湯蔵山(元光兎山まで)
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 773m
- 下り
- 764m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:40
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
関川の光兎山は天を突くような尖峰で、周りの里山の中でも人気は一頭群を抜いているように感じる。そういう私も光兎山には登っているが、隣の湯蔵山には登ったことが無い。光兎山はスックと天を突くその山容が人々の気を惹くのであろう。しかし、湯蔵山だって負けてはいない。名前がいい。裾野にある鷹ノ巣温泉や高瀬温泉などに“湯”を“蔵”から供給し続けているのだから。そんな縁起の良い山へ出かけることになる。
関川村へ向かう沿道の桜は満開、もしくはそれに近く、新潟もいよいよ春爛漫である。雲一つない絶好の登山日和。太陽に向かって走る道路ではサンバイザー無しでは走れない状況だ。今日は日焼け止めクリーム必携だといって、いつも塗るのを忘れてしまう。クリームを塗る習慣がないからだが、今日は絶対に忘れないぞ。
登山口に向かって細い道を進むと、車の走った形跡がない。これはおかしいと戻る。いつものことだが里山の登山口は分かりづらい。幸いなことに、おじ(い)さんが居て、道を尋ねると、直ぐに教えてくれた。やれやれと進むと「橋を渡って右に入る」という橋がない。おかしいなあ、と思いながら進むと左手に大きな橋が見えた。「橋を越えて右」だったのかと思い進むと、右へ入る道が有った。
これで間違いないだろうと思うが直ぐに田んぼのある川沿いの道になる。これも変だ。車を停めて地図を見ていると、左手の高台に白い犬が見えた。後ろに男性が居る。「すみませ〜ん」と大きな声で叫ぶと、犬が駆け寄ってきた。おじさんが寄ってくるまでイヌがジャレつく。小振りの柴犬で可愛い。しかし、はっきり言って犬は苦手だ。おじさんは、私が最初に進んだ道だという。最初は、あんまり通行していないような道だが、直ぐにちゃんとした道になり、ゲートの前が駐車場だ、と教えてくれた。
道が分かれば後は進むのみ。確かに教えていただいたようにしっかりした道になり、ゲートの前に駐車スペースがあった。車が一台停まっていた。結局一番先に乗り入れた道で良かったのだ。ゲートの先にある橋を渡る。上流に砂防ダムが有り魚道が付いている。河道いっぱいに作られた魚道を水が白波を立てて流れる。立派なダムだ。新潟県が管理する河川だと思うがちょっと立派過ぎる。帰りに銘板を見ると施工は国が実施したようだ。
未舗装の林道をおよそ10分歩いて右手に沢へ下る。標柱が有り「蝙蝠沢歩道」と書かれている。杉の木に括り付けられた小さな案内板の上段に「赤坂コース」下段に「三角点山→」と書かれている。どちらも地図には載っていない。後者は、標高576mにある三角点の山を指しているのであろう。国土地理院の地図に名称が記入されていても、県境や市町村界上にある山などは、それぞれ呼び名が違っていることも有る。それはやむを得ないことではあるが、出来れば地図を見てすぐに判断できるようにして頂ければありがたい。
沢の流水幅はおよそ2m。水深は10センチ足らずで、登山靴のまま渡ることが出来た。河原にはフキノトウが数輪。あとは「三角点山」の案内板が括り付けられた杉の木のところから山道に入る。これは営林署の管理用道路のようで、しっかりした道である。雪は無く、イワウチワのピンクの蕾が愛らしい。花開いたイワウチワもある。帰りには日当りのいいところの花は咲きそろっているだろう。ショウジョウバカマは少しばかり。春らしい道行きだがタヌキの糞が多い。しかもそれが道の真ん中に断続的に続く。
道は「←四等三角点 318m」の標識に導かれてそこを通る。これは「三角点山」ではなく、この上にある三角点がそれであろう。見通しは良くない。ロープがつけられた箇所もあり良く整備された歩きやすい道である。沢筋に雪は見えるが尾根筋には無い。それも三角点山が近くなると雪を踏むようになり、トレースが見られるようになった。トレースは、はっきりしていて先行者有りである。
三角点山に出ると、先行者が二人休んでいた。ちょっとだけ光兎山の尖頂が見えている。最新のガスバーナー、ジエットボイルを使っている。ガスボンベとクッカーを一体化して収納出来る。1ℓの水を1分間で沸かすことが出来るらしい。リッチなパーティである。私は、何をおいても軽量優先でガスも持っていない。メンバーは三人で、もう一人は湯蔵山まで進んで行ったとのこと。暫し休憩の後、出発。
いったん緩く下って行って登り返す。ここから先は、全面的に雪に覆われている。帰りのことも考えて出来るだけ先行者の踏み跡を乱さないように忠実に辿る。ブナの木が主体で芽吹きは始まっていないが、スカッとした展望は得られない。それでも二王子岳から朳差岳、大境山へと続く真っ白な雪稜は圧巻である。左手前方に見える尖峰は祝瓶山に違いない。光兎山と頭布山の間に見える三角錐の山は伊東岳だ。朝日連峰の近くまで来ているのだなあ、と実感する。雪はザケていて10cm位の踏み込みがあり、スピードは上がらない。今日は、元光兎山までかなあ、と思い始める。
元光兎山の近くで先行者とすれ違う。湯蔵山には行かなかったとのことである。私も、心は元光兎山までとの意識が強くなっている。湯蔵山と元光兎山の標高差は約20mだが、両山の間はキレット状になっていて、急な斜面を下って登り返して、往復しなければならない。水平距離は目と鼻の先だが、キレットの底までの標高差は約120m。状況だけでも把握しておこうと下って見ると、見た目よりかなりの急斜面である。雪の割れ目もある。雪は緩んでいてアイゼンの効き目も悪そうだ。ということで、今日はここまでとして引き返した。
朝はいまいちだなあ、と思ったイワウチワも陽の光を浴びて花開く。里から見る二王子岳から朳差岳、大境山と続く山並みは真っ白に輝いている。真っ青な空と白き雪。やっぱり飯豊の眺めは別格である。
ある疑問
光兎山の東、湯蔵山の北東に「頭布山」がある。この読み方が分からない。一般的に「ずきんやま」と読んでいるようだ。しかし、「ずきん」であれば漢字表記は「頭巾」である。「布」は「きん」とは読まない。写真説明では地理院地図に倣っているが、私は「頭巾・兜巾(ときん)」ではないかと思う。山の形が山伏が頭につける被り物にそっくりだ。
コメント
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妙高さん こんにちは
🐕苦手でしたか
雪に春の光が反射して赤目になりそうですね。
日焼け止めもですが目がチカチカしそうです。
憧れの豪雪の新潟の景色を
息子が写メで送ってくれ
春になったら一度は行ってみたいと願っていました。
老親のことでなかなか出られないまま
息子夫婦はこの春に転勤になり(今度は長崎)
せめて引っ越し手伝いに行きたかったのですが
もうすぐ立つのでいい、と言われました
また憧れに終わりました
hobbitさん こんばんは〜
私の太ももに足をかけてじゃれるんですよ。ちっちゃいのにすごく重かったです。これは以外でした。柴犬って可愛い顔してますね。二年前に里山に行ったときも、犬を連れたおばさんに、会ったんですね。その時パンを頂いたりして、ちょっと親近感を持ちました。その時の犬も柴犬だったんです。
今度あったら頭を撫でてみます。その次は抱っこかな。ちょとづつステップアップしてみます。
新潟は雪が多いですから、冬山はきれいですよ〜。真っ白。純白。一点の曇りもなく光り輝きます。ほんと。ではまた。ごめんください。
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