奥久慈男体山
- GPS
- 04:35
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 784m
- 下り
- 782m
コースタイム
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 4:36
天候 | 曇り、時々軽い霧雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
健脚コースを下る場合、樹林帯に若干の紛れがあります。 大円地越えから頂上稜線に乗ったあとでぐっと下るところと、山頂からあずまやに下る所はいずれも急な土の斜面で滑りやすいです。 一般コースの頂上稜線は断崖の横を歩くので、すれ違いのときは慎重になりましょう。 一般コースのニリンソウとスミレがいい感じです(3月28日現在) |
その他周辺情報 | 足湯サービス「湯恵」(ゆめ)休止中です。(2020年3月28日現在) |
写真
装備
備考 | 雨具、水、ホットコーヒーの水筒、ヘッドランプ、スマホ(機内モードでGPS用)、タオル(頭に巻くと汗が目に入らないのでお勧め) ■持ってくるつもりで忘れたもの デジカメ、携帯(持ってはいたが電池切れに気づきませんでした)、ファーストエイド(特に花粉症対策の点鼻薬と靴ずれ用の絆創膏)、行動食(アミノサプリ) ■あればよかったもの モバイルバッテリー(今回要らないと思っていましたがスマホも途中で電池切れに) |
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感想
車による移動中は往復ともに雨だったが、奇跡的に歩いている途中はほとんど全くといっていいほど雨に降られず、健脚コースの下りも乾いていて靴底が岩場によく噛んだ。林道沿いののサクラとナノハナ、スイセン、そして一般コースの一面のニリンソウとスミレを楽しめた。気温もほどほどで、うららかな良い山行きになった。
(以下は未来の自分のためのメモ。長文注意)
ピノノワールは魔性の女、その極めつけ付けに完全に魂を抜かれてしまった。ほとんどうつ状態に近いような3月をすごであったが、暖かくなり桜の便りが聞こえだすと、また山に登ってみようかという気持ちになってきた。しかし山の神も女。生半可な気持ちで臨むとその代償として命を奪われる。まずはなじみのコースを歩き回ることで、自分の身体と気持ちを確かめてみよう。
この週末は首都圏へ出る予定でいた。新型コロナウイルスの感染拡大でも予定の変更はなかったのだが、悪天候により外出の目的(屋外作業)が果たせず、あまり意味がなくなった。それならば逆にアウトドアのチャンス。雨が降ったら濡れればいいさは「雪山賛歌」の一節(なんで雪山なのに雨?)は置いておいて、ずぶぬれになりながら歩くことも訓練の一環だと思えば悪くはない。
などと息巻いて、でも本当は家でごろごろしたいのだが、家を出たのは7時過ぎ。今日はいつもの男体山をいつものように歩くだけだし、車にガソリン入れないと、西金駅までたどり着けないしというわけ。
国道を走らせるとすぐにワイパーの連続運転が必要な雨になった。細かいけれども密度の高い、歩いていると傘を差していても傘をくぐって服をぐっしょりとぬらす雨だ。最初から雨具着用だろうと思いながら、118号を北上した。
遠くに奥久慈の山が見えるはずだが良く見えない。むしろ桜があちこちで目に入ってびっくりした。ここのところの暖かな陽気で桜前線が一気に北上したのか?それとも、山の中でも日当たりのいいところは下手な里よりも暖かいのか。桜に思いを馳せるうちに気がつくと雨が止んでいた。西金駅に着いた。ところどころ青空さえのぞいていた。
青空撮影しようとして、デジカメを持ってこなかったことに気がついた。ならば携帯でと思ったが、携帯の電池がいつの間にか切れていて電源さえ入れられない。GPS代わりのスマホで撮影となったが、この代物GPSの精度以外は電池の減りも早いし、カメラの機能も貧相だ。カメラだから安全上問題な忘れ物ではないが装備チェックを怠っているという心がけの悪さ点では、これが事故につながる忘れ物にもつながりかねない。ブランクの影響を感じた。
駅のトイレで用を足しながら、前回の夜明け前の用足しのときは、個室に誰かいるような気がしてどきどきしたことなど思い出しつつ、準備完了。製材所のヒノキの良い香りと、あちらこちらに見える満開の桜、そしてこれまた筆者が大好きな春の彩りである菜の花を眺めつつ、男体山へ続く林道を歩いた。
程なく遠くにチラッと顔を出す奥久慈岩稜。やっぱりいい。たまらない。真冬のピリッとした寒気も悪くないけれど、道端の草花を見ながらリラックスした気分で見る奥久慈岩稜も良い。癒される。菜の花、水仙、スミレ、ソメイヨシノ、ユキヤナギ。冬だ冬だ寒い寒いと思っていたけれども、いつの間にかこんなに花が咲いている。時々目を閉じ、水仙や桜の香り、湿った土の香り、囲炉裏の灰の香りなどを探っていくのも楽しい。
そしていつもの場所から現れる奥久慈の山々、入道岩、鷹取岩、いつかあの岩塔へのアプローチを試みる日は来るのだろうか。そして盟主奥久慈男体山が民家の向こうから出迎えてくれた。ううむはやり格好良い。日が出てから歩くほうが興奮する。
天気予報が雨だったし、実際雨が降ったので、大円地の駐車場は10時近くになってもまだ1台しか停まっていなかった。今日は静かな山行きになりそうだ。
この時期から夏にかけて、奥久慈の山行きには花粉症による鼻たれに悩まされるのであるが、幸い、花粉症の影響が出てこなかった。今年の花粉は少なめなことには助かっている。また2月早々から薬を飲み続けている効果も出てきたのではないか。2ヶ月かけて漸く服薬の効果が出てきているのかもしれない。
恒例により、登りは一般コースをじっくり歩いた。ジョギングは断続的に行っているが、山を登る筋肉の使い方からはずっと遠ざかっている。昨年暮れの山行きで、山用の体力が落ちていることを痛感させられたので、ばてきらないペースで、でもペースをあまり変えずにじっくりと歩くことをころがけた。
しかしその心がけは登山道脇に咲いているスミレとニリンソウの群落に簡単にペースを崩されてしまった。ニリンソウはもう少し先だと思っていたし、実はこの時期に男体山を登山することはあまりなかったので、ニリンソウにお目にかかることはまるで期待していなかったのだ。ニリンソウは白い花だとばかり思っていたが、花弁の裏側は淡い赤紫色であることに改めて気がついたり。
そのほかにも、マムシグサの黒紫の妖艶な芽ばえ、筆者が偏愛するイワツメクサさんの親戚であるところのミヤマハコベにも足が止まった。いろいろと春らしい動きが感じられる。
一般コースの終盤、少し沢底をあるようなところを通過して、大円地に出るのであるが、その沢が、大声で鳴いていた。カエルの繁殖期である。いよいよ交尾と散乱という時期になると沢に恐れを知らずに出てきて大騒ぎするのだが、まだ少しそれには早いのか、もう遅いのか、カエルの姿を見ることはできなかった。大合唱は岩の隙間から聞こえてきた。その大合唱を過ぎれば、明るい大円地越えに到着だ。
汗をぽたぽたたらしながら、温度計を撮影した。気温15度。ほとんど夏に近い気温だろう。水を飲んで頭にタオルを巻き。くびれの底からのひとのぼりだ。ここからぼちぼち軽い岩場歩きが始まる。巻けるところも巻かないであえて岩ばかり歩くことを試みて、岩稜への慣れを確かめた。
何日か前にやってみた近所の土留めのブロック登りは、若干怖かった。落ちたらどうしようと思い出すと、思い切ったことができなくなる。最初からそういう登はん性のある山行きに手を出さないならばそれでもいいが、もしもやるなら、危険と安全のみきわめをして、行くべきところはどんどん行かないと、かえって不安定なホールドの取り方をして危険を誘発したり、逡巡しているうちに体力を落として足を滑らせたりと事故の危険性を不必要に高めてしまう。
むろん、男体山の一般コースでそういった危険はかなり低い。基本をおさらいするときにはこのくらいのところで自信をつけていくのには丁度良い。そんなちょっとした岩場をよじるような歩くような感じで山頂に到着した。祠に手を合わせ、今年の精進を誓うとともに安全を祈願した。
あずまやまで下山し、水を飲み、雨に備えてあらかじめザックカバーをかけて、恒例により健脚コースをクライムダウンした。鎖に頼らないで岩場ばかり選んで下りようとすると少し怖いのだが、コツがある。それは靴底の摩擦を使って足裏全体で立とうとすることだ。なかなか靴底の摩擦を信頼することができないのだが、もともと健脚コースの斜度はすごくはないし、奥久慈の岩は礫岩質ででこぼこなので、どこかに立ちこんでホールドがすっぽ抜けるよりも面で捉えたほうが安定する。すくなくとも岩が乾いているときにはこの方法は非常に有効だが、暫く経つと忘れてしまうし、怖がると出っ張りに立ちこもうとする気持ちが強くなる。まてまて、靴底を信じるのだ。ハンドホールドはほとんど頼らなくても摩擦だけで立てるのだ。
今回はどのくらい靴底に頼れたかを反省してみると、まあまあだったと思う。前回の男体山登山のときよりはまともだったような気がする。しかしまだ動きがぎこちない。岩稜に身体が慣れていないのであろう。暫くはこういうところで身体と心を慣らす必要がありそうだ。
展望岩脇の狭い岩溝を抜け、最後の鎖場から座禅小僧(筆者勝手に命名)を見上げた。初登頂したときはあっさり登れてしまったが、今見直すとなかなかの斜度だ。ピッケルと重登山靴で落ち葉につま先を打ち込むようにして登ってしまったのだが、よくもまあできたものだなと思う。レベルがアップしていく過程では恐怖心というものは感じないのだろうか。あの時も座禅小僧から座禅岩(これも筆者勝手に命名)への登はん路にかなり怖い箇所があったがなんとなくできてしまいそうな気がして、あれこれやりくりして通過したのであった。気の持ちようは大事だ。
樹林帯に入り、日中でも最近紛れが多くなったなと感じながら、最後の潅木のトンネル(春前でやせてた)を通過し、茶畑の横に出てきた。後は林道を西金駅へ向けてのんびりと歩くだけ。最後に旧道を回って沢水を1Lペットボトルにくみ、118号を横断して自家用車へと戻ってきた。
また雨が降り始めた。
翌日は夕方までみぞれ。筋肉痛を理由にあっさりと外歩きはサボって屋内でごろごろして過ごしてしまった。
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