黒部源流赤木沢+薬師岳アタック
- GPS
- 56:00
- 距離
- 37.6km
- 登り
- 2,794m
- 下り
- 2,794m
コースタイム
5日:C1-(1h)-薬師沢小屋-(1.5h)-赤木沢出合-(1.5h)-大滝下-(+)-大滝上-(1.5)-稜線-(1)-薬師峠C2
6日:C2-(2)-薬師岳-(1.5)-太郎平小屋-(2)-折立
天候 | 4日:曇り 5日:晴れのち曇り 6日:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
折立からバスで有峰口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
薬師沢小屋から赤木沢出合までのゴルジュ(奥の廊下)は水量多いと大変そう。 左岸に巻き道がついているそうです。 魚止めの滝は右岸のバンド状を使って突破した。 滝はおおむね簡単で対処はほとんど必要なかったが、慣れてない人がいたら空身にするなどはあるかもしれない。 あと一つ草付きの巻きがあるので、スリップ注意。 大滝の巻きは前衛の滝の手前の左岸のルンゼを詰めて踏み跡をたどって木の中に入り、2段目の上のバンド状を歩いていく。 少し落石注意か。 |
写真
感想
今回は北海道を飛び出して、北アルプスの黒部源流の赤木沢へ。
samoaは2年ぶり、tentyoは初めて。
ヤマケイで欠点がないところが欠点だとまで言われた沢です。
4日
富山駅から電鉄富山で有峰口まで。
なんでかは忘れてしまったが、折立へのバスを1本逃してしまい、亀谷温泉まで歩きながらヒッチハイク。
運よく止まってくれた方は、山岳警備隊の方だった。これから太郎平に行くそうだ。
本当にありがとうございました。
気を取り直して折立口を出発。
最初は樹林内の道を登っていく。樹種が多く、木々がしっかりしているところは北海道とは違うところだ。
途中、なぞのアラレちゃんのパクリ看板を見ながら小一時間歩くと樹林外に出る。
だだっ広く緩い尾根をだらだら登っていく。
開けた地形なので晴れていたら気持ちがいいところなのだが、生憎のくもり。
それでも前回よりも時期が早いのでクサレダマなどの高山植物を楽しむことができる。
少しばかり足元は悪めか。
足元といえば、今回はずっと沢足袋だったのですれ違う登山客に「その靴はなに?」とよく聞かれた。
ちょっとゴロゴロしてて歩きづらかったのでスニーカーでもよかったかも。
そんなこんなで太郎平着。景色もそんなによくないので、さっさと薬師峠に行く。
さっそくビールを空けたりつまみを食べたりしているとちょっと天気が良くなったので散策に出かける。
エゾシオガマやネバリノギラン、タテヤマリンドウなど高山植物が多く見られた。
また、暗くなってからの散歩では星がよく見え、流れ星も見えた。
ペルセウス座流星群が近いからだろうか。
5日
今日は、いよいよ赤木沢。日の出とともに出発。
天気は良く太郎平のあたりでの日の出が美しい。
太郎平からは急な下りで一気に高度を下げる。
ところどころ木製のハシゴなんかがかかっている。
沢沿いの道に出てからは木道。これがよく滑る。薬師沢は立派な橋で渡渉する。
このあたりからは、黒部五郎や水晶岳がきれいに見えた。
薬師沢小屋手前でまたもや道は急となる。
下のほうにはもう、美しい黒部の沢が見えて心が踊る。
小屋でちょっと休憩。今日の水量を聞くと「10cmくらい多いけどまぁ平水です」とのこと。
とっとと準備をしていざ黒部の源流へ。
だいぶ上流とはいえど、北海道ではなかなかお目にかかれない規模の沢だ。
すこしばかり河原歩きをしていると、両岸が切り立ってくる。
いよいよ奥の廊下ともいわれるゴルジュへ入っていく。
そこまでは穏やかだった流れが、ゴルジュで狭められたためか迫力のある流れに一変する。
水はとってもきれいなのだが、中に入っていくとなる北海道の沢と引けをとらないくらい冷たい。
ひゃあとうれしい悲鳴をあげながら、迫力に負けず函の中を進んでいく。
赤木沢は、赤木沢自体がきれいなイメージだが、この奥の廊下も魅力の一つだと思う。
ゴルジュを進んでいくと魚止めの滝が現れる。相変わらずの迫力だ。
手前の深みをわたって右岸にわたり、右岸のバンド状を腹這いになってズリズリいくという珍妙なムーブで突破。
ちなみに2年前も全く同じ。いや普通に左岸直登もできますよ。
魚止めの滝を越えると、奥の廊下は終わり再び穏やかな流れとなる。
ほどなく、天国かと思うくらい綺麗な赤木沢出合が迎えてくれる。
超ミニナイアガラの滝を超えたそこは筆舌しがたい美しさだ。
陽光でキラキラ輝く黒部の水はなんでこんなに美しいのだろうか。
自然の美しさを楽しむがてらしばし休憩。
左岸にある高台、兎平に行ってみる。高台にあがるところが、段差になっていて落石には注意。
上から眺める赤木沢出合も言葉にはできない。
さて、ここからは赤木沢。
赤木沢に入るところは淵になっている。中を行ってもいいし、左岸をへつってもいいし、巻き道を使ってはいってもいい。
さっそく、赤いナメが迎えてくれる。
全体的に岩盤質で歩きやすい沢だ。
少し歩くと15mほどの斜滝が出てくる。たぶん2万5千図の1つ目の滝マーク左岸から軽く登る。
これくらいの規模の滝がバンバン出てくるのがこの沢の楽しいところだ。
どれも簡単だし、沢自体が明るいのもあってとてもきれいだ。
ウマ沢出合を過ぎ、大きめの斜滝を超えると4段の滝があらわれる。これが滝マーク2つ目だろう。
1段目は左岸から登る。
2段目は直登は難しそうなので左岸の草付きを巻く。ちょっと緊張。泥が滑る。
3段目も左岸の切れ込んでるところから直登。4段目も右岸。
快適に登れた。巻きの時に草付きに目をやるとウツボクサやニッコウキスゲの花が美しく咲いている。
この先にもちょっとした小滝や、規模の大きい斜滝が出てきて飽きさせない。
どれも見た感じで登れそうなところをいけば簡単に登ることができる。
岩盤質なのと、水の美しさも相まって、ところどころの美しさにハッとすることもある。
斜滝も少し見飽きたかなと思っていると、巨大な岩壁に降り注ぐ大滝が出てくる。
3つ目の滝マークだ。
落差30mの迫力は圧巻だ。滝下まで行ってちょっと休憩。ちょうど巻きには先行パーティーがいた。
大滝の迫力を堪能したところで巻きに取り掛かる。
大滝の前衛5mの滝の手前の左岸から、ルンゼを詰めていく。泥で滑りやすいのと落石は少し注意。
登りきったところから左手の樹林に伸びている巻き道を歩いていくと、大滝2段目5mの滝上のバンド状に出るので、
そこを歩いて巻きは完了。
滝上すぐの二股を右にとって赤木平を目指す。
ここでデジカメを水没させるトラブルが…。防水ではなかったのであえなく機能停止。ごめんなさい。
この先もいくつか滝が出てくる。規模それほどではないが連瀑の快適な遡行。
連瀑が終わり斜度が緩くなるといよいよ赤木平。
稜線はガスってしまったが、ここの気持ち良さにはには変わりはない。
以前来た時よりも高山植物が多い。ムシトリスミレなんかもあった。
ちょこちょこある池塘を眺めつつ、ハイマツを避けつつ薬師左股もわたって北ノ俣岳のあたりに出る。
ここからは薬師峠まで稜線歩き。ガスってていまいちだが、ハクサンイチゲなども見れた。
太郎山もちょこっとアタックして薬師峠へ。
相変わらず見事な沢だった赤木沢の余韻に浸りながら夜を過ごした。
6日
今日は午前中しか天気は持たなそう。
日の出前からラテルネをつけて薬師岳を目指す。samoaは薬師は初めて。
樹林を少し行くと薬師平に出る。ここらへんは高山植物まっさかりといったところ。
ハクサンイチゲやチングルマなどの見事な群落を見ることができた。
荷物も少ないので快調に飛ばしていき、大幅にコースタイムを巻いて薬師小屋へ。トイレを拝借して先を目指す。
2年前に来た時も思ったが、薬師岳やこのあたりのなだらかな山々は、槍や穂高の岩岩した山々のイメージ
しかもっていなかった自分の北アルプス像を覆してくれた山だ。
小屋から見上げる薬師は南アルプスの仙丈ケ岳のような美しい山だ。
薬師への稜線の途中からは、遠くに槍穂が見える。
が、いざピークについてみるとガスに巻かれてしまい展望はなくなってしまった。残念。
悔しさまぎれに北薬師もアタックして、ピークを後にする。
薬師峠に戻ってきて荷物を片付け太郎平へ。
まだ、バスには時間があったので太郎平小屋で軽食がてら休憩させてもらう。
ラーメンを食べるていると、行きしなにヒッチで拾ってくださった方がいたので、挨拶をする。
あまり、長い時間話したわけではないが、このあたりの山が大好きなのだなというのがひしひしと伝わってきた。
太郎平を出て折立を目指すも、とちゅうから土砂降りの雨に降られ有終の美とはいかなかった。
雨から逃げるように下山して折立へ。赤木沢の欠点を上げるとしたらこのダラダラとしたアプローチか?
有峰口までバスで下ると、そこはまた夏空にもどっていた。
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