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Yamareco

記録ID: 21319
全員に公開
沢登り
槍・穂高・乗鞍

笠ヶ岳(2898m)・双六谷、打込谷

1999年08月29日(日) ~ 1999年08月31日(火)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
22.0km
登り
2,004m
下り
1,882m

コースタイム

8月29日名古屋(7:00)→松本(9:00)→新穂高温泉(12:00)→金木戸川林道ゲート(14:00)→小倉谷出会い(16:00)
8月30日小倉谷出会いC1(6:00)→打ち込み出会い(8:00)→標高2000mC2(14:00)
8月31日C2(6:30)→笠ヶ岳山荘(9:30~10:00)→笠ヶ岳往復→小屋(11:00)→新穂高温泉(1 6:00)→平湯温泉→松本
アクセス
コース状況/
危険箇所等
金木戸川→双六川→打込谷→笠ヶ岳→夏道→新穂高温泉

名古屋に引っ越して初めての山登り、双六川打込谷を遡行する。穂高連峰とは蒲田川を挟んで対峙する笠ヶ岳はなかなかついでに登れなく、だからこそ価値ある独立峰。三日の日程を裂いて一番楽しそうな打込谷からのルートに決めた。

名古屋からの北ア西面のアプローチは意外と遠い。高山経由で新穂高温泉に入ったのでは貴重な時間が移動でつぶれてしまう。結局中央西線で松本に行き、安房トンネルをくぐるのが早い。これでも東京からより1時間短いのだから近くなってはいるのだ。名古屋から向かう松本への車窓は木曽谷が実に新鮮。

金木戸川林道は好意的なタクシー運転手が鎖まで明けてくれて進んだが、結局発電所手前のトンネルの前までで、新穂高温泉から1万円。林道をひたすら歩き、良い天気。最奥のダム工事現場を過ぎると、踏み後程度になり、小松沢の出会いが樹間から見える川原に泊まるのに良さそうなところがある。流木も多いので、豪勢に焚き火。久しぶりだなこんな焚き火は。名取さんがでかいイワナを3匹釣ってきた。塩焼きにして、回鍋肉風煮込みを作って、夜空を楽しみゆっくり食べる。話をして、うとうとして、12時にまでなってしまった。もう夏も終わりか、シュラフカバー無くしては寒い。

翌朝はそのまま右岸の踏み後を進むと、釣り橋。つられて渡り、しばらく山の斜面を登るがどうも違うと気付き。引き返し、サワシューズを履く。程なく打ち込み谷出会い。小滝、大滝、ナメ、淵が次々現れるが、楽しく愉快に超えられるものばかり。空は光った青色。奥深い山特有の綺麗な水だ。昼頃、まだまだ針葉樹を交えた混交林のあたりで、名取さんが釣りを試みる。いくつも滝を超えてきたから、やっぱりいなかったようだ。その間、僕は昼寝。日陰で寝ていたのに太陽が動いて、まぶしくなって起きた。午後はやはり明るく開けた沢床を登っていく。時折源流の笠ヶ岳や折戸山の稜線が、遠い針葉樹を前景に姿を見せる。牧歌的な雰囲気の沢だ。なかなか高度を上げず、ゆっくりと上昇して行く。

標高2000mあたりで、テントが張れそうな高台の草地を見つけたのでそこで今夜は泊まることにする。魚はやっぱりいなかったけど、薪は適当にあった。今夜も焚き火。ソーセージをあぶって、皮を破裂させて食べる。ぽたぽた落ちる油がぱっと燃え、明るく照明する。

翌朝は2500m以上のあたりにガスがまとわりついている。でも一滴も降らなかったことに感謝。焚き火を片づけて出発。ナメ滝を進んで、どんどん源流の趣。30分ほどのヤブこぎをして、北西尾根の2500m あたりに出る。踏み後の付いた稜線をたどり、肩の小屋の後ろに出る。小屋はピカピカ。去年建て替えたとのこと。作業服姿なので、小屋の人に、工事の人ですか?と間違えられ苦笑する。ビールを買って、山頂へ、ガスで何も見えないけれど、初めてのピークはうれしいものだ。山頂でガスが晴れるのをうとうとして待つが、見込みがないので下る。下山路は標高差1500m、5時間の長ーい道だが、カール状の地形を横切り、向かいの穂高連峰の西面がずっと見えるし、なかなか良いルートだった。登り8時間にとっても飽きないかもしれない。笠東面の穴毛谷は谷川一ノ倉なみのバリエーション。岳沢のように急上昇する沢どこは壮観なのだが、堰堤が十個位挟まっていて、今もいくつか建設中。土石流常習地帯とはいえまったくがっかりな風景、言葉も無い。

帰りの林道で脇の石垣の隙間からは地底の地下水の涼しい風が吹いてきた。どのくらい深いところから吹くのか、不思議な深い穴だ。脇のコケをひとつかみむしってきた。平たい鉢に砂を敷いて、そこで育てている。

感想

金木戸川→双六川→打込谷→笠ヶ岳→夏道→新穂高温泉

名古屋に引っ越して初めての山登り、双六川打込谷を遡行する。穂高連峰とは蒲田川を挟んで対峙する笠ヶ岳はなかなかついでに登れなく、だからこそ価値ある独立峰。三日の日程を裂いて一番楽しそうな打込谷からのルートに決めた。

名古屋からの北ア西面のアプローチは意外と遠い。高山経由で新穂高温泉に入ったのでは貴重な時間が移動でつぶれてしまう。結局中央西線で松本に行き、安房トンネルをくぐるのが早い。これでも東京からより1時間短いのだから近くなってはいるのだ。名古屋から向かう松本への車窓は木曽谷が実に新鮮。

金木戸川林道は好意的なタクシー運転手が鎖まで明けてくれて進んだが、結局発電所手前のトンネルの前までで、新穂高温泉から1万円。林道をひたすら歩き、良い天気。最奥のダム工事現場を過ぎると、踏み後程度になり、小松沢の出会いが樹間から見える川原に泊まるのに良さそうなところがある。流木も多いので、豪勢に焚き火。久しぶりだなこんな焚き火は。名取さんがでかいイワナを3匹釣ってきた。塩焼きにして、回鍋肉風煮込みを作って、夜空を楽しみゆっくり食べる。話をして、うとうとして、12時にまでなってしまった。もう夏も終わりか、シュラフカバー無くしては寒い。

翌朝はそのまま右岸の踏み後を進むと、釣り橋。つられて渡り、しばらく山の斜面を登るがどうも違うと気付き。引き返し、サワシューズを履く。程なく打ち込み谷出会い。小滝、大滝、ナメ、淵が次々現れるが、楽しく愉快に超えられるものばかり。空は光った青色。奥深い山特有の綺麗な水だ。昼頃、まだまだ針葉樹を交えた混交林のあたりで、名取さんが釣りを試みる。いくつも滝を超えてきたから、やっぱりいなかったようだ。その間、僕は昼寝。日陰で寝ていたのに太陽が動いて、まぶしくなって起きた。午後はやはり明るく開けた沢床を登っていく。時折源流の笠ヶ岳や折戸山の稜線が、遠い針葉樹を前景に姿を見せる。牧歌的な雰囲気の沢だ。なかなか高度を上げず、ゆっくりと上昇して行く。

標高2000mあたりで、テントが張れそうな高台の草地を見つけたのでそこで今夜は泊まることにする。魚はやっぱりいなかったけど、薪は適当にあった。今夜も焚き火。ソーセージをあぶって、皮を破裂させて食べる。ぽたぽた落ちる油がぱっと燃え、明るく照明する。

翌朝は2500m以上のあたりにガスがまとわりついている。でも一滴も降らなかったことに感謝。焚き火を片づけて出発。ナメ滝を進んで、どんどん源流の趣。30分ほどのヤブこぎをして、北西尾根の2500m あたりに出る。踏み後の付いた稜線をたどり、肩の小屋の後ろに出る。小屋はピカピカ。去年建て替えたとのこと。作業服姿なので、小屋の人に、工事の人ですか?と間違えられ苦笑する。ビールを買って、山頂へ、ガスで何も見えないけれど、初めてのピークはうれしいものだ。山頂でガスが晴れるのをうとうとして待つが、見込みがないので下る。下山路は標高差1500m、5時間の長ーい道だが、カール状の地形を横切り、向かいの穂高連峰の西面がずっと見えるし、なかなか良いルートだった。登り8時間にとっても飽きないかもしれない。笠東面の穴毛谷は谷川一ノ倉なみのバリエーション。岳沢のように急上昇する沢どこは壮観なのだが、堰堤が十個位挟まっていて、今もいくつか建設中。土石流常習地帯とはいえまったくがっかりな風景、言葉も無い。

帰りの林道で脇の石垣の隙間からは地底の地下水の涼しい風が吹いてきた。どのくらい深いところから吹くのか、不思議な深い穴だ。脇のコケをひとつかみむしってきた。平たい鉢に砂を敷いて、そこで育てている。

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