六甲全山単独縦走!
- GPS
- 15:12
- 距離
- 46.5km
- 登り
- 3,120m
- 下り
- 3,068m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
六甲全山縦走。
関西の登山好きの方にとっては一度は参加した、あるいは参加したいと思っているのではないでしょうか。
須磨浦公園から宝塚までアップダウンを繰り返しながら約45km。これを一日で歩きます。
※距離は公称では56km。手元のGPS計測では45kmでした。山の距離なので諸説あります。
昭和初期の有名な登山家である加藤文太郎氏がトレーニングとして始めたということ。
六甲山の最高峰は931mですが、何度もアップダウンを繰り返すため、積算の標高は2800mを超えます。
これは日本で最も登山口と山頂との標高差が大きいと言われる富士山御殿場ルート(標高差約2400m)、甲斐駒ケ岳黒戸尾根ルート(標高差約2200m)に匹敵します。
毎年11月〜12月にかけて大会が開催され、大勢の登山者が参加しています。
10年ほど前、大学生のころは友人らと毎年参加していました。
久しぶりに神戸に帰ってきたので、ちょっと力試しにやってみようと、単独で決行
しました。
途中でしんどくなったり、体調を崩してもバスやケーブルで下山できるので、精神的にはかなり楽だと思います。
むしろ、単独だとそうした誘惑に打ち勝つ強い精神力が求められました。
本当に久しぶりだし、翌日は仕事なので、あまり無理しないペースを意識。
14時間を目標としましたが、途中、道に迷ったこともあって、完走タイムは15時間。
なかなか歩きがいがありました。
【記録】
(1)須磨浦公園〜鉢伏山〜旗振山〜鉄拐山〜高倉台
始発電車に乗って山陽電鉄須磨浦公園駅へ。到着は5時半。5時40分スタート。
鉢伏山へ向かって階段が続きます。まだ体が眠っているのでなかなかしんどい。
鉢伏山から旗振山を通過して鉄拐山へ。
緩やかな起伏を繰り返しながら広い広場に出て、そこから約400段の階段を下れば高倉台の住宅街に到着。ここまで1時間弱。
まだまだ余裕。
(2)高倉台〜栂尾(つがお)山〜横尾山〜<須磨アルプス>〜東山〜妙法寺の住宅街
高倉台の団地を少し歩いてから、栂尾山へ向けてキツイ階段で一気に標高を上げていきます。
栂尾山、横尾山を過ぎると、いよいよ須磨アルプス。
かなりキツイ岩場や馬の背があります。
景観がなかなかきれいで楽しい。
須磨アルプスを過ぎると、一気に下って妙法寺の住宅街へ。
ここまで2時間強。
(3)妙法寺の住宅街〜高取山〜鵯越(ひよどりごえ)駅
妙法寺の住宅街を「六甲全山縦走路」の標識を見失わないように進む。
高取山へ向かってややしんどい登り。
お稲荷さんが祭られた神社があってここに三等三角点(319.9m)がありますが、少し進んだところにまた別の神社があってこちらのほうが標高は高い(328m)。
高取山から下って鵯越へ向かって長い住宅街の歩きとなります。
狭い路地を通ったりして、標識を見失わないよう注意が必要。
今回、鵯越駅周辺で道を間違えて30分ほどロスしました。
※鵯越駅の踏切を超えちゃダメです!
ここまで4時間半ほど。
(4)鵯越(ひよどりごえ)駅〜菊水山〜鍋蓋山〜大竜寺〜市ヶ原
菊水山へ向かっての登りがかなりしんどい。
ここが第1関門ですね。
菊水山到着が11時19分。ここまでおよそ5時間半かかりました。
ちょっと休憩。エネルギー補給。
ここからちょっと下って、鍋蓋山への登り。
こうアップダウンが何度も繰り返されるとさすがにしんどいです。
鍋蓋山から市ヶ原へは緩やかな下り。
市ヶ原では若者グループがBBQをやってました。平和だなぁ。
ここまで7時間半ほど。
市ヶ原が六甲縦走のちょうど中間地点と言えるでしょうか。
(5)市ヶ原→摩耶山
市ヶ原から摩耶山への登りがこれまた難関。
稲妻坂、天狗道と呼ばれるいかにもしんどそうな道を登っていきます。
さすがにだいぶ足に疲れが貯まってきました。
摩耶山の近くの掬星台から神戸の街並みが眺められますが、ゆっくり眺める余裕なし。
ちょっと休憩して出発します。
ここまで9時間弱。
(6)摩耶山〜杣谷(そまだに)峠〜丁字ケ辻〜記念碑台〜最高峰
摩耶山からいよいよ最高峰を目指すことになりますが、この区間がかなり長い。
車道歩きと登山道歩きを繰り返しながら最高峰へ向かいます。
登山道を歩くと細かなアップダウンがあり、ジャブみたいに効いてくるので、ここは割り切って車道歩きで統一したほうが疲れも減るし、タイムも軽減できると思います。
今回は忠実に縦走路を歩きました。
最高峰到着が17時22分。
ここまで12時間弱。
(7)最高峰〜塩尾(えんぺい)寺〜宝塚駅
最高峰でちょっと休んでから宝塚へ向かって進み始める。
すでに太陽は傾き始め、行程の途中で日没を迎えることは必至。
宝塚へ向かって下ると思っていると失望します。
やはりアップダウンが繰り返され、足に疲れがきます…
18時半を過ぎると暗くなってきたのでヘッドライト装着。
90ルーメンのヘッドライトだとかなり安心。
でも一人だとかなり心細い。
暗いと視界がかなり狭まるので道に迷わないように注意が必要。
特に車道から登山道へ入るところを見失うと大変。
やっとのことで塩尾寺に到着。でもここで終わりではない。
ここから宝塚駅まで結構長い距離を歩く必要があります。
宝塚駅到着が20時46分。
スタートから15時間6分でした。
なかなかの達成感。
※ちなみに加藤文太郎氏はこのまま須磨の自宅まで歩いて帰ったそうです。
【ポイント】
1.全行程の約半数はアスファルト路面
2.住宅街では道に迷いやすい
3.菊水山の登りがキツイ
4.摩耶山への登りもキツイ
5.最高峰から宝塚への行程も下りだけではなくアップダウンを繰り返すため疲れる
6.トイレは各所にある
7.自販機も各所にあるため軽量化を図るなら途中で調達するほうがいい
【注意点】
1.六甲全山縦走がまったく初めての方は単独での決行はやめたほうがいい。
暗くなってから道に迷いやすい。そして心細い。
【タイム削減に向けて】
1.平地歩きで体力回復に努める。
2.歩きながら行動食を食べることで、休憩の時間を削減する。
3.ランニングシューズと登山靴の2足を用意し、アスファルト路面と登山道の状況に応じて履き替えることで、足への負担を軽減する。
4.記念碑台〜最高峰は登山道を通らず、車道を軽く走る。
5.翌日を休みにして、体に最大限まで負荷をかけてみる
→こららの対策で12時間を切ることができそうな気がする。
また、秋から冬にかけて実行してみます。
荒島岳でお会いした黄色いヒップソリを担いでた者です。
私も2003年に六甲全山縦走大会参加しました。
翌日は全身筋肉痛でほぼ寝たきりだった記憶があります。
いずれは単独で歩いて完全制覇とは思ってたものの未だなし得ず。
gucci1212さんのレポートでその目標を思い出しました。
公称56キロというのは、昔は出発点が塩屋でした。
須磨の高倉山が削られて人工埋立地の神戸六甲アイランドになり、跡地は団地になりました。
もし、ご存知でしたら、ご放念ください・・
wataruchanさん
ありがとうございます。
まだ涼しい季節にちょっと力試しにやってみようと思いつきで決行しました。
なかなかキツイ山行でしたね。
六甲縦走はリタイヤしようと思えばすぐにリタイヤできる状況なので、いかにその誘惑に打ち勝つか。
単独での決行はそれが重要になることがわかりました。
ぜひぜひ、単独での縦走を決行してください!
kobeajisaiさん
ありがとうございます。
なるほど、そういうことだったのですね。
かつて加藤文太郎氏は56kmを歩いて、そのまま須磨まで歩いて帰ったということかぁ。
100kmは歩いたのでしょうね。
やっぱりすごいです。
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