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Yamareco

記録ID: 168762
全員に公開
講習/トレーニング
八ヶ岳・蓼科

赤岳

2012年02月11日(土) ~ 2012年02月12日(日)
 - 拍手
mount-fine その他24人
GPS
00:43
距離
17.9km
登り
1,487m
下り
1,471m

コースタイム

【2/11】
10:20頃 美濃戸口(八ヶ岳山荘)
11:22 やまのこ村
 (南沢コース)
14:04 行者小屋
16:04 赤岳天望荘(泊)

【2/12】
7:40頃 赤岳天望荘
8:26 赤岳山頂
9:51 行者小屋
10:18 中山展望台
10:49 赤岳鉱泉
 (北沢コース)
11:55 やまのこ村
12:39 美濃戸口(八ヶ岳山荘)
天候 【2/11】晴れ
【2/12】曇のち晴
過去天気図(気象庁) 2012年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
【往復】JR茅野駅〜(マイカー・タクシー)〜美濃戸口(八ヶ岳山荘)
10:20頃に美濃戸口を出発。路面が凍結していたのですぐにアイゼンを着け、退屈な林道歩きを経てまずは「やまのこ村」前の広場で小休止。
10:20頃に美濃戸口を出発。路面が凍結していたのですぐにアイゼンを着け、退屈な林道歩きを経てまずは「やまのこ村」前の広場で小休止。
広場からは阿弥陀岳が見えた。目指す赤岳は阿弥陀岳のちょうど向こうに隠れて見えない。
広場からは阿弥陀岳が見えた。目指す赤岳は阿弥陀岳のちょうど向こうに隠れて見えない。
往路は南沢コースを行く。あまり面白みのない登山道を歩き続けると、横岳の稜線が姿を現した。
往路は南沢コースを行く。あまり面白みのない登山道を歩き続けると、横岳の稜線が姿を現した。
南沢の途中で小休止。真っ白に雪化粧した山々に周囲を囲まれ、素晴らしい景観。
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南沢の途中で小休止。真っ白に雪化粧した山々に周囲を囲まれ、素晴らしい景観。
行者小屋から赤岳を望む。北側から見た筋肉質の逞しい姿もいいが、西側から見る荒々しい姿もまたいい。
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行者小屋から赤岳を望む。北側から見た筋肉質の逞しい姿もいいが、西側から見る荒々しい姿もまたいい。
写真左端には今夜の宿、赤岳天望荘が見える。こうして見ると、あんなところまで一体どうやって登るのかと思えてしまう。
写真左端には今夜の宿、赤岳天望荘が見える。こうして見ると、あんなところまで一体どうやって登るのかと思えてしまう。
行者小屋から見た横岳のギザギザの稜線。大同心、小同心といったところを見ているのだと思うが、残念ながら詳しいことはよくわからない。
行者小屋から見た横岳のギザギザの稜線。大同心、小同心といったところを見ているのだと思うが、残念ながら詳しいことはよくわからない。
西方を振り返ると、北アルプスがわずかに姿をのぞかせていた。一番目立つピラミッド型のピークは常念岳と思われる。
西方を振り返ると、北アルプスがわずかに姿をのぞかせていた。一番目立つピラミッド型のピークは常念岳と思われる。
再び赤岳。真っ白に輝く山肌が眩しい。
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再び赤岳。真っ白に輝く山肌が眩しい。
行者小屋から地蔵尾根を登り始める。しばらくして振り返ると、北アルプスがよく見えた。
行者小屋から地蔵尾根を登り始める。しばらくして振り返ると、北アルプスがよく見えた。
やっぱりこういう樹氷がないと、八ヶ岳って感じがしない。
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やっぱりこういう樹氷がないと、八ヶ岳って感じがしない。
傾斜が急になる手前でアンザイレン(コンテニュアス)。前回まではレンタルしたハーネスと安全環付きカラビナを、今回は自前で用意した。それだけ気合いが入っているってことだが、うっかり安全環を締め忘れそうになる。
傾斜が急になる手前でアンザイレン(コンテニュアス)。前回まではレンタルしたハーネスと安全環付きカラビナを、今回は自前で用意した。それだけ気合いが入っているってことだが、うっかり安全環を締め忘れそうになる。
コンテニュアスすると勝手に立ち止まることができないので、グループ全体が止まったタイミングで急いで写真を撮る。赤岳天望荘はもうすぐだ。
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コンテニュアスすると勝手に立ち止まることができないので、グループ全体が止まったタイミングで急いで写真を撮る。赤岳天望荘はもうすぐだ。
地蔵尾根を登り切って稜線に出ると東側の視界が突然開け、思わず歓声を上げる。
地蔵尾根を登り切って稜線に出ると東側の視界が突然開け、思わず歓声を上げる。
西側を振り返る。北アルプスから御嶽山まで一望にできるこちら側の景色も素晴らしい。
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西側を振り返る。北アルプスから御嶽山まで一望にできるこちら側の景色も素晴らしい。
手前に赤岳天望荘、山頂には赤岳頂上山荘。明日は天望荘から標高差約180mを登って、あの山頂に立てるはずだ。
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手前に赤岳天望荘、山頂には赤岳頂上山荘。明日は天望荘から標高差約180mを登って、あの山頂に立てるはずだ。
赤岳のお隣さん、阿弥陀岳。途中の稜線の切れ落ち具合がすごい。
赤岳のお隣さん、阿弥陀岳。途中の稜線の切れ落ち具合がすごい。
北には横岳を経て、硫黄岳、天狗岳、北横岳。
北には横岳を経て、硫黄岳、天狗岳、北横岳。
赤岳天望荘に到着。風車やアンテナが海老の尻尾ですごいことに。
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赤岳天望荘に到着。風車やアンテナが海老の尻尾ですごいことに。
ロープを解き、赤岳天望荘に入る。日没までもうじきだが、夕食前に大部屋で宴会が始まってしまい、夕日を見るのをすっかり忘れていた。
ロープを解き、赤岳天望荘に入る。日没までもうじきだが、夕食前に大部屋で宴会が始まってしまい、夕日を見るのをすっかり忘れていた。
そして翌朝(黒板の記入内容は昨日のまま)。
昨日は快晴で風もほとんどなかったので、まったく寒さは感じなかった。しかし今日は外の様子をうかがうと、一面真っ白なガスに包まれて強い風が吹いている。
そして翌朝(黒板の記入内容は昨日のまま)。
昨日は快晴で風もほとんどなかったので、まったく寒さは感じなかった。しかし今日は外の様子をうかがうと、一面真っ白なガスに包まれて強い風が吹いている。
最初からコンテニュアスで赤岳天望荘を出発。緊張感のあるシビアな状況の中、一歩ずつ着実に雪面を踏みしめて無事山頂に到着。途中でカメラを取り出す余裕はなかったが、ズボンのポケットの中に温存しておいたおかげで山頂でも正常に動作した。
そういえば、八ヶ岳ではおなじみの丸太の輪切りに「赤岳」と書いた標柱がどこにあったか気づかなかった(そこで写真を撮りたかった!)。
最初からコンテニュアスで赤岳天望荘を出発。緊張感のあるシビアな状況の中、一歩ずつ着実に雪面を踏みしめて無事山頂に到着。途中でカメラを取り出す余裕はなかったが、ズボンのポケットの中に温存しておいたおかげで山頂でも正常に動作した。
そういえば、八ヶ岳ではおなじみの丸太の輪切りに「赤岳」と書いた標柱がどこにあったか気づかなかった(そこで写真を撮りたかった!)。
復路は文三郎尾根を下る。風の吹きすさぶ中、こちらも気を緩めることのできないルートだったが、傾斜が緩んでからはコンテニュアスしているメンバーの歩調が揃い、いいペースで行者小屋に戻ってきた。
復路は文三郎尾根を下る。風の吹きすさぶ中、こちらも気を緩めることのできないルートだったが、傾斜が緩んでからはコンテニュアスしているメンバーの歩調が揃い、いいペースで行者小屋に戻ってきた。
青空がのぞいてきたので中山展望台へ行くことにする。
青空がのぞいてきたので中山展望台へ行くことにする。
中山展望台から。横岳からの稜線を覆っていた雲が次第に晴れてきて・・・
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中山展望台から。横岳からの稜線を覆っていた雲が次第に晴れてきて・・・
見事な稜線が姿を現す。
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見事な稜線が姿を現す。
赤岳にかかる雲はなかなか取れてくれなかったが、日に照らされて虹のような光彩が現れた。
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赤岳にかかる雲はなかなか取れてくれなかったが、日に照らされて虹のような光彩が現れた。
山頂付近は相変わらず風が強いのか、雲の形は刻々と変化する。一瞬だけ山頂が覗いた。
山頂付近は相変わらず風が強いのか、雲の形は刻々と変化する。一瞬だけ山頂が覗いた。
え〜っと、これは中央アルプス方面かな?
え〜っと、これは中央アルプス方面かな?
写真を撮っているときは気付かなかったが、風に飛ばされた粉雪が舞う。
写真を撮っているときは気付かなかったが、風に飛ばされた粉雪が舞う。
阿弥陀岳。
赤岳鉱泉のアイスキャンディー。今のところアイスクライミングには興味はないが、やれば面白いんだろうな。
赤岳鉱泉のアイスキャンディー。今のところアイスクライミングには興味はないが、やれば面白いんだろうな。
復路は北沢コースで。長い登山道と林道を延々と歩き、昼過ぎに美濃戸口へ帰着した。
復路は北沢コースで。長い登山道と林道を延々と歩き、昼過ぎに美濃戸口へ帰着した。

感想

■ 山岳ガイドによる雪山初心者向け講習会の3回シリーズ、最終回はいよいよ八ヶ岳の主峰・赤岳を目指す。よく歩かれている一般ルートではあるが、初心者の自分にとってはこれまでで最も難度の高い登山。それなりの緊張感を持って臨んだ。

■ 1日目。今回の講習では一気に山頂間近の赤岳天望荘(標高2722m)まで登ってしまう。出発時間が遅いわりに長いコースだが、そのぶん2日目が楽になる。

天気が良くて暖かく、行者小屋まではアウターなしで歩いた。地蔵尾根後半の急登はなかなか登り応えがあったが、快晴で風もほとんどなく、絶好のコンディション。これだけ条件のいい日も珍しいのではないだろうか。

今回の参加者は(ガイドさんも含めて?)約25人の大所帯。赤岳天望荘に着くと、大部屋で早速お酒とおつまみで宴会(というほどではないが)が始まった。夕食前にお腹が一杯になっちゃうんじゃないかと心配したが、バイキング形式の夕食も美味しくて3回くらいおかわりしてしまった。

大部屋の寝床は普通の敷布団の上にモンベル製のシュラフが並んでいる。かなり厚手のものだと思うが、それでも夜中に寒くて寝ていられなくなり、隣の空いていたシュラフと二重にしてようやく暖かくなった。やっぱり自分は人より寒がりだと思う。こんな身体では冬のテント泊はとてもできそうにない。

■ 2日目。前日のピーカン無風とは打って変わって、外は一面のガスに包まれて強めの風が吹いている。しかし、先週の根石岳でこれどころではない猛烈な風を経験していたので、精神的には余裕があった。だから経験は大事だと思う。

自分は近眼なので眼鏡・サングラス(度付き)は必需品だが、今回は確実に曇ってしまいそうだったので裸眼で行くことにした。これも先週の根石岳で経験して、さほど問題ないとわかっていたからできたこと(なお、曇り止め機能のあるゴーグルをしている人は快適そうだった)。

出発直後はなんだか足元がふらついて、我ながら大丈夫かと心配になるくらい。でも、朝一でスタートすると30分間くらいは大体いつもこんな感じだ。とはいえ、普段なら最初のうちは安全なアプローチ区間だったりするので問題ないが、今回はいきなり核心部。しかもコンテニュアスしているロープが気になって、(ロープを右側に張っていたので)右足がしっかり踏み込めず、アイゼンの前爪を引っかけそうになってしまう。

しばらくしてようやくエンジンがかかりきると、冷たかった手も暖かくなってきた。一歩一歩、できるだけアイゼンの爪を効かせるように意識して、少しずつ高度を稼いでいく。出発から50分弱、ついに赤岳の山頂に到着した。

一面真っ白のガスでもちろん展望はない。風も強いのでほどなく下山にかかる。文三郎尾根は急で、雪に埋まった階段や岩場など下りにくいところや細いトラバースもあったが、落ち着いて一つ一つこなしていく。雪面が適度に締まっていたのは幸いだった(最近の積雪のためか、やや雪がもろいところもあったが)。

傾斜が緩み樹林帯に入ってからは、コースが単調なことと慣れもあってかコンテニュアスしているメンバーの歩調が合い、ロープのテンションを適度に保ったままいいペースで下っていった。この区間の歩きはなかなか気持ちが良かった。

例によって、標高を下げると天候が回復する。中山展望台からの景観は素晴らしかった。

下界へ戻ってくると、暖かくて穏やかな晴天。ほんの数時間前には過酷な環境の中にいたことが嘘のようだ。逆にいうと、短時間でそういう別世界に行けるのが八ヶ岳の魅力のひとつなのだろう。

■ 3回の講習を経験して、ようやく「雪山入門」は果たせた、かな・・・? 入門の上級コースといえる赤岳に登れたのは、ひとつの自信になった。今回のガイドはいわゆる「案内」と「訓練」の中間くらいで、厳しすぎずサービス過剰でもなく、ちょうど良かったと思う。いずれにしろ、どんな講習を受けようと結局は自分次第なのだから。

日常では決して味わえないあの緊張感、そして見たこともないような景観は病みつきになる。雪山シーズンはまだまだ続く。まずは八ヶ岳のまだ登っていない山を登りたい。

■ ところで、下山途中の休憩時にうっかりデジカメをアイゼンで踏みつけてしまった。液晶画面に傷が付いたのはまだいいとして、雪山では一番頻繁に使う露出補正のボタン部分が割れて、押せなくなって(つまり露出の変更ができなくなって)しまった。防水でも防寒でもないのに悪条件でもしっかり動いてくれる、頼りになるカメラだったのに・・・。新しいのを買うとしても3月発売の製品と思っていたので、何とかそれまで持ちこたえてくれるだろうか。

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コメント

お疲れ様でした!
mount-fineさんは、もっと凄い強風を経験されていたのですか!やはり経験は大事ですね。

次はどこに行かれるんでしょうか?
八ヶ岳だったら、どこかでお会いできるといいですね!

PS
昨日ニュースを見ていたら、我々が下山した後、赤岳で遭難者が発見されたようです(ご冥福をお祈り申し上げます)。
やはり冬山は怖いです。お互い安全登山を心がけましょう。
2012/2/14 7:32
怖いですね・・・
geraniumさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

この冬はもう少し八ヶ岳にこだわってみたいと思ってます。
まずは登り残した西天狗、あとは南のほうの編笠山、権現岳も具体的な計画を立て始めてます。

我々と同じ日に死亡事故があったのですね・・・。
ネットで検索したところ「多発性外傷」とあるので、滑落したのでしょうか。
私も単独行派で、少しずつレベルを上げていきたいと思っていますが、この怖さは絶対に忘れてはいけませんね。
お互い「無事下山」でいきましょう!
2012/2/14 12:14
プロフィール画像
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