芦別岳,旧道北尾根を登り本谷を下る
- GPS
- 08:11
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,802m
- 下り
- 1,798m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
丸木橋の渡渉地点の水量多し |
その他周辺情報 | ハイランドふらの! |
写真
感想
「北海道のマッターホルン」「芦別の牙」と呼ばれる芦別岳の鋭い姿は北尾根からしか見ることができません.芦別岳の鋭峰を,そして本谷の最後の核心部を見るために今期3度目の芦別岳に行ってきました
東京出張から日帰りで戻ったのが,23時すぎ.1時間半ほど横になり,1時30分起床.1時40分自宅出発.満月が御茶々岳から芦別岳への北尾根に沈んでいく荘厳な光景を横目に見ながら車を走らせる.今回は,下行路に新道は使わないつもりなので,鹿除けのフェンスを開けて,旧道登山口まで車で入りました.4時出発.北尾根の状況がわからなかったので,少しでも踏み抜きを少なくするように雪が締まっている早い時間に一気に登ってしまう作戦.
芦別岳でも,花が咲き始めています.もう1回,春に出会えた感じ.ムラサキヤシオ,オオカメノキ,ヒトリシズカ,ヤマザクラなど.ニリンソウは開いていませんでした.
問題の渡渉箇所.丸太は,やっぱり濡れている.ここの通過は速やかに却下.水量が多く,前回は渡れた岩伝いも今回は濡れずには無理そうです.少し上に登り,渡渉箇所を探しましたが,さらに険しく沢幅も渡れるところはありません.丸木のすぐ上の大岩がチョックストーン的に挟まった場所.渡れるかどうかかなり微妙で,落ちた場合は,下と違ってかなり危険かもしれませんが,水中に挟まっている流木は足で確認した限りで安定している.そこで,まず足下にすぐ側にあった流木を落として足場を作りました.一度は激流に流されて上手く固定できませんでしたが,なんとか必死に引き上げ直して再固定.今度は,しっかりと固定されました.落とした流木を足場にして,岩を手がかりにしながら,真ん中の流木に乗り移り,次は岩にかけていた手を対岸の流木に伸ばしつかんで流木伝いになんとか渡りきりました.ああ,怖かった...
沢に沿ってその右岸がルートになっていますが,この道がまた沢みたいになっています.ここが川になっている可能性を考えて,今回は替えのソックスを持ってきましたが,今日は大丈夫そうです.ルート上ヤチブキ(エゾノリュウキンカ)が満開.
途中から雪渓.急斜面になり始めたのでアイゼン装着.夏道にとらわれずに歩きやすそうな所選んで進んでいきます.
6時51分.尾根に乗った所はまだ雪がたっぷりあり,夏道は雪の下.まずは目の前の急斜面にとりつきます.アイゼンを蹴り込みながら急斜面を直登.その先には,P1444.右側に開けた斜面が広がっていたので,P1444には登らずにトラバースしようと思ったのですが,途中で沢地形となり,さらにその先は濃い藪が広がっているので,無理せずに,いったん尾根に戻ることにしました.
コルに出て,次はP1457を登るのですが,右の比較的平坦な斜面を進むトレースが見えたので,ピークに向かわず,そちらに進みました.しかし,そこまでたどり着くと,なんと,それは大きな熊の足跡でした... さらに前方にまたしても沢地形.諦めてまた尾根に復帰することにしました.藪をかき分けかき分け,登ります.P1457から,ついに芦別岳の鋭鋒を望むことができました.
何度も何度もアップダウンを繰り返しながら進んでいくのですが,しばらく行くと尾根状の雪はほとんどなくなり,途切れ途切れですが,夏道を辿ることができるようになりました.最初は,アイゼンをはいたまま進んだのですが,さすがにもう大丈夫だと思い外しました.
前方には常に芦別岳を望むことができ,心の中でその姿に何度も喝采を叫び,何枚も写真を撮りながら進んでいきます.芦別岳の岩頭に雪が残りゼブラ模様になっているともっと格好よかったのですが... 来年はもう少し早い時期に北尾根に来てみたいと思います.
近づくにつれて,本谷の最上部も見えてきました.これが見たかったんだよなあ.しかしまあ,よくこんな所登ったものです.これ垂直に近く見えるよなあ...
キレットと呼ばれる急峻に切れ込んだ複雑な岩稜帯に近づくと,芦別岳の形が少しずつ変わってきます.
岩を登って芦別岳山頂.9時32分.無風.
下りは本谷.9時53分.最高の天候の中,多数のパーティーが登ってきていました.邪魔にならないように脇によけながら,走ったり滑ったりしながら降りていきます.本当は,ずっと尻滑りでも良かったのですが,なんとなく登ってきている人に悪い気がして,人が途切れたのを見計らって遠慮がちに滑ってました.駆け下りるのも気持ち良かった.急斜面を必死で登っている中,上から降りてくるのは邪魔だったかもしれません.ごめんなさい.でも,本谷を登って新道を降りた人達もきっと尻滑りで帰ったのだろうからご容赦ください.
本谷は,かえって下部の方が沢が開いてきていて危なっかしい.ゴルジュはまだ閉じていました.
夏のような暑さのなか,ようやくユーフレ小屋.10時56分.
本谷を駆け下りれば,新道よりも楽に早く戻れるかなと思ったのですが,ユーフレ小屋からの旧道はやはり大変でした.暑さにもやられました.途中から水をかぶって頭を冷やしながら歩きました.水は,600ml のペットボトル2本だったのですが,ギリギリでしたね.浄水器を持ってくれば沢水を飲めたのにと後で思いつきました.
12時13分,帰還.朝早く出ると,その後時間に余裕があるからいいなあ.踏み抜きもほとんどなかったし,作戦成功.8時間11分.15.65km.獲得標高 1698m.
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