鬼怒沼から尾瀬沼へ 台風真っただ中でよく晴れた
- GPS
- 56:00
- 距離
- 50.7km
- 登り
- 3,049m
- 下り
- 2,522m
コースタイム
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 5:40
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 2:50
- 合計
- 11:20
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 7:25
天候 | 22日 晴れのち曇り 夜豪雨 23日 曇りのち晴れ 烈風吹き荒れる 24日 晴れのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
[下山]沼山峠からバスで野岩鉄道 会津高原尾瀬口駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所は特になし。 小松湿原は湧き水があり、すぐ横にテントが張れるスペースがあり快適。MAX3張は大丈夫。湧き水をすくうにはコップなどが必要。とてもおいしい。 |
その他周辺情報 | 会津高原尾瀬口駅そばに夢の湯あり。500円。肌がすべすべになる良い温泉。 |
写真
感想
連休は北アルプスに行く予定だったが、台風襲来の影響で雨も降るし、激烈な風で岩稜地帯の縦走はかなり不安な天気だった。全国の天気予報を見ると天気が一番マシなのは関東で、かつ尾瀬が地形的に一番安全そうだと、直前で計画を変更した。昨年日光の山を登った時に気になっていた鬼怒沼から尾瀬沼の道をたどってみることにした。この区間は尾瀬の中ではかなりマイナーなヤブルートだが、登山道はかろうじてあるようだ。そして何より湧き水のある小松湿原に幕営するのが楽しみであった。天気だけが心配だったが、期待感をもって出発した。
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9/22(日) 一日目: 晴れのち曇り: 大清水〜小松湿原
今回は車は使わずすべて公共交通での移動である。大清水は三連休にもかかわらずそれほど混雑はしていない。登山届を出して鬼怒沼への道をたどる。途中の渡渉は問題なかったが、豪雨の時は厳しいかもしれない。物見山までの尾根は思いのほか急で細い。縦走装備の初日としてはかなりつらく、息も絶え絶えだった。
鬼怒沼はだれもおらず静寂そのもの。小さな湿原だがとてもきれいで花の時期は最高だろう。鬼怒沼山のピークもヤブ山らしくて気に入った。鬼怒沼山を過ぎると道ははっきりしなくなってくるが、ヤブに慣れている私にとってはまだまだ国道並みの良い道だ。途中、ツェルトを張って食事の準備をしている単独行のおじさんに遭遇。平らな森でなかなか快適な場所だ。しかし私は水が無いので小松湿原まで進むしかない。
小松湿原は北西向きの緩い傾斜地で、小さな看板があって水も流れておりすぐにわかった。ただ水量はかなり少なく、湧き口の真下の水たまりからコップですくわねばならない。でも冷たくてすごくうまい水だった。流れのすぐ横に一張だけ幕営スペースがあり、その少し奥にあと二張くらい張れる広いスペースもあった。
この日の午後は雨になるとの予報だったが、最後まで降らずにラッキーだった。しかし食事をして就寝してしばらくするととてつもない豪雨になった。木から垂れる雨だれがすごく、途中で何度も目が覚めた。
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9/23(月) 二日目: 曇りのち晴れ 風激烈: 小松湿原〜尾瀬沼
台風の影響で夜半から風も酷くなり、夜はあまり寝られなかった。幸い豪雨は朝にはほぼ止んだが、テントは浸水し、寝袋も着替えもすべて濡れてしまった。幸い今日は気温が高く、あまり影響はなさそうだ。今日は後半の天気が良いとのことなので、寝坊して少しのんびり出発する。
黒岩山の分岐で昨日の単独行のおじさんに追いついた。先に進ませてもらう。黒岩山まではずいぶんヤブが深かったが下道はハッキリしていた。山頂は意外にもとても眺めがよかった。とんでもない強風で、台風が近づいていることが実感できたが、天気はまずまずよく、陽も差していた。残念ながら燧ケ岳は雲に隠れていて拝めなかった。
分岐からは尾瀬沼に向けてヤブ道を進むが、倒木が多い以外はそれほど苦労はなかった。途中の小淵沢田代は鬼怒沼と同じで雰囲気の良い小ぎれいな湿原だった。尾瀬沼に近づくにつれ道はどんどん良くなり、やがて尾瀬沼ヒュッテのキャンプ場が現れた。無事に人里についてほっとした。
尾瀬沼ヒュッテのキャンプ場は予約が必要だとのことだったが、今日は平日だし飛込でも大丈夫だろう。聞いてみると張っても良いとのことだった(800円)。しかしここはキャパがはっきりしていて平日でも予約は必要なので、次回からは必ず予約してくださいねとくぎを刺された。
テントを張ってもまだ1時過ぎ。しかし天気は悪くなっており、時折小雨も降るようになってきた。明日は本降りの雨の可能性があるので、今日燧ケ岳に登ってしまおうと思っていたが、どうにもモチベーションが上がらない。無理やり登るのは楽しむ登山では本末転倒なので、燧は明日に回し、今日は尾瀬ヶ原を見物に行くことにした。
幸い天気は良くなり、みるみるうちに晴れて素晴らしい光景になってきた。尾瀬ヶ原は花もすべて終わり、かといって紅葉にはまだ早く、とても中途半端な季節。それもあってか、見晴の山小屋も混雑はそれほどでもないようだった。台風の影響もちょうどMAXで、激烈な風が吹き渡っていた。しかしこの雰囲気の尾瀬は自分は嫌いではない。兵どもが夢のあと、だ。
日没後暗くなり始めたころ無事に尾瀬沼に戻ってこの長い一日を終えた。夜寝るとき、あまりの満天の星に驚いた。月が昇るのが遅いためだろう。天の川まで見える。これなら明日も天気は期待できるかも、と思ったら夜半過ぎからまた雨になった。ふて寝するしかなかった。
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9/24(火) 三日目: 晴れのち雨: 尾瀬沼〜燧ケ岳〜尾瀬沼〜沼山峠
最終日、私はまだ燧に登ったことが無かったので、多少の雨でも今日は燧までは行こうと決めていた。そうはいっても朝起きてまだ霧雨がしとしと降り続いているのを確認し、やはり落胆は隠せなかった。
上下カッパで身を包み、ヘッドライトを付けて出発する。長英新道に入って15分も登ると明るくなり、霧が深いものの上空は晴れていることが分かった。こうなるとテンションが上がってくる。登れば登るほどみるみる天候は回復し、ついに頂上で雲の上に突き抜けたのだった。なんとドラマティックな登山だろうか。過去にも同じようなことは何回かあったが、せいぜい数年に1度程度だろう。貴重な機会であることは疑いない。小さな虹もかかりブロッケンも現れた。雲海の上に日光白根や遠くに北アルプスや富士山まで見え、興奮を抑えきれなかった。
下りはナデッ窪を降りたが、このコースは急で岩が滑りやすく、注意が要った。山頂まで誰にも会わなかったが、さすがに下から登山者もちらほら登ってきた。みな満面の笑みで「今日は晴れてよかったですね〜」とあいさつを交わした。無事沼尻まで下山し、尾瀬沼を1周してからキャンプまで戻った。
昼のラーメンを作ってからテントを撤収し、沼山峠へ。一気に雲がわき、あんなに良かった天気はどこへやら。沼山峠に着く15分ほど前についに雨が降り出した。おまけにいきなり土砂降り。たまらず走るように駆け下りた。
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こうして尾瀬の楽しい縦走を終えた。この連休の北アルプスをとても楽しみにしていたのだが、静寂の尾瀬もまた格別で、尾瀬の山域の良さを見直す結果になった。そして、まさか台風中にこれほど晴れるとは思わず、うれしい誤算だった。またいつかこの辺の山にテントを持って出かけたい。
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