【第二次三鎮作戦・その弐】船形山(御所山)・蛇ヶ岳・三峰山(坊主岳)【宮城編】
- GPS
- 07:37
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,499m
- 下り
- 1,490m
コースタイム
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 所々藪が生い茂って歩きにくい。沢沿いは滑らないように。 早朝、旗坂登山口付近、クマ大型一頭。 登山ポスト: 駐車場にある。 |
写真
感想
東北鎮行・第二弾。前年に引き続き、東北・宮城の大地の鎮まりたまわんことと、災歿者の御霊の安らかならんことを祈る。
宮城については、ずっと栗駒山で考えていたのだが、直前になって思うところがあり船形山に登拝することとした。
岩手から仙台に南下し、車を調達して旗坂へ向かう。夜中の交通量の多い道路を走るのは怖くて仕方がない。しかも、よそ者でカーナビがいかれているときたらなおさらだ。
国道を離れて落ち着くも、今度は霧が出てきた。集落のうちから所々霧が漂っていたが、山が近づくにつれ、霧が立ち込めてきた。道路にはローリング族(共同危険型暴走族)の付けたと思われる黒いタイヤ痕が無数にあり、行く先に変なのがいたらどうしようなどと不安の種が膨らむ一方だったが、タイヤ痕の方は旗坂に行く狭い道に入る前には無くなった。あとは霧が晴れるかどうかだ。
とりあえず、明日起きてから進退を見極めようと横になる。今回はそのまま、すぐに眠りに落ちていった。
宮城の山行は時間が十分あるので日の出後に歩き出すも可なりと日の出時刻辺りに起床することとしていた。実際目が覚めたのは4時過ぎだったが、ゆっくりと食事をとり、出発は5時過ぎとなった。
登山道に入って間もなく、まだ薄暗い木立の前の方から物音がする。何かと思ってみれば数十メートル先に黒い影。咄嗟に数メートル走って戻り、振り返って様子を伺う。その私がたてた物音に相手は驚き、私に対して垂直方向(真左)にダッシュして逃走。私が口笛を吹くとさらに速度を上げて山の中へ消えて行った。結構大きかった。
今回は相手が私を認知する前だったからよかったが、ついつい背を向けて走ってしまった。クマに最も接近した瞬間であり、相手の出方とそれへの対応が頭の中を駆け巡ったが、クマがこちらに向かってきたら非常に危なかっただろう。私が無事だったのは、たまたまクマが逃げてくれたからで、運が良かっただけのことである。こんなことでは北海道の山など到底歩けない。
升沢コースそのものは比較的歩きやすい道だったが、早朝で、笹薮が多く、静かなルートであることから、物音には神経過敏なほど集中して歩く。
三光宮での展望を楽しんだ後、大滝野営場を目指す。千本松を巻きながら急傾斜を下り、沢を渡るとすぐに大滝野営場に至る。ここでは人命水という水が豊富に湧き出ている。早朝のわりには結構汗をかいたので、ここで存分に水分を補給。
大滝からのルートは若干笹が多めになる。途中ある湯谷池や眺望所も笹に覆われてしまっている。また、標高1200m付近、一旦窪地のような空間に出て右側に直角に曲がる箇所があるのだが、その曲がった後、道がまっすぐに続いているのかと思いきや、途中で笹薮が生い茂って前へ進めない。トレースもないようだ。高い所に登ればよいのかなと思ったが、どうも違う。何回か往復してようやく行き止まりを少し戻った脇に登って行く道を見つける。足元だけ見て歩いているとこういうことになりがちだが、こういう場面に立ち会った時に「他にちゃんとした道があるかもしれない」とすぐに考える必要もあるだろう。
標高1350m辺りで心地よい風を感じる。好い天気で暑くなるかと心配していたが、これなら大丈夫だ。高度を上げるにつれ、だんだんと視界が開け、稜線に達する前から大雲海を目の当たりにする。標高1500mクラスでこのように綺麗な、凄い雲海を見られるのかと感激。
上空青く、一面に広がる白い海、稜線いよいよ意気軒昂。
山頂に到達し、360度の展望を満喫の後、主目的である地鎮と丙押E賈漫Φ楙襪梁臙歪辰泙蕕鵑海函⊃椋劼破瓦なった方々の御霊安らかならんことを深く祈念し、哀悼の誠を捧げる。
時間に余裕があるので三峰山まで足を伸ばしてみる。千畳敷分岐より稜線伝いに蛇ヶ岳、三峰山へアプローチできるが、入口からして道が笹で埋まっているので、一旦升沢小屋に降りて登り返すことにする。
この升沢小屋への下りは途中から沢にして道、道にして沢という状態になる。その沢がだんだんと大きくなるので足の置き場に注意しながら下りていく。この時間になるとぽつぽつと登ってくる人が出てきた。集団よりも単独が多い模様。
瓶石沢から一気に登り返すと、それほど時間のかかることなく草原の道に出る。空は雲が増えたようだが、道沿いの植物等に目が自然に行き、飽きがこない。
蛇ヶ岳に登頂。先ほどの船形山での状況とは打って変わって辺り一面白灰色の雲が広がっている。下山時にすれ違った方々は展望は得られなかっただろう。
三峰山へ向かうと、道はさらに藪状態。手で笹をかき分けながら進むと肌露出部分に何か所も切り傷ができてしまった。ようやくのことで三峰山に到達するも辺りの雲はさらに厚くなったようだ。ハイカーも長倉尾根から後白髪山へ向かったと思われる、やたらハイスピードで元気のありそうな男性1名のみ。
雨に降られるかもしれないので下山開始。瓶石沢から来た道を戻る。三光宮でも周囲の視界は真っ白に。光量の落ち着いた、静かな升沢コースを歩く。来た時にクマを近くで見ているだけに、どうしても慎重になる。静かすぎるほどに静か。辺りが笹で覆われて見えないだけに彼らがどこにいてもおかしくはない。
さらに下りていくと、距離はあるが、斜め後ろの方からパキパキ音がする。最後まで気が抜けないなと口笛を吹きながら、脚を速める。
その場はやり過ごしたが、しばらくして、すぐ後ろで木の枝をパキッと踏む音。飛び上がらんくらいに驚いて(びっくり声も出して)後ろを振り返ってみると人だった。胸を撫で下ろす。
いよいよ旗坂まであと少し、かつ、往路でクマを見かけた辺りに差しかかると、再度笹薮からガサガサと音がする。音のする辺りを注意深く見てみると、先ほどの人であった。何故かわからないが、九十九折りの登山道ではなく、笹の生い茂っている所を真っ直ぐに下ってくる。よほどショートカットがしたいのか、実は軍人なのかわからないが、非常に紛らわしい。まあ、無事帰れたから良しとしよう。
船形山から帰ってきた後は船形山神社に参詣する。旗坂駐車場から片道1劼舛腓辰函30分くらいである。この神社も船形山の山頂同様に私に深い感銘を与えた。船形山に行って船形山神社に行かないのは「もぐり」と言ってもよいかもしれない。
よほど宗教上・信仰上の理由でも無ければ、行ってみていただきたいと思う。
さて、今回は運良く山頂で晴天の下、地鎮と哀悼、弥栄を祈ることができた。まことに有難い極みである。また、私の上に光をもたらしたように、東北・宮城の大地にも光をもたらしていただきたい。
このように感謝と祈りの内に山域を辞したのであった。
〜第二次三鎮作戦・その参【福島編】に続く。〜
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