巻機山 (井戸尾根往復)
- GPS
- 06:22
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,545m
- 下り
- 1,541m
コースタイム
天候 | 晴れ、薄曇り 山頂付近は微風、それ以外はほぼ無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂まで雪はずっと繋がっている。昨夜から今朝にかけ降雪があり、コンスタントに10cmくらいの新雪。スキーを履いてくるぶし程度のラッセルが必要だった。概ね1500メートル付近までは新雪があり朝のうちはサラサラパウダーで、時間の経過と共に重い湿雪に変化。それより上はパックされていたり、風で雪が飛ばされるようなところは例によって氷。トレースはなく、途中まで単独でラッセルをした。 |
写真
感想
年度末の有休消化山行第二段として、降雪直後の巻機山を訪問した。以下にその詳細。
冬期登山口の駐車スペースには5時前に到着。まだ暗い。クルマは自分のみで寂しいが、まだ時間が早いのがその理由かもしれない。準備して完全に明るくなってライト不要になってから出発。雪質は、硬めの雪の上に新雪が少し。周りを見渡しても新雪があるので、この後気温が上がれば例の如く重い湿雪になるのは明らかだった。トレースはつぼ足の団体と思われるものがあり、それを追ってみる。橋を渡り、無雪期の駐車場を過ぎると、テントが数張り。この人達のトレースだったようだ。テントの人はまだ出発準備中なので先に行く。自分より前に単独のスノーシュー登山者がいたが、この後直ぐに追いつき姿が見えなくなる。今日も自分がトップのようだ。井戸尾根の最初は井戸の壁。ここを雪のある時期に登るのは3回目で、前回と今回はいずれも降雪直後。朝早いのでサラサラのパウダーの登りとなる。トレースはほぼないが、何せ尾根通しの登山道なので間違えようがない。壁の取り付きは傾斜も緩く楽勝だが、徐々に急傾斜になる。今日は雪質が良いのでスキー+シールで壁を乗り切れるか?と思ったが、最後標高差100メートルほど残してシール登高の限界を感じ、結局今年もアイゼン歩行に切り替えた。無理していけば多分行けたと思うが、無理する必要はないし、なにより滑落したら、フワフワの新雪とはいえ危険極まりない。安全第一で進む。このためにピックストックも持参しているのだ。駐車場を出て2時間弱ほどで五合目に到着。ここで今日最初の休憩。天気は薄く雲がかかっているものの晴れ。風は全くない。ピーカンで晴れて雪が腐るよりは、このまま雲が出ていてくれたほうが良いのだが、こればかりはどうなるか分からない。太陽よ、今日はこのくらいにして下さい、と祈る。尾根に上がってもしばらくは樹林帯歩き。しかし昨日降った雪が樹上にもあり、すこぶるきれいな樹林帯をゆるゆる歩いて行く。壁をこなせば後は比較的緩い斜面が続くので、特に緊張する場面もない。ラッセルが続くが景色がいいのと、雪がまだ軽いのでそれほどの負担にはならない。しかしやはりペースは遅かったとみえて、樹林帯が切れて無木立の斜面が現れるあたりで後続の単独スキーヤーに抜かれる。この人はまさに韋駄天のように速くて、あっと言う間にぶっちぎられてしまった。人それぞれペースは違うので、自分は自分のペースで歩く。樹林帯の外に出ても相変わらず新雪はあって氷はなく、このまま雪がもってくれれば滑りに期待が持てそう。歩き始めからの標高差は1000メートルを越え、久々に標高差のある山行に体がついてこない。少し歩いては息を整えてを繰り返す。ニセ巻機の斜面は所々氷が出始めたものの、この程度ならシールで問題なかった。そしてニセ巻機のピークで先を見ると真っ白の巻機山の山頂方向がようやく視界に入る。テンションは上がるが、息も上がっているため、もうペースは上がらない。避難小屋へ向けてシールのまま下り、小屋があると思われるあたりで休憩。もう出発から既に4時間近く経過し、ちょっとバテ気味。一昨日の山行の疲れがまだ残っているような感じ。でも山頂までもうすぐなのでここで帰る訳にはいかない。シール歩行を再開して最後の登りにかかる。ここの斜面も少し雪が硬かったりパックされていたりと、さすがに山頂に近くなるとフワフワの柔らかい雪は期待できないようだった。斜面を登り切ると山頂はもうすぐ。ここまで風が全くなくてシェルのジャケットは早々にザックに入れて歩いてきたが、山頂付近は冷たい風が吹いていて、これまでにかいた汗が一気に冷えるようだった。10時ちょうどに巻機山の最高点付近に到着。出発から4.5時間もかかってしまった。ラッセルもあったので致し方ないか。最高点付近は雪が風で飛ばされるのか、地面や下草が一部見えていた。風が通って寒いのでまず何より防寒装備をし、その上で周囲を見渡す。山座同定といきたいところだが、風が冷たく寒い。天気は結局薄曇りのまま。山頂付近は誰もおらず貸し切りだが、さっさと滑る準備をする。10:17に山頂を出発。ガリガリ音を立てながら少し滑ると若干の登り返し。それをこなすと避難小屋に向けて下る斜面の登場。ドロップするがやはりパックされていた。あと、登りの時は気付かなかったが、雪面がうねっていて、スキーの先端が刺さりそう。大回りのターンしかできない。雪が硬いせいか、雪面に跡が付かない。それでも悪くない雪質。避難小屋まで下るとそれまであった風が止んで暑くてたまらない。そして、山頂では寒くて休憩できなかったのでここで少し休むことに。この先のニセ巻機までの登り返しは、つぼ足かシール登高か少し悩むが、雪が柔らかくつぼ足だと沈み込みが多く大変なので、シールを貼って登り返すことに。10分くらい登ってニセ巻機到着。ここで再度滑る準備。この先の斜面もやはり雪面にうねりがあり、自分の技量では大回りするのがやっと。それすらできずに横滑りで回避することも。しばらくそのようにして高度を下げると、お待ちかねの面ツル、スベスベ、新雪斜面が出てきた。これを滑りたかった。たまらず飛び込むと、少し水気を吸って重くなっていたが、それでも十分楽しめる雪質。ようやく自分の技量にあった斜面と雪が出てきた。快適なのであっと言う間に滑り降り通り過ぎて樹林の中に入る。樹林帯の上部もまだ雪は死んでいなくて、楽しく快適なツリーランとなった。いとたのし。しかし標高が下がるに連れてやはり雪は重たくなってくる。樹林帯で日照がすくなければ雪も持つかと思ったが甘かった。グズグズの雪を転ばぬように下る。時折前転しそうなほどのストップスノーも現れるが、とにかく転ばないように要心する。井戸の壁も例外ではなく、重雪になっていた。上部はそれでも斜度があって滑るスペースもあったが、下り始めるとジャングルになって滑るのが大変に。分かっていたことなのでがっかりしない。それにこの斜面にはどうもヒップソリで降りたと思われる跡が大量に付いていた。朝のテント組だろうか。井戸の壁をお尻で滑って下るのは、案外楽しいかも知れない。今日のように降雪直後であれば尚更だろう。デコボコの雪面には少々閉口したが。最後とにかく転ばぬよう、消化試合的に斜面を降り、朝テントがあった辺りも通過。雪はもう重くて全然進まないし、ところどころ微妙なアップダウンもあって、最後はちょっと試練だった。標高が下がって暑さも感じるように。それでも山頂を出てから1.5時間ほどでクルマに戻る。登りに4.5時間かかっても、雪質が良かったのでたった1.5時間で降りてこられた。これぞまさにスキーの成せる業だと思った。駐車スペースのクルマは自分を含めて5台ほどに増えていたが、休日ではないので混雑はしていなかった。下山届を出して山行終了。
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