようだ。
中蒜山から下る道は北斜面になるせいか、道端に咲いている花が違う。真っ先に気がついたのは次男であった。キスミレだ!そして道沿いにはかなりの数のキスミレの群落が次々と現れる。絶滅危惧種の稀少なキスミレのうち、この蒜山および大山にみられる固有種をダイセンキスミレというらしい。ちなみにサントリーの奥大山天然水のラベルにもこのダイセンキスミレが描かれている。
草原は鞍部までであり、鞍部を越えると上蒜山の山頂にかけての樹林帯の中を行く登り返しが始まる。これが意外と急登であるが、長男と次男は軽々と登っていく。登山道を彩る花々や中蒜山からの美しい稜線、蒜山高原のパノラマにカメラを向けるとたちまち彼等との距離が開く。私が彼等についていくのに必死にならざろう得ない日が来るのはそう遠くないのかもしれない。
上蒜山の山頂は意外と狭く、樹林に囲まれて眺望が乏しい。我々が到着するのと南側の登山道からも親子連れの3人組が登ってこられるのとほぼ同時であった。お互い家族同士の写真を撮りあう。
上蒜山の一等三角点は山頂標のあるピークのさらに西側に尾根を進んだところにある。ピークは目の前には見えてはいるが、山と高原地図では破線のヴァリエーション・ルートとなっている。果たしてどんなルートだろうと足を踏み入れると、クマザサの中に辛うじて踏み跡がある程度であり、相当な藪こぎが要求されそうだ。三角点マニアではないが、ついつい三角点からの眺望を期待してしまう。子供達には10分待って戻って来なかったら下山を開始してよいと伝えた上で、クマザサの藪の中に漕ぎ出した。
倒木も散在しており、難易度は低くはない。熊笹の中を漕ぎ進むと忽然と開けた広場に飛び出した。足元には三角点があるではないか。苦労した甲斐あって山頂からの眺望は・・・残念ながらほとんどない。熊笹の藪の彼方に山頂を望むのが関の山だ。子供達が待つ山頂を目指し、早々に引き返す。山頂に帰り着いたのは出発してから10分と経ってはいなかった。先程のご家族にも写真と共に三角点の光景をご報告する。
上蒜山からの槍ヶ峰のピークまでは再びカタクリの花に彩られている。槍ヶ峰からの下山路も低木とカヤトが続き、視界を遮るもののないパノラマ・ロードが延々と続く。下りの後半は次男はさすがに疲れたのか膝が痛いと云い始めたが、眺望の素晴らしさには十分に満足してくれたようである。
下蒜山には登っていないので何とも云えないが、蒜山三山のいずれかに登るとしたら、眺望の美しさという点ではこの上蒜山の登山路がとりわけ素晴らしい。そして中蒜山のクマザサの草原の稜線も別世界のようだ。タクシーを使うことを厭わなければ、可能であれば少なくとも二山がお薦めである。そして私は改めて三山を縦走すべく、捲土重来したいものだと思う。
こんばんは。たまたまですが、同じ日に犬挟峠から、蒜山三座を往復しましたが、結局、犬挟峠から下蒜山の山頂までが、蒜山の核心だと思います。写真で見る限りは、上蒜山のコースは、雲居平ほどの絶景でないと思います。
ちなみに「全国的に見て」という話をしています
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