シャクナゲをもとめて天ヶ森へ☆北谷↑~北谷左岸尾根↓
- GPS
- 04:46
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 741m
- 下り
- 675m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
下山は古知谷へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
北谷および北谷左岸尾根には一般登山道なし 北谷から天ヶ森の南のピークに伸びる尾根には古いテープがついているが、踏み跡はなし、傾斜がかなり急であり下りには向かない 北谷左岸尾根は明瞭な古道あり いずれも北谷に入るが非常にわかりにくい、詳しくは感想参照 |
写真
感想
昨年は専らシャクナゲの当たり年との聞こえが高い。今年は裏年、すなわちハズレ年との予想に違わず、鈴鹿でも台高でもシャクナゲの花はさっぱりのようだ。果たして京都の北山はどうかと気になるところであった。これまでにイチゴ谷山北東尾根、卒塔婆山でシャクナゲを見てきたが、昨年はシャクナゲの花期がかなり早かったのに対し、今年は例年よりも花期が遅れているようだ。
そろそろ見頃を迎えた頃だろうかとシャクナゲ尾根を訪ねることを考えるが、天ヶ岳は頻繁に訪れているので天ヶ森に山行先を変える。天ヶ森の西、?のピークにシャクナゲの群落があるので、このピークのシャクナゲの花を見てからそこからのルート考えようと、計画を深く考えずに小出石へ向かう京都バスに乗り込んだ。
さすがに連休中、大原までは京都バスは混んでいたが、大原で大多数の乗客がバスを降りる。それでも車内に数組が残るというのも連休ならではのことだろう。小出石では全ての乗客が降りたが、私の他にもう一人、登山客がいらした。シャクナゲ尾根ですか?とお伺いするとやはり鞍馬まで縦走のご予定らしい。
私は天ヶ森とお伝えする。R477をあるき始めると、私がすぐに右手にある天ヶ森の登山口を通過していくので、「登山口はここですよ。ここから登らないんですか?」と声をかけて下さる。天ヶ森は魅力的な山だと思うが、今更、一般登山道を登る気にはなれないのである。この先の北谷から入るつもりなので」とお答えすると、先に行かせて頂く。
R477沿いの高谷川は綺麗な清流である。高谷川に合流する北谷に入るポイントがわかりにくい。高谷川にかかる北滝川の手前から川の左岸に小さな踏み跡がついているのだが、踏み跡を辿ると斜面は崩壊気味であり、おまけに何本かの倒木が道を塞ぐ。倒木を越えて斜面の上に高巻くと植林地の平地が現れた。
沢にはすぐにも堰堤が現われる。堰堤を越えると、開けた左岸を進んでゆく。もう一つ、谷の奥に堰堤が現れ、よくこんな奥深いところに作ったものだと感心する。堰堤を過ぎるとところどころに小滝があるものの歩きやすい谷となる。沢沿いにはかすかに踏み跡があるようだ。
小滝の左の岩に手がかりが見当たらなかったので左に高巻くと、二俣に出た。二俣の間の尾根は天ヶ森の山頂の一つ南のピークに連なる。とんでもない急勾配である。樹や根っこを掴見ながら無理やり登る。藪はなく、ひとしきり最初の急勾配を過ぎると、登るにつれて徐々に傾斜はゆるくなる。谷から涼しい風が吹き上がるようになり、汗をかいた身体を冷ましてくれる。
尾根上にはところどころに樹に巻かれた古いテープを見かける。やはりこのとんでもない急斜面を登るルートがあったようだ。急峻ではあるが、自然林の続く尾根は新緑の鮮やかさが登りのきつさを癒してくれる。
やがて左岸尾根を登る本来の登山道と合流すると、ピークをトラバースして天ヶ森手前の分岐に出る。分岐を右に進むとすぐに天ヶ森の山頂に辿り着いた。山頂からは樹間から琵琶湖をわずかに望む。写真を撮っているうちに同じ道から登山者が現われる。百井峠の方から来られたらしい。話が北山の道の荒れ具合に及ぶと、いくらでも話は盛り上がる。しばし山談義というか情報交換をしたところで山頂を辞し、西に向かう。
まずは山頂の西にあるピークに立ち寄る。ピーク手前の鞍部から北を眺めるとなだらかな源頭に緑の植物の群生が目に入ったので、なんだろうと思って源頭を下ってゆくと、残念ながらトリカブトであった。東側斜面からピークにあがる。このピークは樹間から天ヶ森の山頂を望むことが出来る。そしてピークの北側に出ると皆子山を望む。本来の登山道はその南側をトラバースしてゆくが、勿体無いと思わずにはいられない。
このピークから先も登山道から離れて尾根芯上を西に進むと、林道の法面の上に出てしまった。林道に出て南に下り、林道から左手の登山道に上がると、再び尾根筋を辿る。分水嶺ピークの手前では崩落した斜面の上から再び天ヶ森を展望することが出来る。雲の合間からこぼれ落ちる陽光が天ヶ森の新緑を照らしては通り過ぎてゆく様をしばし愉しむ。
分水嶺ピークに達すると、期待通りシャクナゲの群落が見事に花盛りである。シャクナゲの花の写真を撮るのに夢中になり、再び大きく休憩する。もう十二分にシャクナゲを堪能したのでシャクナゲ尾根まで周回せずとも今日はこれで十分と思い、このまま北谷右岸尾根を下ることにする。しかしその判断は間違っていた。この分水嶺ピークにおけるシャクナゲはほんの序章に過ぎなかったのである。
尾根を下るとこれでもかというばかりにシャクナゲの群落が連綿と続く。尾根芯にシャクナゲが多いと藪漕ぎに難儀することが多いが、シャクナゲは尾根の左手、北東の斜面に咲いているものが多い。そして尾根上には掘割の古道が現れ、歩きやすい。おそらく小出石から百井へとぬける重要な古道だったのだろうと思われる。天ヶ岳の東のシャクナゲ尾根に対して、第二シャクナゲ尾根とでも名付けたくなるほどにシャクナゲが多い。シャクナゲ尾根はヤセ尾根とは云わないまでも細い尾根が続くのに対して、こちらは尾根筋が広々としており、歩行の快適さという点では遥かに勝る。
やがて尾根は檜の植林地となるが、樹々の感覚が広く快適な尾根歩きが続く。檜の植林地でも北東の斜面にはまだまだシャクナゲの花が続く。標高が500mより下のあたりまでシャクナゲは続くのであった。さすがに下のあたりではシャクナゲも終盤という感じがするが、上の方ではまだ蕾も多かったので、花期はもう少し続くであろう。後は緩やかな尾根の明瞭な古道をひたすら下る。やがて右手からもう一つのなだらかな古道が合流する。トンボユリと呼ばれる古道だろう。
尾根上の道をジグザグと下るうちに谷の二俣に下りたつ。左からは先程、遡行した北谷の沢が流れてくる。右手の沢との合流地点に出ると、沢の反対側に古いロープが見える。渡渉して、ロープを伝って斜面をのぼり、ガードレールを潜って向こう側に出た先は、資材置き場の西側であった。
かなり早く山から下ってしまったので小出石からのバスまでは時間がありすぎる。古知谷の阿弥陀寺に立ち寄ることにした。小出石でようやく電波の通じるところに出ると、家内も参拝がてら市内から車で来てくれることになった。イロハモミジの新緑を鑑賞しながら参道をのんびり歩いていると寺を訪れる車が往来する。寺の下に到着した頃に、家内も車で到着する。久しぶりに訪れる阿弥陀寺は庭に多くのクリンソウの花が見頃を迎えている。境内ではアツモリソウや山芍薬もその短い花を咲かせているところであった。シャクナゲはというと、不思議と花がみられないのであった。
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