浄土山-真砂沢-雷鳥沢BC
- GPS
- 11:56
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 2,133m
- 下り
- 2,157m
コースタイム
天候 | 1日目曇りのち晴れ(雲海上) http://www.tenki.jp/past/2018/05/19/chart/ 2日目晴れ(雲海上) http://www.tenki.jp/past/2018/05/20/chart/ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
室堂-浄土山: シール歩行。祓堂手前で一部夏道露出。浄土山へは一ノ越手前の沢筋から北峰近くに上りあげたが、気温が低くややクラストしておりクトー必須。滑落すると夏道まで真っ逆さまです。 浄土山-大走り取り付き: 滑走。早朝でカチカチであったが、特に問題なく通過。 大走り-真砂沢: 稜線夏道に合流するまで雪がつながっていた。早朝で固くしまっていたためシートラアイゼンで登行。夏道合流後は雪のない巻き道と思われるトレースを兼用靴で辿った。一部沢部に雪が残っておりアイゼン使用。その最後にダブルウィペットでのクライムダウンあり。稜線からの夏道に合流して間もなくドロップ地点。 真砂沢: 滑走。スタートは斜度があり、まだ少し硬めで緊張する。すぐに斜度も雪も緩み快適ザラメ。下部になり細くなると左右からのデブリが目立つが、通行に支障なし。ところどころ雪割れがあるが、注意して避ければ通行の支障にはならない。 剣沢: 延々のシール登高。クトー使用せず。左右からのデブリなどあるが、通行中に落ちてくるものはほとんどなし。 雷鳥沢: 滑走。雪が出るまで少々ツボ足で下降必要。以後は緩んだやや重いザラメで滑降。 雷鳥沢キャンプ場近く-室堂: ブル道を通ってみくりが池横に合流。以後は観光客の近くを担ぎもしくはシール歩行。 |
その他周辺情報 | ホテル森の風立山。外来入浴は17時まで。回数券で700円。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
装備
個人装備 |
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ガムテープ
常備薬
日焼け止め
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
クトー
アイゼン
シュラフ
(服装関係は省略)
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感想
今シーズン最後の山スキーに、ニシデンさんが真砂沢に連れて行ってくれた。土曜日(5/19)の天気予報はとても悪くて、実際、立山駅で昼頃にケーブルカーに乗車した時は雨模様だった。この先どうなることかと思って室堂に着いたらガス気味だった。ターミナルで登山届を提出し、準備して出発しようとしたら、お天気が急速に回復しはじめ、時おり青空まで覗くようになってきた。そして下界には雲海が拡がった。要するに雲を突き抜けたのだ。
浄土山南峰にある富山大学の研究施設・浄土山荘にシール登高して、みんなで小屋明けし、早々に食材研究をスタートした。シンモンさんが担ぎ上げた研究資材は、たいそうカラダに良いようで、『ありがたい!』を連発されていた。富山弁らしいがその意味を良く知らないボクは、なにが有難いのか???チンプンカンプン状態だったが、お二人の有り様を観察していたら、然もありなんだった。シンモンさんがいったん研究を休憩したあとも、ニシデンさんは引き続き研究に没頭し、2700mの標高でのあまりの熱心さが祟ってか、ついには幽体離脱して沈殿していった。
下界には雲海が拡がり、澄み渡った空気の中で北アルプス・オールスターズがはっきりくっきり!あとは夕焼けを期待するばかりだったが、これも期待通り焼けてくれた。山やってる人間にとって、こんな贅沢なことはあるのだろうかと頬をつねってみるぐらいの幸せに包まれた時間だった。マンダムを連発した。
翌朝は小屋じまいしたあと、カチコチの斜面をトラバース気味に大走り沢基部まで滑り降り、お泊り装備などをデポして登り始めた。デポしたのでシートラもそんなに重く感じなかったが、いかんせん最近特に食べ過ぎでまったくの『でぶっち・弱っち君』になってしまった我が身にはとても辛かった。お二人とも軽快に登っていくが、付いていけましぇん。これは本格的になんとかしないといけません。
真砂沢のコルに着いて、滑降準備して、まずはカチコチの急斜面を横滑りで降りる。真砂沢は東向き斜面なので太陽が燦燦と当たるため、100mも降らないうちに雪面は緩んできて、極上ザラメとなった。そのあとは写真を撮りつつ、山スキーヤーにとって悦楽のロングクルージングが楽しめた。なんと標高差1,000mのダウンヒルなのである。そのあと真砂沢は真砂沢ロッジ上部で剱沢と合流してお楽しみは終了となる。お楽しみの後に苦しみがあるのが世の習わし。剱沢の標高差1,000mの登り返しはボクにとって長く辛いものだったが、ゆっくりと登ってもらったので大変助かった。
今回の山スキー山行は、天候良し、景色良し、雪のコンディション良しの3拍子揃ったものになった。残念ながらチカさんが参加出来なくなったが、また沢登りなりバリエーションなりでご一緒出来ればと思う。今回はニシデンさん、シンモンさんと貴重な時間を共有できたことに感謝したい。心残りなく板納めができた。
クマ
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立山浄土山南峰山頂の建物は、富山大学立の研究施設であるが、大学関係者は施設管理者に申請して泊まることが出来る。登山目的で関係者以外の同行者を連れても良い。今回IMP(石川ミリオンピークス)のメンバーを誘い、kuma-sanとshinmon0711さんが応じて、このメンバーと時期的には必然的に殆どシーズンラストの山スキーとして行くことになる。
立山地区に1泊してどこを滑るか、僕は久しぶりに真砂沢をやりたいと思った。剱・立山領域の滑降ルートの中でも爽快で標高差の大きい代表的ルートだが、僕には2012年の5月に滑って以来となる。それ以前には2度剱御前小屋まで行って悪天敗退、その後も計画しても天候絡みで実行できないでいたのだ。
前回の様に剱御前小屋に泊まって2日目に別山を経て滑り込むのが順当だが、今回は浄土山から行く。標高2840mの浄土山から2300mの大走り基部まで滑り降り、真砂岳山頂直下まで500m登り、真砂沢を剱沢の出会いまで1000m滑り降り、剱御前小屋まで1000mの登り返し、雷鳥沢を450m下りて室堂まで150m登り返す。累積滑降高度差約2000mと素晴らしいが、累積登行高度差1650m(2日目のみ)のタフな行程となる。
実行予定の週末、土曜日の午前にかけて前線を伴った低気圧の通過、通過後の寒気も強くまたもや天候起因で敗退かと思わせたが、回復を信じて昼時に集合、本来土曜日帰りで同行予定だったチカウさんから差し入れと激励をもらって室堂に上がる。上がって見れば切れ切れのガスで回復途上は明らか、心配した強風もそれなり程度、浄土山に向けて登って行くと共に晴れ間が広がって行くなかなかの展開となった。無事小屋入りして宴会、就寝。
さて本番の日曜日、予定通り5時に小屋を出発。気温はほぼ0℃、浄土沢源頭の急斜面はカリカリ雪面だが致命的ではなく、慎重に斜滑降で安全斜度まで全員下りて以後大走り基部までスキークルージング。シートラアイゼンで真砂岳直下の雪切れまでえっちら登る。真砂山頂には登らずに真砂沢源頭へとトラバースしたが、このルートは地図にある真砂山頂下の短いトラバース道よりもっと下にある踏み跡だった。正規の登山道に抜けて直ぐに真砂沢源頭の雪の上に乗った。
そしてハイライトの真砂沢滑降となるが、ここで僕は大失敗、いきなり転倒、滑落して2人をひやひやさせた。出だしの急斜面は慎重に入り、もう大丈夫だろうと思う30度位のところでターンして早速こけたのだ。その後も左ターンがしっくりこなく、休憩時に原因が判明。兼用靴を歩行モードから滑降モードへ切り替え時に、前ベロが大きくずれたままで前傾時の足の固定が甘かったのだ。確認不足と反省。
その後は期待通り爽快な真砂沢の滑降を楽しめた。上部はカールの広々とした景観、薄皮の様に新雪が乗った真っ白な雪面だが滑走に関しては適度な硬度のザラメ雪。下部は縦溝が出来始めているが可愛いもの。沢割れもなくすっきりと剱沢の出会いに飛び出した。
さて今度は剱沢を剱御前小屋まで、標高差1000mを登り返さなくてはいけない。僕は、ここのスキーでの登り返しは4回目。前回はSanchan33と、黒部別山を登った後にテント装備で、あまり遅れると室堂のバスに間に合わない状況で酷くへばったのだったが、今回は時間的には余裕があり、計画での想定4時間を概ね守れれば大丈夫、自分としては他2人の元気さを伺いながらペースを守ってじっくりすすんだつもりで、結果途中休憩含んで3時間半程度で終え、まずまずだった。
雷鳥沢滑降もやや重めのザラメだが快適範囲、滞りなく賽の河原(大走り基部の少し下)のデポ地に到着。最後のシール歩きで室堂目指すが、称名川床のブル道を辿り、ブル道が分岐して左は室堂山荘方面、右はみくりが池方面、後者を選んでみくりが池温泉小屋手前で一般道に合流、池を過ぎて最後の最後のシール歩きで室堂に戻った。長くも楽しい一日だった。
※) クマさんの感想への注釈:
僕らが小屋で言っていたのは「ありがたい」ではなく「ありがたぁなる」です。富山弁で「気持ちよく眠くなる」との意味です。普通誰か何かに感謝しているわけではないです。富山弁ですが石川県人のシンモンさんも良く知っていたようです。僕はありがたぁなって、その後ぐっすりgood sleepでした。
先日荷揚げした資材を用いての研究と称して、Nishidenさんの山行に参加させてもらった。
あいにく予報では土曜は低気圧の通過直後で荒れ模様。浄土山に上がれるかどうかも疑わしかったが、とりあえず午後から室堂に上がってみることに。
下界では霧雨だったが、室堂では雲の上で曇り時々晴れ。やはりこの高所には上がってみないと分からない。好天に好転は望むところ!
浄土山につく頃にはほとんど雲がなくなり雲海上の天国となった。
小屋で「研究」しながら外に出ては夕日の写真撮影の繰り返し。
この週末は寒気も入ってきておりエビの尻尾も出来ている。素肌は冷たくて無理。
気圧のせいか研究資材のせいかやや息苦しくなり研究は途中で中断。0.1升の消費にとどまった。やはり体への影響は下界よりは大きいらしい(当たり前!)。加水分解の分の水分補給を充分にして、ほどほどに就寝し翌日に備えた。
翌朝は3時過ぎに起床。もう雄山は青と赤を背中にまとっていた。しかも雲海上は雲ひとつなし!! 素晴らしい。
先日のオートルートのコースを眺めて、改めて薬師の大きさに感動した。
5時に行動開始。カチカチの斜面をなんとかこなしてひたすらトラバース。山崎カールを滑りたかったが(未滑走)、それは来年のお楽しみにしておこう。
大走り下まで到達。キャンプ場との中点くらいで雷鳥沢からもアクセスできるような平原ど真ん中に、宿泊関係の重荷をデポした。
大走りはシートラアイゼンで登行した。気温が低くオーバーヒートも無く、締まった雪で登りやすかった。そしてここでも雲海上の絶景。
稜線夏道に合流する寸前に雪が切れて、巻道のような夏道を辿ってドロップポイントまで移動した。一部カチカチの雪が残っていて嫌らしいが安全にアイゼンを履いて通過。最後に数mのダブルウィペットでの下降がおまけでついていたので、換装は正解だった。
真砂沢にドロップするポイントでは夏道は完全に出ているが、ほとんど崩れた雪庇の基部がしっかり残っていてエントリーは問題なし。が、斜度はきつめで注意が必要。最近のレコではデブリなど多かったようだが、先週の雪などでリセットされてほぼ平ら。ほどよく緩んで固まってよい斜面となっていた。スラフが流れていくようなこともない。
自分は室堂から見える立山連峰の稜線を超えて向こう側に入るのは初めて。ワクワクしながら滑走開始。
最初は固く斜度も強く慎重にターン。すぐに緩み快適ザラメとなったので、そこからは気持ちよくかっとんで滑った。kuma-sanもNishidenさんも楽しそう!
写真を取り合い休憩しつつ剱沢まで滑り込んだ。一部割れているところもあるが、問題なく通過。
剱沢は1000mの登り返し。谷地形をただただ登るのみ。
背後から吹き上げてくるそこそこ強い風もあり、ここでもオーバーヒート無く登行。
長次郎尾根や平蔵谷などは初見。地図を見つつ次なる山行への思いを馳せた。
途中荷揚げヘリに出会ったり、山岳警備隊の訓練に出会ったりと色々ありつつ、
なんとか予定時間内に剱御前小舎まで到達。
剱沢小屋から上は人口!?も増えて春スキーっぽい雰囲気になってきた。もうシーズンも終盤だ。
雷鳥沢は安定のゆるゆる重ザラメ。斜度を気にせずに滑れる。
平原の荷物デポを上から確認しつつ滑走し回収。
ブル道からみくりが池方面にショートカットして最後は観光客に合流した。
大走りは気温が低く剱沢は風があったので、ここまでは終始快適に登行できた。
が、最後の登り返しは灼熱無風地獄。みくりが池温泉の売店を恨めしく見つつ(ここで観光客になってはいけない!!)、残っていた体力は持って行かれへろへろになって多国籍室堂に到着した。
kuma-sanとは初山行でしたが、初めてではないような味わいでした。Nishidenさんが研究資材で沈没後にいろいろ山談義しましたが、刺激的なお話ありがとうございました。またご指導よろしくお願いします。
Nishidenさん、今回は快適な小屋にお招きいただきありがとうございました。
今シーズンの山スキー同行はこれが最後かも、ということに記録を書きながら気がつき、大事なお礼を言い忘れていたことに思い至りました。
一生忘れることが出来ないとてもとても素晴らしい山行・シーズンを過ごすことが出来ました。本当にありがとうございました。
そして夏山(バリエーション? エンデュア系完全燃焼?)、来シーズンもよろしくお願いします。
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