錦秋の山梨百名山3座プチ周回(茅ヶ岳〜金ヶ岳〜曲岳〜黒富士〜ホッチ峠)
- GPS
- 12:20
- 距離
- 26.0km
- 登り
- 2,326m
- 下り
- 2,315m
コースタイム
- 山行
- 10:09
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 12:15
天候 | 終日快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(復路)平見城入口へ下山後、県道昇仙峡ライン他を徒歩移動、深田公園へ戻り |
コース状況/ 危険箇所等 |
・金ヶ岳南峰〜観音峠:マーキングは多数あるも、ヤセ尾根、険しい岩尾根、急降下の波状攻撃でスリル満点。途中、倒木の多いゾーンを抜けたところで、尾根を巻くルートから北東に延びる尾根へ引き込まれる要注意スポットあり(マーキングが消滅したら、基本的にルートを外したことを意味します)。特に観音峠へ下りきる手前、片足の幅ぐらいのヤセ尾根通過箇所は中程の崩落が進行中、スリップ等注意。 ・曲岳への登路、とても狭い岩の狭間を抜ける地点あり(メタボ気味の方は、荷物を背負ったままでの通過困難;ザックだけ先に投げ上げるか、上を乗っ越す感じで通過…) ・八丁峠から黒富士へ向かうルート、なだらかな樹林帯の中で近くの升形山への道と錯綜し、方向を見失う恐れあり(実際に、八丁峠下の駐車場から黒富士をピストンされた家族連れの方が帰路で道迷いされており、小生よりアドバイス)。手書きの標識を丹念に追って歩かれたし。 ・鬼頬山から越道峠へ下るルート、右側の山腹方向へのザレた急降下が連続、通行注意(赤テープ等のマーキングを追い、トラロープにしがみ付く感じで一歩一歩下っていきます) |
その他周辺情報 | 韮崎郊外の日帰り温泉「武田乃湯・白山温泉」で入浴・休憩(夜9時まで営業、最終入場8時半まで/大人600円、露天風呂・休憩室・自販機軽食コーナーあり/韮崎の誇るノーベル医学生理学賞受賞者・大村教授が特許料収入を元手に、私費を投じ開業された温泉;隣には大村美術館もあり) |
写真
装備
備考 | ・水分消費量:PETボトル(お茶)500ml×1、ガッツギア1本、ポリタン水約900cc(甲府・韮崎市内は10月の観測史上最高の暑さを記録;朝方を除き、日中はほぼ半袖Tシャツ1枚で行動) |
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感想
甲信越の紅葉前線が標高2,000m前後の稜線に降りてくる中、中秋の三連休中日は台風一過で絶好の晴天予報。居ても立ってもいられず、土曜夜から愛車飛ばし、このところ定番の山梨百名山(山百)プチ周回に出動。今回のターゲットは、過去2度登頂、百名山巡礼者の「聖地」とも言うべき茅ヶ岳、加えて金ヶ岳、そして曲岳&黒富士の山百2座です。このエリアは路線バスなど公共交通が手薄で、登り口と異なる地点に下山した場合、出発点までどう戻るかが計画立案上のポイントとなります。小生は下山後の移動用のオフロード仕様のチャリンコもなく、原始的ですが県道等を経由して徒歩での戻りとします。先人各氏のレコによれば、金ヶ岳→観音峠の痩せた岩尾根がかなりの要注意ポイントの上、そろそろ日没も早くなり、夜明け前から歩き出しても日暮れ前にスタート地点へ帰り着けるかビミョーな情勢。ということで、深田公園の駐車場で前泊、朝メシもそこそこに気合を入れ、まだ暗い中を歩き出します。長い1日、この後多くの「アドベンチャー」でタップリ楽しませてもらえることにワクワク、少しハラハラしながら…。
茅ヶ岳までの尾根コースは斜度も適当で登りやすく、次第に朝からドーン!の富士山はじめ四周の山々の展望も開けて、快調なペースで南ア・奥秩父他展望絶佳の山頂到着。折良く女岩コースから男性ソロの方も登ってこられ、記念写真など撮り合いながら「素晴らしい天気、展望ですね」と暫しの幸せを噛みしめます。同氏によれば、深田氏終焉の地は山頂から100mほど下ったすぐのところ、途中の紅葉と富士展望も絶景の由。勇んで急な尾根を空身でしばし下っていくも、なかなかお目当てのスポットに辿り着かず、この日は先の行程も長い上、過去訪れたこともあったため、途中で引き返すことに。(深田氏の御霊には申し訳ないことでしたが…。)
ここから先はお初のルート、さすが連休の中日だけあって、朝一番で多数の日帰りピストンハイカーとスライド。南峰を越えて1時間弱で辿り着いた金ヶ岳はこじんまりしたピークながら、山頂直下で南面の展望が開け、紅葉もちょうど良い色づき加減で、日本画の掛け軸のような「これぞ日本の秋」といった光景をカメラに収めます。南峰に戻った後、いよいよ本日の核心部、観音峠への下降路に足を踏み入れます。先週の大型台風による強風の後遺症か、ルート上には多くの倒木あり、一部「おまつり」状態の区間もありますが、マーキングは比較的多数あり、慎重を期しながら最初はしっかり歩を進めます。最初の試練は小ピークの巻き道から北東の尾根に引き込まれてのプチ道迷い。ここはGPSの助けも借り、比較的早期に正規ルート復帰できましたが、その先はか細く切り立った岩尾根、ヤセ尾根の急降下と息つくヒマもなく次々とチャレンジが続きます。所々で開ける富士の雄姿や鮮やかな紅葉に心洗われながらも、緊張しつつ慎重に下っていくと、極めつけは展望絶佳の船首岩の先、間もなく観音峠という地点のヤセ尾根。中程が崩れやすい砂地のリッジで、足の幅ぐらいのか細い道を一歩進むごとに崩落が進む感じで、ドキドキしながら何とか無事通過。コースタイムを少々オーバー、やっとこさ林道を行き交う車やバイクのエンジン音が賑やかな観音峠に到着すると、ここまで約1.5時間ほぼ休憩なしで歩き続けたことに気付き、緊張も緩んで一気にお腹が空いてきます。
約15分ほどでクイックランチを済ませ、一転してノンビリ舗装道を進んでいくと、次なるターゲット、曲岳の登山口に到着。この山は遠くから眺めても烏帽子状の山容が特徴的で、当然ながら登路も登るにつれ斜度を増していき、その先は岩混じりの細いルートに。途中、メタボ気味のオッサンハイカーには厳しい試練?の狭い岩の隙間を乗り越え、頑張って登っていくと、程なく本日の山百2座目、曲岳到着です。山頂は予想に反し樹林に囲まれ展望イマイチ、午後の日差しもキツく、そそくさと下山にかかります。山頂直下は急坂ながら、その先暫くは本ツアーでは大変貴重ななだらかで平和な尾根歩きです。
30分ほどで八丁峠着。車でも比較的楽にアクセスできるとあってか、家族連れも含め久し振りに複数のパーティともすれ違います。中には軽装の家族連れで、黒富士方面で「ヤッホー」と快哉を叫んでいたかと思うと、帰路に錯綜したショートカット路を間違って進み、道迷いの様相だった方々もおられ、地元のヤマノボラーの体を装い、もっともらしく正しいルートをアドバイスしたりします。分岐にザックをデポして、気持ちのよい広葉樹林帯を一登りで本日最後の山百ターゲット、黒富士到着。曲岳より標高は劣るものの、前後の岩峰からの展望は素晴らしく、本日歩いてきた茅ヶ岳からの山々の連なりに加えて、朝からずっとその雄姿を見せてくれていた金峰・瑞牆〜小川山の稜線も眼前にグッと近づきます。ツアーの締め括りに相応しいピークで、ここで持参のフルーツ缶をご褒美代わりに美味しく頂きます。
さて、コースタイムもそこそこ短縮、後は尾根上の小さなピークを越えれば下界に降りられる、とルンルンでやや日も傾いた尾根道を進んでいきますが、実はこの小ピーク「鬼頬(おにがわ)山」が相当な曲者。山頂直下の登り返しもキツく、疲れた身体にムチ打ってやっとこさ登り詰めると、今度は下りが落ち葉の積もった相当のザレた急斜面が続き、文字通りガイド代わりのトラロープにしがみ付く感じで慎重に下っていきます。いい加減膝が笑い出しそうになる辺りでようやく道が平坦になり、程なく越道峠手前の林道出合に到着。ここからは何年か前の冬に職場ツアーで太刀岡山に登った後に歩いた道。しっかり赤い足跡も繋がり、幅広く歩きやすい林道を下っていくと、先程から強烈な「ケモノ臭」。そろそろ夕刻でクマの行動時間かも、と熊鈴を意識してリンリン鳴らし、身構えて下っていくうち、民家のある舗装道に出てみると、ここは平見城地区の家畜飼育場。多くの牛や馬などが発する独特のニオイが、小生をビビらせたのでありました。
飼育場の間を抜け、お馬さんに挨拶した後、樹林帯のルートを下っていくと、ようやく人里に降り立ち、自販機のあるオートキャンプ場の管理棟前でクールダウン。まだ日没までは1時間以上ありますが、スタート地点までの残る歩程も約6km近く。少しでも時間短縮を、とまずは事前に目を付けていたお寺の参道から入る山道へ足を踏み入れようと、入口の民家におられた地元のお爺さんに声がけすると、「この先は歩く人も殆どおらず、草も生い茂って通行困難…」と有り難くも厳しいご託宣。肩を落として舗装道を遠回り覚悟で下っていきますが、爺さまに教えて頂いたプチショートカットのお陰で、県道歩きを若干節約できました。
ここからは昇仙峡ラインの立派な県道ですが、ルートはホッチ峠への登りに転じ、やがてヘアピンカーブの続く区間へ。俄に「ショートカットの虫」が疼き出し、地図上に記載のあるヘアピンの開いた部分の近道風の山道に目星を付けて、ゴルフ場境界近くのカート道に入っていきます。GPS片手にこの辺が突破口か、と狙いを定めて喬木のヤブに突っ込みますが、まさしくゴルフ場のOB地点さながら、厚いクサきのヤブに行く手を阻まれ、堪らず光の見える方に活路を見いだすと、敢えなく元々歩いていた県道に逆戻り…(よい子、もといお行儀のよいハイカー各位は、決してマネしないで下さいませ…〈涙〉)
思わぬヤブ格闘で都合10分近くを浪費、傷心のうちに重い足取りで県道を登っていくと、ようやくホッチ峠の最高点に到達。ここからはゴールまで基本的に下り基調の道ですが、そろそろ辺りもほの暗くなってきて、焦る気持ちを抑えつつ、サクラリゾートの別荘地を下っていきます。ここも県道がクランク状になっていて、よく見ると別荘地を真っ直ぐ突っ切ればそこそこの近道。意を決して別荘の取り付き道路を進み、主のいないのを良いことに数件のお宅の軒先を突っ切る感じで強引に下っていくと、こちらのヤブはさほどでもなく、何とか別荘入口の管理棟に脱出成功!無事リベンジを果たし、ヤレヤレと自販機のジュースにて再度のクールダウン。[本日のショートカット藪漕ぎは1勝1敗、不戦敗1の戦績ながら、別荘地の近道も下手すれば不審者と間違われ通報されたりしますので、よい子はマネしないでね…。]
別荘地を散歩される犬連れの女性に不審者扱いされることなく挨拶と会釈を受け、ズンズン下っていくと、何とかクルマが視認できる明るさでスタート地点の駐車場に復帰。深田公園の記念碑を探して少々歩き回りますが。すっかり日も落ちて辺りは暗くなり、結局諦めて車での下山にかかります。(この日は百名山巡礼者の聖地、深田氏ゆかりのモニュメントを1つも参拝できず、申し訳ない限りです。「自分のことは良いから、行き倒れにならぬよう先を急ぎなさい」という深田翁の心の声が聞こえたような、聞こえないような…。)
韮崎郊外の有名スポット、ノーベル賞受賞者・大村先生が私費を投じ開かれた「武田乃湯・白山温泉」で気持ち良く汗を流し、スマホでふと渋滞情報を開くと、さすが紅葉シーズンの三連休中日、いつもの小仏渋滞が更にパワーアップして、都内の渋滞も含め計40km以上の雪隠詰め状態。2週間前の南アツアー帰路の経験では、このパターンだと日付が替わってもなお渋滞は続き、疲れて眠気の出そうな身体で渋滞を突破しても、自宅にいつ帰り着くか見当も付きません。幸い明日の甲信越地方も好天予報、近くにはお手頃な山百未踏峰も多数あり、意を決して車中もう一泊の上、朝の山百おかわり山行を決定!温泉のロビーで寛ぎながらヤマレコで俄山行計画を作り、ラインにて家族に「渋滞を避けるため、もう一泊して朝飯前に昇仙峡の山へハイキングし、午前中に帰る」と通告。「既読スルー」の冷たい視線を食らいつつ、市街地のコンビニで食べ残しの弁当を平らげ、明日の食糧など調達して、昇仙峡登山口の駐車場へとクルマを飛ばすのでありました。いい歳したオッサンのアドベンチャーはまだまだ続きます…!
(いつものことながら、またも長文・駄文のレコ、大変失礼致しました…。)
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