脱水バテバテ_白山:百四丈滝_避難小屋天国
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 1,720m
- 下り
- 1,718m
コースタイム
28日;スキー場中腹6:00⇒ゴンドラ山頂駅6:55⇒しかり場分岐10:15⇒奥長倉避難小屋15:30(休憩多数)
29日:奥長倉避難小屋4:40⇒美女坂の頭6:50⇒百四丈滝展望台7:20⇒奥長倉避難小屋9:10⇒スキー場中腹18:30(休憩多数)
天候 | 28日:快晴 29日:晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ゴンドラ山頂駅へ通じるスキー場脇の林道は大して上まで行けない。感覚的に山頂駅の2合目くらいまで。残雪と落石、倒木多く四駆チェーンでも不可。 ゴンドラ山頂駅にトイレ有り。水洗だが水は出ない。登山ポスト不明 奥長倉避難小屋にトイレ有り。水は無い。 コース通して水場は無し。 美女坂よりも、しかり場分岐⇔口長倉山間が痩せ尾根で神経を使った。 ゴンドラ山頂駅からしかり場分岐までトレース無し(夏道を除く)。雪が腐りかかり、雪による倒木多数で歩きづらい。檜新宮参道の方がスキー場側より踏まれているようです。 全般的に木の枝が邪魔になること多し。赤布少ない。 美女坂の頭から滝展望台まで林間を歩く。トレースはあったが樹林で視界が開けずルートを見失う危険有り。 滝を見るにはクレバスの入った雪庇の上に乗らなければならない。長居無用。 奥長倉避難小屋は快適です。貸切でした。 下山後の温泉は一里野温泉「天領」へ。土日祝日PM9:00まで。大人600円と庶民の味方。ガリガリ君がありました。サイコーの一本! |
写真
感想
○雪山歩きに少しは慣れた(つもりだっだ)ので、一度は肉眼で見てみたかった氷の滝壺がある白山の百四丈滝を計画しました。
ところがこれが大甘の見積りでした。北鎌の教訓(レベルに合った場所に行く)が生きていない。
雪山と言っても今シーズン再開したばかりで3月に七面山と天狗岳にしか行っていない。日本海側の山は相応の厳しさがあります。
過去に行ったのは五竜岳や南ア茶臼岳、黒姫山、篭ノ登山程度です。全てパーティででした。
七面山、天狗岳ともに雪山でもルートははっきりしていてトレースもあり基本夏道の上なので非常に歩き易い。登山者多数に踏まれています。
しかし残雪の白山・加賀禅定道は後述の通り部分的に歩きづらかったです。
○当初あわよくば車でゴンドラ山頂駅まで行けると期待したけど不可能でした。
スキー場中腹からしかり場分岐までは誰も居ないどころかトレースも無し。
雪が十分あれば夏道を無視して歩けるのですが、木の周りは雪が溶けているし、雪の重みで枝が低く張っていて邪魔。藪漕ぎとまでは言えませんが天狗岳のような塩梅にはいきません。雪を股下まで踏み抜くこともしばしば。
どこを歩くも自由ですが無駄無く進むには頭と経験が必要です。
緊張感からか、ここを無我夢中で休憩も取らずに歩いてしまい、しかり場に着いたときは喉がカラカラで汗も出ない状態でした。雨男で晴天に慣れていないのも一因です。
かなりの疲労感に撤退しようかとも考えましたが、しかり場からは古いトレースと一人ではありますが新しいトレースがあります。このトレースに勇気付けられて脱水症状気味の体でとぼとぼ進みました。
口長倉山でトレースの主の方とお会いしました。この山で初めて会う人間(失礼ですが)に嬉しくなりました。
地元の方で天池まで行ってきたそうです。毎年日帰りで滝を見に行くとのこと。今年は暖かくなるのが早く、既に壺が割れていたと衝撃の事実。
そうは言ってもこの目で確かめたい。お礼を言って別れ、午後3時半に奥長倉避難小屋に到着しました。
この日の小屋は私一人で貸切り。2階は太陽熱で暖かく1階は残雪の冷気がこずんで息が白くなるくらい冷えています。2階窓際の一等地に陣取り、食事をしたり外を眺めていました。小奇麗な室内と素晴らしい風景。快適の一言に尽きます。
夕陽を見て夜はラジオも付けず風の音を聞きながら眠りました。
翌朝、3時起きして4時半出発。空身で滝を見に行きます。ここからアイゼン装着でピッケルに切替え。
美女坂は急登ですが、どのみちとぼとぼしか歩けません。美女坂の頭から滝展望台まで林間を通るのですが、視界が良いときでも方向感覚を失いそうです。赤布は見つからず、トレースと磁石の方角が頼り。
滝展望台といっても目印は無く(雪下かもしれません)、地形図からだいたいの場所を判断して雪庇の上に乗り移りました。
遠く下に滝はありました。聞いた通り壺は割れていました。もうそんなことはどうでもいいです。やっと見られたんですから。
壺は円筒形ではなく半球状で滝の1/3程の高さがあります。昨冬は寒かったためでしょう。割れたおかげで断面が分かります。名残は惜しいですが日没までに車に戻りたいので早々に引き返しました。
後はもう喉の渇きに耐えて歩行の維持に努めるだけ。小屋で暫く涼み行動食を取り水を節約しながらも日没と同時に車へ戻れました。コースタイムのほぼ2倍掛かりました。
○雪山と言えどGWの快晴では激暑いです。歩行中は夏と変わりない服装でした。
藪や雪の急斜面ではストックは邪魔になります。ワカンやゴーグルなんてバテを助長するためだけに持って行ったようなものでした。天候と日程に合わせて装備を選択する。当たり前ですけど雪があると心配が先に立ちます。
○今回バテバテでも無事帰れたのは、元々の行程に無理が無かったこと(順調でも10時間以上になる行程だったらアウト)と、燃料に余裕があって水を作れたことでした。水は入山時に3L持ったのですが。
○奥長倉避難小屋は綺麗でロケーションも良く室内からトイレへ行けるのも有り難いです。さらに人が少ない。これで水場があれば完璧ですが。
暫く本業が忙しくなるので山に行けません。トレーニングに努めることとします。
コメント
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JA11Vさん こんばんは
ピンクの花は能郷白山の登山道でも群落を見かけました。「イワウチワ」と思われます。
奥長倉避難小屋は6月初旬に利用したことがありますが、その時は1階から入れました。
百四丈滝の凍る滝壺はNHKの番組で紹介されていました。
NHKエコチャンネルで動画が公開されているようです。
『早春の白山〜凍る滝壺』http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?movie=j_mountain_20100410_0389
alpsdakeさん、こんにちは。
返信遅れて申し訳ありません。
花の名前と動画のURLありがとうございました。
花は最初イワカガミの仲間かとも思ったのですが違うようで分かりませんでした。
百四丈滝の氷の滝壺は毎年規模が変わるんですね。見てきた壺は動画の一昨年より大きく感じました。大きいゆえ自重に負けて崩れるのが早くなったのかもしれません。
それにしてもalpsdakeさんは博識で素晴らしい。私は歩くにも精一杯で…
不安もありましたが白山は人にも滅多に会わず営業小屋も無い大自然そのものの良いところでした。
有名どころにこんな穴場があるなんて驚きました。
山は行ってみなけりゃ分からないですね。
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