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Yamareco

記録ID: 21595
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山滑走
妙高・戸隠・雨飾

妙高山(頚城三部作プロローグ)

2006年12月31日(日) ~ 2007年01月01日(月)
 - 拍手
GPS
09:56
距離
5.7km
登り
862m
下り
858m

コースタイム

5:34第三リフト上B.C.−6:46赤倉山西峰−7:57大正池付近−8:42標高2200m付近−9:52妙高山肩−11:37北峰−11:55南峰−13:15カルデラ(鞍部)−14:40赤倉山西峰−15:30第三リフト上B.C.−16:30WWV山小屋
天候 晴のち曇
過去天気図(気象庁) 2006年12月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
妙高本山からカルデラ内部はかなりの急坂。
山行当日は、藪と新雪でかなり歩き辛かった。
初詣目当てで無いならば、この時期のスキー山行は早すぎる。
2007年03月27日 17:43撮影 by  PENTAX Optio W10, PENTAX Corporation
3/27 17:43
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2007年03月27日 17:43撮影 by  PENTAX Optio W10, PENTAX Corporation
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感想

12/31
 14:30頃WWV山小屋出発。第3リフトの上からシールを付けて入山する。第2リフト周辺は曇っていたが、この辺りまで上がってくると青空が広がり、黒姫、高妻方面の展望が開ける。前方にトレースがあったので有り難く使わせてもらい、10分程歩いた場所で幕営。トレースは沢を越えて三田原方面に行くものと、赤倉方面までいくものがあり、明日の早朝も外輪までは楽に行けそうだ。

夕焼けに黄昏れた後、17時頃夕飯。明日の行動に備えて18時頃には皆早々にシュラフに潜り込む。テントの外は、月齢十一程度の明るい月に照らされ、非常に明るい。猛々しい妙高山の外輪がくっきりと闇夜に浮かび上がっている。なかなか寝つけないので、ラジオで紅白を聞いたりしながら侘びしく年越し。某先生の人生相談を聞きながら、悶々とした新年を迎える。

1/1
 3:30起床。朝飯のキムチスープが濃すぎて、寧ろ甘さを感じる。
 5:34ベースキャンプ発。前夜泊のアドバンテージは4時間と言ったところだが、無事に妙高山の山頂にたどり着けるのだろうか。まずはサクサクとトレースを辿り、外輪へと向かう。所々硫黄臭いのが気になるが、この辺りでの硫化水素の発生は無いだろう。赤倉山西峰からやや西に派生した尾根にルートを取り、急斜面を時にはつぼ足になりながら登る。市街地に巨大な矢印マークの照明があるのが少し気になる。

 6:35外輪着。視界に雄々しい妙高山の姿が飛び込んでくる。毎度登っている2300m西側コルから見た姿とはまた違い、幾分シャープな印象を受ける。さて、ここからカルデラに向かって降りなければならないのだが、急斜面と猛烈なブッシュが行く手を阻む。とりあえずトレース通り東へ向かうことにするが、トレースはそこから急に下って赤倉山を経由し、第3リフトに戻るコースを取っているようだ。スキー場のパトロール関係の人達なのかもしれない。

 6:50西峰で御来光タイム。志賀高原の向こうから、初日の出が神々しい姿で顔を出す。南北アルプス、八ヶ岳、富士山まで展望バッチリ。2007年、幸先の良い新年である。

 7:10初日の出を堪能した後、西峰の西側シュートからカルデラへ向かうことに決める。ブッシュを抜けると幾分視界が開け、斜面は急だが十分滑降して降りれるような斜面になる。
 カルデラへ降りた後は、妙高山を右目に時計回りに進んで、大倉乗越からの登山道を目指す。カルデラ内は、左側を切り立った外輪山、右側を岩々した妙高山に挟まれ、両サイドからプレッシャーを感じながらも、一息付けるような優しい雪原が広がる。全体的な印象としては黒姫山と似たような感じだが、外輪山が高い分、こちらのほうが迫力がある。

 7:57大正池手前で一本。外輪からカルデラへ降りるルートは、場所によっては中腹で巨岩が飛び出していて危険だが、2300m西側コルからは比較的安全に降りれそうな印象だ。ここからトラバース気味に妙高山へ向かって標高を上げていく。9時頃に標高2200m辺りで登山道と合流するが、一部が分かるだけで、それと分かるものはほとんどない。シール歩行だと、ブッシュや急斜面で高度を稼げないのだが、シートラだと深雪に捕らわれて1mも進まないので、仕方なくシール歩行を続ける。ブッシュ・深雪・急斜面のハマリコンボに悪戦苦闘しながら、徐々に高度を上げて行く。

 10:30妙高山の肩に到着。上越から日本海、そして純白の火打山と焼岳、北東を見れば飯豊・朝日の白き峰々と、急激に展望が広がる。登りの開放感からか、暫し撮影に勤しむが、本当の山頂までは、もう少し尾根上を進まなければならない様だ。北峰手前は部分的に細くなっており、緊張させられるポイント。すぐ左下に火口の様な真っ白な雪原を見ながら、シートラで息を切らして進む。

 11:37突如眼前に雪原が広がり、妙高山山頂(北峰)に到着。標識の前で記念写真を撮って、続く最高峰の南峰へ向かう。

 12:00妙高山最高峰(南峰)に到着。ここからの景色は流石に圧巻。360° 日本海と甲信越地方が広がる。足下は黒い巨岩が転がり、妙高大神の像が霊験灼かな気分を盛り上げる。充実感に浸りたいところだが、目の廻りそうな高度感と、屏風のように聳え立つカルデラ壁が、帰路を不安にさせる。新春の初詣を済まして、いよいよ下山開始。当初は往路を戻る予定であったが、行けそうだったので南側斜面滑降に挑戦することにする。

 まずは南峰西側に広がる雪原からアプローチ。急斜面をトラばりながら妙高南斜面を目指す。カール状の地形に出たので滑降開始。モナカ状の雪が重いため、斜滑降で刻みながら降りる。徐々に東側へ進路を取り、最終的に妙高山南南東の比較的開けた斜面を滑降する。相変わらず雪が重く、とっても嫌な感じである。白ウサギが脱兎の如く、眼前を走り去っていく。妙高山はウサギの足跡をよく見かけるが、いったい何羽生息しているのだろうか。騙し騙し高度を下げて行き、13:15カルデラで一本。

 ここからシールを貼り直し、外輪山への登り返し。しかしまたしてもブッシュ、深雪、急斜面に阻まれ大苦戦。行きはよいよい帰りはなんとやら。南地獄谷からなかなか這い出せずにもがく。駄目な方のシートラ(シールトラブル)は、繰り返さないようにしましょう・・・。最後は、スキー板を担ぎ上げ、14:40外輪着。達成感と安堵で、しばし感慨に耽る。妙高山を見ると自分達の滑降トレースが、恰もエキストリームな滑りを楽しんだかのように刻まれており、苦笑いしながら暫し眺める。

 15:30ベースキャンプ着。撤収して第3リフト上へ向かう。営業を終了したスキー上を全装滑降してWWV山小屋へ。怪しい雪だるまと、皆の温かい出迎えに迎えられ、正月山行も無事に終了。新年を迎えるに相応しいワンダリングを、成功させることができて良かった。

 最後に調査ワンダリングとしての結論を載せねばならないのだが、残念ながら春合宿で目指すには、少し難易度が高いように感じられる。もう少し雪が積もれば、ブッシュが消えて歩きやすくはなるのだろうが、悪条件での急斜面を確実に登り降りできる技術の習得が不可欠であり、現状成功パターンのイメージが難しい。しかしながら、技術・体力・気象条件が良ければ、比較的危険度は少ない部類の山なので、機会があれば是非という事で報告を終了させて頂きたい。

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