井戸小屋沢左俣
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 1,228m
- 下り
- 515m
天候 | 曇り後時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
井戸小屋沢左俣:3級〜3級上(なんちゃって沢屋の主観的グレード)
比較的容易で快適な右俣と違い、源頭近くに難しい滝が連続する(多分)難渓。
井戸小屋沢全体を通して、巻きにくく、側壁もヌメっているので水線沿いの遡行が出来ない時期だとグレードが上がると思う。
源頭部のゴルジュは厳しく、しっかりした技術を持っていないと大変危険。
ついにやってしまいました。ヘリによる救出となってしまいました。
核心部のゴルジュの入り口にある3段30m滝を3ピッチでクリアした後に、どれかの滝で落ちました。落ちた時は頭がぼーっとして、自分が今何をしているのか?、どこにいるのか?しばらく分かりませんでした。今でも墜落前後の記憶が曖昧なのです。多分、2つまとめて落ちたと思うのですが、ガイドには該当するところが無く・・
でも1つ目を登って2つ目の真下に行った時に「これは厳しい。でも巻けない。1つめの側壁だったら巻けそうなのに・・」と思った記憶があります。で、2つ目を登ろうとしている最中に落ちて、気付いたら1つ目の下にいました。なので巻いて上がることが出来たのです。2つ目から落ちた時にバウンドしたような気もするので、それでさらに下に落ちたのではないかと思っているのですが・・
それでも幸いなことに骨折はしていなかったので自力でゴルジュの側壁を這い上がり、そのまま一般道を目指しました。何としても自力下山するのだと少しずつ進んでいたのですが、段々右足が腫れ上がってきて曲げることが出来なくなり、歩行が困難になってしまいました。さらに悪いことにパニックになっていたためか、脱渓する際に水を汲み忘れてしまったのです。体から水分が大分失われていることに気付いた時、もうダメだと思ってしまい、警察に連絡しました。でも電波の状態が悪く、あまり通じませんでした。日没も近いし、来てくれないかも知れない。ヤバいか・・いや、自力下山できると思え!とあれこれ考えている時にヘリの音が聞こえました。
私の名前を呼んで確認しています。助かったと思う気持ちと自力下山できなかった悔しさがごちゃ混ぜになり、涙が出てきました。
あとは新潟県警の方にピックアップしてもらって、浦佐の病院へ直行。
右足の膝には人差し指大の穴が開いており、切開・洗浄・縫合(5針)。額には縫合用のホッチキス6個打たれました。額は出血量が多くなるので、顔の左半分は血に染まってました。破傷風の抗生剤と水分等を一晩+半日投与されました。
次の日には妻が迎えに来てくれたので何とか自宅に帰ってこれました。感謝してもしきれません。
今までは山で死なないような努力はするが、死んだらそれはそれで仕方がないと思っていました(まあ、家族を蔑にしてますよね・・)でも実際に死にかけると「苦しみぬいた揚句1人で死ぬのは絶対に嫌だ」と心底思いました。
迎えに来た妻のいろいろな準備が「私の事を良く見ているなあ」とか「良く分かっているなあ」と思った時に今まで本当にごめんなさいと心から思いました。
これで単独での沢は終わりにします。
でもハイキング等は1人でも行きますし、まだまだ沢も行きたいです。これからは週末も空けるようにしますので、仲間の皆さん、一緒に行って下さい。よろしくお願いします。
コメント
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yoshi629さま
僕なんかがコメントしていいものか憚れる気持ちですが、感想を読ませて頂き、なんだか込み上げるものがあり書かせていただきます。
本当にご無事でなによりでした。
誰にでも起こりうる事故ですが、単独というより過酷な山中で、強靭な精神力と生命力を感じました。
こういうとき、本当に家族や救助の方には感謝しかないですよね…
僕も1度、ヘリで救助されたことがある(くだらないドジなので理由は割愛)ので、複雑なお気持ちお察しします。
沢に復帰するにも色々と壁もあるかもしれませんが、生きて帰れたことだけが全てです!お怪我が治ったら、また山も沢も楽しまれてください!
うまく書けませんでしたが、また沢を楽しむyoshiさんのお姿を待っています!!
コメントありがとうございます。
お恥ずかしい話なのですが、単独の場合はこんな危険も(当然ながら)あります、ということを伝えたいという気持ちと、自分自身に対する自戒の念を込めてレコを作成しました。
自分だけはそうならない、というのは勝手な思い込みなんですよね・・
ただ、やはりパニックになっていたのか吾策新道登山口はもうちょっと進んだ稜線から下りれば遠くなかったのに、何故か尾根の末端まで下りると勘違いしていたので、とても遠く感じて「これは自力下山は難しいかも」って思ってしまい、ヘリを呼んでしまったというところがあります。あとで地図を見たらそう遠くなかったので歯ぎしりする思いでした・・
助けて頂いた新潟県警の方には御叱りを受けるかと思ったのですが、(右足と顔の左半分が血に染まっていたからなのか)「良く頑張った。ヘリを呼んで正解だよ」と言ってもらえたので救われました。
いろいろと尽くしてくれた妻にはもう頭が上がりません・・・
ここで一線を引いて(沢の)単独は止めるつもりです。でもやっぱり沢は好きなので、仲間となら許しをもらえると思うので、これからもレコを上げたいと思っています♪
大変お疲れさまでした。。
CS滝の難関、自分の中では相当厳しかったススケ沢を思い出し、さらに10m落下を想像しゾッとしてしまいました。骨折等ないのが信じられないくらいです。
ご一緒した右俣も滝登攀のイメージが強い沢でしたが、左は輪をかけて険悪な感じですね。沖障子に近いレベルでしょうか。ただ大ケガを負ったのに、行動開始から7時間かからず稜線近くにいっているスピードにyoshiさんらしさを感じました。にも関わらず最後は日没近いという事なのでやはり曲がらない足での下山が相当大変だった事が伺い知れます。自力下山できない悔しさ、、というところ読んで、その場を想像し何ともいえない気持ちになりました。。
>> まだまだ沢も行きたいです。これからは週末も空けるようにしますので、仲間の皆さん、一緒に行って下さい。よろしくお願いします。
もちろんいきましょう でもしばらくは奥様ファーストですかね!!
まあ、骨折が無かったのはただ単に運が良かっただけと言えますが、私としては高校時代の柔道経験が活きていると考えています。受け身が体に染みついているので被害を最小限に食い止めることが出来た、と。自分、柔道部だったんです♪
あの写真の後、稜線に出るのに1時間かかっています。出たのは14時過ぎですね。ヘリにピックアップされるまで4時間くらいです。救助隊員や病院のスタッフには5〜6時間歩いたと話しましたが、完全に記憶が混乱してました。前半は何とか歩けたのですが、後半はホントに亀の歩みでした。
今月下旬には笹穴沢に行けると思ってますよ あとB沢も
B沢ならば、連れてってもらおうかな
単独じゃなきゃいいんです
では、9月下旬〜10月上旬でお願いします
生還できてよかった。
最初にメール貰った時にyoshiさんとは思って無くてちぐはぐ返信で失礼
自力下山出来ない悔しさと安堵のない交ぜ感よく解ります。
単独で駆け抜けるyoshiさんは一区切りですね、
ちゃんと養生して下さいよ(*Θ_Θ*)/
山中にいる時は不安で重傷だと思いがちのようで、無事に下りてみると「そうでもないのでは?」「下りられたのでは??」と考えたりもします・・ 医師には重傷だよ、と言われたりはしたのですが。
ヘリが目の前でホバリングしている時は自分で呼んでおきながら「悔しいよ!」って言いながら泣いてました
まあ、潮時だと思います。それでも止める訳ではないのですが
またどこかの沢に連れてって下さい
私も同所で20日にやってしましました。↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2000217.html
満身創痍でオオベタテノ頭まで自力下山、敬服します。
お互いリハビリですね。
ところでmyザック落ちてませんでしたか?
まさかmt-samさんまでもが左俣でやっちゃったとは知りませんでした。写真を見ると同じところで落ちてませんか? しかも谷底まで落ちたというのは私と同じ状況のような・・・
5〜6mクラスの滝から落ちたはずなのにさらに下の滝の下に居たんですよね・・・
ザックには気付きませんでした。あの井戸の底ゴルジュは降水の後にはすごい流れとなりそうですから、3段30滝の下まで流されたのではないでしょうか??
私なんかよりもずっと酷い怪我なのに良く脱出しましたね。さすがです
3級〜3級上クラスなのでそれほど警戒せずに入渓してしまいましたが、単独だとヤバい沢なのかもしれませんね・・
私は平気ですが、mt-samさんはしばらくかかりそうですね。お大事にして下さい。
PS そういえば、病院のベットで警察の方から事情聴取を受けましたが、その時に「この前も左俣で遭難があったなあ」と言ってました。まさかmt-samさんだったとは・・
メール頂いてほんとに驚きましたよ。
やっぱりスーパーアスリートyoshiさん まさにニャンコ先生のキャット空中三回転で急所をうまくかわしたんですね!
家族のありがたみが身に染みますよね。
うちの人もバイク事故で頸椎骨折し入院した時はとってもすまなさそうにしてました。(といっても運転の仕方は今あまり変わらない・・)
yoshiさん もう単独はしないとかいいつつ、数年後フツーに行ってるようなことがないようにしてくださいよ〜
ともかくお元気そうで良かったです。
いつか再訪する際はみんなで行きましょ!
yoshiさんスピードには叶わないですが、ロープとかガチャとか沢山持ってもらって
ハンデしょってもらって(笑)
バットレスも行きたいですね!
でもまずはしっかり治して家族サービスしてくださいね。
ご心配をおかけしました
>まさにニャンコ先生のキャット空中三回転で急所をうまくかわしたんですね!
同年代ならではのネタですね う〜ん、昭和
でもホントに受け身が活きたと思っています。
>yoshiさん もう単独はしないとかいいつつ、数年後フツーに行ってるようなこ
>とがないようにしてくださいよ〜
実は早くも「今回は自分らしくなかった。いつも通りに慎重にやれば・・」っとちょっと思っている自分がいることを否定出来ません
>ともかくお元気そうで良かったです。
ありがとうございます。今日は家族の反対を押し切り、自転車で出社しました
>いつか再訪する際はみんなで行きましょ!
是非! これからは1ヶ月に1回は週末に時間を作りたいと考えています
スーパーマンは、居ないのですね だけど強い身体の持ち主 お母さんに感謝してくださいませ
無事これ名馬成り 骨折もなかったなんて貴方は、名馬に成れるかも
スーパーマンはいるかも知れませんが、少なくとも私ではありません。
iroiro57さんのように正統派の山ではなく、なんちゃって沢屋なので
小さい頃はどちらかと言うと病弱な方だったんですよ。山仲間に言うとあまり信じてもらえませんが 運動も苦手でしたし。
遅コメ失礼します。
お怪我されたとのこと、ビックリしました。
その後いかがですか。
私はまだ幸い山での大きな怪我は経験していませんが、
アルパイン、沢をやっていれば、そのリスクは登山道を歩く比ではなく、
どんな上手い方でも関係なく“やってしまった”という事はあるのだと思います。
お怪我をされてからの行動がさすがで、ご生還できて本当に良かったです。
コメント、ありがとうございます。
>その後いかがですか。
まだ靭帯などがダメみたいで完全には曲がらない状態ですが、ここ数日で胡坐がかけるようになりました。早い段階から一方向には動かせたので、ウォーキング → ランニングとリハビリに励んでまして、前後左右の動きも出来るようになってきたので2週間前から(ボクシングの)ジムワークも再開しました
>アルパイン、沢をやっていれば、そのリスクは登山道を歩く比ではなく、
>どんな上手い方でも関係なく“やってしまった”という事はあるのだと思います。
そうですね。特に沢は最もリスクが高いと思います。(ちょっと落ちて肩を亜脱臼したことはありますが)私は初めて大きな怪我をしてしまいました。
>お怪我をされてからの行動がさすがで、
そんなこともないです。慌てていて水を汲み忘れてましたし・・・
とにかく谷底から這い上がって登山道に出るまでは必死でした。やはり気が張っていたようで酷い痛みを感じることもなく歩けたのですが、気が付くと顔の左半分は血がたくさん付いていたし、右足の膝から下はズボンが血に染まってました。歩いて負荷をかけた状態では、膝の穴からは数時間経っても血がたらたらと出てました
でも今考えても、「あとちょっとで下山出来た」「何で冷静に対処できなかった?」と後悔しています
>ご生還できて本当に良かったです。
ありがとうございます。FEELさんも気を付けて怪我無く、山を楽しんで下さいね。
私も常に最大限の警戒心を持って山には行っていた時の頃を思い出して、気を付けて楽しみます
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