餓鬼岳 敗退 〜脱水+夕立+落雷+増水〜
- GPS
- 38:00
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 3,054m
- 下り
- 2,597m
コースタイム
10時頃 最終水場
15時頃 大凪山→餓鬼岳稜線上 百曲がり手前で撤退開始
16時頃 ガレ場にて降雨
17時頃 最終水場
19時頃 登山口駐車場到着
天候 | 晴れ→夕立 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ガレ場 落石注意 白沢 増水時は渡渉箇所消失 滝もあり危険 |
写真
感想
8月29日 仕事終わりで「しなの鉄道」→「篠ノ井線」で松本着
同行者と駅で合流→松本インター付近漫画喫茶にて宿泊
天気予報を見て行道中の夕立の可能性が高いと判断し、中房ルートを回避、白沢に向かう
白沢までの道中もう一人のメンバーにルート変更を伝える
8時 白沢砂防堤
9時 後発の残りメンバー(1名)が合流
10時 最終水場にて休憩
当日は曇りで湿度が高く湿気が纏わり付く陽気でした。
白沢登山口出発後しばらくは沢沿いを歩くのであまり気にしていなかったが水分補給が多い
途中残りのメンバーが追いつきのんびり山頂へ向かう
最終水場に着くまでに持参の水1.5Lが空いていた。汗が尋常じゃない。
この段階ですでに脱水が進行していた様です。
長めの休憩をして出発
ここから急登&樹林帯で湿度が一気に増す。汗は相変わらず多い、若干の頭痛が始まる。
ガレ場手前で両足同時に攣る。
ガレ場まで何とか到着し大きな岩の上で大休憩
水場からは若干水分補給をセーブしつつ登るが、飲む量に対して汗が多すぎる。
大凪山山頂で小休止。この段階でコースタイムを大幅にオーバー
想定範囲の時間を1時間以上遅れる
体調に変化なく苦しい
稜線上を歩くが大した登りでもないのに全く足が上がらない。
倦怠感が強くなり動く事が出来なくなり、リタイヤ
15時頃下山開始
下山は重力に任せ歩く 多少楽になり足は動くが少しの登りで体を持ち上げるだけの力は出ない。
大凪山で小休止
大休憩をしたガレ場の大岩で16時過ぎまで休憩
ここで大町市内を通過する豪雨と見てわかる雨と落雷を確認
雲の流れが南から来ており確認するが目視できる範囲に雨雲は確認できず
雷鳴はするが、かなり遠く方角的にも大町市内への落雷の音と判断
長野方向も凄い雨が降っていそうだった(実際警報が出て被害も出ていたらしい)
そうこうしている内に自分たちの近くにも雨雲が移動してきているのが分かる
体調は良くないが気温が下がってきて幾分良くなる
雷鳴もまだ遠いが近づいてきている
準備をして樹林帯に非難
直後降り始める
すぐに豪雨、雷鳴が近い
急いで高度を下げる。
途中数箇所木が頭上からなくなる箇所があり、一人ずつ渡る。
最後尾に自分が居たが二人目が渡りきりこちらを見た瞬間、なんとも言えないゾワッとした違和感と同時に周りが真っ白くなるような光に包まれる。
音はパシャンとガラスの割れるようなやや大きな音が光と同時にする。
そのまま足に力が入らなくり腰が抜ける
その後最終水場まで必死すぎて記憶が曖昧。
ガレ場から沢に出るまで気付けば、ほぼ走り通していた。
体調は雨に打たれかなり回復している、それ以上にアドレナリンが出ており疲れなどあまり感じていない感じ。
白沢に出る頃には雨も峠を越え雷が若干残る程度になる。
まだ雷鳴は近い範囲でもなっていた
時間は水場付近で17時を過ぎていた
白沢は当然増水しているがピークは過ぎており、渡渉出来ない程では無いが注意しつつ渡る
ルートも水没し通れない箇所が数箇所あった
途中鉄梯子を過ぎた所からヘッテンを使用
鉄梯子手前の渡渉箇所(滝の上)の流れが早く、渡渉箇所を探すのに時間をとられる、一番体重が重く背の高い自分が支えになり二名を誘導
その後も濡れた橋や高巻きに注意しつつ19時過ぎに下山完了
頭の先から足の先まで乾いた部分は一切無くしっかりずぶ濡れ。
大町市内まで出て時間ぎりぎりで大町温泉郷 薬師の湯へ
脱水症状でのトレランで痛めつけた筋肉をほぐしました。
その後、夕飯を食べましたがあまりの疲れで、食べ物を受け付けませんでした。
反省点
当日までの寝不足
水分補給のペース配分ミス
体温調節のミス
下山に至るまで判断の遅さ
天気図を見ていたにもかかわらずの行動時間
雷雨での行動
増水した川での渡渉
当日の天気図と山を見ての判断で東沢尾根を回避したのは正解でした。
そのコースを採用していた場合、稜線上で雷だったはずです。
樹林帯での雷でリスクは多少減りましたが、実際には落雷もあり、直撃も有り得ました。
事故が起きて遭難していた場合、今回の反省点全てが原因の天災による遭難とはならないでしょう。
今回は運良く下山することが出来ましたが、無茶な行動であった事に違いはありません。
イレギュラーに対応する迅速な判断、決断、行動が山では必要という事を再確認した山行でした。
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