燧ヶ岳~至仏山(過去レコです)。
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 1,799m
- 下り
- 1,716m
天候 | 晴れたり曇ったり。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所もります。 |
写真
感想
08年10月11日からの3連休、尾瀬に行く事にした。本日の宿泊先である国民宿舎尾瀬御池(みいけ)ロッジに到着したときは7時を過ぎ、すぐに夕食を済ませ、お風呂へ。疲れた身体をほぐし、さっさと就寝。
翌朝4時に起床。朝飯の弁当を布団の上でかき込み、外へ出るとまだ真っ暗。ロッジの前には大型バスがずらりと並び、駐車中は乗用車でほぼ満杯状態。さすが尾瀬、大挙人が押し寄せて来ている。寒いのでカッパの上着を着込み、ヘッデンをつけて5時10分に御池登山口に入る。始めは緩やかな登りであるが徐々に勾配を増していく。道は所々ぬかるんでいるが、スパッツを着けていて正解。30名ほどの団体さんが休んでいて、お先にどうぞと云う。聞くと岡山から羽田まで飛行機できて、あとはバスで来たとの事。1時間ほど登ると広沢田代に到着。草紅葉の湿原が広がり、池塘が点在する中、木道を歩く。黄金色に染まった草の先っぽは凍って白く風になびいている。折角の木々の紅葉も、曇り空の下ではいま一つ輝きが無い。ここら辺りのダケカンバはすでに紅葉の時期を通り越し、落葉している。濡れた木道に積もった落ち葉で滑らないよう注意が必要だ。湿原を抜けると再び急登。斜めに付けられた木道は凍ってツルツル滑るのでこれまた要注意。広沢田代から1時間ほどで熊沢田代に到着。再び草紅葉と池塘の中、木道を伝って湿原を横切る。湿原からは一層勾配が増し、見上げると紅葉の林の上に真っ白な木が、まるで桜が満開している如く並んでいる。樹氷。雲が流れ青空が顔を出し、その白さを際立たせる。赤、黄、白と空の青さ、思いもかけぬ光景が目の当たりにし、思わず感嘆の声をあげる。落ち葉はまるで縁どりした如く、その周りだけ氷をつけている。
登るにつれ木の背丈は低くなり、白く氷りを冠ったハイマツが広がる。振り返れば山々は緑、黄、赤、茶、白とモザイク状に染まり、白く連なる樹氷の下に、熊沢田代が小さく、黄金色に輝いている。秋から冬、エビのシッポまで出来ている。やがて柴安瑤見え始め、それを右手に見て登ると眼下に尾瀬沼が現れる。その向こうに連なる山々は日光の山々、男体山と奥白根は登ったぞ。そして俎堯覆泙覆い燭阿蕁2346m)の頂上に立つ。大岩がゴロゴロ重なった頂上でひと休み。目の前に柴安堯眼下に草紅葉の尾瀬ヶ原が広がり、その果てに至仏山が横たわっている。尾瀬ヶ原を囲む山々は全山紅葉に染まっている。至仏山の左手に、小至仏、悪沢、その左手奥には来週登る予定の上州武尊が連なり、さらに左手に目をやると、な、なんと富士山まで見えるではないか。何処から見ても富士山はすぐわかり、そしてわたしも日本人、「あ、富士山が見える」、と何故か喜ぶ。富士山の手前には赤城山の峰々、ぐるりと周って奥白根、男体山、会津駒、しばし至福の時を過ごす。俎瑤魏爾蠎動濁瑤謀个衒屬后8翆咾ら柴安瑤泙如標準所要時間は3時間半、わたしは登り始めてから4時間半かかって柴安頂上(2356m)に到着。まだ10時前、ちょっと早いが、ロッジの作ってくれた弁当を取り出し、素晴らしい景色を眺めながらの昼食とする。ここは東北地方で最も高い山、どれだけ眺めていても飽きない大展望。秋色に染まった尾瀬ヶ原、茶色と見るか黄金色と見るか、今のわたしには黄金色に見える。たっぷり休んで下山にかかる。頂上からもこれから向かう下田代十字路(見晴)が見える。ま、大したことは無さそうだ、と思いきや、これがなかなか長い。急坂で、尾瀬ヶ原、至仏山を眺めながらという余裕は無い。2度足を滑らし、弁慶の泣き所を打つ。樹林帯に入ると眺めはなくなり、下を向いて足場を探しながらひたすら下る。見晴はまだかまだかと下り、徐々に傾斜がゆるやかになって周りの紅葉を楽しむ余裕が出てきた頃、ようやく尾瀬沼から続く木道と合流。それからは木道の散歩、下り始めて3時間40分、幾つもの小屋が立ち並ぶ見晴に到着した。ベンチに腰を下ろして大休憩。赤や黄色に染まった林、中でも大木にからみつくツタウルシの赤がひときわ目に付く。さていよいよ尾瀬ヶ原縦断。黄金色一色に染まった原に続く木道を、至仏山に向かって進む。尾瀬ヶ原を端から端まで、長い距離を歩くのだが、周囲の眺めはず〜っと同じ。でも、その景色は歩くにつれ微妙に異なる。池塘のスミレグサも紅葉、小川には小魚が群れ、池塘に写る逆さ至仏に逆さ燧。退屈さを感じさせぬ2時間ちょっと、尾瀬ヶ原を堪能した。山の鼻の至仏山荘はほぼ満員、その一室、「わたすげ」は、両側に二段ベッドが並ぶ部屋。狭いベッドではあるが占拠することが出来るのは有難い。石鹸は使えないが風呂もある。夕食後、2階の談話室でパワーポイントを使っての従業員による尾瀬のお話し。それが終わって早々とベッドにもぐり込むが、いつもと同じ、眠ったのか眠らなかったのか、ウトウトと夜を過ごした。
翌朝は4時半に起床。談話室で朝飯の弁当を食べてから5時半に外に出る。もう明るくなり始め、今日はヘッデンは必要無し。植物研究見本園の湿原は朝もやがかかって、これぞ尾瀬の朝。登山口に入ると樹林帯、眺め無しのかなりの勾配。朝、まだ慣れない身体、心悸亢進。汗も出始め、登りながらカッパを脱ぐ。至仏山は蛇紋岩の山、岩から溶け出すマグネシウムで超塩基性の土壌。その為、至仏山には山林が育たないと云う。山の鼻は標高1400m、300m登った標高1700mですでに森林限界となる。そして振り返れば青空の下、燧ケ岳を中心に両側を山々に取り囲まれた尾瀬ヶ原は、すっぽりと白い雲に蓋をされている。これまた尾瀬の朝、別世界。ではあるが蛇紋岩の階段はツルツル滑って登りにくい。ざらざらしているように見える石でも、ちょっと傾いているとツルリと足を取られる。初めは小さな石ころだったが、登るにつれ蛇紋岩は大きくそして表面が滑らかになっていく。ツルツルの表面は登山者の足で磨かれ、一層ツルツル度を増している。雨の日にはとても登れそうにないなと思いながら、足場を慎重に選んで登る。尾瀬ヶ原と至仏の間の登山道は登り専用、すれ違う人が誰もいないのがいい。立ち止まって振り向くと、尾瀬ヶ原を蓋していた雲は植物研究見本園の辺りから徐々に消え始め、黄金色の草紅葉が現れ始める。そろそろ頂上かと頑張って登って着いた所は偽山頂、まだ先に本物の山頂を仰ぎ見る。と、雲ひとつ無い青空。3時間20分かかってようやく至仏山頂上に到着。尾瀬ヶ原を塞いでいた雲はすっかり消え、黄金色の山々に囲まれた尾瀬ヶ原の全貌が現れ、その後ろに黒い燧ケ岳がど〜んと構えている。尾瀬を囲む左手の山に、ひと際目立つのは景鶴山。右手の山にはあやめ平の草紅葉。尾瀬だ〜。燧ケ岳を挟んで左に会津駒ケ岳、右に男体山と奥白根、景鶴山の左手には平ヶ岳、そして魚沼駒ケ岳の越後三山。ぐるっと周って武尊山、今日もフジサンが見えるぞ〜。360度の大パノラマ。ゆっくり楽しみはしたが、でもいかにも人が多すぎる。小至仏から鳩待峠へと左に続く尾根、至仏の下りはこの尾根を通る。しばらく下って鞍部から小至仏に登り返す。鳩待峠からドンドン上がってくるのですれ違いに時間がかかる。蛇紋岩は一層大きくなり、滑り台のようにお尻を使って降りる。森林限界が過ぎ林の中、ウラジロナナカマドの赤が映える。赤や黄色のカエデ、白い幹のダケカンバは薄黄色に色づいている。水が流れて深く掘られた溝状の登山道、ストックを持たないので段差を小刻みに下る。もう蛇紋岩も無くなり、12時、山の鼻から6時間20分の行程で鳩待峠に到着。売店で缶ビルを飲み、花豆ジェラードを舐める。「わたすげの湯」で汗を流し、生ビールを飲みながら食った昼食が旨かった。
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