記録ID: 234141
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ハイキング
奥秩父
梓川岩小屋 国師ヶ岳(廃道の岩屋林道パート2)
2012年10月13日(土) [日帰り]


- GPS
- 09:35
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 644m
- 下り
- 640m
コースタイム
大弛峠6:15-前国師岳7:55-国師ヶ岳7:05/7:14―倒木地帯7:32(通過に約20分)―尾根からの下降点7:55―水場8:45/8:55―小沢横断9:45―梓川岩小屋9:50/12:10(2時間20分休憩)―小沢横断)12:20―水場12:55−尾根からの下降点14:00―国師ヶ岳14:50/15:05―大弛峠15:50
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
大弛峠に約20台分のまともなスペースがありますがこの時期午前6時前に満車です。 あぶれた車は路駐しますが山梨県側は1km下まで止められていました。長野県側の林道にも駐車できます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
梓川岩小屋と岩屋林道: その昔、長野県川上村梓山から常楽院平(町田市民休暇村のあるところ)を通り梓久保林道と岩屋林道が国師岳へと続いていた。その途中には梓川岩小屋ある。 今は歩く人がなく廃道となり、踏み跡も僅かで道は荒れ放題である。 昨年、常楽院平から梓川岩小屋までを歩いたが、今回はその残りの国師ヶ岳から梓川岩小屋までを歩いてきた。 危険箇所: 倒木地帯。倒木多数で足が地面に殆ど着かないで進む場所が15分程連続する場所があります。雨や霜が付いている場合は大変滑りやすいです。 不明瞭箇所: 殆ど歩く人がいない廃道なので全体的に踏み跡は不明瞭です。踏み跡が無い所も沢山あります。歩く場合は1/25000の地図やコンパスを必ず持参してください。獣道もありますので引き込まれないように見極めが必要です。 虫、獣: もう秋なので虫はいませんでした。 イノシシのヌタ場があります。行きには澄んでいたヌタ場が帰りには濁っていましたので、それなりにいるようです。 水場情報: ・国師ヶ岳と梓川岩小屋のほぼ中間地点で小さな沢を横切りますが、この水はそのまま飲めそうです。夏場は枯れている可能性もありますが、80m程下方向には梓側本流がありますので、万一の場合そこで水が得られます。 ・岩小屋の前には3方向から水が流れています。これらは岩小屋の前で一筋に合流しています。これは岩穴窪(窪は沢の意味)と昔呼ばれていたようです。 一番水量の多い沢は、梓川岩小屋の前を国師ヶ岳方面へ15分程進んだ位置から流れ始めています。飲む場合は沸騰させれば問題ないと思います。これは枯れることはないと思います。 二番目に水量の多い沢は、岩小屋の前の数十メートル上から流れ始めていますが、最初は水量が少なく汲むのはコップなどの浅い容器が必要です。 一番水量の少ないのは、岩小屋の前の少し上から流れ始めていますが、水量が少なく汲むのは難しいでした。 今回の全体の記録: 今回のコース全体の様子はYamaotoko7さんの記録にお任せし、私の記録は国師ヶ岳から梓川岩小屋まで詳細を書きました。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-233755.html 国師ヶ岳から梓川岩小屋までの詳細: 1、 国師岳から尾根からの下降点 国師からは踏み跡があり、ピンクテープ、赤テープ、赤ペンキなどがあります。標高2540mから2470m付近は倒木地帯で地に足が着かず倒木の上を渡り歩くような状態で最悪です。周囲は栂や樺の若木の猛烈な薮です。おまけにかなりの急斜面で歩きにくいです。傾斜が緩やかになると歩き易い所になりますが、少し進むと前方に地図にない高見が見えます。しかしこの付近から尾根を離れて北東方向へ降下を始めます。 2、 尾根からの下降点から水場 尾根の2460m付近から降下を初めてしばらくは傾斜のある踏み跡らしき道を進みますが、傾斜が緩くなると突然踏み跡は消えます。テープはここで終りです。 ここからはやや東へ向きを変えて倒木と栂や白樺の密度の高い林を強引に下ります。倒木は先ほどの様にひどくはありません。 しばらく下るとまた踏み跡らしきところに出るので、それに沿って進みますが傾斜は先ほどより緩やかです。 尾根からの下降点から50分ほどで水場に付きます。 水場はその上10m程から水が流れ始めており多分そのまま飲んでも大丈夫でしょう。水場の下の方80mほどの距離には梓川本流が流れていて水の流れる音が聞こえます。 3、 水場から梓川岩小屋 水場の標高は2375m位です。 水場からは傾斜の急なところもありますが概ね緩やかで歩きやすいです。しかし再び踏み跡は消えますが同じ方向へ歩いて行くとまた踏み跡に出ます。ここからはかなり歩きやすいです。 傾斜が更に緩くなり標高2270m位から今まで右下100m位に流れていた梓川本流との間に緩やかな高みが現れてきます。これは緩やかな幅の広い尾根となって梓川岩小屋の下50m付近で消滅しています。したがって梓川本流とはこの尾根で分離され川の音は聞こえません。 その後、左側から僅かな流れが現れてきますが最初はその右岸を歩きます。しばらく行くとこの流れを渡り左岸へ移動します。水は僅かで靴が濡れることはありません。なおこの流れは梓川岩小屋の前の一番流れの多い岩穴窪(窪は沢の意味)です。 左岸を少し歩くと前方に梓川岩小屋が樹林の間に見え始めます。ぽっかりと口を空けた大きな岩屋が栂や樺林の向こうに見える光景は荘厳で感激すると思います。 この流れに沿って進めば梓川岩小屋の真正面側から到着です。 関連記録: 町田市民休暇村から梓川岩小屋まで2011年11月3日に歩いた記録。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-146892.html その時同行したYamaotoko7氏の記録。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-146772.html |
写真
「山と高原地図」の1984年の地図。
岩屋林道が書かれています。なお、この地図の岩屋の位置は正しくありません。実際は記載位置から左の沢に沿った少し下です。「池ノ平」の文字の横二本線の下線の右付近です。
「画像の拡大」
この地図や次の解説書は詳細が読めるくらい拡大出来ます。画像をクリックすると現れる枠の下に「元のサイズ」の文字が出るのでそれをまたクリックします。更に画像の上にポインターを移動しクリックすると更に大きくなります。
岩屋林道が書かれています。なお、この地図の岩屋の位置は正しくありません。実際は記載位置から左の沢に沿った少し下です。「池ノ平」の文字の横二本線の下線の右付近です。
「画像の拡大」
この地図や次の解説書は詳細が読めるくらい拡大出来ます。画像をクリックすると現れる枠の下に「元のサイズ」の文字が出るのでそれをまたクリックします。更に画像の上にポインターを移動しクリックすると更に大きくなります。
「山と高原地図」の1976年の案内書。
「梓川本流を離れ右手の枝沢へ入り込むとほんの一投足で、行手にひょっこり大きな岩が現る。・・・底には乾いた白砂が敷かれ、20名くらい・・・沢の名前は岩穴窪と呼ぶ。・・・」と書いてあります。
「梓川本流を離れ右手の枝沢へ入り込むとほんの一投足で、行手にひょっこり大きな岩が現る。・・・底には乾いた白砂が敷かれ、20名くらい・・・沢の名前は岩穴窪と呼ぶ。・・・」と書いてあります。
「山と高原地図」の1984年の案内書。
こちらもほぼ同じ文章が書かれています。更に国師岳へは「岩小屋を過ぎると道は広いうっそうとした森林の中を進む。・・・右手の尾根の背を目指すようになる」と書いてあります
こちらもほぼ同じ文章が書かれています。更に国師岳へは「岩小屋を過ぎると道は広いうっそうとした森林の中を進む。・・・右手の尾根の背を目指すようになる」と書いてあります
国師岳からしばらくはピンクテープや赤テープがあります。この付近は足が地に付かない倒木の上を渡り歩きます。この渡りは15分程も続くので辟易します。
それが終わり少し進んでから尾根から外れて東側へ下り始めます。
それが終わり少し進んでから尾根から外れて東側へ下り始めます。
尾根から下り始めるとこのように踏み跡は一時的に明瞭になりますがそれもつかの間です。踏み跡は突然消えて、その後急斜面の薮を立木につかまりながら下ります。倒木も乗り越えたり、潜ったりで大変です。それでも30分も我慢すると再び踏み跡が分かるようになります。
その後また踏み跡を見失いますが、進む方向は大体分かります。この付近になると1/25000の地図では書かれていない小さな緩いピークが東側に出てきてます。
梓川本流はそのピークの向こう側を流れているのでここは本流からはかなり離れた位置です。
梓川本流はそのピークの向こう側を流れているのでここは本流からはかなり離れた位置です。
梓川岩小屋方向へ進んでいるとまた薄い踏み跡が現れてきます。この付近はかなり歩きやすいです。
左側には僅かな水量の沢が出てきました。しばらく沢に右岸を歩きますが、その後左岸へ渡ります。
渡るところの水量は僅かです。
左側には僅かな水量の沢が出てきました。しばらく沢に右岸を歩きますが、その後左岸へ渡ります。
渡るところの水量は僅かです。
感想
20歳代の終りの頃、川上村梓山から常楽院平(町田市民休暇村のあるところ)を通り梓久保林道と岩屋林道を歩いて国師岳へ登った。その時は梓川岩小屋の前を通らなかったような気がするが、三十年以上も経過した今、廃道の岩屋林道を再び歩いてみたいと思った。
昨年11月3日、町田市民休暇村から梓川岩小屋までを苦労して歩き念願の岩屋を訪ねることができた。しかしその先の国師岳までは歩いていなかった。
今回はその岩屋林道の残りの国師岳と梓川岩小屋の間を歩いた。
誰も来ない奥秩父の森の中で、往年の賑わいを思いだしながら静かに登山者を待つ岩屋。
これは一見の価値があります
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コメント
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町田市民休暇村〜梓川岩小屋〜国師岳とつながったようで、おめでとうございます
奥秩父最奥?の頃の国師岳をイメージさせるような、濃密な樹林に、私もちょっと感激でした
本当にお疲れ様でした。
余談ですが、この日は私も、大弛峠へ紅葉ドライブに行きました。
山靴を持っていれば、国師くらいまで歩いたのですが、何も持ってなかったんで、夢の庭園までにしました
15:25に峠から
masaiさん こんばんは
そうなのです。
町田市民休暇村〜梓川岩小屋〜国師岳がやっと繋がりました
大弛峠まで車が通れる林道が無かった時代、ここは大勢の登山者が歩いたと思います。奥秩父らしい深い森の中を歩いて国師へ通じる道はとても神秘的でした
大弛峠で30分差のニアミスですね。先日も別の方と町田市民休暇村でニアミスでした。今度はどこかで会いそうですね
大弛峠の甲州側500m程のところに良い水場があります。今度行ったら是非飲んでください。最高です。
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