悲惨な結末、七ツ池-北横岳-亀甲池-天祥寺原
- GPS
- 13:40
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,008m
- 下り
- 1,015m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<ピラタス駐車場からロープウェイ山頂駅> 出だしが一番凍っていて歩き難いので、最初から軽アイゼンを着けて出発した方が良いです。ロープウェイ山頂駅まではゲレンデ横の登山道を歩きますが、道は判り易いので夜でも迷う事は無いでしょう。クワッドリストの降り口当たりでゲレンデを横切りますが、登山道の道標が有るので探して下さい。この区間は、長いスキーを背負っていると、枝に引っかかって歩き難いので、そういう人はゲレンデの端を歩いた方が楽です。 <ロープウェイ山頂駅から北横岳> この区間も登山道沿いに歩けば軽アイゼンで問題は有りません。枝が刈ってくれている様で、長いスキーを背負っていても大丈夫です。七ツ池は北横岳ヒュッテから直ぐなのでお勧めです。 <北横岳から亀甲池> ワカンは必須です。全く人が歩いた形跡は有りませんので雪は深いです。去年この道を大学生が8人程で登った際、コースタイム1時間20分を11時間かかったそうです。全員ワカンを履いていたにもかかわらずです。最初こそ膝位ですが、段々深くなり腿まで、さらに時々は腰まで埋まるので下りでも大変です。 また樹林帯なのでスキーで下るのは無理でしょう。長いスキーを背負っていると枝に引っかかるのでさらに歩き難いです。赤テープは所々に有るので道に迷わないとは思いますが、この時期にここを通るなら覚悟が必要です。 <亀甲池から双子池方面> やはり雪が深くて途中で断念しましたが、北横岳-亀甲池よりは道がはっきりしていて楽そうでした。 <亀甲池から天祥寺原> 道は判り易く、スキーでも行けました。人が全くいないせいか、カモシカもあんまり怖がらなかったです。 <天祥寺原から竜源橋> 天祥寺原は広いので登山道が良く判りませんでしたが、方角が判っているし谷沿いなので迷う事は無いでしょう。スキーの人は適当に歩けます。天祥寺原を抜けて本格的な下りになると、登山道のスキーはちょっときついでしょう。しかし背負うと枝に引っ掛かって非常に歩き難いです。特に長いスキーは大変です。 <竜源橋からピラタス駐車場> 車道を歩く事になりますが、ピラタスへのバス道路の登り道まで下りず、その手前のペンション街への道を登った方が、景色も良いし若干距離も短いのでお勧めです。 |
写真
感想
去年の2月に、ファンスキーでは初めて北八に来て断念した計画を再度挑戦する事にしました。独身時代は冬はいつも北八で、ヘビーツーリング用のスキーで歩きまわっていたので、それを使う事にしました。計画とは日帰りの北八の全池巡りです。ピラタスの駐車場から、七ツ池-北横岳-亀甲池-双子池-雨池-白駒池-駒鳥の池と巡ってピラタス駐車場までの周回コースです。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-100140.html
しかし今年は左足のケガで雪山の遠征は断念していたので、かなりな準備不足で結果は悲惨なものでした。スキーの板も靴も18年間しまいぱなしで手入れもしていませんでした。急遽ワックスを塗ったりしたのですが泥縄でした。スパッツと軽アイゼンも、それぞれ20年、25年と古い物だったので買い替える予定だったのですが間に合いませんでした。
今回の雪の状況とコースなら、2メートルのスキー板より、1メートルのファンスキーの方が合っていました。北横岳までは、前回のファンスキーのプラスチックの靴よりは、古くても今回のクロカンの革靴の方が歩き易く、時間も早かったのです。前回と違って月夜では無かったので、星がとっても良く見えました。街の夜景も綺麗で、らんらんとした気分で歩けました。朝日の中をゆっくり雪山を登って行くのは良いものです。
しかしそこからが大変でした。まず前回の山行で、北横岳-亀甲池を登りで11時間も大学生の団体がかかった事を知っていながら、彼らが履いていた様なワカンを持ってき忘れたのが大失敗でした。
今年になっての3回の山行は全て丹沢でしたが、3回ともワカンをちゃんと持って行ったのに、今回忘れたのです。その為にそのラッセルはとっても大変なものとなりました。時に腰まで埋まって脱出に手間取る事が何度と有りました。
しかも2メートルの板は、上部は枝に引っかかり、下部は下りだと雪面に当たって前につんのめりそうになりと、歩き難いなんてものでは有りませんでした(/_<) ナケルネェ
途中で何度かスキーで歩こうとしたのですが、樹林帯だし18年ぶりだして転びまくりで立ち上がるのも大変でした。子供が産まれてから、両手が空くファンスキーにしたので違いすぎました。方や2メートル、方や1メートル、方や靴より幅が狭く、方や幅広、さらに前しか固定していないのでかかとが浮いている分転びやすいのです。久しぶりなので多少練習すれば良かったのですが、いきなり北横岳からの下りで履いたのでそれは悲惨なものでした。
昔はこの板で随分とあっちこっちで滑ったものなのですが、全く初心者レベルに戻っていました(ノ_-。)
それでも何とか亀甲池に下りて、いよいよ双子池に向かった登り返し始めて、登りのラッセルにはまってダウンしてしまいました。とても周回できる気がしませんでした。しかたなしにちょっと登ってスキーのまねごとをしてから天祥寺原経由で下る事にしました。
しかし直ぐにこれしか選択肢が無かった事に気づかされました。天祥寺原を抜けて、登山道の下りになった所で板を外して歩き始めたら、なんと靴先の底が外れてべろんとしているでは無いですか。アイゼンの紐で縛ってはみたものの、紐が歩いている内に外れて、何度も止まって締め直すしまつ。しかも背負った板が枝に引っかかって歩く難い事。その度にかがんで何とか通過しました。
実は2週間程前に持病の腰痛が再発し、1週間程腰に負担がかかるトレーニングはひかえていたのです。やっと先週の月曜日から普通になったのですが、この前かがみになって枝を通過する姿勢の、腰への負担が辛い事。このせいで亀甲池からピラタスの駐車場まで、とっても時間がかかってしまいました。
しかしこれで軽アイゼンとスパッツを買い換える決心はつきました。どうしても物を捨てれなくって駄目なんですね。靴はかみさんに捨てればと言われたんだけど、このスキーと靴で歩いた数々の山行を思うと、これが最後ではあまりに可哀想です。靴屋で貼り合わせて貰って、来シーズンに相応しいコースを歩いて滑って、最後を飾らせてあげようかと思います。
-----------------------------------------------------------------
双子池への登りはもう少しで終了、後は双子池まで下りだったので頑張ればいけそうですが、ここで引き返すしか選択肢が無かった理由を書いておくべきですね。
実は靴先から底のラバーが剥がれ初めてから、あまりに背負っているスキーの板が枝に引っかかって歩くのが大変なので、傾斜が緩んだ所でスキーを履こうとしたところこの状態だと履けなかったのです。
もし双子池まで行っていたら、そこでスキーが履けなくなり、大変な事になっていたでしょう。地獄のラッセルです。これはかなりの確率で遭難ですね。
この靴先が剥がれる事態が、天祥寺原を抜けた先でラッキーでした。そこまではスキーで歩けたので。もし手前ならそれこそ地獄のラッセルでした。北横岳からは全く人に会わなかったですし、踏み跡も無かったのですから。
竜源橋から天祥寺原までは、多少は人が入っている様で薄い踏み跡も有り、ラッセルにはなりませんでしたから、ほんとにぎりぎりだったのです。冬山は道具が如何に大事か、また早めの撤退の判断が重要かを痛感させられました。もし道具が壊れた場合を考えた準備が必要ですね、今回の様なコースを歩くなら。。。
いろいろとマイナスの事を書きましたが、下手にマネされて遭難者が出たらというのが心配だったからです。でも実際のところ、これだけきつい山行だったのですが、これはこれで結構楽しかったんですね。転びまくり、埋まりまくりで、一歩間違えば危険だったのですが、ほんとに静かな雪山を満喫できました。北横岳から亀甲池までは、まだ歩いた事が無い道だったので、これで繋がったし。終わってしまえば、いかにも自分らしい山行でした。来シーズンはちょっとルートを変えて再チャレンジですね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
ひさびさに山行記録を適当に拝見していたら、FUTAROさん発見!
北八ツでもマイナールートですねぇ。笑
昨年同じころ、私もピラタスロープウェイ山頂駅まで半分ラッセルしながら登り、またまたラッセルして縦走しました。
懐かしいなぁと楽しく写真を拝見!
余りハイキングには惹かれないのですが、FUTAROさんのレコをみていきたくなってしまいました
ていうか、骨折はもう大丈夫なんですか?
“全池巡り”って“○○全山縦走”的な響きがあってそそられますね。笑
楽しいレコをありがとうございました
tamaoさん、おはようございます。
意外な一番乗りですね。でも自分のレコは皆さんの様に、タイトルに(編集中)と書いて無いですが編集中なので、一番乗りだと抜けるのですよ。編集中と書かないのは、後々これも書いておいた方が良いと思う情報を書き足していくスタイルだからです。
自分の場合、計画が貫徹できない事が8割以上なので、次回の再挑戦の為に、忘れそうな情報を気づいた時に書き足すので、こんなスタイルになったのです。
tamaoさんが判る様に、感想の最後に線を引いて追加しておきました
Futaroさん、こんにちは。
私も何年か前に双子池から亀甲池の間で苦労したので、
スキー板が引っ掛かり、たまに腰まで潜る道の感じが
良く分かります。
私の場合、テン泊装備だったので、どうにでもなるか?
と思って歩いていましたが、ワカンなく日帰り装備で
靴底までいっちゃいそうな状況は想像したくないですね
しっかし北八の深雪、ワカンもしくはスノーシュが
ない歩きは厳しいですね。
北横岳から竜源橋までのコースタイムを拝見すると
苦労のあとが。。。
今年の冬は雪にまみれて歩くことはなく、終わって
しまいそうです
北横岳、冬山入門の定番ですが、一歩メインルートを外れると
三段跳びで難易度が増しますね。
レコで実感しました。
これから、北横岳で冬山デビューする方に対しても、貴重な情報、注意になったのではないでしょうか?
赤岳の稜線で、アイゼンを両方落っことしたぐらいの衝撃ですね、靴のソール。
すみません、笑っちゃいけない深刻な事態ですが、笑っちゃいました。
youtaroさんのレコ、自分も見てコメントをしていますね
この時期、ワカンかスノーシュは必須ですね。
ただ18年前だったら行けたと思うのです。道具も腕も新しい頃なら。少なくとも亀甲池から双子池までは、登り最強のスキーの板なので、スキーのままで行けたでしょう。
北横岳から亀甲池までは、その当時でも自分のスキーでは無理ですね
何にしても大変でしたが良いルートです。また来シーズン挑戦したいですね
如何にも自分的ですよね。自分でも笑ちゃいます
亀甲池から北横岳まで、今回の様な状況だと大学生の団体がワカンで交互にラッセルして1時間20分のコースが11時間かかったのですから、難易度は大きいですね。
でも下りだと、普通にスキーを背負わずにワカンを履いていれば、もうちょっと楽だったと思います。でもおかげで大学生達の苦労が、少しは分かりましたけどね
まあ〜何にしてもオンリーワン的なレコですね
Futaroさん
北八お疲れ様でした。
南八よりやっぱり雪が多い感じですね。
快晴の中展望を見ながらの散策は楽しそうです。
20年以上も前の道具、まだ持っているんですね!
最新の道具、進化してますよ
この北八、ちゃんと滑れればクロカンのヘビーツーリング用の板が最強何ですけどね。。。2メートルの板、背負ったらダメですね。ワカンがいると思う時点でもうダメですね。
亀甲池から天祥寺原を抜けるまでは楽しめましたが、事前のトレーニングが必須でしたね。。。でもこのルート、良いですよ。人が全くいなくてとっても静かで、カモシカもいるし
冬山はやっぱり道具と、それを使いこなす技術の占める割合が大きいですね。当然の事ですがそれを痛感しました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する