《筑摩山地》西条宿-中ノ峠-乱橋宿-立峠-虚空蔵山-会田宿・城攻め山行
- GPS
- 04:58
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 772m
- 下り
- 812m
コースタイム
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り 四賀支所前16:40-松本駅15:30 520圓 |
コース状況/ 危険箇所等 |
西条駅から旧善光寺街道沿いに尾根道辿る。史跡もあり。立峠への石畳は健在。虚空蔵山の登山道、地形図には無いが明瞭にあり整備もされている。虚空蔵中腹の中世城郭群も道あり。 |
その他周辺情報 | 松本行きのバスは16:40 と19:00 |
写真
装備
個人装備 |
地下足袋+脚絆
焚き火セット
ノコギリ
弁当
水筒
軍手
ラテルネ
地図磁石
防寒具
雨具
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共同装備 |
ツエルト
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感想
松本と長野盆地をつなぐメインルートは、鉄道のなかった日露戦争の頃まで、この山間地の善光寺街道だった。千年以上も。鉄道も自動車道路も別のラインなので、この徒歩専用道路は保存されている。山間の宿場は半分以上が空き家だが、往時の雰囲気を少しだけのこしている。10年前ならもう少し住人がいたかも。
黄葉の山道、誰にも合わずに盆地、峠、盆地、峠、山城、盆地と辿った。
おにぎり一個持って家を出たのが優柔不断な午前10時半。11時の長野行き列車、安曇野からトンネルくぐって出た、松本から3つ目の駅が西条の盆地だ。ここも元宿場町。自動車道路を早々に外れて、旧街道の尾根道に。ここら辺は地形図見てのカンだが図星だ。道祖神、塚、峠の茶屋跡。
中ノ峠という小さい峠を超えると、乱橋の盆地を見下ろす素敵な場所だ。1903年の篠ノ井線鉄道開通後は、乱橋の人たちはこの峠を超えて西条の駅に行ったのだろう。そして遠くから帰ってきたらここから故郷が見える。この松の下で見送ったり、見納めしたりした所。
乱橋も古い宿場の名残がある。が、今やあまり人の気配がない。坂を降りて盆地を横切り、また登っていく。街道の風情を少しだけ残している。登るにつれ、どんどん北の巨大山彙、聖山が後ろの北の空に見えてきた。ここから会田宿へ抜ける立峠には、江戸時代に地元の普請で作った石畳がまだ生きている。松本、長野間の交通はほぼここだけだったのだから往来も多かったと思う。松尾芭蕉に限らず、19世紀までに西国から善光寺に行った人はほぼ全員ここを通った。
峠は広く茶屋があったという。この稜線を東へ行くと唐鳥屋城址(からとりや)だが、きょうは時間が無い。峠から降りると分岐がある。西が旧来の峠道、東が花川原峠の車道へ降りる道のようだ。西へ行けばよかったが東を行った。舗装道路が多くてつまらない。
虚空蔵山の西尾根への取り付きは、地形図には描いていないが明瞭だ。送電塔のあるコルめがけて道がある。虚空蔵山の西尾根は、千m前後から郭や物見ポイントなどが現れ、南北は切れ落ちていて、稜線の幅も狭い。メインの山城だった中ノ陣城や秋吉砦は南支尾根の中腹の平坦地の数カ所にある。山頂稜線は狭いから見張り台規模だったのだろう。でも山頂の台座感はなかなかのもの。松の大木などもあり、会田盆地が見渡せる。堀切も確認できる。
岩屋神社へ下る南面の下降路で下る。地下足袋の足ぞこに、人の来ない山特有の柔らかい土や落ち葉が気持ち良い。全く人に会わない。神社はきれいに整っていた。削りやすい砂岩のようだ。自動車道に出て、西に歩くと、秋吉砦や中ノ陣城への道や案内板がささやかに充実している。発掘調査は平成24年、看板設置はここ数年のようで、ありがたいことだ。現地に縄張り図や案内書きがあるのは素晴らしい。これがないと、見えていても目に見えないものばかりだから。秋吉砦でもっと時間をかけたかった。中ノ陣城は、大きな土塁で仕切られた曲輪だった。ここが本丸かな。松本の小笠原貞慶に滅ぼされたか。
会田宿への下り道も、両側に旅籠風の家が立ち並ぶ、結構な傾斜の坂だ。電柱と送電線が無く、会田盆地への下りがまっすぐ見えて気持ち良い。これは取り払ったのだろうか。商店などは締めた所も多いが、まだ空き家は少なそうだ。それでも下校の子どもたちが元気に挨拶してくれた。支所前に発車5分前の路線バスがいた。下校中学生と一緒に出発。あと3時間早く家を出れば、もうひとつ刈谷原峠を越えて、歩いて松本の自宅まで帰れたか。でも朝はみんなとご飯食べて、のんびりお茶を飲んでから支度したかった。
歩くことで、筑北の峠と盆地の距離感を身につけた。秋の真黄色のなか、誰にも会わず満喫した。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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Yoneyamaさん、こんにちは。いつも山行記録を興味深く読ませてもらってます。
こういう里山歩き、楽しそうですね。
私も若い頃は、北アルプスや百名山ばかりに目がいってましたが、最近は、こういう里山歩きの楽しさが少しずつわかって来ました。
今回の里山歩きの記録は、岡田喜秋 氏の紀行文を読んでいるようでした。
信州は歴史ある道が多くて、うらやましいです。
感想ありがとうございます。
岡田喜秋氏、著書名をざっと読むだけでも、心惹かれる感じですね。旧制松本高校の出身なのですね。読んでみます。
こういう感じの登り方はやっぱり50歳前くらいからだったでしょうか。車で行っちゃうのがもったいなくて。とはいえ鉄道の近く、バス路線の近くがやはり計画立てやすいです。
最近、有明山や聖山に登りに来ていたのですね。どちらも地味だけど、心惹かれる山でした。
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