白水山ー飛行機山ー天子ヶ岳ー長者ヶ岳ー毛無山縦走
- GPS
- 32:00
- 距離
- 37.5km
- 登り
- 3,348m
- 下り
- 3,214m
コースタイム
2日目:長者ヶ岳(4:25)-湧水峠(5:40)-熊森山(6:25)-雪見岳(7:15)-地蔵峠(7:55)-毛無山(9:00-9:10)-登山口(10:50)-下部温泉会館(12:45-13:35)-下部温泉駅(13:45)
天候 | 1日目:曇り後雨 2日目:曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:JR下部温泉駅 |
感想
白水山から天子ヶ岳に抜けるルートは、山梨の山岳会が歩いた記録を雑誌で見たことがある。大変なヤブ漕ぎという内容だったと思う。
このルートを歩いた記録はあまり見つからない。ヤマレコでは、araigengaさんの記録(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-33354.html)が1件あるだけだ。
この方は、いとも簡単に1日で白糸の滝〜天子ヶ岳〜白水山〜十島駅まで歩いているが、私の技術と体力では、とても1日で歩く自信がない。ということで、テントを持って2日で歩く計画を立てた。水も入手できるか分からないので、8L担ぐことにした。
■1日目
十島駅で下車して、地形図に書かれた破線ルートを探す。しばらくうろうろとしたが、よく分からず、畑仕事をしていたおじいさんに道を聞くと、とても親切に教えて頂いた。
駅の北に見える寺の右隣に民家が1件あり、その右側に通っている道を登っていくらしい。実際に行ってみると、舗装道路の先に幅1.5mほどの山道があった。意外なほど立派な道に、気を良くして登っていく。
地形図では、△488に向かう尾根に破線はなく、右側を巻いていくように道が描かれている。その方角には、幅4mほどの、砂利が敷かれた林道が延びていた。この林道は地図にはないが、この道で△488の先まで行けるのかもしれない。体力の消費を抑える為にも、林道を進んでみる。
しかし、数百メートルほど進むと、林道は大きく左に急旋回して南向きになり、行き止まりになっている。そこから北に向かう踏み跡を探すが見つからず、結局、斜面を登って、尾根に乗ることにする。倒木だらけの斜面を強引に登り、何とか尾根に乗ると、そこに踏み跡があった。楽をしようとしたばかりに無駄に体力を使ってしまう。
その先も、倒木だらけで歩きづらい。濡れた倒木に足を乗せてしまい、転倒したりと、△488に到着した時点でかなり疲れてしまった。
その先も、しばらく歩き辛い道が続くが、東西からの道が合流してからは、道が良くなった。右手に沢が流れているのを眺めながら、しばらく登っていくと、白水山の山頂に着いた。
樹林帯の中の展望のない山頂で、三角点とベンチ代わりの丸太があるだけだ。この先は、藪こぎで濡れるだろうから、昼食を取りながら、雨具とスパッツを身に着ける。
北側に伸びる道もはっきりしている。下り始めと途中右に大きく曲がるところが、少し分かりづらい。
下り終えたところが石神峠で、林道が通っている。この先からが、とても心配なルートだ。どれだけ藪が濃いのか、踏み跡はあるのか、よく分からない。
石垣を登り、小さな祠の横を通り抜けて尾根に取り付く。入口は薮っぽいものの、中に入ってみると、意外と薮は全くない。薄いながらも踏み跡もあり、なかなか歩きやすい。少し気が楽になる。
尾根を登っていくと、すぐ先の茂みから一頭の鹿が逃げていった。私と5mくらいの距離になるまで逃げなかったので、珍しいなと思って見てみると、まだ何かがいる。これは、生まれたばかりの子鹿だ。ぷるぷると足を震わせて立ち上がったものの、立つのが精一杯という感じで、まだ歩くことはできないようだ。つぶらな瞳で私を見ている。しばらく眺めていたかったが、母鹿が心配するだろうし、すぐにその場を離れた。
そこから10分ほど登っていくと、今度は大きなイノシシ2頭に遭遇する。これはまずいと思ったが何もすることもできず、ただ見ていると、一瞬こちらに向かってきそうな素振りが見えた。身の危険を感じるも、すぐに向きを変えて薮の中に消えていってくれた。その2頭の後ろをぞろぞろと、5匹の子供のイノシシが後を追っていく。こちらは体長30cmくらいでとてもかわいらしい。
どうも、この尾根は人が入ることが少ないため、動物が普通に生活しているようだ。熊鈴を持っていないので、時々、声を出しながら進む。
△730の手前、少し草が増えて歩きづらいところがあったが、予想以上にスムースに山頂に到着した。眺めはなく、杉林の中に三角点がぽつんとあるだけだ。山名プレートが木にくくりつけられているが、朽ち欠けていて、文字が判別できない。(おそらくaraigengaさんの記録の「飛行機山」と書かれたプレートと思われる)
しばらく休憩した後に、北に向かって降りていく。ここから薮が出てきた。高さ2mほどの笹薮がしばらく続く。峠に下りるまでの数百mくらいの区間、ヤブが続いたが、踏み跡があるため道を失うことはない。笹を掻き分けながら、滑りやすい道を降りて行き、峠に着いた。
この峠からは、地形図には東に西沢、西に下野への破線が書かれている。西沢への道ははっきりしていて、下野の道も不明瞭ながら確認できた。
新緑に囲まれて、涼しい風に吹かれながら休憩する。一番心配していた区間を過ぎて、少しほっとした。
ここからは、薮は全くなくなる。尾根には、薄いながらも踏み跡が続き、赤ペンキ、赤テープ、境界見出票も所々にあるので、問題ない。尾根を忠実に登って行く。先日の台風の影響か、新緑の大量の葉がそこら中に落ちている。
急な登りで、足がつってしまった。今日はまだ10kmほどしか歩いていないというのに、足がつるというのは、やはり普通の登山道より負担が大きいのかもしれない。
△897で休憩する。このルートは三角点が多くて、位置を確認するのに助かる。ここから北北西に延びる尾根に引き込まれそうになるが、地形図で確認して、北東に向きを変える。ガスが濃くなってきて、視界が利かない。
ここからは防火帯のような感じで、幅2m程の草が刈られている所を歩く。あまり踏まれていない柔らかい土を踏んで行く。刈り払われていなければ、笹薮が酷い所もありそうだ。昔のすごいヤブ漕ぎの記録も、この辺りのことかもしれないが、今は快適に歩ける。白ペンキなどもあり、地形図を確認して歩けば、迷うこともない。
しかし、かなり疲れが酷くなってきた。なだらかになる部分は、どこでもテントが張れそうな感じで、もう、今日はここに泊まろうかと思ってしまう。
日も長いことだし、なんとか天子ヶ岳までは頑張ろうと休みながら登って行くと、雨が降り出した。今日は、晴れのはずだったのだが、結局、青空は1回も拝めず。
天子ヶ岳の稜線に出る手前の急坂が辛かった。あまり踏まれていない斜面は、土が崩れて登り辛い。それでも、少しずつ登って行くと、登山道に飛び出した。なんと良い道だろうか。
道が良くなると、急に元気が出てきて、天子ヶ岳にテントを張るのは止めて、予定通り長者ヶ岳まで行くことにする。
長者ヶ岳で、雨に降られながらテントを張る。今日は、大分疲れた。ドロドロになった靴と雨具を脱いで、テントの中に逃げ込んだ。
雨は夜通し降り続け、夜半には大降りになった。この雨の中、あの生まれたばかりの子鹿は、大丈夫だろうか。
■2日目
朝、目が覚めても、まだ雨が降っている。寝坊してゆっくり出かけようかとも思ったが、少しずつ降りが弱まっているので、予定通り4:30に出発することにする。山頂から富士山の腰の部分だけが見えた。
今日は、以前に歩いたことがあるルートで、毛無山まで縦走して下山するだけだ。
長者ヶ岳〜地蔵峠までの道は、私の持っている登山地図では破線になっていて、熟達者と同行のこと、と注意書きまであるが、それは以前の話で、今は実線でも全く問題ないくらい整備されている。
2年前に歩いた時よりも、更に道が整備されていて歩きやすい。雨も上がって、明るくなってきた。周りは新緑に溢れていて、空気が濃い感じ。熊森山、雪見岳、金山と懐かしい山を通って、地蔵峠に着いた。
毛無山までの登りは、荷物が軽くなったお陰か、それほど苦にならない。淡々と登って行くと、懐かしい山頂に着いた。ここは2年程前に、初めてテント場以外で泊まった記憶のある思い出の場所だ。テントの中でシュラフにくるまって長い時間、富士山を眺めたのを思い出す。今日はガスが濃くて、残念ながら富士が見えない。
しばらく休憩してから、下部方面に降りることにした。途中、甲斐金山の跡などを見ながら、延々と下って行くと、登山口に降り立った。家から担いでいった水は2Lほど余った。それで靴の泥を洗い流してから、下部温泉へと向かった。
風情のある温泉街を歩くのも楽しい。下部温泉では、町営の格安温泉に浸かって疲れを取ることができた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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今週はやはり、天気が不安定でしたね、私もテント持って行こうと思いましたが、場所が決まらなかったので、日帰りにしました しかし、3週間休んでしまったので、それでも登りがきつかったです
私が歩いたのは、下り方向で楽をしてしまいました。水8L担いでとは びっくり!ザックは25Kgくらいになったのでしょうか?お疲れ様でした
araigengaさん、こんばんは。今回も記録、参考にさせて頂きました。
今回は、araigengaさんの記録だけが頼りの状態でしたので、ほんと助かりました。誰にも出会わず、静かな山行になりました。
荷物は重かった(それでも20kg位のはず)ですが、どこでも泊まれるので、気持ち的には楽だったと思います。
水は、西沢ー下野の峠付近でも入手できそうでしたので、家から持って行く必要はなかったかもしれません。
天気が予報と違って、少し悪かったですが、梅雨時ですから仕方がないですね。
私は2週間ぶりの山行でしたが、翌日、筋肉痛が酷かったです。
araigengaさんは、またマイナーな山に登られたようですね。奥武蔵方面は、まだ登っていない山だらけなので、参考にさせてもらいます。
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