谷川岳(過去レコです)。
- GPS
- 32:00
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 924m
- 下り
- 908m
天候 | 曇り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
谷川岳では700名以上の人が遭難死しており、「魔の山」と呼ばれている。そんな山に登ろうとは夢にも思っていなかったが、日本百名山の本を読むうちに初心者でも登れる山である事が判り、この有名な山にいつかは登ろうと考えていた。平成15年7月26日梅雨深し折り、中央道を諏訪でおり蓼科、軽井沢を経て沼田に向かった。月夜野から水上温泉を過ぎ、明日乗る谷川岳ロープウェイの乗り場と駐車場を確認した。沢山の登山姿の人が歩いている林道を進み一の倉出合いに出ると、一の倉沢の岸壁が飛び込んで来た。7月も終わりだというのに大きな雪渓が残っており、それを中心にそそり立つ険しい巨大な岩壁に神々しさを感じるとともに、その凄さに圧倒された。林道を引き返し、本日の宿である水上温泉のホテルに入った。ニュースでは東海地方は梅雨明けとなったが関東地方はまだ雨が続くとの事であり、宿から見える雲の中の谷川岳を見ながら明日の天気が良くなる事を祈って眠りについた。
朝6時からロープウェイが運転されるとの事であり、5時半に宿を出た。ロープウェイの駅にはすでに10人程が列をなして待っており、われわれもその列に加わった。ロープウェイとはいえスキー場の数人乗りの所謂ゴンドラであり、次から次へと動いている。始発から4番目のゴンドラに乗り込み天神平に降り立つと、爽やかな朝日のもと谷川岳の双耳峰の頂きがくっきりと見え、久し振りの雨無し登山が出来る事を喜んだ。妻は喉が痛く風邪気味なので天神平周辺のお花畑の散策にとどめ、頂上へは一人で行く事にした。6時18分、木道が整備された登山道に入り、カラマツソウの咲く雑木林の中の道を600m、15分程歩くと天神峠からの道と合流する。大きなリュックを背負った若い男性と中年の夫婦連れを追い越して天神尾根を快適に歩き、6時55分、熊穴沢ノ頭避難小屋に到着。小屋の周辺には数人が休んでおり、わたしも小屋の中に入りザックを下ろして水分を補給。小屋からの道は急登となり、鎖も設けられている岩場もある。これを30分程ゆっくり登り、「天狗の留まり場」という岩を回り込み尾根を進むと、ガスが出始めて頂上の双耳峰には雲がかかって来た。汗をかきかき登り、途中「天神ザンゲ岩」で呼吸を整え、「肩の小屋」が見えるようになると元気も出て来て、8時20分に小屋に到着した。小屋の左手に万太郎山につづく尾根が延び、右手にトマの耳への登山道が見える。以前は無人小屋であった肩の小屋は、引退された山岳救助隊の隊長さんが小屋主となって営業しているとの事であった。小屋から10分、天神平から2時間10分でトマの耳に着いたが生憎のガスで視界は効かない。トマの耳を越えて下った尾根道は高山植物の花盛りで、ハクサンフウロ、ホソバナヒナウスユキソウ、ミツバオウレン、ミヤマアズマギリ、シモツケソウ、ウサギギク、ニッコウキスゲなどが咲き誇っている。尾根の左側の万太郎谷は緑豊かで穏やかであるが、右側は急峻なマチガ沢の断崖となっており、高度感もある。トマの耳から10分程でオキの耳に到着した。ガスは無くなくなっていて一の倉岳への主尾根が続き、左右に谷川岳から派生する幾つかの支尾根が伸びている山また山の世界である。一の倉沢を覗き込むと目がクラクラする程の断崖絶壁で、吸い込まれそうな気分がしてすぐにその場を離れた。頂上にはわたしも含めて5人がいた。その内の一人でわたしと同年代と思われる人は、昨日は苗場山に登って百名山を目指しているという。せかせかとした、所謂ピークハンターの典型のような人だ。一人は分水嶺を登ることを目的としていると云っていたが、いろんなテーマを持ってそれぞれが山登りを楽しんでいる。わたしの山登りのテーマはこれといったものは無く、世俗を忘れられ、通常と違う世界にいられる事が何よりの楽しみだ。9時5分にオキの耳を出発しもと来た道を下って行くと、沢山の人とすれ違い、肩の小屋の周辺には大勢の人が休憩していた。熊穴沢の頭に至る細くて急な登山道を、何パーティーもの人達とすれ違い、中にはバス1台分もの団体の登山者もある。本来ならば下る人すなわちわたしが立ち止まっているべきなのであろうが、それをしていると何時まで経っても先に進めないので強引に団体の中に突入する事を繰り返した。2度、滑って尻餅をつき、途中、熊穴沢の頭避難小屋で水分を補給し、10時50分に天神平に降り立った。この時間でもまだまだ登山口に入って行く人がいた。谷川岳は2000mに満たない山で大勢の人が押し寄せてきているが、急峻な登りもあり高山植物も咲き、何よりも素晴らしいパノラマがあり大変満足した1日であった。妻はリフトで天神峠まで登り、誰一人いない、花咲く天国のような所を散策出来、これまたご満悦であった。
本日の宿、老神温泉の「仙郷」は温泉街から離れた所の一軒家であるが、ハード、ソフト、食事いずれも二重丸であった。
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