ウェストンルートから悪沢岳
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 28.5km
- 登り
- 2,926m
- 下り
- 2,926m
コースタイム
9/17 荒川小屋5:35〜6:10大聖寺平〜8:25広河原小屋9:05〜11:50林道ゲート
天候 | 9/16 晴れ時々ガス 9/17 稜線:暴風雨、沢:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
赤石岳が本命でしたが、悪天候のため悪沢のみとなりました。ウェストン先生申し訳ありませんm(_ _)m 2日目は雨でしたが小渋川はこのところの少雨のせいか増水は全く無く、渡渉も全て膝下で全く問題なし。沢自体に悪場も無く、北海道・日高のような沢とピークを組み合わせた登山ができる。日本アルプスではここと赤木沢だけかも。赤石岳への最短コースでありながら十二分に楽しめる。 |
写真
感想
このところヤマレコ上で小渋川から赤石岳を目指す記録を目にすることが多く、このコースの人気の度合いが伺える。連休中天候はあまり良くないようだが、赤石は再登であり晴天ピークにこだわりはない。それよりも何よりも最近の少雨傾向は筋金入りのアバレ川な小渋川もさすがに去勢された状態であろう。1泊で悪沢と赤石を狙う欲深な行程で出かけることとした。伊那谷・大鹿村の小渋川林道ゲートについたのは夜中1時半。小田原から4時間半だった。
1日目:
林道ゲートは2つあるが左側のほうの山道を登ってゆくと30分くらいで七釜橋に出る。小渋川を左岸に渡ると河原の護岸ブロックがしばらく続くのでこれ沿いに行く。出発から1時間くらいで最初の渡渉。以後15回くらい渡渉の必要があるが、すべて膝下で問題なかった。ただし流れは強く足元が貧弱だと心もとない。沢登りスタイルが有利である。
広河原小屋は尾根の取り付きにあり沢からも距離があり増水時でも安全そうだった。そして、小屋内も思ったより綺麗だった。ここで登山靴に履き替え、沢靴は置いてゆく。百間ボラに繋がる福川と荒川大崩壊地から流れる沢の間の尾根を登る。メチャクチャ急な尾根で疲れるが標高は見る見るうちに上がる。標高差1250mを3時間強で登りきった。南アルプスは稜線直下まで樹林帯なので直下で一気に視界が開けるドラマチックさが良い。稜線上はガスと晴れを繰り返しており、赤石は分厚い雲の中だが、悪沢は時々晴れ間も見える。今日は悪沢を狙うことにした。
荒川小屋は大聖寺平から20分ほどの絶好の位置。水も豊富に引いてあった。テント設営後、まずは荒川中岳に登るが、意外と時間を消費し、3時半になった。幸い雷のなる気配は無い(悪沢岳は雷が多いところで有名)が、悪沢まで行くとテントに戻るのは暗くなってからになるのではと不安になる。とりあえず行ける所までと思い歩いているうちに悪沢山頂までついてしまった。荒川小屋から1時間半。空身とはいえこんなに早くつけるとは。残念ながらガスは晴れなかったがここも再登なので良しとする。テントには日没直後の6時前に帰ってきた。
ご飯を食べて酒を飲んだらそのままバタンキューだった。明日は赤石ピストンしてそのまま下山だ。
2日目:
夜寝るときはとても寒かったのに、日が変わるころ暑くて目を覚ました。暴風が吹き荒れており時々小雨もぱらついている。まず頭に小渋川の増水のことが浮かんだが、予報では水曜日までは大荒れにはならないはずだ。心配しても仕方が無いがなかなか眠れない。
朝起きると天候は更に悪化しており、横殴りの暴風雨になっていた。テントから出るのが億劫だが、今日下らなければならないので意を決してテントを片付ける。あっという間に全てずぶ濡れになった。幸いにも今日は北東の風で、大聖寺平までは追い風になりあっという間に到着。赤石はここから往復2時間ほどだろうが、この天気では行ってもただの苦行である。想像していたより雨量も多く小渋川の増水も気になるのでこのまま下ることにした。
ところが、20分も下ると向こう側が晴れてきた。どうやら暴風雨なのは稜線上だけらしい。こういうケースは何回か経験しているが下界の予報は晴れなので全く当てにならない。不運だったとしか言いようが無い。
小屋に着き、沢靴に履き替えて沢を下り始めると、ギラギラした太陽が照り付けてきて一気に真夏になった。途中、高山の滝で小休止。水しぶきが涼しげで気持ちが良い。小渋川は基本的に河原歩きなのだが、函のような狭い流れも何ヶ所かあって変化に富み、飽きない。暑いので意識的に川の中をジャブジャブ歩いた。実に爽快な気分で正午前に林道ゲートまで戻ってきた。
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肝心の赤石岳に登れず、悪天候で難儀もしたが、小渋川は暑い日には壮快で実に気持ちが良かった。今度こそはもう一度赤石に挑戦したい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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triglav さん,初めまして。rikimaruと申します。
小渋川を遡行しての山行,その怒濤のようなパワー溢れる記録に敬意を表します。
私など足下にも及ばぬ快足,すごいです。
また,私のトホホの記録もご覧頂き,ありがとうございます。
そこで,質問なのですが,私の小渋川道迷いにおいて,右岸への取り付きがあれで
良かったのか? もしかして,岩ゴロのルートをそのまま行けば良かったのか?
ご教授頂ければ,たいへん参考になります。
私の記録にその旨追記することで,ヤマレコ読者への情報提供にもなりますので,
よろしければ,その辺のところを,教えていただければ,助かります。
コメントありがとうございます。
私より1日早く出発されたのですね。天気の良いときに稜線におられたようでうらやましいです。
さて、お問い合わせのルートですが、ご指摘の箇所を私もおぼろげにしか覚えていないので正確でないかもしれません。
私は登りはキタ沢の出合を見ながらずっと河原を行きました。基本、高巻きはないとの情報を得ていたので、川筋から外れるつもりは全くありませんでした。でも、下りでは何故かペンキマークを見つけて右岸のヤブの中の踏み跡を通り、気がつくとキタ沢をすぎていました。多分、ここの箇所のことを言われているのだと思います。
どちらが正しいとは決められないと思います。沢ルートはそもそもしょっちゅう荒れますので、歩きやすいところも変わりますし、河原での恒久的なマーキングはとても難しいことだと思います。逆にマークに従ったために危険な思いをすることもありえると思います。
その都度判断して安全に通れるところを通るというのが一番良いのではないでしょうか? 私の感想で申し訳ありませんが。
rikimaruさんも単独登山が多いのですね。お互い安全登山を続けて長生きしましょう。
やはり,小渋川遡行は,岩ゴロ帯の中,キタ沢の出合の先を左にカーブして,避難小屋を目指すのが正解だったようですね。
仰られるとおり,あのように頻繁に大水でルートが変わるようなところは,赤ペンキの表示などあてにせず,地図できちんと現在地確認をしながら歩くことが肝要なのだと理解いたしました。どうもありがとうございました。
ところで,これまでのヤマレコの記録をざっと拝見いたしましたが,敬服いたしました。
素晴らしい記録に,言葉もありません。
私など,平凡なサラリーマン生活の中,せいぜい2〜3泊の縦走でお茶を濁していますが,triglav さんの記録はすごいですね。
海外遠征も含めて,今後とも迫力ある素晴らしい登山の記録を,楽しみにしております。
このたびはありがとうございました。まずは御礼まで。
過分のご感想ありがとうございます。
私も平凡多忙なサラリーマンで頻度多くは登れません。徐々に体力も衰えます。rikimaruさんの方がずっと多くの日数を登られていると思います。
これからもお互い無理せず楽しんでゆければ良いですね。
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