北八ヶ岳から赤岳


- GPS
- 27:45
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 1,803m
- 下り
- 2,770m
コースタイム
西天狗岳→東天狗岳15:45→夏沢峠16:50→17:10オーレン小屋
9/3 オーレン小屋03:45→夏沢峠04:15→05:00硫黄岳山頂05:20→硫黄岳小屋05:40
→横岳→赤岳展望山荘07:30→08:00赤岳08:20→牛首山10:35→賽の河原11:40
→美しの森登山口12:20→13:10清里駅
天候 | 曇り時々雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
赤牛岳を断念したかわりに、急遽、途切れている北八ヶ岳から清里に向けてつなぐことを思いつく。これも単独の利点だ。
ところが、信濃大町から松本に出たが、宿が取れない。夏も終わったこの時期に宿がいっばいなんて信じられなかったが、諏訪湖の花火大会があるのが理由らしい。いろいろと買い物に便利なので、松本に泊まりたかったが、仕方なく、茅野に移動。
明日の北岳ロープウェイのバスに乗る為には茅野の方が便利だ。唯、宿の数は圧倒的に少ない。
祈る思いで茅野に到着。幸い観光案内所で聞いたところ、ひとつだけ、空いているとのこと。やはり花火大会の為らしい。
ダブルのシングルユースの為、値段は非常に高いが茅野でダメなら、甲府迄行くしかなく、もはやかなり疲れきっていた為、ここに泊まることにした。
翌朝、バスに乗り込む。バス乗り場まで、徒歩5分という距離の為、ゆっくりでき、疲れも取れた。
バスの乗客はわずかで路線の廃止が心配。
バスが終点の北岳ロープウェイに近づくにしたがって、雲行きが怪しくなってきた。
続いて、北岳ロープウェイに乗り込む。一気に2400メートルまで、高度を稼ぐ作戦だ。ロープウェイ終点の山頂駅は完全に雲の中だった。
もはやいつ雨になってもおかしくない天気であり完全防水体制で出発。
今日は明日の行程を考えて楽チン登山とする。縞枯、茶臼はパスして、直接、麦草峠に向かう。
五辻、大石峠の道であったが、この道がいい道であった。北八ヶ岳は雨もいい。苔が雨に濡れて緑が鮮やかだ。緩やかなアップダウンを経て、麦草峠に到着。
麦草峠より国道を渡って再び登山道に入る。今度は忠実に稜線をたどる。相変わらず、北八ヶ岳らしい道が続く。でも水たまりが多いこと!まるで泥濘だ!それによく滑る。もくもくと歩き、展望のない丸山を通過。高見石小屋に出る。高見石という展望台があることを初めて知ったが、相変わらずの天気であり、先に進む。
高見石より中山を登りだすが、あっと思った時は遅かった。石に乗せた足が滑って、前につんのめるような形でこける。左膝を強打。わざわざ、痛めている膝をぶつけるなんて!
立ち上がってゆっくりと膝を動かしてみる。幸い打撲以外の痛みは無いようだ。でも、念のため、膝への負担を減らす為ゆっくりと歩くことにする。
しばらくすると前方が開けてきた。中山展望台というらしい。相変わらずの天気だが多少の展望もある。
さあ、此処で休憩と思ったが、団体さんがやってきてしまったので、早々に退散した。
中山展望台から中山山頂はすぐのところにあったが、あんまり地味なので気がつかずに通過。その後は非常に歩きやすい道で中山峠に到着した。
此処でゆっくり休むつもりだったが、雨が本降りになった為、やはり先を急ぐ。
此処からは天狗への登りとなる。岩を伝う道が多くのに、印が少なく、迷いそうになる。
天狗への登りだしで気になることがあった。休憩もろくにしていないので、ちゃんと地図を見きれてないが、東天狗と言う名前が気になる。「別に頂上があるの?」。果たして、地図をもう一度見ると、西天狗という名前と三角点が!しかも二百名山の文字が!
これは寄り道しなくてはならない。なんか急に楽しくなってきた。しかも、雨も上がりガスが切れるようになった。
正面にはそびえ立つ東天狗。そして右手には西天狗が見えた。西天狗は円錐形の綺麗な山だ。
なんとか東天狗を登り切る。すぐに荷物を降ろして西天狗に向かう。荷物がないとこんなに楽チンとは!
一気に西天狗を登り切る。東天狗や、ガスの切れ間から根石岳も見える。ゆっくりとしたかっが、今日の山小屋のことが気になり、先を急ぐことにする。実は今日は歩けるところまで歩きたく、山小屋を予約してない。今日はすいてはずだから、素泊まりだから大丈夫だと思うが…。
東天狗に戻って、根石岳に向かう。この辺は北八ヶ岳と言ってもずいぶんアルペン的な感じだ。
根石岳を越えたところに根石小屋がある。風呂ありの魅力的な小屋だ。最初はここに泊まるつもりだったが、まだ4時30分。もう少し、進みたい。後ちょっとで夏沢峠がある。夏沢峠には山小屋が2つもある。山彦山荘と夏沢ヒュッテである。2つもあるのだから、大丈夫と思い、風呂を捨てて夏沢峠に向かった。
峠への下りを快調に飛ばして、5時前に夏沢峠に到着。
ところが、小屋がシャッターで2つともしまっている。山彦山荘には本日休業の張り紙、夏沢ヒュッテに至っては何もなく唯閉まっている!!
茫然とした。避難小屋的な山小屋がしまっているなんて!
次の小屋は硫黄岳小屋で時間的に無理だ。このまま、ここで野宿はとても無理。しかも雨がまた降り出した。
一瞬、根石迄引き返すことも考えたが、小屋の張り紙を見るとオーレン小屋迄、15分とある。地図で見ると下ってしまうがしかたない。少しでも近い方がいい。トボトボとオーレン小屋に向かって歩き出した。
下りながら、「もしオーレンも休業中だったらどうしよう」という不安が心に過ぎる。「その場合は下山するしかない」とか考える。
やがて、オーレン小屋が見えて来た。シャッターが閉まっているのが見えて、「あぁ…」と思った瞬間、煙突からの煙が見えた。
オーレン小屋での一夜は非常に楽しく、まきストーブの前で、いろいろな話しを小屋のご主人から聞いた。更にその後、風呂まで入り、「山彦山荘が閉まっていて良かった」と勝手なことを思いながら、明日に備え完全一部屋独占で眠りについた。
朝3時過ぎに起きて出発の準備をする。部屋独占だから気兼ねなく、準備出来る。天気予報通り、今日はいい天気のようだ。
荷造りを終えて、オーレン小屋を後にする。当然、4時前なので、ライトをつけながら歩きだす。まず、夏沢峠迄登り返し、そこから硫黄岳へ登り出す。硫黄岳への登りは途中までの樹林帯を抜けるとガレ場となる。暗闇の中に遠く諏訪の街明かりが見える。とても綺麗だ。ふと近くを見ればオーレン小屋の明かりも見える。かなり登った実感がある。
登るに連れて、夜が白みだしてきた。硫黄岳山頂とご来光が時間の競争となってもきた。硫黄岳山頂に近づくにつれて爆裂火口が目に飛び込んできた。凄いの一言。どうやらご来光は間に合ったようだ。
ご来光と爆裂火口の絶景を堪能した後、硫黄岳を後にする。
赤岳から蓼科山まで見渡せる。今日は天気が良さそうだ。と思ったら、赤岳に傘雲が。やはり、小屋のご主人が言ったように天気はもって午前中か。
硫黄岳から横岳、そして赤岳天望荘迄は快適な縦走路に見える。これがとんでもない勘違いだった。
最初のうちは良かったが、横岳に近づくに連れて鎖と梯子と岩場の連続。登っては降りといった具合の繰り返しでとても快適といった感じではない。
かなり、コースタイム以上かかったが赤岳天望荘に着く。
疲れているが一気に赤岳に行こうと最後の登りに取り掛かる。
これまたとんでもない急な登りであった。最初はいいが最後の方は鎖を使って腕力で上がると言った感じだった。
赤岳は小さな双耳峰だった。約25年前に来たが全然記憶にない。
幸い、西側は雲が切れてきて、行者小屋からの凄い登りも見える。狭い山頂でしばし休憩。登りきった人達はみんな満足そうな顔。
さて、下山。ここからは真教寺尾根を下って行き、清里に出る予定。山頂では標識がなく、歩荷の人に聞いたりしたが、キレットへの道を進むと程なく分岐に出る。
さあ、後は下るだけと思ったが、またまたとんでもない道だった。
鎖の連続が続く。とてもじゃないけどストックが邪魔。ストックをザックにしまい、両手を使って降りる。自分なら絶対こんな道は登らないと思っていると下から登ってくる人がいたのには驚いた。
やっと鎖場が終わった頃はかなり膝も痛かった。
後は騙し騙し清里に向かったが、賽の河原からは熊笹の連続。今度は下が見えずに困った。
美しの森展望台から清里へ向かう。夏が終わった清里は淋しげな街だった。
これで自宅から新島々で繋がった。
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