伊那の山里と仙丈ヶ岳をつなぐ地蔵尾根、積雪期下見を兼ねて。


- GPS
- 32:00
- 距離
- 23.0km
- 登り
- 2,409m
- 下り
- 2,409m
コースタイム
10:31柏木登山口→14:23松峰避難小屋
二日目
4:34松峰小屋→9:12仙丈が岳9:45→14:25柏木登山口
天候 | 一日目 晴れ→曇り→雷→雷雨 二日目 晴れ→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
国道で、唯一の未開通路線で有名な、152号線を利用しました。 登山口である柏木地区に入ると、登山口駐車場への丁寧な案内板があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
破線コースですが、登山口から頂上までピンクテープが随所にあります。 踏み跡は一部、薄いところがありますが、とくに問題なし。 なぜ破線なのか、ちょっと疑問に思いました。 <松峰避難小屋の水場> 避難小屋の南面にある沢を、下っていきます。今回は小屋から100m下で細い水を確認しました。 時期によっては、相当下らなければいけないケースも考えられます。 tomo1839さんの連続の地蔵尾根のレコを参考にさせていただきました。 大変有益でした。ありがとうございました。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-211454.html |
写真
安全祈願の奥(lon)。
オヤザル ガ、ウタレマシタ。
コザルガ、タスケヨウ ト オモッテ、
ロ デ テ ヲ アブッテ、オヤザル ノ
キズグチ ヲ アタタメテ ヰマス。
踏み跡なしですので、足元には十分な注意が必要です。
私は、脚を置いた苔がすべて剥がれ、左ひざを痛打しました。「痛ー!」
感想
<妄想がふくらむ、積雪期地蔵尾根>
黒戸尾根→甲斐駒→北沢峠→仙丈→地蔵尾根。
南アの積雪期、東西縦走。
12月下旬から1月上旬の積雪量の少ない時期、GWの時期なら挑戦できるかもしれない、あくまで私の素人判断ですが。
うーん、妄想が、、、、、、、。
先週末、本当は伊吹山にユウスゲの観賞に行くつもりだったのですが、ニュースで「東名下り線渋滞40km」...。
そうか〜。世の中お盆休みの大移動なのね。
ということで、家でダラダラ。
次の週はちょっとチャレンジングな山行を考えていたので、今週末は軽めでも歩いておきたいところ。
ということで、高速を使わずに登山口までいける本山行と相成りました。
【シダの海を泳ぎ、コケの絨毯を踏みしめて】
地蔵尾根からの仙丈ケ岳のルートは「山と高原地図」では破線ルート。
登山口からの標高差は約2000m。往復16時間程の行程。
歩きだしたら仙丈小屋まで営業小屋はなく、水場も松峰小屋の下の沢のみ。
ということで、いささか緊張気味のスタートだった訳ですが、歩きだしてみれば
「なーんだ。とっても歩きやすい」
マーク(ピンクテープ)も適宜ありますし、トラバースにしても「落ちたら死んじゃうかも!?」という
恐怖感を感じるところもない。
基本尾根道なので迷うところもない...。
個人的にはここが破線ルートなら、南ア(特に南部)のルートはほとんど破線になるんじゃないか?
と、思ったほどです。
登山口から松峰小屋まではほんとうに緩やかに伸びる森のトレイルです。
特に松峰一帯のシダの森は素晴らしかった。
広々とした尾根を覆い尽くすシダの森は、まるで海のよう。
そう、シダの大海を漂っている気分です。
松峰小屋は長谷村営で、だいぶ古びていますが、しっかりとした建物でした。
壁の羽目板のそこかしこに隙間が伺え、冬は隙間風に悩まされそうですが、耐えられない程ではないかな、と。
小屋にトイレはありませんが、用を足す際に使えるようスコップが常備されていました。
残念なのは、だいぶ古びた焼き肉のたれのビンや、空のガス缶等が置き去りにされていたこと...。
今回はそのままで小屋を後にしましたが、再訪の折にはこれらのゴミは荷下げしたいと思っています。
松峰小屋から上は、だんだんコケの森へとその表情を変えていきます。
この、まるで手入れの行き届いたサッカー場の芝生かのようなコケの絨毯は、目にも眩しいほど。
急登と緩やかな登りを繰り返し、やっとのことで森林限界を越えれば、伊那山地の美しい山並み、
中央アルプスの山々が目に飛び込んできます。
この日は午前中の早いうちからガスが上がり、目指す仙丈ケ岳の傍らで女王を見守る貴公子(甲斐駒)の姿は
拝めませんでしたが、眺望が開けるまでにながーい時間を要することを考えますと、お天気に恵まれれば
その感動もひとしおかと想像します。
【全体の感想】
今回、主目的は積雪期の下見だったので、松峰小屋に泊まるプランを選択し、目的が達成されたので、まずはよし。
実現可能かどうかは私自身の体力の向上と時期の見極めだろうというのが結論です。
最近、蝙蝠尾根を筆頭に森を歩くことに縁があるワタシ。
個人的な印象ですが、同じくシダやコケの生い茂る森でも、蝙蝠尾根はもっと凝縮され、妖艶なカンジ。
翻って地蔵尾根は、伸びやかで開放的、おおらかな林相が印象に残りました。
これは、5月に陣馬形山でキャンプして、戸倉山を歩いた時のことをまざまざと思い出させ、
お山というのは、麓と隔離されそこに突然高くそびえたつものではなく、麓の里山から確かに続いているんだな、
と強く感じた次第です。
また、登山口の駐車場は、山好きの個人の方が、同じく山好きで地蔵尾根を歩く人の為に、
地主の方から「借地して」駐車場として整備していることを知りました。
つまり、「山が好き」というだけで「他人のために」私財を投じて下さる方が存在するのです。
素晴らしい眺望の陣馬形山のキャンプ場を無料で開放している中川村といい、たぶん地元長谷村の方だと思われる
この「山好き」な方といい、伊那のお山と中央・南アルプスに囲まれた豊かな風土が、
そこに生きる人の気質を、ながーい年月を経て育んできたのあろうということを、
ながーく、地味だけれども穏やかで美しい森を歩きつつ、シミジミと感じた山歩き。
まだ是非再訪したい。
伊那の人と山の素晴らしさを十二分に感じた二日間でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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また渋い所ですね。
私も狙ってるのですが、なかなか良さそうなコース取りが出来なくて・・・。
お二人ともスッテンコロリンですか
奇遇ですね、私も19日は岩の苔で派手に滑って、
香港映画のわざとらしいリアクションのような
変な大声を出してしまって恥ずかしかったです。
(前後に誰もいなくて助かった
夏の疲れが溜まってくる頃だと思います。
お気をつけください
行政の類が認定している道が実線で,非認定の道は,どれだけよくとも破線だそうです。
この前、陣馬形山、戸倉山にお邪魔して、「伊那っていい谷ー。」
の延長戦ですかね。何といっても浜松のお隣、天竜川の恵みを受けた地域ですから。
今回は、日本最高の難路である国道152号を突っ走りました。
破線ルートの登山道よりよっぽど危険でしたよ。
kohi-さんのレコもたのしみだなぁ。
コメントありがとうございます。
えっ、そうなんですか?
地図の執筆者が判断しているのかと、思ってました。
私的には、地蔵尾根は実線、国道152号線は破線でしょうか。
またマジでジミ〜なルートを歩かれましたね、
それも積雪期の下見だなんってゾクッとするような前置きで・・・。
計画書に載ったら知らん顔して登山口で待ち構えてたりして
雪の時は山頂まで3日目で行けるのかなぁ〜?
かなりの装備が必要でしょうね、きっと。
ワカンよりスノーシューの方が絶対に良さそうですね。
山頂での写真、説明がなければ山ガとしか見えません。
lon様の赤ポッケ付山スカでしたか、まだ直接拝見したことがなかったので。
JPさん、LONさん、こんばんは。
滑ったとか、スッテンコロリとか出てきました
けど、気をつけてくださいね。
41の写真むくんでますね。
私も高所はむくみます。
Lon様の後姿・・・・
酔いがさめてから改めて
まあ確かに地味なルートなんですが、北沢峠から仙丈とは、またちがった魅力のあるルートだと感じました。
まだ先の話ですが、登山口で待ち伏せなどどおっしゃらず、是非CLとしてご参加くださいませ
もう少し秋が深まってきたら、もう一度歩いておこうかな、と思っています。
山スカね、「ババァがはいてんじゃねえよ
(面と向かって言われたことはないけど
夏山シーズンには合理的で便利ですよ
今シーズンはご一緒できなさそうなので、来シーズンお目にかけましょう
ご心配頂き、恐縮です。
あ
すぐ後ろの夫の「止まれーっっ」と叫ぶ声が聞こえ、
ほんとに一瞬ですが、自分が転がる斜面の傾斜を見て、
「そんなに下まで行かないな」と思ったら、一回転で止まりました。
ハイマツさんと己のクッションのよさの相乗効果
でも、気をつけます。
夫のデカイ顔ね、むくんでるんじゃないんですよ
解説するならば、態度のデカさが顔に現れてるんですな、はっはっは
こんばんは。
最近、気になっていた地蔵尾根。
バリエ−ションのイメ−ジをもっていましたが・・・。
ル−トは明瞭のようですね。
何とか日帰りで行けそうな感じでしょうか。
積雪期はどんな感じになるんですかね〜。
甲斐駒〜仙丈縦走、面白そうです。
お正月の縦走候補に入れてみようかな。
19日は北岳にいました。
仙丈はガスのなか。残念。
ricalojpさん、ricalonさん、お疲れさまでした。
1日目の天気を見て、アゴが落ちました。
そうかと思えば、まさかの転倒。大事無いようでなによりです。
tomo1839さんのレコも拝見しましたが、いい道なんですね。
テープや道標もあれば道迷いの心配は無さそうですね。(雪の中、よく迷う私)
私も来月行ってきます
あと、jpさんの妄想に
表記した今回のコースタイムですが、
二日目の<4:34松峰小屋→9:12仙丈が岳山口>が、長時間の休憩しまくり、だらだら登山でした。
頂上で、「こりゃいかん、お風呂にも入りたいし」
と下りは飛ばしました。
<仙丈が岳9:45→14:25柏木登山口>(4時間40分)
たぶん、内の奥(lon)の足でも、まじめに普通に歩けば往復で12時間以内ってイメージです。
siriusさんなら、たぶんゆとりで10時間か11時間ぐらいで可能かと。
積雪期に厳しそうなのは、2736ピーク手前のダケカンバ帯の急登だと感じました。
ただ、標高2000m超での行動が長いので、2月〜4月上旬
北岳でしたか、私たちも頂上直下でガスに見舞われ、甲斐駒も見えずでした。
残念!
一日目は、雷雨を予想していましたし、松峰小屋も下見したかったので。
雷鳴は鳴ってましたが、深い樹林帯でしたし小屋に着くまでは雨も降らずで幸いでした。
「妄想」
noborundaさんあたりも、興味あるみたいですし。
メンバーがそろうと、「妄想」が現実になったりして。
実は、積雪期の甲斐駒、仙丈は登ったことないんです、なぜかいつも計画倒れ。
最近レコ大杉で、やっとココまで辿り着きました
情報量S以外はスキップしないと先に進みません
気になっていた地蔵尾根、興味深く拝見しました
松峰小屋ですが、冬期ドアは開けられるのでしょうか。
雪に埋まるようなことはないでしょうか
お疲れ様でした
松峰小屋は、たぶん標高2000m。
大量に雪が降った時には、そこそこ埋まってるでしょうが、「凍ってはいない」印象です。
出入り口の脇に、奥はスコップと書いていますが、ドカタショベルが装備されていました。
私は、これで掘り起こせと理解した次第です。
うーん、「妄想」が膨らみますです、ハイ。
興味深いルートですね〜
人が少ないルートは好きなので、機会あればチャレンジしたいです^
18日は各地で雷雨でしたが被害は免れましたか。
それにしてもここのところは、南アルプス攻めてますね〜〜 自分は去年の甲斐駒大酒ツアー以来いってないです
悪沢、荒川いきたいです。。
本当のところは、長期に休みを取って「南ア全山縦走」って行きたいところなんですが、、、。
週末に一日+が限界かなぁ。
私は特に南アがってわけでもないのですが、奥がねー。
もっとも、南南アは人が少ないから、ハイシーズンはって意味でもあります。
北アでは、裏剣行きたいんですけどね、お許しが出るかどうか。
地蔵尾根は存在は知っていましたがどんなルートか全く知りませんでした。
破線とはいえちゃんと道があるなんて意外です
地図や本だけでは判断できないものですね。
19日は仙塩尾根を見ながらご夫妻がいるかな〜?と三伏山から眺めてましたよ
massy
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