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Yamareco

記録ID: 2035894
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
尾瀬・奥利根

鬼怒沼から尾瀬沼へ 台風真っただ中でよく晴れた

2019年09月22日(日) ~ 2019年09月24日(火)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
50.7km
登り
3,049m
下り
2,522m

コースタイム

1日目
山行
5:15
休憩
0:25
合計
5:40
10:30
180
13:30
13:35
15
13:50
14:10
35
14:45
85
16:10
小松湿原
2日目
山行
8:30
休憩
2:50
合計
11:20
6:20
70
小松湿原
7:30
7:45
195
11:00
40
11:40
14:10
95
15:45
15:50
110
3日目
山行
5:40
休憩
1:45
合計
7:25
5:00
120
7:00
20
7:20
7:50
10
8:00
8:10
115
天候 22日 晴れのち曇り 夜豪雨
23日 曇りのち晴れ 烈風吹き荒れる
24日 晴れのち雨
過去天気図(気象庁) 2019年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
[入山]JR沼田駅からバスで大清水へ
[下山]沼山峠からバスで野岩鉄道 会津高原尾瀬口駅へ
コース状況/
危険箇所等
危険個所は特になし。
小松湿原は湧き水があり、すぐ横にテントが張れるスペースがあり快適。MAX3張は大丈夫。湧き水をすくうにはコップなどが必要。とてもおいしい。
その他周辺情報 会津高原尾瀬口駅そばに夢の湯あり。500円。肌がすべすべになる良い温泉。
大清水。初めて来た。
2019年09月22日 10:28撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
9/22 10:28
大清水。初めて来た。
物見山へのルートは古い鉱山道だそう。
2019年09月22日 10:59撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 10:59
物見山へのルートは古い鉱山道だそう。
こんな小滝もあった。登山道はもちろん巻いている。
2019年09月22日 11:13撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 11:13
こんな小滝もあった。登山道はもちろん巻いている。
沢を離れて尾根へ取り付く。結構なヤセ尾根で驚く。
2019年09月22日 11:25撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
4
9/22 11:25
沢を離れて尾根へ取り付く。結構なヤセ尾根で驚く。
意外と急。
2019年09月22日 11:28撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 11:28
意外と急。
見事な柱状節理。
2019年09月22日 11:56撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
4
9/22 11:56
見事な柱状節理。
景色が広がってきた。物見山はもうすぐ。
2019年09月22日 11:59撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 11:59
景色が広がってきた。物見山はもうすぐ。
物見山山頂。看板も何もない。
2019年09月22日 13:31撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 13:31
物見山山頂。看板も何もない。
鬼怒沼。3連休だというのに誰もおらず。
2019年09月22日 13:55撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
4
9/22 13:55
鬼怒沼。3連休だというのに誰もおらず。
天気はまあまあよく時々陽もさします。
2019年09月22日 13:57撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
3
9/22 13:57
天気はまあまあよく時々陽もさします。
何故か1輪だけチングルマ。生き遅れた可哀想なやつ。
2019年09月22日 14:06撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
2
9/22 14:06
何故か1輪だけチングルマ。生き遅れた可哀想なやつ。
鬼怒沼山。静寂に包まれている。
2019年09月22日 14:45撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
3
9/22 14:45
鬼怒沼山。静寂に包まれている。
群馬栃木県境を行く。ルートはヤブっぽくなるが、進むに躊躇するほどでもない。
2019年09月22日 15:39撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 15:39
群馬栃木県境を行く。ルートはヤブっぽくなるが、進むに躊躇するほどでもない。
本日のお宿の小松湿原。
2019年09月22日 16:58撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
5
9/22 16:58
本日のお宿の小松湿原。
ここはとても美味しい湧き水が出ています。良い森。
2019年09月22日 17:01撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/22 17:01
ここはとても美味しい湧き水が出ています。良い森。
サバカレーは山で食うのに最高だ。
2019年09月22日 17:41撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
2
9/22 17:41
サバカレーは山で食うのに最高だ。
翌日。黒岩山。群馬栃木福島のミクニポイントです(正確にはほんの少し外れてますが)。
2019年09月23日 07:31撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 7:31
翌日。黒岩山。群馬栃木福島のミクニポイントです(正確にはほんの少し外れてますが)。
後ろからおじさんが一人来ました。なかなか来れるところではありませんので相当なマニアックな方かと。
2019年09月23日 07:34撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
3
9/23 7:34
後ろからおじさんが一人来ました。なかなか来れるところではありませんので相当なマニアックな方かと。
今日は台風通過中のため立ってられないほど風が強い。でも天気は悪くないです。
2019年09月23日 07:35撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 7:35
今日は台風通過中のため立ってられないほど風が強い。でも天気は悪くないです。
この区間は看板は2つくらいしかありません。
2019年09月23日 09:51撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 9:51
この区間は看板は2つくらいしかありません。
赤安清水の鞍部もとても快適な幕場です。ただこちらは少し下らないと水は出ていないようです。
2019年09月23日 09:52撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 9:52
赤安清水の鞍部もとても快適な幕場です。ただこちらは少し下らないと水は出ていないようです。
電発碑。昭和34年建立とのこと。
2019年09月23日 10:43撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 10:43
電発碑。昭和34年建立とのこと。
尾瀬の縁をバカでかい送電線が…
電源地帯なので致し方ないかもしれません。
2019年09月23日 10:43撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
9/23 10:43
尾瀬の縁をバカでかい送電線が…
電源地帯なので致し方ないかもしれません。
小淵沢田代。ミニ湿原ですが気持ちの良い場所でした。
2019年09月23日 11:05撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 11:05
小淵沢田代。ミニ湿原ですが気持ちの良い場所でした。
ついたぜ尾瀬沼。
2019年09月23日 14:30撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
2
9/23 14:30
ついたぜ尾瀬沼。
時間もあるので尾瀬ヶ原まで下ってみよう。燧は明日にする。
2019年09月23日 14:51撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 14:51
時間もあるので尾瀬ヶ原まで下ってみよう。燧は明日にする。
イイネ。
2019年09月23日 14:53撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 14:53
イイネ。
天気もかなり良くなってきた。
2019年09月23日 14:54撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 14:54
天気もかなり良くなってきた。
見晴らしについた。風が激烈に強い。奥は景鶴山と与作岳。登ったのはもう8年くらい前か。
2019年09月23日 15:51撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 15:51
見晴らしについた。風が激烈に強い。奥は景鶴山と与作岳。登ったのはもう8年くらい前か。
見晴の民宿群。燧ヶ岳も完全に晴れた。
2019年09月23日 15:51撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 15:51
見晴の民宿群。燧ヶ岳も完全に晴れた。
至仏山は逆光。
2019年09月23日 15:52撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/23 15:52
至仏山は逆光。
尾瀬沼まで戻った。大した距離じゃないがもう疲れて登りはつらい。
2019年09月23日 16:59撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 16:59
尾瀬沼まで戻った。大した距離じゃないがもう疲れて登りはつらい。
黄金色。
2019年09月23日 17:02撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 17:02
黄金色。
日没の尾瀬沼。
2019年09月23日 17:08撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 17:08
日没の尾瀬沼。
明日も天気が良いといいけど…
2019年09月23日 17:34撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 17:34
明日も天気が良いといいけど…
日が沈みます。
2019年09月23日 17:35撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/23 17:35
日が沈みます。
清水もつカレーも美味かった。米も2日ともうまく炊けたし今回食事は全て大当たり。
2019年09月23日 18:10撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
3
9/23 18:10
清水もつカレーも美味かった。米も2日ともうまく炊けたし今回食事は全て大当たり。
翌日。燧ヶ岳山頂。霧雨の中登ってきたが頂上で晴れた!
2019年09月24日 07:21撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 7:21
翌日。燧ヶ岳山頂。霧雨の中登ってきたが頂上で晴れた!
ミニ虹も出た。
2019年09月24日 07:43撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/24 7:43
ミニ虹も出た。
大雲海。
2019年09月24日 07:47撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/24 7:47
大雲海。
ブロッケンも出たんですがうまく撮れなかった。
2019年09月24日 08:04撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 8:04
ブロッケンも出たんですがうまく撮れなかった。
雲の下に尾瀬沼。
2019年09月24日 08:06撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 8:06
雲の下に尾瀬沼。
遠くのボコッとした山は日光白根山か。
2019年09月24日 08:07撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
2
9/24 8:07
遠くのボコッとした山は日光白根山か。
いやはや絶景かな。
2019年09月24日 08:07撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 8:07
いやはや絶景かな。
柴安くらと俎くら。燧も双耳峰なのだ。
2019年09月24日 08:18撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 8:18
柴安くらと俎くら。燧も双耳峰なのだ。
尾瀬沼アップ。
2019年09月24日 08:29撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/24 8:29
尾瀬沼アップ。
輝くダケカンバ。
2019年09月24日 09:10撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/24 9:10
輝くダケカンバ。
尾瀬沼一周します。
2019年09月24日 09:51撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
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9/24 9:51
尾瀬沼一周します。
燧。尾瀬ヶ原から見るほうがサマになるかな。
2019年09月24日 09:54撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 9:54
燧。尾瀬ヶ原から見るほうがサマになるかな。
秋の花リンドウは結構あった。
2019年09月24日 11:36撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 11:36
秋の花リンドウは結構あった。
無事沼山峠へ下山。あんなにいい天気だったのに最後の最後で雨になりました。
2019年09月24日 12:27撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
9/24 12:27
無事沼山峠へ下山。あんなにいい天気だったのに最後の最後で雨になりました。
バスで2時間もかかって会津高原尾瀬口駅に来ました。駅のそばの夢の湯の効能。ホントかしら…
2019年09月24日 15:26撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 15:26
バスで2時間もかかって会津高原尾瀬口駅に来ました。駅のそばの夢の湯の効能。ホントかしら…
怪しげな効能はともかく、ここのお湯は本当にいいです。肌のスベスベ感が翌日まで持続しました。
2019年09月24日 15:40撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 15:40
怪しげな効能はともかく、ここのお湯は本当にいいです。肌のスベスベ感が翌日まで持続しました。
駅の食堂の蕎麦はイマイチだった。腹減ってたからうまかったけど。
2019年09月24日 15:50撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
1
9/24 15:50
駅の食堂の蕎麦はイマイチだった。腹減ってたからうまかったけど。
ここから小田原までまだまだ遠い…
2019年09月24日 16:07撮影 by  COOLPIX AW130, NIKON
2
9/24 16:07
ここから小田原までまだまだ遠い…
撮影機器:

感想

連休は北アルプスに行く予定だったが、台風襲来の影響で雨も降るし、激烈な風で岩稜地帯の縦走はかなり不安な天気だった。全国の天気予報を見ると天気が一番マシなのは関東で、かつ尾瀬が地形的に一番安全そうだと、直前で計画を変更した。昨年日光の山を登った時に気になっていた鬼怒沼から尾瀬沼の道をたどってみることにした。この区間は尾瀬の中ではかなりマイナーなヤブルートだが、登山道はかろうじてあるようだ。そして何より湧き水のある小松湿原に幕営するのが楽しみであった。天気だけが心配だったが、期待感をもって出発した。

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9/22(日) 一日目: 晴れのち曇り: 大清水〜小松湿原
 今回は車は使わずすべて公共交通での移動である。大清水は三連休にもかかわらずそれほど混雑はしていない。登山届を出して鬼怒沼への道をたどる。途中の渡渉は問題なかったが、豪雨の時は厳しいかもしれない。物見山までの尾根は思いのほか急で細い。縦走装備の初日としてはかなりつらく、息も絶え絶えだった。
 鬼怒沼はだれもおらず静寂そのもの。小さな湿原だがとてもきれいで花の時期は最高だろう。鬼怒沼山のピークもヤブ山らしくて気に入った。鬼怒沼山を過ぎると道ははっきりしなくなってくるが、ヤブに慣れている私にとってはまだまだ国道並みの良い道だ。途中、ツェルトを張って食事の準備をしている単独行のおじさんに遭遇。平らな森でなかなか快適な場所だ。しかし私は水が無いので小松湿原まで進むしかない。
 小松湿原は北西向きの緩い傾斜地で、小さな看板があって水も流れておりすぐにわかった。ただ水量はかなり少なく、湧き口の真下の水たまりからコップですくわねばならない。でも冷たくてすごくうまい水だった。流れのすぐ横に一張だけ幕営スペースがあり、その少し奥にあと二張くらい張れる広いスペースもあった。
 この日の午後は雨になるとの予報だったが、最後まで降らずにラッキーだった。しかし食事をして就寝してしばらくするととてつもない豪雨になった。木から垂れる雨だれがすごく、途中で何度も目が覚めた。

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9/23(月) 二日目: 曇りのち晴れ 風激烈: 小松湿原〜尾瀬沼
 台風の影響で夜半から風も酷くなり、夜はあまり寝られなかった。幸い豪雨は朝にはほぼ止んだが、テントは浸水し、寝袋も着替えもすべて濡れてしまった。幸い今日は気温が高く、あまり影響はなさそうだ。今日は後半の天気が良いとのことなので、寝坊して少しのんびり出発する。
 黒岩山の分岐で昨日の単独行のおじさんに追いついた。先に進ませてもらう。黒岩山まではずいぶんヤブが深かったが下道はハッキリしていた。山頂は意外にもとても眺めがよかった。とんでもない強風で、台風が近づいていることが実感できたが、天気はまずまずよく、陽も差していた。残念ながら燧ケ岳は雲に隠れていて拝めなかった。
 分岐からは尾瀬沼に向けてヤブ道を進むが、倒木が多い以外はそれほど苦労はなかった。途中の小淵沢田代は鬼怒沼と同じで雰囲気の良い小ぎれいな湿原だった。尾瀬沼に近づくにつれ道はどんどん良くなり、やがて尾瀬沼ヒュッテのキャンプ場が現れた。無事に人里についてほっとした。
 尾瀬沼ヒュッテのキャンプ場は予約が必要だとのことだったが、今日は平日だし飛込でも大丈夫だろう。聞いてみると張っても良いとのことだった(800円)。しかしここはキャパがはっきりしていて平日でも予約は必要なので、次回からは必ず予約してくださいねとくぎを刺された。
 テントを張ってもまだ1時過ぎ。しかし天気は悪くなっており、時折小雨も降るようになってきた。明日は本降りの雨の可能性があるので、今日燧ケ岳に登ってしまおうと思っていたが、どうにもモチベーションが上がらない。無理やり登るのは楽しむ登山では本末転倒なので、燧は明日に回し、今日は尾瀬ヶ原を見物に行くことにした。
 幸い天気は良くなり、みるみるうちに晴れて素晴らしい光景になってきた。尾瀬ヶ原は花もすべて終わり、かといって紅葉にはまだ早く、とても中途半端な季節。それもあってか、見晴の山小屋も混雑はそれほどでもないようだった。台風の影響もちょうどMAXで、激烈な風が吹き渡っていた。しかしこの雰囲気の尾瀬は自分は嫌いではない。兵どもが夢のあと、だ。
 日没後暗くなり始めたころ無事に尾瀬沼に戻ってこの長い一日を終えた。夜寝るとき、あまりの満天の星に驚いた。月が昇るのが遅いためだろう。天の川まで見える。これなら明日も天気は期待できるかも、と思ったら夜半過ぎからまた雨になった。ふて寝するしかなかった。

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9/24(火) 三日目: 晴れのち雨: 尾瀬沼〜燧ケ岳〜尾瀬沼〜沼山峠
 最終日、私はまだ燧に登ったことが無かったので、多少の雨でも今日は燧までは行こうと決めていた。そうはいっても朝起きてまだ霧雨がしとしと降り続いているのを確認し、やはり落胆は隠せなかった。
 上下カッパで身を包み、ヘッドライトを付けて出発する。長英新道に入って15分も登ると明るくなり、霧が深いものの上空は晴れていることが分かった。こうなるとテンションが上がってくる。登れば登るほどみるみる天候は回復し、ついに頂上で雲の上に突き抜けたのだった。なんとドラマティックな登山だろうか。過去にも同じようなことは何回かあったが、せいぜい数年に1度程度だろう。貴重な機会であることは疑いない。小さな虹もかかりブロッケンも現れた。雲海の上に日光白根や遠くに北アルプスや富士山まで見え、興奮を抑えきれなかった。
 下りはナデッ窪を降りたが、このコースは急で岩が滑りやすく、注意が要った。山頂まで誰にも会わなかったが、さすがに下から登山者もちらほら登ってきた。みな満面の笑みで「今日は晴れてよかったですね〜」とあいさつを交わした。無事沼尻まで下山し、尾瀬沼を1周してからキャンプまで戻った。
 昼のラーメンを作ってからテントを撤収し、沼山峠へ。一気に雲がわき、あんなに良かった天気はどこへやら。沼山峠に着く15分ほど前についに雨が降り出した。おまけにいきなり土砂降り。たまらず走るように駆け下りた。

---
 こうして尾瀬の楽しい縦走を終えた。この連休の北アルプスをとても楽しみにしていたのだが、静寂の尾瀬もまた格別で、尾瀬の山域の良さを見直す結果になった。そして、まさか台風中にこれほど晴れるとは思わず、うれしい誤算だった。またいつかこの辺の山にテントを持って出かけたい。

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